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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



ユンホ先生、急患です!






〝俺と・・・付き合ってほしい。〟


キム先生はとても優しい。
それがどういう意味の優しさなのか、知ってはいたけれど・・・


--- お前の笑顔が天使に見えたんだ ---


僕をずっと見ていてくれた。
辛くて泣き出しそうなとき、何も聞かずに隣りに居てくれた。


・・・・・「僕は・・・正直、キム先生が好きなのかどうか分りません」

--- いいよ、それでも・・・---

・・・・・「何もできないかも・・・」

--- チャンミンは何もしなくていい、俺の隣りにただ居てくれたらそれだけでいいんだ。---

・・・・・「・・・・・」

--- お前に何も求めたりしない、ただ、俺が好きなだけなんだ。---


キム先生の頬が緩んで、その美しい顔が僕に向けられる。
溶けそうな瞳、そっと差しのべられた手を取るととても温かい・・・


・・・・・「・・・・・分りました」

--- チャンミン、大切にするよ・・・---

・・・・・「僕は女の子じゃありません・・・」

--- 分ってる。けど、してやりたいとそう思うんだ・・・---


少し恥ずかしくなって、僕は少しだけ笑いながら俯いた。






その日から、僕とキム先生は仕事の休みが合えば、その時間を一緒に過ごすようになった。

映画を観て笑ったり、綺麗な夜景を見に行ったり、時にはキム先生のマンションで過ごすこともあった。
けど、キム先生もとても忙しい人で・・・

約束してても、急な手術や出張なんかで、暫く会えないこともたびたびあった。
そんな時は、必ず電話をくれる。


--- もしもし、チャンミン? ---


きっと疲れているだろうに、会えない日には必ず声を聴かせてくれる。
キム先生は、とても優しい・・・

けど、僕は何もしてあげられない・・・
分ってはいたけれど、心が痛んだ・・・





--- あら、ユンホ先生! 何か御用ですか? ---


ナースステーションの温度が一気に上がる。

チョン先生のお出ましだ。

先輩の声が変わる。
他のナースたちも、一斉にチョン先生に視線を送る。


「あ、ちょっとお願いしたいことがあって・・・」

--- あーっと、、、それは・・・---


先輩が、ちらりと僕を見る。
チョン先生も、僕に一瞬視線を向けるけれど・・・すぐに逸らされる。


「いや、じゃあ、君にお願いしようかな? 手が空いたら、部屋に来てくれる?」

--- は、はいっ! 後ほどお伺いします♡---

「じゃ、よろしく」


裏階段で話してから、チョン先生は僕とは目を合わせようとしない。
話し掛けもしない。

僕の仕事だった 〝ユンホ先生のお手伝い〟 は、今は先輩の仕事になっていた。


--- ねぇ、シム・チャンミン・・・あんた、ユンホ先生のお仕事で何かやらかしたの?---

・・・・・「ちょ、ちょっと・・・失敗しちゃって・・・」

--- 残念だね~ せっかくユンホ先生の〝お気に入りカテゴリー〟に入れそうだったのにね・・・フフフ---

・・・・・「ま、ユンホ先生のお世話は私に任せといてよ、ね?」


そう言いながら、僕に小さくウインクをして肩を叩く。
そのまま、スキップするように軽快な足取りで、先輩はチョン先生の部屋に向かって行った。






「・・・好きだよ・・・チャンミンが好きなんだ」

「チャンミン、待って・・・」



あの時・・・
気持ちが昂って・・・

チョン先生の話を聞けなかった。


好きだから、疑った。
好きだから、冷静でいられなかった。
好きだから、裏切られたと思った。


あの時、チョン先生の話を落ち着いて聞いていれば、今のこの状況が少しは変わっていたんだろうか・・・



--- チャンミン? どした?---

・・・・・「いえ、チョンせんせ・・・あ・・・」

--- ・・・・・---


久し振りに、キム先生との食事。
車の助手席から、窓の景色を見て、チョン先生の事を考えていた。


・・・・・「ご、ごめんなさい・・・」


キム先生が苦笑しながら、僕の髪をクシャリ撫でた。

僕はなんて酷い人間なんだろう・・・
自分に怒りを感じはじめる。

曖昧な気持ちで、キム先生を苦しめることは最初からわかっていたはずなのに・・・


・・・・・「キム先生、僕・・・」


その時まるで、僕の言葉を遮るかのようにキム先生がハンドルを握って前を向いたまま小さく呟く。


--- チャンミン・・・俺、別れたから・・・---

・・・・・「えっ?」

--- 別れたって言っても、付き合ってる仲ではなかったけど・・・相手に伝えたから・・・---

・・・・・「キム先生・・・」

--- 守ってあげたい人がいるって・・・その人が好きなんだって・・・---


キム先生の視線は、まっすぐに向いていたけれど、
熱い心はいつも僕に向かっていた。

美しくて、しなやかで繊細な動き。
時に容姿は女性のようだけれど、心は誰よりも男性的で情が厚くて心根が優しい人。


--- けど、チャンミンが負担に思うことは無い。俺がそうしたかっただけだから・・・---

・・・・・「・・・・・」

--- 言わなくてもよかったんだろうけど、ただ、真剣に考えてるって伝えたかったんだ・・・---


運転席から伸ばされた掌が、そっと僕の膝の上の手に重なった・・・








--- ちょ、ちょっと!!! た、大変!!!---


ついさっき、チョン先生に呼び出されてお手伝いに行っていた先輩が、顔色を変えて走って戻ってきた。


--- こら! 院内を走らない!! 静かにしなさい、患者さんに迷惑がかかるでしょ!?---


先輩は、婦長に叱られながらも、胸に手を当てて必死に息を整えている。


・・・・・「先輩・・・どうしたんですか? 大丈夫ですか?」

--- はっ、はっ、、、あ、あのさ・・・来た・・・---

・・・・・「え? 何が来たんですか?」

--- ユ、ユン、ホ先生・・・の、婚、約者・・・・来た---



えっ? チョン先生の婚約者?・・・








- カルテNo.13- へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
昨夜遅く、無事に現実世界に戻りました(笑)
会場でお会いしてくださった皆様、楽しい時間をありがとうございました。

この数日、なんの面白味もなく淡々とお話だけ更新していたこのお部屋に、
足を運んでくださり応援してくださった皆様に感謝致します。

ありがとうございます。

そして、どさくさに紛れますが、しばらくこのお部屋をおやすみします。
お話を書くことにちょっと自信が持てない状態です。
勝手しますが、よろしくお願い致します。

皆様にとって、今日が素敵な1日になりますように。





こころ。




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