私の心の中のお話です。
ご了承ください。


Happy Valentine



--- オッパ! ユノオッパ!! ---


ほら、まただ、、、
これでいくつだ? 10個目? 20個目?


「おー、サンキュ、可愛い妹たちよ」


ふんっ、、
鼻の下伸ばしちゃって、、、

だらしない顔。


--- はい。チャンミンオッパにも♥ ---

・・・・・「ありがとう」



今日は、2月14日。

そう、世の男たちが、1年で一番ソワソワする日。



カムバックに向けてのレッスンを終えて、
レッスン室を出たところに待ち構えていた同じ事務所の妹たち。

大きなペーパーバックの中から、
綺麗にラッピングされたチョコレートの包みを差し出される。


--- 頑張ってくださいね、オッパ ---

「おーっ、お前たちもな」

--- はーい♡---


ニコニコと笑いながら、可愛く手を振って去ってゆく妹たちを見送ると、


ふぅっ、、、と、ヒョンは小さく息を吐いて、


「さて、、、」


チラリと隣りに立つ僕を見た。


・・・・・「どうかしました?」

「ううん、別に。行こうっか、チャンミン」

・・・・・「はい、、、」


歩き出したヒョンの後を、半歩遅れてついてゆく。

と、突然足を止めたヒョンが振り向いて、、、


「チャンミン、この後は?」

・・・・・「はい、僕はこの後、雑誌の取材が入ってます」

「そっか、、、分かった。じゃあ、お先に、、、」

・・・・・「はい。あの、、、」

「ん? なに?」

・・・・・「・・・いえ、何でもないです。お疲れ様です」


いつものリュックを背負って、手には沢山のチョコレートが入った鞄。
振り向きもせず、ただ手を挙げて去ってゆく。


あれ?
ヒョン?




〝チャンミナー♡ チャンミナの愛が詰ったチョコは~?〟



想像していた、ヒョンの言葉。

ヒョンも、僕がちゃんと準備しているのを知ってて、
そんな風に強請ってくる。


〝全く、仕方ないですね、、、〟


なんて言いながら、
ヒョンの為に準備した手作りのチョコレートを差し出す。


それが、毎年の恒例行事だったのに・・・


なのに、どうしたんだろう、、、
今日は朝から1度も僕にチョコレートを強請ることなく、ヒョンは僕を置いたまま帰ってしまった。


僕のリュックの中には、昨夜遅くまで掛かって準備した手作りチョコレート。


・・・・・「何だよ、、、ヒョンのバカ、、、」

---おい、チャンミン! 行くぞ ---

・・・・・「はい、、、」


ヒョンの姿を見送って、僕はそのまま仕事に向かった。






--- チャンミン、お疲れ。明日はゆっくりしろよ ---

・・・・・「お疲れさまでした。あ、あの、、、」

--- ん? どうした? ---

・・・・・「ユノヒョンは、、、」

--- あぁ、ユンホは友達んとこじゃないかな? あいつも明日オフだし、、、---

・・・・・「そうですか、分かりました」


マンションに戻ったのは、午後10時前。
結局、ヒョンに渡せなかったな、、、

14日は、あと2時間で終わり。

上昇してゆくエレベーターの中、
スマホを取り出し、ヒョンのナンバーを表示させる。

暫く悩んで、、、


・・・・・「やっぱり止めておこう、、、」


スマホをポケットに戻した。


多分今ごろ、大勢の友達とワイワイ楽しんでいるはず。
邪魔したくない。

チョコレートは、別に今日じゃなくてもいい。
明日でも、、、いいし、、、


・・・・・「うん、明日でもいい、、、」


自分で自分に言い聞かす。


目的の階に到着して、エレベーターの扉が静かに開く。
部屋の前に立ち、扉を開いた瞬間、、、


・・・・・「ん? 何、、、この匂い、、、」


玄関先にまで漂っている、甘い匂い。
リビングには灯りが煌々と灯り、そして、微かに聞こえるのは、、、


・・・・・「ヒョン?」


ご機嫌で鼻歌を歌うヒョンの声・・・


リビングに足を踏み入れると、
テレビはつけっぱなし、上着はソファに放りっぱなし、、、

飲みかけのペットボトルが、蓋を開けたままテーブルの上に放置されている。


キッチンには、ヒョンの背中、、、


♪♪ヒョンの愛をたっぷり入れてぇ~~♡♡♪♪


僕のエプロンを付けて、自作の歌を歌ってる。

どんな歌だ?
っていうか、人んちで何やってんだ?


ヒョンはまだ、僕に気が付いてはいない。
そっと音を立てずに近づいて、背中からヒョンの手元を覗き込んだ。


・・・・・「何やってんですか?」

「うわぁ、、!!!!! チャンミン!」


手に泡だて器とお玉を持ったまま、驚いて後退る。


「お、お帰り、チャンミナ、、、早かったね、、、」


顔が引きつってる。


・・・・・「ヒョン、、、」

「ん、ん?」

・・・・・「顔が、、、」

「?」

・・・・・「顔が酷いです、、、」


どうやったら、そんなに顔が汚せるんだろう、、、
そう思わせる程に、ヒョンの顔のあちこちにチョコレートが、、、

当たり前だけど、キッチンは見るも無残な状態になっていた。


「チャンミナが戻ってくるまでに完成させたかったのに、、、」

ヒョンの姿を見れば、何をしていたのかなんて想像がつく。


・・・・・「これは、、、もしかしてもしかしたら、チョコレートケーキ、、、ですか?」


あちこちにまき散らした白い粉。
カウンターの上には、膨らみ切っていないペタンコのスポンジケーキ。

そして、目の前のチョコレートまみれのヒョンの顏。


「毎年、ヒョンがもらってばかりだから、今年は俺がチャンミナに上げたくて、、、」

・・・・・「・・・・・」

「けど、やっぱり上手くいかないや、ごめんな、チャンミナ」


こうして話している間にも、ヒョンが手に持ったお玉から、
ポタポタとチョコレートが床に落ちてる。


・・・・・「本当に、、、仕方ない人ですね、、、」


僕は、上着を脱いで、シャツの袖を捲りあげる。
そして、ヒョンの手にある泡だて器とお玉を取り上げた。


・・・・・「ほら、バレンタインデーはあと1時間30分で終ります。急ぎましょ」

「お、おぅ」

--- はい、ヒョンはこれを交ぜてください ---

「はいっ」

--- あぁ、ダメダメ、、、そうじゃなくて、、、---

「うーん、、、こう?」

--- そうです。上手です ---

「ふふ、ユノシェプだからね~」


賑やかな時間は、1時間続いた。


「出来た、、、」

・・・・・「上出来です」


出来上がったチョコケーキは、
少しいびつでカッコいいとは言えないけど、、、


〝ユノ♡チャンミン〟


ヒョンがチョコペンで書いたプレートが、
ケーキの真ん中で輝いていた。


・・・・・「紅茶入れますね。ヒョンは、その汚れた顔を洗ってきてください」

「あ、そうだな、、、」


そそくさとキッチンを出て、洗面室に向かっていく。

・・・・・「ヒョン、、、」

「ん?」

僕は、キッチンでヒョンに背中を向けたままで、、、


・・・・・「ついでにシャワー浴びたらどうですか?」

「・・・・・」

・・・・・「明日、、、オフだし、、、」

「・・・・・いいの?」

・・・・・「バレンタインデーですから、、、」

「・・・・・うん、じゃあ、そうするよ、、、」


ヒョンの言葉に、無意識に頬が緩む。
シャワー室の扉がパタン、、、と閉じる音がした。



「チャンミナ、着替えありがとう」

シャワーを浴びて、濡れた髪を拭きながらリビングに戻って来たヒョンは、
テーブルの上にセットされたチョコレーキを見て目をキラキラさせている。

ここ最近、ダイエットしているヒョンは、ずっと大好きな甘いものを我慢してるから、、、


「あー、でも俺は、、、」

・・・・・「いいじゃないですか。今日だけ、、、」

「今日だけ?」

・・・・・「はい。今日だけ」


向かいあって、取り分けたケーキを口にする。


「うーん、、、あまーーーいっ」

・・・・・「美味しいです。ヒョン、、、ありがとう」

「ううん、、、なんだか、逆に迷惑かけちゃったな、、、」

・・・・・「嬉しかったです。実は、ヒョンが今日1日何も言わないから、、、」

「・・・・・」

・・・・・「ちょっと寂しかったです」

「チャンミナ、、、」


フッと思い出し、僕は席を立ち、リュックの中からヒョンへのチョコレートを取り出した。


・・・・・「はい。これ、、、」

「チャンミナ、、、」

・・・・・「僕の愛が、たーーーっくさん詰まってますからね」


ヒョンも僕も、バレンタインデーじゃなくったって、
毎日、世界中のペンから大きな愛を貰ってる。

その〝大きな愛〟に答えられるよう、日々努力して、
カッコいい姿を見せることで、〝愛〟のお返しをしているつもりだ。


けど、、、


僕のヒョンへの〝愛〟は、やっぱり何よりも誰よりも特別だから・・・・


「チャンミナ」

・・・・・「はい」

ガタン! と大きな音を立てて、ヒョンが椅子から立ち上がる。
そして、僕の手を取り強く握った。

・・・・・「ヒョン?」

「俺からのお返しを受け取れ」

・・・・・「えっ?」

「行くぞ」


そのまま、ヒョンは僕を引き摺るようにして、
ベッドルームへ、、、


・・・・・「ちょっ、ま、待って、、、ヒョンっ!!」

「待たないっ!」

・・・・・「シャ、シャワー、、、、」


パタン、、、

と、静かに扉が閉まった。



その夜、僕達がどうなったかは、
それはまぁ、皆さんの想像にお任せするとして、、、




次の朝・・・


・・・・・「あーっ、、、ヒョン、、、」

「あらら、、、、」


テーブルの上に置きっぱなしにしていたチョコケーキが、
ドロドロに溶けていたことだけは、みんなに伝えておくよ(涙)



Happy♡Valentine



皆さんも、愛する人と素敵な1日を♡






Happy Valentine ・・・ fin

読者の皆さま、こんにちは。
今日は、バレンタインデーということで、
「真夜中の観覧車。」をお休みして、こちらのお話をお届けしました。
リアルってやっぱり難しいですね。久々に書いた(笑)
いつもの切なさも、そしてお色気(笑)もちっともないけれど、、、(笑)
2人のほのぼのとしたお話を、楽しんでいただけたら嬉しいです。


それでは、素敵な午後をお過ごしくださいね。
いつもありがとうございます♪




こころ。

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コメント

  1. |

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    ( 15:35 )

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    ( 18:45 )

  3. こころ。 | -

    やっこままさまへ

    やっこままさま、こんばんは。
    お久しぶりです。お返事が遅れてごめんなさい。
    たまには、ほっこりするようなお話もいいかと(笑)
    バレンタインデーだから♡フフ
    楽しんでいただけたら嬉しいです。
    まだ寒い日が続きますが、ご自愛くださいね。
    コメントありがとうございます。

    ( 22:44 )

  4. こころ。 | -

    なおさまへ

    なおさま、こんばんは。
    御返事が遅れてごめんなさい。

    まぁ、ヒョンがチョコ作るとかありえないですけど(笑)
    けど、もし作ったらとんでもない代物が出来上がりそうですよね(笑)
    そこはやっぱり、優秀なアシスタントが必要です♡フフ

    その後、体調は如何ですか?
    治りかけが肝心です。
    無理のないように、お大事にして下さいね。
    いつもお話を楽しみにしてくださってありがとうございます♪

    ( 22:47 )

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