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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



真夜中の観覧車。-scene4-








・・・・・「ヒョン・・・上がってく? 」

「ん、、、ありがとな。でも、もう遅いからさ、、、また今度・・・」

・・・・・「ん、、、」


ユノヒョンとの約束の1日が終わる。

僕の家の前・・・
運転席のユノヒョンと、助手席の僕。
2人の間に、しばしの沈黙が流れる。

オーディオから流れてる曲。
ユノヒョンの趣味じゃない。
きっと、ミファさんの好きな曲・・・


ふーっ、、、っと小さな息を吐いて、口を開いたのはユノヒョンだった。



「なんか、、、ごめんな、チャンミン・・・」

・・・・・「どうして?ヒョンが謝ることなんて何もないよ、、、」



ユノヒョンの言いたいことはなんとなく分かる。
きっと、ミファさんの事を僕に言うつもりなんか、なかったんだと思う。

それに、泣き顔なんて、僕に見られたくなかっただろう。

僕が、あんなふうに聞いたりしなかったら・・・
申し訳ないのは、僕の方だ。


・・・・・「ヒョン、、、僕、ミファさんのお見舞い、、、行こうかな、、、ダメ?」

「ありがと。けど、アイツ誰にも会いたがらなくて、、、」

・・・・・「そう・・・・・」

「伝えとくよ。チャンミンが心配してくれてたって。」

・・・・・「うん。お大事にって、、、伝えておいて?」

「分かった。」

・・・・・「それと、、、」

「ん?」

・・・・・「ヒョンも、身体に気を付けて? 」

「俺?」

・・・・・「うん。いろいろ・・・大変でしょ? 心配だよ。」



隣りの運転席に視線を送ると、同じタイミングで、
ユノヒョンと視線がぶつかった。


「俺は、いい弟を持って幸せだな。」


少し悲しそうな笑みを浮かべて、
ヒョンの手が、僕の髪に触れる。

サワサワと優しく撫でられて、少し恥ずかしかったけど、
なんだか出会ったころの子供のような気持ちになって、僕はそのまま、その優しい感触に浸っていた。


・・・・・「今日はありがとう。楽しかった。」

「ん。いろいろ今から準備も大変だろうけど、
分からないことや困ったことがあったら、いつでも連絡しろよ。」

・・・・・「うん。そうする。」

「早く寝ろよ、チャンミン。」

・・・・・「うん。」

「ああ、、、それと、、、これ、、、」


ヒョンの手が、車のダッシュボードを開く。
そこから取り出された、赤いリボンの掛った小さめの箱・・・


「これ、、、」

その箱を、僕に差し出す。

・・・・・「何、、、これ、、、」

「ほら、いいから、、、」


グッと押し付けられ、僕はそれを受け取る。


「合格祝い。」

・・・・・「えっ? ほんとに? 僕に?」

「ん、、、気にいってくれれば嬉しいけど、、、」

・・・・・「開けていい?」

「ダメダメ、、、恥ずかしいから、戻ってからにしろよ。」

・・・・・「そう?なら、そうする。ありがとう、ヒョン。」




扉を開いて、車を降りる。
同じように、ヒョンも車を降りて・・・


「おばさんに挨拶、、、」

・・・・・「いいよ、ヒョンに会うと、母さん喜んで話が長くなるし。」


2人して笑い合う。


「じゃあ、よろしく伝えて?」

・・・・・「うん。」

「じゃあ、帰る。」

・・・・・「ヒョン、、、」

「ん?」

・・・・・「僕は、優しいヒョンを持って幸せだよ。」


ただ、ふっと口に出た言葉・・・
けど、僕のその言葉に、ユノヒョンは一瞬表情を固めて、、、

僕、、、何か悪いことを言っちゃった、、、?

そう、心に思った瞬間・・・



・・・・・「ヒョ、、、ヒョン?」

「このまま、、、、ちょっとだけ、、、」



ヒョンの腕が、僕の身体を引いて・・・
今僕は、ヒョンの腕の中・・・

すごく強い力で、抱きしめられてる。


通りはもう、暗い。
街灯が、相変わらずチカチカとしてて、、、

冷たい冬の空気・・・
吐く息は、白くて・・・

けど、ユノヒョンの腕の中はとても暖かい。
僕を抱きしめるその腕が、少し震えているのを感じて、
どうしてだか、僕は泣き出しそうになってしまった。


どの位、僕達は抱き合っていただろう。


突然、バッ、、と音がするくらいの勢いで、
ユノヒョンが僕の身体を引き離す。

その瞬間、僕たちの間に冷たい空気が流れ込む。
一気に、現実に戻された。


「ごめん、、、帰るよ、、、」

・・・・・「う、うん、、、気を付けて、、、」


そのまま、ユノヒョンは僕を見ることなく、
車に乗り込み、走り去った。



僕は、自分の身体を両腕で抱き締めたまま、
ユノヒョンの車を、ずっとずっと、見送っていた。





・・・・・「わぁ、、凄い、、、カッコいい、、、」



部屋に戻って、ヒョンに貰った箱を机の上に置く。
少し緊張しながらリボンを解いた。

箱を開けると・・・



僕には少し大人っぽい腕時計・・・・・


静かに時を刻むその様を、
僕はいつまでも見つめ続けていた・・・・・







67へつづく


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