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私の心の中のお話です。
ご了承ください。




Shangri-La 3






タクシーの後部座席。
チャンミンは、隣りに座る俺の腕に自分の腕をきつく巻きつけ、決して離れようとしない。

静かな車内、、、
窓の外の景色を見る余裕もない。


俺の傍に、チャンミンが居る。

感じる温もりと、忘れかけていた感触、、、
もう二度と、触れることはないと、そう思っていた愛おしい人・・・

その人が、今、俺の傍に居る。



お互いに、言葉はない。

俺は、チャンミンの手を取り、どうしようというのだろう。
けれど、あの時、、、



〝ユンホさん!!!!!〟



そうせずにいられなかった。
自分が突き放し、苦しめ、泣かせていたと自覚しているのに・・・


ドンヘに、、、まるで抱かれるようにして去って行くあいつが、許せなかった。
自分以外の誰かに、身を預けているあいつを見たくはなかった。


俺はなんて、自分勝手なんだ。



明るいネオン街を抜け、外灯がぼんやりと灯る住宅街に差し掛かる。
程なく車はゆっくりと、目的の場所の前に止まった。




車を降り、タクシーのテールランプを見送る。

キョロキョロと、落ち着かない様子のチャンミンに、、、


「ここだ、行くぞ」


そう声をかけ、歩きだす。
何かに引っ張られ、脚を止めると、、、


・・・・・「こ、ここは、、、どこですか? ユ、ユンホさん、、、怖くないですか?」


俺の上着の裾を掴んで、眉をへの時に曲げている。

外灯の灯りが、ほのかにチャンミンの顔を照らす。
動揺して、瞳を泳がせている。


「ここは俺の家だ。今は、あのマンションを引き払って、ここに住んでる」

・・・・・「ユンホさんのお家? 凄く大きいです」

「だから怖くない。行こう」


チャンミンの手を掴んで、脚を進めた。





「入って、、、」


いつもと同じ、ピンと張りつめた冷たい空気が俺を迎える。
けれど、、、


・・・・・「わぁ、スゴイ、、、王さまのお家みたいですね」


贅沢を知らないチャンミンには、少しばかり大きな家は、そんな風に映るのだろう。


「そんなことはない。ただ、広いだけだ。こっちだ、、、」


今日は違った。

チャンミンの周りだけ、まるで温かい光が射しているように輝いて見える。
温かい、色のある空気、、、

俺はそのまま歩き続け、ある部屋の扉の前に立つ。

小さく心の中で息を吐き、
久し振り、、、いや、この屋敷に戻ってきた時以来か、、、
その扉を開いた。


灯りをつけて、
足を踏み入れる。


俺に続いたチャンミンが、その部屋を見て、大きく瞳を見開いた。


・・・・・「ユンホさん、、、こ、このお部屋、僕の、、、」


そう、この部屋はチャンミンの部屋。
マンションで、チャンミンが使っていたものすべてそのままにしてあった。


何ひとつ、処分出来なかった。
家具も、部屋に掛けられた絵画も、カーテンからベッドのシーツまで、、、

そして、、、



・・・・・「これ、、、」


チャンミンが、何かを見つけ、脚を踏み出す。
そして、〝それ〟を手に取り、そっと頬に当てた。


・・・・・「これ、、、僕のシャツです」






〝さよなら、、、〟



チャンミンが、マンションを出たあの日。
ベッドの上に、きちんと畳まれて置かれていた、あのチェックのシャツ。

チャンミンのお気に入り・・・


・・・・・「僕の、、、」


声を殺して、チャンミンが泣いている。
シャツを胸にギュッと抱きしめ、俯いたままのチャンミンを腕の中に収めた。


「今日はここで眠るといい。全部、あの時のままにしてある」

・・・・・「ユン、ホさ、、、っ、、、」

「チャンミン、疲れただろう。話しは明日にしよう」

・・・・・「・・・・・っ、、、ユ、、、ホ、、、さ、、、」

「泣くな、泣かなくていい。シャワーを浴びてもう休め」



着替えを持たせて、半ば強引にシャワー室へ押し込んだ。
暫くすると、水音が聞えてくる。

その音を聞いて、少し自分の心が安堵したのが分かった。



チャンミンの部屋の向かいの部屋。
俺の寝室の扉を開き、上着を脱いでネクタイ緩める。

ベッドに腰を掛けて、まるで深呼吸するかのように大きく息を吐く。

とにかく、今日は何も考えずにいよう。
自分の考えていることも理解できず、頭の中で整理できない。


シャツのボタンを1つ外し、部屋を出た。
そこにチャンミンが立っていた。


・・・・・「ユンホさん、お家が広くて、迷子になりそうです」


懐かしい、その姿、、、
パジャマを着ると、幼い顔つきのせいか、小さな子どものように思ってしまう。


「髪が濡れてる」


引き寄せられるように、濡れたその髪に触れる。


「風邪引くぞ、来い」


洗面室の大きな鏡の前に立たせ、後ろからドライヤーで温かい風を当てる。
鏡に映るチャンミンは、目を閉じて気持ちよさそうに微笑んでいた。


何も変わっていない。

白く透けるような美しい肌
少し癖のある髪
大きな瞳も、笑い顔も、泣き顔も・・・


何もかも、、、


・・・・・「ふふ、ユンホさん、、、」

「ん? どうした?」

・・・・・「くすぐったいです、、、ふふふ」

「ほら、乾いた。これでいい」


手にしていたドライヤーを棚に戻して振り返ると、


「っ、、、チャンミン、、、どうした?」


ふらりと胸に感じるチャンミンの香り・・・


・・・・・「夢みたいです。ずっと、、、」

「・・・・・」


俺の身体に、強くしがみ付くチャンミン・・・


・・・・・「ユンホさんと離れてしまってからずっと、、、寂しかった。怖くて、、、」

「チャンミン」

・・・・・「もう、イヤです。絶対に、離れたく、、、」



〝離れたくない〟



チャンミンの口から、そう言葉が漏れる前に、

俺は、その柔らかい唇をそっと塞いだ・・・・・








27へつづく

読者の皆さま、おはようございます。

チャンミンの威力は凄い。
あんなに自分の気持ちを押し殺して隠し続けたユンホさんを、一瞬で溶かしてしまう。

いつも加筆修正しながら更新しているんですが、
今回の26話でビックリしたのが、〝王様のお家みたいですね〟っていうチャンミンのセリフ。

どんなに純粋で世間と交わらずに生きてきたとしても、それはないだろ(笑)
って、ツッコミ入れながら修正するか悩んで止めました(笑)フフフフ

だって、Shangri-La のチャンミンはこうなんだから(笑)



それでは、今日も1日いい日になりますように。
いつもご訪問ありがとうございます。






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コメント

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  11. こころ。 | -

    スジュから始まりトンに夢中 さんへ

    スジュから始まりトンに夢中 さん、こんばんは。
    ふふ、スッキリしましたか?
    お気に入りのチェックのシャツ。
    見つけたときのチャンミンの気持ち。凄く嬉しかったんじゃないかと思うんです。
    よかったね、チャンミン♡
    今日はお洗濯できましたか?
    いいお天気だったので、私もシーツ洗いました!
    コメントありがとうございます。

    ( 20:49 )

  12. こころ。 | -

    ぴょんこ♪ さんへ

    ぴょんこ♪さん、こんばんは。
    ふふ、手も指も唇も全部でwww
    続きもお楽しみにしてください。
    コメントありがとうございます。

    ( 22:11 )

  13. こころ。 | -

    お名前ありませんでした。

    いつもお部屋にご訪問ありがとうございます。
    芯が真っすぐ通ったチャンミンが好きなんです。
    そんなチャンミンに、惹かれるユンホさんも。
    続きもお付き合いくださいね。
    あと、せっかく頂くコメントなので、出来ればお名前を、、、
    よろしくお願いします。

    ( 22:18 )

  14. こころ。 | -

    miri さんへ

    miriさん、こんばんは。
    ですよね、Shangri-Laのチャンミンはこれで良しっと(笑)
    ちゅう♡ってwww
    ほんと、チャンミン恐るべし(;・∀・)

    期末の結果、よかったんやねぇ。
    うちは明日から期末テスト。
    日曜にライブ行ってまだ上の空で、テストの結果が今から怖い(>_<)
    コメントいつもありがとう♪

    ( 22:23 )

  15. こころ。 | -

    りんさんへ

    りんさん、こんばんは。
    もうユンホさん、一瞬でメロメロ(古)ですね(笑)
    そして、この幸せは何時まで続くのか?
    続きをお楽しみにしてくださいね。

    ガス屋さんが通り過ぎてしまうくらい庭が変貌したってことですよね。
    トラックで探しているガス屋さん(笑)フフフ
    ビックリしてました?
    レポート待つ!!(笑)
    コメントありがとうございます♪

    ( 22:32 )

  16. こころ。 | -

    とぴまる さんへ

    とぴまるさん、こんばんは。
    続きも二人を見守ってあげてください。
    仕事に支障が・・・(;・∀・)
    寝る前に読んでください~(笑)
    コメントありがとうございます。

    ( 22:35 )

  17. こころ。 | -

    kimiko-abc さんへ

    kimiko-abc さん、こんばんは。
    勿論ですよ、ユンホさんは自覚してましたよ。
    ドSとかでは、、、(;・∀・)
    続きもお付き合いください。
    コメントありがとうございます。

    ( 22:36 )

  18. こころ。 | -

    さとにゃん子 さんへ

    さとにゃん子 さん、こんばんは。
    王様って(笑)
    修正するか悩んで、そのままにしました。
    Shangri-laのチャンミンは、これで良し(笑)
    2人の幸せな時間は、このまま続くのかな、、、
    この先の2人も見守ってあげてくださいね。
    コメントいつもありがとうございます♪

    ( 22:41 )

  19. こころ。 | -

    ramchy さんへ

    ramchyさん、こんばんは。
    幼稚園児みたいだと思いながらも、贅沢を知らないチャンミンには、
    そんな風に見えたんでしょうね。
    可愛い♡

    スーパーに入場制限って、どれだけのお客さん?
    食玩って、たしか10%なんですよね?
    私も子供がちいさい頃、よく買わされたなぁ。
    懐かしい(/・ω・)/トオイムカシ
    コメントいつもありがとうございます。

    ( 22:46 )

  20. こころ。 | -

    お名前ありませんでした。

    いつもお部屋にご訪問ありがとうございます。
    ユンホさんはKING(王様)でチャンミンはPRINCE(王子様)
    なんて素敵♥
    続きも楽しみにしてくださいね。
    あと、よろしければお名前を、、、
    前回いただいた時もお名前が無かったので、、、
    よろしくお願いします。

    ( 22:48 )

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