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私の心の中のお話です。
ご了承ください。




Shangri-La 1






「ドンヘ、チャンミンは?」


車を飛ばして、マンションに戻る。


〝ユンホさん、お帰りなさい〟


いつもそう言って、微笑みながら迎え入れてくれるあいつはいない。


--- いや、、、書類はテーブル上にあった---


ドンヘが書類を持った手を翳して見せた。


--- お前、心当たりは?---


心当たり?
チャンミンが、この家を出る・・・


「思いつかない。あいつがここを出るのは、せいぜい買い物へ・・・」

--- けど、いい加減な時間が過ぎてるぜ?---


チャンミンは、このあたりの土地勘もない。
それに何より、あまり自分から外へは出たがらなかった。


〝ここがいいです。外には出たくない〟


チャンミンは、出会った時から何かに怯えていた。
時折、思いつめたような顔をしていた事も知っていた。

ちゃんと話しをしてやればよかった・・・


--- なぁ、ユノ。とにかく警察に・・・---

「いや、ちょっと待て、、、携帯・・・」

--- だから、繋がらなかったって・・・---

「GPSだ」

--- あーっ、なるほ。やっぱさすが、チョン・ユンホだな---


胸ポケットから自分の携帯を取り出して、操作しかけた、その時だった。





カチャリと玄関の扉が開き、買い物かごを持ったチャンミンが姿を現した。


・・・・・「ただい、、、あれ? ユンホさん、ドンヘさんも・・・」

「チャンミン」


こんな時間に、俺とドンヘが険しい顔をしてここに居ることを、
不思議に思ったのだろう。

キョトンとした顔で、俺達を見つめる。


俺がどんな思いで・・・
思わず駆け寄り、抱き寄せて胸に納めた。

チャンミンの手から、買い物かごがドサリと落ちて、、、


「どこへ行ってた?」

・・・・・「ユ、ユン、ホさ、、、あ、あの、ご、ごめんなさい、、、ごめ・・・」

「謝らなくていい、どこへ行ってたと聞いてる」

・・・・・「お夕飯のお買い物へ行った帰り、公園に小さなワンちゃんがいて、それで、暫くお話を・・・」

「返ってこないから、心配しただろう」


触れるチャンミンの身体から、戸惑いが伝わる。
けれど、そんなことはお構いなしに、俺は腕に力を入れる。


---はいはい、お2人さん、、、ちょっと通してくださいよ~---


呆れた顔をしながら、俺たちの隣りをドンヘがすり抜け。。
すれ違いざま・・・


--- やっぱ、お前の言う通り、犬だったな?---


俺の顔を見て、お道化て笑って見せた。


--- ユノ、これを機会にちゃんと話を付けておけ。チャンミン、またな---

・・・・・「ド、ドンヘさ、、、」

「イイから早く帰れ。それと、書類持ったか?」


ドンヘはこちらを振り向きもせず、
書類の入った封筒をひらひらと振って見せた。


--- こっちで適当にやっとくよ。ごゆっくり~---



静かに扉が閉まる。
チャンミンの身体を解いて、正面から見据えた。


「チャンミン、話がある」


瞳を泳がせながら、チャンミンは小さく頷いた。






リビングのソファに向い合せに腰を下ろす。


・・・・・「ユンホさん、コーヒーでも、、、」

「いや、いい」

・・・・「・・・・」

「俺が聞くことに正直に答えろ。分かったか?」

・・・・・「はい」


チャンミンの瞳が、揺れている。


「あの日、、、雨の日だ。覚えてるな?」

・・・・・「はい、もちろんです」

「あの日、お前はどこから来た?」

・・・・・「・・・・・」

「孤児院から逃げてきたのか?」


そう言うと、チャンミンは伏せていた顔を上げて、
大きく目を見開いた。

暫くすると、ジワリと瞳に涙が滲む。


「チャンミン、ちゃんと話してくれ。でないと・・・」

・・・・・「僕、あの場所に帰らないといけないですか?」


あの目だ。
いつも、なにかに怯えている、あの時の目・・・


・・・・・「僕、ユンホさんのお役に立てませんでしたか?」

「そうじゃな・・・」

・・・・・「いや、帰りたくない、、、ここに居たいです」


滲んだ涙が、堰を切ったように流れ出す。
首を何度も何度も横に振り、口から出る言葉は 〝イヤ〟そればかりで・・・


「チャンミン、俺の話しを聞、、、、」

・・・・・「助けてくれるってそう言ったのに、、、ユンホさんも僕を捨てますか?」

「おい、チャンミン」


俺の話など、耳に入っていない。
自分の心を、必死で俺に伝えようとしていた。


・・・・・「お母さんみたいに、僕を捨てますか? どうして?イヤ、、、イヤっ!!!!!」


突然立ち上がると、チャンミンは足早にリビングを出て、
チャンミンが、寝室として使っている来客用の部屋に入り、鍵をかけた。

チャンミンを追い、扉の前に立つ。


「チャンミン、出てこい。話はまだ終ってないだろう」

・・・・・「イヤです」

「誰もお前を追い出したりしない」

・・・・・「・・・・・」

「言っただろう。居たいだけいればいいと・・・」

・・・・・「・・・・・」

「チャンミン、お願いだ。出てきてくれ」

・・・・・「ほ、ホントですか? 僕、ここに居てもいいんですか?」


扉のすぐそこに、チャンミンが居る。
上ずる声が、すぐ傍で震えと共に響いてくる。


「俺は嘘はつかない。出てきてくれ、チャンミン」



暫くすると、小さく音を立てながら、ゆっくりと扉が開く。
わずかに出来た隙間から、真っ赤に目を染めたチャンミンが、俺を覗き込んだ。


その刹那・・・


扉の向こうから、飛び出してきたチャンミンが、
そのままの勢いで、俺にしがみ付いて、、、


「チャンミン」


ギュッと俺の上着を握り、ピタリと身体を寄せる。


・・・・・「ここに居させてください。お願いです。帰りたくない。お願い、ユンホさん・・・」


俺は、腕を伸ばしチャンミンを抱きとめる。


「大丈夫だ。心配するな」

・・・・・「ぼ、僕、何でもします。な、何でも・・・」


チャンミンは、子犬だった。
震えて怯える、小さくて儚い生き物・・・



「チャンミン、お前の事を俺に話してくれないか?」








7へつづく

読者の皆さま、おはようございます。

ライブの余韻がまだ抜けませんが、
2日間、楽しんだ見返りというかツケというか(笑)
身体がガタガタです(;・∀・)アハハ
2週間後、実家の母と妹2人と私、4人でバス旅行に行くんですけど、
それまでに元気になってないと(;・∀・)
年々、ツアーの後の身体の回復が遅くなっているような気がします。
超インドアなんで、体力無いんですよね(>_<)

お会いした皆さんに頂いたおやつを頂きながら、
お話をポチポチ書いています。

今回、福岡でお会いした方とお話についてちょっと話せたりしたので、
(コメントの在り方とか、読者さま目線のお話を聞けたので)
それについて、また私の考えや想いをお伝えできたらいいなと思います。



それでは、今日も1日いい日になりますように。
いつもご訪問ありがとうございます♪





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コメント

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    ( 08:28 )

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    ( 15:26 )

  3. こころ。 | -

    ramchy さんへ

    ramchyさん、こんにちは。
    そうなんです。ライブ以外でもいろいろと(笑)
    ネイルチップですか、ramchyさん、器用なんですね。
    私は自他ともに認める超不器用ものなんで、自作とかは全く無理です(笑)
    出来るのは妄想することだけ(;・∀・)フフ
    フリマアプリ、結構簡単ですよ。
    チャレンジしてみてくださいね。
    いつもコメントありがとうございます。

    ( 13:10 )

  4. こころ。 | -

    さとにゃん子さんへ

    さとにゃん子さん、こんにちは。
    やっぱりなかなか情報を避けるのは難しいですよね。
    東京まであと4日。何とか持ちこたえてくださいっ!!!(笑)

    そして!!
    当選おめでとうございます♪
    さとにゃん子さんちはご家族でトンペンさんだから、
    1人でも落選だと、ばんざいっ!ってわけには行きませんよね。
    けど、まだ2次、3次、ありますから、チャレンジして、
    是非、ご家族で参加できますように。
    ちなみに私も参加できることになりました。
    幸せです♡

    文章には、その人の『内』が見えると思うんです。
    同じことを発言するにしても、その言葉1つで全く印象が変わるじゃないですか?
    私にも言える事ですけど。
    私は、それを読んだ人がどう受け取るか、
    考えて言葉を選んで書くように心がけてはいます。
    それでも私の言葉で、傷つく人もいると思うし、逆に共感してくれる人もいる。
    難しいですけど、〝書き方〟〝言い方〟〝言葉の選び方〟を気を付けたいですよね。
    反面教師にして(笑)
    さとにゃん子さん、いつもコメントありがとうございます。


    ( 13:24 )

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