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私の心の中のお話です。
ご了承ください。




「今日はありがとうな、チャンミン」


ソユンさんの無事を確認して、病院を後にする。
僕のアパートの前。


・・・・・「コーヒーでも飲んでく?」

「ありがとう。でも、今日は帰るよ」

・・・・・「うん、分かった」


向き合う僕ら。
ヒョンの手がそっと伸びてきて、僕の手を取る。


「チャンミン」

・・・・・「・・・・・」

「また電話する」


ぎゅっと握られる手。
僕もその手を握り返す。


・・・・・「うん。待ってるから」

「おやすみ」

・・・・・「おやすみなさい」



映画みたいな恋をした。5



その夜。
夢を見た。


病室のベッドの上に半身を起こし、窓の向こう側に浮かぶ美しい月を、
じっと見つめている。

陶器のような白い肌の上を、大きな瞳から零れ落ちた涙の粒が、
ゆっくりと流れ落ちる。


〝ユジン〟


まるで、恋しい人を呼ぶように儚げな声で、
ソユンさんは、ユジンさんの名前を呼んだ。


朝、目覚めてからも夢の記憶は僕の中に留まったまま。


・・・・・「可笑しな夢、、、」


部屋の空気を入れ替えたくて、
カーテンを開ける。


・・・・・「あれ? 雨かな?」


昨日とは打って変わり、空は灰色の雲に覆われている。
今にも雨粒が落ちてきそうな空に溜息を落とし、窓を開けることを諦めた。


簡単な朝食を済ませ、テーブルの上に書きかけのレポートを広げる。
ペンを持ってみたものの、なんだか気持ちが乗らなくてすぐにペンを手放した。


ソファに身体を沈め、天井を仰ぐ。

脳裏に浮かぶのは、夢の中の寂しそうなソユンさんの姿。
どうして彼女は、あんなにも悲しげな表情で、ユジンさんを、、、妹の名を呼んだのだろう。


・・・・・「ふぅ、、、」


考えたってどうにもならないことが、気になって仕方がない。

第一、現実じゃない。
ただの夢なんだ。


けど、、、


暫く考えて、、、


・・・・・「よし」


ソファから起き上がり、急いで着替えを済ませる。
リュックに財布とスマホを放り込み、アパートを出た。





途中、フラワーショップで小さな花束を買った。

急いで出てきたから、傘を持ってくるのを忘れてしまったけれど、
なんとか雨に降られずに辿り着いた。


目の前には、昨夜ヒョンと一緒に訪れた、ソユンさんのいる病院。


・・・・・「ふーーっ、、、」


大きく息を吐いて、脚を踏み出した。


少し緊張しながら、エレベーターで5階へ向かう。
心臓がドクドク波打ち始める。


病院の廊下は、看護師さんや訪れた面会の人の声が、あちこちから聞こえてくる。
昨日の夜とはあまりにも違う空気が、なんだかとても不思議に思えた。


505号室の前。

花束を持つ手は、少し震えている。

一体、僕は何をしようとしているのか?
こんな所まで来て、今更そんなことを考える。

僕は彼女を知っているけれど、
彼女は僕を知らない。


我に返れば、

僕がここに居る意味は何だろう、、、
知らない僕が現れたことで、彼女を怖がらせることになったりしないだろうか?

色んなことが、頭の中をぐるぐると回り始めて、、、


・・・・・「やっぱり、、、」


扉の前から、一歩後退る。


その時、、、


--- あの、、、---


その声のする方に視線を向ける。


・・・・・「あ、、、」


そこに、病衣を着てブルーのカーディガンを羽織ったソユンさんが立っていた。


・・・・・「あ、す、すいません、僕、、、」


今更、誤魔化せない。
なんと言えばいいんだろう。

口に出す言葉を考え、言い淀む僕を見て、
ソユンさんが、信じられない言葉を口にしたんだ。



--- 貴方、昨日の夜、ユノと一緒に居た人ですよね? ---









61へつづく

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