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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



・・・・・「僕の手が解けてしまう前に、、、握り返してよ」


思わず口から出た言葉。
ヒョンは、驚いたように目を見開き、僕をじっと見つめ、そして目を逸らす。


「ごめん、、、」


ヒョンは僕に〝ごめん〟しか言わない。



映画みたいな恋をした。6




〝ごめん〟


その言葉を口にするということは、僕の言葉を認めたということ。
ヒョンは僕の手を握ってはいない。

そういうこと。


凄く、悲しかった。


・・・・・「ううん、ヘンなこと言って悪かったよ」


泣きたい気持ちをグッと心にしまって、
僕は再び箸を持つ手に力を入れ、少し無理をしてラーメンを口に運んだ。


そんな僕を見ても、ヒョンは何も言わない。


・・・・・「ヒョン、早く食べないと伸びちゃうよ」

「ん、、、」


正直、口に入れたラーメンの味は全く分からなかった。


・・・・・「美味しいね、ヒョン」

「ん、、、」


その後、僕達は無言でラーメンを食べ続けた。
こんなにも味のしない食事は、初めてだった。





・・・・・「ヒョン、ごちそうさま」


店を出ると、空はすっかり夜の色に染まり、
ポッカリと浮かぶ月が、ネオンで光る街を上から見下ろしている。

2人並んで、通りを歩く。

ヒョンと一緒に過ごす時間は、僕にとって大切な大切な時間。
なのに、その時の僕は、ヒョンではなく別の人のことを考えていた。


ソジュンさん、、、


〝穏やかで優しくていい奴〟


ヒョンがそう言ってた。

ソジュンさんと知り合って、まだそんなに時間も立っていないし、
片手で足りるほどしか会ってもいない。

けど、ヒョンの言うことは間違ってはいない。


ソジュンさんと居ると、自分の心がほっと落ち着くのが分かる。
それが何故なのかは、僕にもよく分からないのだけれど、、、、


「チャンミン?」


名前を呼ばれて、ハッと我に返る。


脚を止めると、隣にヒョンが居ない。
振り返ると、ヒョンは手にスマホを持って立ち止まっていた。


・・・・・「どうしたの?」

「ん、、、病院から電話で、、、」

・・・・・「・・・・・ソユンさん?」

「今、あいつ凄く不安定で、、、俺を呼んでるって、、、」

・・・・・「・・・・・行くの?」

「ゴメン、、、」


また、、、〝ゴメン〟


その時、僕の心の中に今まで無かった感情が生まれた。

いや、そうじゃない。
ずっと前から燻っていたその感情に、小さな火がついたんだ。




〝このままじゃ、ヒョンは僕の方を向いてくれない〟




・・・・・「ヒョンは僕に〝ゴメン〟って、そればっかりだね」

「・・・・・」

・・・・・「いいよ、行こう」

「えっ?」

・・・・・「僕も行く。ダメ?」


ヒョンは一瞬、瞳をぐらりと揺らす。

ヒョンの動揺はあからさまに僕に伝わってきたけれど、
僕はそれでも、ヒョンから目を逸らさなかった。


「チャンミン、でも、、、」


負けたくなかった。

ヒョンを彼女に取られたくなかった。
だから、、、僕はヒョンが困ることを承知のうえで、無理を言った。


・・・・「取られたくないから、、、」

「・・・・・」

・・・・・「ヒョンをソユンさんに取られたくない」

「チャンミン、、、」

・・・・・「同じだよ。ソジュンさんと一緒の僕を見て、カッとなったヒョンと同じ」

「・・・・・」

・・・・・「僕だって、、、嫉妬するんだよ」


ヒョンは僕を見て苦笑する。


「何だか、チャンミンがどんどん変わって行く」

・・・・・「えっ?」

「初めて会った時、映画を観て泣いてて、、、」

・・・・・「・・・・・」

「男なのに凄く綺麗で儚げて、、、つい、声を掛けた」

・・・・・「・・・・・」

「けど、チャンミンは会うたびに強くなって行く」

・・・・・「・・・・・」

「真っすぐに俺にぶつかってくる」



どうしてそうなったのか、そんなこと決まってるじゃないか。
ヒョンは、それに気がつかないの?



・・・・・「だって、、、」

「・・・・・」

・・・・・「だってそんなの仕方ないよ」

「・・・・・」

・・・・・「ヒョンを好きになったから、、、」

「チャンミン、、、」

・・・・・「それ以外になんの理由があるの?」


ハッキリと、そう言いきった僕を見て、
ヒョンは、小さく小さく頷いて、、、


「行こう、チャンミン」


差し出されたヒョンの大きな手。
その手を掴んでぎゅっと握る。

離れないように、解けないように。


そのまま病院に向って歩き始めたヒョンの手が、
繋いだ僕の手を、ぎゅっと握り返してくれた。








59へつづく

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