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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



前回のお話はこちらから  →  KISSをちょうだい。44




KISSをちょうだい 2




・・・・・「室長、遅くなって、、、」


歩み寄ろうとしたその瞬間、室長の身体が、グラリと揺れる。
崩れそうになったその身体を、伸ばした腕で抱きとめた。


--- 悪い、、、ちょっと飲みすぎたようだ ---

・・・・・「送ります、、、」


室長の身体を支え、通りでタクシーを止める。
後部座席に2人して乗り込んだ。

扉がバタン、、、と重い音を立てて閉じる。


・・・・・「室長、何処まで、、、」


行き先を室長に尋ねると、閉じていた瞼をゆっくりと開け、


--- T ホテルまで、、、---


そう、運転手に告げた。


ホテル?
不思議に思いながらも、タクシーはゆっくりと走り始める。


シートに身体を預け、
室長は再び瞼を閉じた。

室長からは、いつも好んで飲んでいるお酒の匂いがする。
こんなに酔うほど飲んだ室長を見るのは初めてだった。





・・・・・「ありがとうございます」


到着したのは、市内の大きなビジネスホテル。
室長の身体を軽く支え、エントランスに脚を踏み入れた。


フロアのソファにゆっくりと座らせ、荷物を下ろす。


・・・・・「室長、あの、、、」


こんなところにどうして?
戸惑う僕に、室長は何も言わず、上着のポケットから部屋番号の書かれたカードキーを取り出した。


・・・・・「室長、ここに?」

--- 悪いが、部屋まで頼む、、、---

・・・・・「分りました」


受取ったカードキーには、〝801〟と部屋番号が記されている。
再び、荷物を手に室長の腕を取り、エレベーターに乗り込んだ。


静かに上昇してゆく。
ガラスの向こうには、釜山の街の夜景が、美しく浮かび上がる。

煌びやかなその景色に浸る暇もなく、目的の階に到着した。




・・・・・「室長、大丈夫ですか?」


どうにか部屋まで室長を連れ、部屋に脚を踏み入れる。
小さなテーブルと、ベッドが1つ。

室長には相応しくない、余りも質素な部屋。


ベッドにそっと室長を横たえて、
上着とネクタイを外した。


街の喧騒も、このホテルの部屋までは届かない。
静まりかえった部屋。


そっと室長の身体に布団をかぶせ、
ふっ、、、と息を吐く。


こんな室長、、、
初めてだ。

それに、こんなホテルの寂しい部屋に、、、
何か、事情が?


ふと、ベット脇の小さなサイドテーブルに置かれた時計に目をやる。
もう、午前1時を過ぎている。


・・・・・「室長、、、僕、帰ります」


眠っている室長を起こさないように、小さな声でそう呟く。

床に置いた鞄を手に、くるりと身体を翻したその時、、、



--- シムくん、、、---


突然呼ばれ、脚が止まる。
振り返っても、室長はさっきと同じ、仰向けになって目を閉じている。


・・・・・「室長?」


空耳?

けど、その時、ベットで横たわる室長の目が、
ゆっくりと開いて、、、


--- ありがとう ---

・・・・・「室長、、、大丈夫ですか?」


そして、天井を見つめていたその瞳が、
ゆっくりとこちらに向いて、僕を捉えた。


---シムくん、、、---

・・・・・「・・・・・」

--- あと、10分、、、いや、5分でいい、、、---

・・・・・「・・・・・」

--- 傍に居てくれないか? ---



薄暗いホテルの部屋、、、

部屋の隅にある小さなライトと、
レースのカーテンの向こうから射す月明かりが、ぼんやりと室長の顏を浮かび上がらせる。


その頬を伝うのは、涙なのか?


深い漆黒の瞳が、僕を見つめる。

美しいその瞳は、あの人に似ている。
引き込まれ、溺れてしまいそうなほど、深く、深く、、、、僕を引き寄せる。


僕は、手にしていた荷物を床に置くと、
室長が横たわるベッドに歩み寄り、静かに腰を下ろした。


・・・・・「室長が眠るまで、ここに居ます」


投げ出されたその手が震えている。
その手を取り、そっと握りしめる。


--- ありがとう、、、---




夜の空に浮かぶ月が、僕たちを見つめていた、、、、








46へつづく

読者の皆さま、こんばんは。

今日は1日雨模様でした。
朝からジメジメで、思わずエアコンのドライをポチッ。
お天気が悪いと、首や膝や腰が痛くなるので(笑)
電気代をケチらず、快適に過ごすことにしてます(笑)ププ

愛犬 命日読者さまから

今日は、うちの愛犬が星になった日ということで、
皆さんから沢山のお言葉いただきました。ありがとうございました。

毎年、憶えていてくださる読者さまもいてくださって、本当に感謝しかありません。
こんなに綺麗なお花も送っていただいて、ワンコもきっと喜んでいると思います。

ありがとうございましたm(__)m


さて、チャンミン、、、室長はユノじゃないのよ~~(/・ω・)/



それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。素敵な夢を♪

また明日♪






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午後のひととき、、、
お昼のミニホミン劇場でお楽しみください(^-^)




私の心の中のお話です。
ご了承ください。




レンタル彼氏。1






怠い、、、

身体が思うように動かない、、、

まるで、鉛でも乗っかってるような酷い倦怠感。
それに頭がガンガン痛む。

なんだ、これ、、、
俺は一体どうしたんだ?



遠くにぼんやりと薄明かりが見える。

それに反応したのか、ピクピクと目尻が震える。

今の俺に自由になるのは、瞼くらいか、、、
唯一動かせそうな瞼を、必死で持ち上げた。



ん?


ここはどこ?


薄く開いた瞼の隙間、
白い靄が掛かって、はっきりと見えない。



あれ?


まっ、待てよ、、、
嘘だろ? マジ?




夢か否か、、、



俺の瞳に映ったのは、
全裸でベッドに横たわる、、、俺?

そして、隣には重りのように俺の身体に伸し掛かるそれ、、、


何だ?


靄が次第に消えてゆく。

これは夢じゃない、、、
そうハッキリと感じた瞬間、俺は目を見開いた。



「うそ、、、、マジかよ、、、」




俺の目に映るのは、真っ裸の男と女。

男は見覚えがある。
毎朝、鏡で見る顔、、、俺だ。

間違いない。


けど、、、


--- うぅぅぅん、、、---


俺の身体に腕を回し、脚を絡める女、、、

誰だ?

待てよ、、、確か、、、



記憶を辿る。


昨夜、サークルの飲み会で先輩に強引に飲まされた。
途中、気分が悪くなって、、、

そう、その時だ。
この女、、、うっすら記憶に残ってる。

いつの間にか、俺の隣りに陣取ってた化粧の濃い年上女。
やたらと俺の身体にタッチしてくる、押しの強いこの女を警戒していたのに、、、


ってか、なんで?
どうして?



しまった、、、



「やっちまった、、、」



正直、全く記憶にないが、
この状況、、、

全裸でベッドなんて、それしかないだろ?


ヤったんだ、、、
俺は、酒に溺れてヤッちまったんだ、、、


そーーーっと女の腕を自分の身体から外し、半身を起こす。
時計は、朝の8時を回ったところ。


「はぁっ、、、お前、どうしようもないな、、、」


どうせなら、もっと可愛い女の子を相手にしろよ、、、
そんなことを思いながら、脚の間で小さく縮んだままの息子を指で弾いてやった。




小さく揺れる俺の息子・・・


いや、待てよ。
これは俺の息子のせいじゃない。

無理やり俺に飲ませた先輩を思い出し、
グチグチと恨み言を頭の中に並べ立てる。


その時、ガタン、、、と隣の部屋から小さな音がして、ふっと我に返る。
お隣さん、朝から頑張ってんのかな?

いやいや、今は隣を気にしている場合じゃない。

とにかく、1分1秒でも早くここから出ていかないと、、、


しかし、天井が鏡張りとか、
いつの時代のラブホだっつーの、、、

時代を感じる部屋をぐるりと見まわしたあと、
この場を去るべく、そっとベッドから抜け出ようとしたその時、、、


「うっ!!」


背後から強い力で腕を取られた。


恐る恐る振り向くと、、、


髪を乱して剥げた化粧の女がニヤリと笑って、、、



--- 逃げても無駄よ、チョン・ユンホくん。---



ヒラヒラと翳す反対側の手には、
なぜか俺の学生証が、握られていた・・・・・








2へつづく

読者の皆さま、こんにちは。

今日から お昼の ミニホミン劇場をお届けします。
〝ミニ〟なので、若干お話がいつもよりコンパクトです(笑)

憶えていてくださる読者さま、いらっしゃるかなぁ、、、
もう2年以上前のお話です。

今回は、軽い感じで読んでいただけるのではないかと思います。
午後のひととき、楽しんでいただければ何よりです。
よろしかったら、最後までおつきあいくださいね。

で、昨夜遅く、ユノはお1人様で戻ってきたんですね(泣)
ちっとも、バンコクの暑い夜じゃないし(泣)
ケンカしたままなのかなぁ、、、(喧嘩したと決めつけ)
最近の2人、妄想要素が1ミクロンもなくて、
私の中の〝腐〟が、静まりかえったままです(泣)
営業妨害だっ!!(怒)
ブロケミは何処行ったんだよ!! (笑)




それでは、午後も素敵なひとときを♪
こちらはすごい雨です~(/・ω・)/オヒサマプリーズ

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私の心の中のお話です。
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藍の月。2





長い廊下を、ゆっくりと歩く。

開かれた扉の向こうは、眩しい太陽が降り注ぐ中庭。
その空間だけが、時間が止まっているかのように静かだった。

季節の花が咲き乱れ、吹く風が木々の葉を揺らす音だけが小さく響いている。
まるで何かのメロディーを奏でているようだった。


--- この奥です---


中庭の間の通路を歩いて、先ほどとは別の小さな建物に足を踏み入れる。


--- セヨンさんが、弟が静かで美しい景色を観ながら暮らせるようにと、この棟を建ててくださいました---


そして、女性の脚が、扉の前で止まった。


--- この部屋の中に、チャミンさんがいらっしゃいます---

「・・・・・」

---チョンさんに、1つだけ、、、お願いがあります---

「はい」

--- 現実の彼を見てあげてほしいのです。彼は、苦しんでいます。どうか、受け止めてあげて下さい。---



現実の・・・


「勿論です」


俺のその言葉に、女性は優しく微笑んで、一度だけ小さく頷いた。


扉が静かに開く。
その瞬間、眩しい光が瞳を差し、一瞬目を閉じた。


--- チャンミンさん。お客様がいらっしゃいましたよ---


ゆっくりと瞼を開ける。
眩しい光に徐々に慣れ、俺の視界に、ようやくその人が映った。

どれだけの長い間、恋焦がれていただろう。

その人は、ベッドに半身を起こし、窓の外の景色を眺めていた。



「チャンミン、、、」

--- どうぞ、傍に・・・---


促されて、部屋に脚を踏み入れた。
駆け寄って抱きしめたい衝動を何とか抑えて、一歩一歩、距離を縮めてゆく。

可笑しいことに、脚が震えている。
心臓が、鼓動を激しく打つ。

ベッドの脇に立ち、彼を見つめた。



伸びた髪が瞳を隠す。

最後に会った時より、かなり痩せていて、
布団の上に置かれた手は、細くて、まるで雪のように白い。


「チャンミン、、、」


返事はなく、そして、振り向きもしない。
視線は変わらず、窓の外にあった。


パタンと扉が閉まる音がして、女性が歩き寄る。


--- チャンミンさん、お客さまです。チョン・ユンホさんが、いらしてくださいましたよ---


女性が、チャンミンの視線に合わせるように顔を覗き込むと、
ようやくチャンミンの視線が女性と合わせられた。


--- チャンミンさんに会いに来てくださったんですよ?---


女性が、俺に視線を向ける。

その後を追うように、チャンミンがゆっくりと・・・
まるでスローモーションのように、俺の方に振り向いた。


「チャンミン、元気だったか?会いたかったよ」

・・・・・「・・・・・」


ようやく重なったチャンミンの瞳は、あまりにも悲しく、色がない。


「チャンミン・・・」


その瞳を目の当たりにして、俺は名前を呼ぶことしか出来なかった。


暫くすると、チャンミンの目は伏せられ、そしてまた、窓の外に戻ってゆく。


〝現実の彼〟


現実のチャンミン。
数年ぶりに会ったチャンミンの心に、俺は存在していなかった。




--- 彼は、全ての事に心を閉ざしています。ここに来た当初は、食事すら、まともに受け付けませんでした。
最近になって、ようやく私の言葉に耳を貸してくれるようになりました。
今は、ああやって毎日窓の外の景色を眺めながら1日を過ごしています。---


触れたくても、触れられない。
チャンミンを包む空気が、俺が触れることを拒んでいるようだ。


「・・・・・チャンミ、、、」


感動的な再会を期待していたわけじゃない。
ただ、チャンミンに会いたかった。

長い月日が流れ、その間に、チャンミンが幸せでいてくれれば、
俺の事なんて忘れていてもいいと、そう思っていた。


けど・・・

これは違う・・・

これは・・・


頭から冷たい水を浴びせられたように、心が軋む。


チャンミン。
お前はどうして、心を閉ざす?


--- 自分の心を、まるで小さな箱に押し込めるようにして、長い間過ごしてきたんでしょう。
行き場のない自分の本当の心が、長い間に錆びついてしまった---

「錆びつく?」

--- そうです。心もまた、栄養を与えなければ錆びつき枯れてしまう。
彼の心は、長い間閉じ込められたまま、何も与えられることなく、ただ、小さく蹲るしかなかった---

「・・・・・」

--- チョンさん、お願いです。彼を、、、どうか・・・---

「私に出来ることがあるんでしようか?」

--- 本当の意味で、彼の心に声が届くのは貴方だけです---

「・・・・・」

--- セヨンさんがおっしゃっていました。貴方なら、本物の愛で彼を救ってくださると・・・---




「チャンミン・・・」



お前の心に、俺が届くのだろうか?
チャンミン・・・

お前は、今、どこに居る?


暗くはないか?
怖くはないか?
寒くはないか?


チャンミン・・・

俺は、お前の手を掴むまで、絶対に諦めない。


絶対に・・・







60へつづく

読者の皆さま、おはようございます。

今日は私の愛犬の命日なんです。
虹の橋を渡って、星になってもう5年になりました。

今でも時々、フッと彼の視線を感じる時があって、
きっと家の安全とか、子供たちの成長を、見守っていてくれるのではないかと、そう思っています。

会いたいです。




それでは、6月も最後です。
今日も1日いい日になりますように♪

いつもご訪問ありがとうございます。






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こんな時間に更新なんて、お久しぶりです。

珍しく、こんな時間に飲んでます。

2019.06.30


パラ牧のグラスで(笑)


ダイエットしてるんじゃなかったのか、自分、、、(;・∀・)

飲みながら、先日完結したお話に頂いたコメントの御返事をしていましたが、
酔いました(笑)

ユノが兵役中、願掛けで断酒していたお陰(?)で、アルコールが駄目になってしまって、
少し飲んだだけですぐに酔うようになりました。

今、隣にいる娘に、〝ママ、顏真っ赤やで〟って言われました(笑)

ので、そろそろ寝ます。

きっと今頃、2人はバンコクの熱い夜を一緒のベッドで過ごしているかと(//▽//)♡
あーしあわせ♡

仁川では、きっとケンカしてたんだろうけど(ヘンな距離感)
戻ってきたときは、2人の笑顔が見られたらいいですね。

重なって戻っておいでー♪




コメントのお返事の続きは明日に。
皆さま、それではおやすみなさい。



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ひぐらしの鳴く、あの夏。5




--- わざわざ来ていただいて、ありがとうございます ---


微笑む奥さんの遺影の前・・・

ヒョンから受け取った花を、花瓶に挿す。


「いえ、、、私こそ、伺うのが遅くなってしまって、、、」


社長と向かい合うヒョンの前に、
湯気の立つコーヒーカップを滑らせた。

そのまま小さく会釈して、工場に戻ろうとしたら、


--- チャンミン、お前も、、、---


社長に、隣に座るように促された。

ヒョンの視線を感じる。
けど、目を合わすことは出来ない。

逸らせたまま
社長の隣りに座った。


--- 私こそ、伺わなければいけなかったのに、、、---

「・・・・・」


社長の言葉の意味を、僕はすぐに理解できた。
きっとヒョンも、、、


「一時的なものだと、そう思っています」

--- 私は、、、---

「・・・・・」

--- 私は、本人の、、、チャンミンの考えに任せたいと思っています ---

・・・・・「社長、、、」



意外だった。
僕は、てっきり会社に戻れと、そう言われると思っていたのに、、、


ヒョンは、目の前のコーヒーカップに手を掛け、
コクリとコーヒーを飲む。

カチャ、、、とカップがソーサーと重なる音が響いて、、、

そして、ヒョンが顔を上げ、
真っすぐに社長と視線を合わせた。


「僕は、、、」


その瞬間、ヒョンの視線がゆっくりと僕に流れて、、、


「僕はチャンミンを手放すつもりはありません」

--- ・・・・・ ---

「本人の意思は問わない」

・・・・・「ヒョン、、、」


強張った表情で僕を見つめながら、ヒョンはそう言った。
真っすぐで、怖いくらいの強い視線だった。


「今日は、奥様にご挨拶に伺いました。そろそろ失礼します」

--- 本当に、ありがとうございました ---


立ち上がり、頭を下げるヒョン。
追うように、社長も立ちあがり、ヒョンに向かって頭を下げた。


そのままヒョンは、何も言わずに背を向ける。
広くて大きな背中が、どうしてだかとても小さく見えて、僕の心をチクチクと刺した。



ハッと気がつけば、部屋には僕一人。


・・・・・「ヒョン、、、」


ヒョンと社長の後を追う。

表に出て、工場の中をすり抜ける。
丁度、ヒョンの乗った車が走り出した時だった。


・・・・・「ヒョンっ!」


車を追いかけるように、駆け出した僕を、
社長が驚いた顏で見ている。


どの位走ったか、、、
僕に気がついたヒョンの車が、道路脇に静かに止まった。


後部座席の扉が開き、ヒョンが姿を見せる。

息を切らして止まった僕に、ゆっくりと近付いて来た。


僕の視線の先には、ヒョンの革靴が映る。
ゆっくりと顔を上げると、泣き出しそうな顔をしたヒョンが、僕の目の前に立っていた。


・・・・・「ヒョン、、、」

「バカ、、、何やってる」

・・・・・「ヒョン、、、僕、、、」


何を言おうとしたのか、僕自身分からなかった。

自分からヒョンの元を去っておいて、なのにどうして追いかけたのか、、、
それは、きっと僕の本当の心、、、

嘘偽りない本当の心が、ヒョンを追いかけたのだと思う。



「しっかり飯食って、よく眠るんだぞ」

・・・・・「ヒョン、、、」

「俺は、お前を諦めない」

・・・・・「・・・・・」

「どんなに時間が掛かったとしても、もう一度お前の手を掴むまでは、、、」

・・・・・「・・・・・」

「絶対に諦めたりしない」


ヒョンは、少し悲しそうな顔をして、、、
けど、ニッコリと笑って僕の髪をクシャっと撫でた。


「俺にはお前が必要なんだ」

・・・・・「ヒョン、、、」

「じゃあな、、、」




ヒョンの乗った車が、僕から遠ざかってゆく。

通りの角を曲がって見えなくなるまで、僕はその場から動けなかった。



ヒョン、、、



ヒョン、ごめんね、、、


ごめん、、、








78へつづく

読者の皆さま、こんばんは。

午後の更新のお話に、沢山感想ありがとうございました。
皆さんそれぞれ、いろいろな感想を下さって、
読むのがとても楽しいです。

書いてる本人が、思ってもいなかった視点で読んで下さっていたり、
意外なご意見があったりで、とても楽しんでいます。

皆さん、よかったら、感想お寄せくださいね。




それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を♪




こころ。

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君は僕を何も知らない。~青空の下で~






--- チャンミン!!!  お待たせっ、あれ? ---


緑の芝生が広がり、空は青く、柔らかい風に乗って、白い雲がゆっくりと流れている。


・・・・・「ユノさん、少し遅れるって、、、」

--- 一緒じゃなかったの? ---

・・・・・「うん、昨日の夜は、ユノさん、仕事だったから・・・」


僕の座るベンチの隣に腰を下ろして、
ジェミンが僕の顔をじっと見つめている。


・・・・・「どうしたの?」

--- だってさ、、、もう何年? そろそろ一緒に暮らせば? ---

・・・・・「そんな簡単じゃないよ、、、」


僕とユノさんの複雑な過去を、ジェミンは詳しくは知らない。



僕は、大学3年になった。
ユノさんと再会して、もうすぐ2年になる。

ユノさんは、無事に夜間の学校を卒業して、
今はお昼の現場の仕事と、週に何日か、工場の仕事を続けていた。

時々、夜の仕事の前に、僕のアパートで食事をして、
ユノさんの仕事がお休みの日は、一緒に映画を見たり、ゲームをしたり、、、
僕たちの日常は、特に何も変わり映えはなかった。


戻ることもなく、進むこともなく・・・


あれは、1週間前・・・




〝なぁ、チャンミン。今度の金曜日さ、、、、〟


突然、ユノさんが公園でお弁当が食べたいと言い出した。

しかも、、、


〝ジェミンも一緒に、、、どうかな?〟


今日が、その金曜日。

ユノさんにそう告げられた時は、いい大人3人で、公園でピクニック?

なんて、少し恥ずかしいって、、、そう思っていたのに、
僕は、朝起きて一番にカーテンを引いてお天気を確かめた。

青い空が、僕の頬を緩めた。




・・・・・「ジェミンは、どう? 彼女と順調?」


数か月前、大学の構内でいきなり紹介された。


〝実は、彼女と付き合ってるんだ〟


髪の長い、とても綺麗な女性・・・


〝初めまして〟


2人がお互いを見つめて、自然に溢すやわらかい微笑み、、、
それを見ていたら、僕までもがとても幸せな気分になった。


・・・・・「彼女も連れてくればよかったのに」

--- ううん、今日は特別な日だから、彼女はまた今度---

・・・・・「特別?」



--- あ、、、ユンホさんじゃない? ---


ふっと、ジェミンと同じ方向へ視線をやる。
公園の入り口から、大きく手を振ってるユノさんを見つけた。

急ぎ足で、僕に向かって駆けてくる。

思わずベンチから立ち上がって、手を振った。



「ごめん、、、待たせたか?」

・・・・・「ううん、大丈夫。ジェミンと話してたから・・・」

--- ユンホさん、こんにちは---

「待たせて悪いな、ジェミン、、、」


暫くぶりだろう2人は、ベンチに腰かけて話を続ける。

僕は、持ってきたお弁当を広げて、
食事の準備を始めた。

こんな風に、穏やかな時間を過ごせるようになるなんて・・・
ベンチで笑いながら話す2人を見ていたら、胸が熱くなった。


・・・・・「準備できたよ、食べようよ」


それぞれのカップにコーン茶を注ぎ、顔を上げると・・・


・・・・・「ユノさん?」


見上げたそこに、ユノさんが真剣な表情をして僕を見ていた。


「チャンミン、立って?」

・・・・・「うん、、、」


ゆっくりと立ち上がり、ユノさんと向かい合う。




「食事の前に、チャンミンに伝えたいことがあるんだ。」


ユノさんの表情が少し強張ってる。

こんなユノさんを見るのは、久しぶりで・・・
なぜか、とても不安になる。


・・・・・「うん、、、」

--- ユンホさん、いい? ---

「ああ、、、」


えっ?

向かい合う僕たちの隣に、ジェミンが立つ。


「チャンミン、その、、、」

・・・・・「・・・・・」

「あの、、、」


瞳を泳がせながら、言葉を選んでる?


「だから、その、、、」

--- ユンホさん、しっかり!! ---


ユノさんをせかすように、ジェミンがユノさんの肩を叩く。


・・・・・「ねぇ、2人とも、どうし、、、」

「お、俺と、結婚してくれ!!!」





・・・・・「・・・・・」

--- ・・・・・ ---





僕たちの周りだけが、静まり返ったよう、、、
風も止み、小鳥のさえずりも聞こえない。

訳が分からず、言葉を失った僕、、、
そして、ジェミン・・・

暫く沈黙して、そして一番に声を発したのは・・・


--- ユノさん、気持ちは分かるけど、言葉が違ってるよ---


大きなため息を吐いて、ジェミンが肩を落とした。


・・・・・「あ、あの、、、ユノさん?」

「ごめん、そうじゃなくて、、、」


困惑した表情を浮かべながらも、上着のポケットから、何かを取り出す。

そして、、、


「これ、、、」


差し出された、ユノさんの掌・・・
その上に・・・


「一生懸命働いて、買ったんだ」


きらきら光る、、、それ、、、


・・・・・「リング?」

「ほら、俺と・・・」


よく見ると、ユノさんの指にも同じものが・・・

うそ・・・・・


・・・・・「これを、僕に?」


ホントに?


「お前以外の誰に、、、お、おい、、、チャンミン?」

--- あーあ、泣かしちゃった---



ユノさんが、僕に・・・

嬉しくて、、、
どうしよう、、、

涙が止まらない。



「泣くなよ、ほら、、、」


差し出される掌・・・・・


「受け取ってくれるだろ?」


早く手に取って、指に嵌めたいのに、
涙が滲んでよく見えない。


--- ユンホさんそういう時は、ちゃんと手を取って、、、---

「あ、ああ、、、」

・・・・・「・・・・・」

「ほら、チャンミン、、、手、出して?」


ゆっくりと自分の手を差し出す。
僕の指に、ぴったりと納まる。


・・・・・「ぴったりだね、、、」

「当たり前だろ? 俺はお前の事なら何でも知ってる」



〝お前の事なら、何でも知ってる〟



お揃いのリングも、もちろん嬉しかったけど、
でも、ユノさんがくれたその言葉が、なによりも僕の心を捕えて離さなかった。


--- ほら、ユンホさん、、、まだあるでしょ? ---

「ああ、分かってるって、、、」


ユノさんは、なぜかまた緊張気味に僕に視線を合わせた。


「チャンミン、実は今度、職場の寮を出ることになって・・・」

・・・・・「えっ? 引っ越すの?」

「新人の若いやつらに、部屋を譲ることにしたんだ。で、それで、、、」

・・・・・「・・・・・」

「も、もし、、、お前が、、、」

・・・・・「・・・・・」

「その、お前が、、、あーっ、、、やっぱり、、、」

--- もう、じれったいな---

「ジェミン、ちょっと黙ってろよ」


僕は、わけがわからず、2人のやり取りを黙って見ていた。


「その、チャンミン・・・」

・・・・・「はい、、、」

「い、一緒に、、、、俺と一緒に暮らさないか?」

・・・・・「えっ?」

「嫌とは言わせない、それ、、、受け取っただろ?」


ユノさんの視線の先は、リングの嵌った僕の指。


--- チャンミン、今ここで、やっとユンホさんの第一声に繋がるんだよ---


第一声?


〝お、俺と、結婚してくれ!!!〟




・・・・・「僕たち、結婚、、、するの?」


こんなにも僕を驚かせるユノさんを、少しだけ困らせたくて、
出来もしないことを、聞いてみたのに・・・


「まぁ、その、、、結婚って言ったら大げさなんだけど、、、」


恥かしそうに、頬を染めて・・・


「お前が傍に居る毎日って、、、幸せだろうなって、、、」


真剣な眼差しで、そんなことを言う、、、


・・・・・「ユノさん、、、」


そんな貴方が・・・


「も、もちろん、お前のことも幸せにする。約束する。」

・・・・・「・・・・・」

「ジェミンが証人だ。ダメか?」

・・・・・「・・・・・」

「・・・・・チャンミン?」



そんな貴方が、大好きだよ。




・・・・・「嫌って、言わせないんでしょう?」





--- や、やったね、、、ユンホさん、チャンミン、おめでとう~!!!!!---




ジェミンの掌が、空を舞う。

手品のように、その掌から放たれた紙吹雪が、ひらひらと舞い散る。
きらきらと光るそれに触れたくて、僕は空に向かって手を伸ばした。







--- チャンミンのお弁当、すっごく美味しいね~---

「だろ? ジェミンはラッキーだな。チャンミンの作った弁当、食えるなんて、、、」

--- よく言うよ、助けてくれって、泣きついてきたくせに・・・---

「ば、バカ言うなよ、、、」

--- はいはい、ご馳走さま---

・・・・・「ふふ、、、、、」



それから、お弁当の上に舞い落ちた紙吹雪を、わいわい言いながら3人で集めて・・・


「大体、こんなもん、頼んでないだろ?」

--- ごめんね、チャンミン。チャンミンが喜んでくれるかと思って・・・---

・・・・・「ううん、とっても嬉しかったよ。ありがとう、ジェミン」



大切な親友、ジェミン・・・


そして、、、

僕の愛する人、ユノさん・・・



この青い空の下で、
大切な人たちと笑いあう時間。

あの頃の、孤独だった僕はもうどこにもいない。



・・・・・「ユノさん、、、美味しい?」





「決まってるだろ? チャンミンのたまご焼きは、世界一美味いよ」






君は僕を何も知らない。~青空の下で~ ・・・・・ fin

読者の皆さま、こんにちは。
今日は、昨日完結しました『君は僕を何も知らない。』のその後のお話をお送りしました。

1話の読みきりですが、
皆さんに2人の近況をお伝え出来たかな?って思います。

そして、明日からなんですが、、、
どうしましょう(笑)

今からちょっと悩みます( ̄ヘ ̄;)
お楽しみにしてください。

今日はバンコクなんですね。
無事に成功しますように♪



それでは、午後も素敵なひとときを♪
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私の心の中のお話です。
ご了承ください。




藍の月。2






--- ユノさん、ほら・・・---


カウンターの向こうから、テミンが取り出したもの。


「なんだよ、別に買わなくても言ってくれれば・・・」


グラスの中の琥珀色の液体が、ライトの光に反射してきらりと光る。


--- 売り上げに貢献してあげたんだよ? 
けど、、、さ、スゴイね。大ヒット?の予感じゃん 『藍の月。』---


俺は、天を仰ぎ、大きなため息をついた。


「どうだかな・・・」


グラスを傾け、グッと喉に流し込む。
いつもより濃い酒の味が、俺の喉元を焼き付けるように流れてゆく。


--- けど、僕がこの本を買った店は、ユノさんのが一番売れてたよ?---

「どうでもいいさ、そんなこと・・・」


カラカラとグラスを揺らしながら、テミンに差し出す。


--- もう、そろそろ止めておいたら? 明日、車なんでしょ?---



〝ここに、弟はいます〟



テミンには、ユ・セヨンとの話しの内容を伝えている。
きっと俺と同じように、チャンミンのことを心配して、心を痛めているだろうから。



「あぁ、そのつもりなんだ。けど・・・」

--- けど?---




〝明日、チャンミンに会いに行こうと思う〟



つい2時間前、この店に来て初めて口にした言葉。

なのに・・・


「正直、怖いよ。あいつに、、、チャンミンに会うのが怖い。なぁ、テミン、お前も一緒に・・・」

--- バカだな、ユノさん。兄さんはきっと待ってるよ。信じてあげないと・・・---


信じる、、、か・・・


「そうだな、、、」

--- はい、今日はもう、これで店じまいだよ?---

「なんだ、これ?」

--- テミン特製、栄養ドリンク。それ飲んで、明日、兄さんに会ってきて? 
僕の事もよろしく伝えておいてね---


小さなグラスに、注がれたそれは少し苦くて・・・


「苦っ、、、、」

--- ふふ、---


けど、テミンの温かい心と大きな愛が詰まっている気がした。







翌朝、いつもより早くベッドから抜けて、シャワーを浴びた。
いつもと変わらない朝。

けれど、何かが変わる朝。




「おい、担当。 お前、車持ってるか?」


次作のアイデアを捜しに行く・・・なんていうと、


--- 僕もお供します! 運転は任せてください---


なんて言いだして、誤魔化すのに大変だった。

悪いな、担当、、、
次も気合入れるから、許せよ。

心の中で詫びながら、担当から借りた車に乗り込み、
俺は一路、チャンミンの元へ向かった。





途中、渋滞に巻き込まれながらも、思っていたより早くその場所に到着した。

大きな湖が美しいその場所は、季節を問わず、観光客が多く立ち寄る観光地でもある。
賑やかなその空気を横目に、車を走らせる事5分。

喧騒を避けるようにして、ひっそりと建つその建物は、
その場所だけが、まるで異空間のように静かで穏やかな空気が漂っていた。


表の扉を開けると、受付と書かれた部屋の奥から、柔らかく微笑んだまるで天使のような女性が、
俺の到着を待っていたかのように、顔を覗かせた。



「あ、あの、、、すいません」

--- いらっしゃい。チョン・ユンホさんですか?---



えっ?
どうして・・・


その女性は、小さく頷きながら・・・


--- ユ・セヨンさんから伺っています。どうぞ、こちらへ・・・---



「・・・・・」


通されたのは、客室のような部屋で、
開け放たれた窓から、柔らかい風が吹き込んで、カーテンが揺れていた。

ソファに座るよう促され、テーブルを挟んで女性と向き合う。


--- どうぞ---


テーブルの上には、シンプルなカップに入れられたコーヒーが静かに置かれた。


「ありがとうございます」

--- 遠いところ、お越しいただいて、、、お疲れではありませんか?---

「はい、思っていたよりスムーズに来ることが出来ました」

--- そうですか。セヨンさんから聞いています。貴方は特別だと・・・---

「特別?」

--- ええ、、、そうです。特別な人だと・・・---



彼女の言おうとしている意味が、理解できない。
そんな俺を、覚ったのか・・・


--- チャンミンさんの、特別な人、、、という意味です。---

「・・・・・」

--- お会いになりますか? 彼に・・・---






そこは、春川にある療養所です。
弟は、そこに居ます。
そこで、毎日窓の外の美しい景色を眺めながら静かに暮らしています。

私のせいです。
私が、弟の人生を狂わせた。

なのに・・・

こんな兄を、弟は見捨てなかった。
弟は、自分を犠牲にしてまでも私を救ってくれました。

なのに、私は何もしてやれないんです。
私では弟を救えない。
私に唯一、出来ることと言えば・・・

〝弟を手放すこと〟

どうか、どうかチャンミンを・・・






「チャンミンに会わせてください。そのためにここに来たんです」







59へつづく

読者の皆さま、おはようございます。

昨日は、「君は僕を何も知らない。」に沢山感想を寄せて下さり、
ありがとうございました。
ゆっくりになるかもしれませんが、御返事させていただきます。

そして、「藍の月。」は、次回2人が再会します。
そっと、静かに覗きに来てくださいね(笑)




それでは、今日も1日いい日になりますように♪
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KISSをちょうだい 2




--- シムさん、お電話です ---


それは、冬が本格的に訪れ始めた、とても冷えた日だった。


・・・・・「はい、シムです」

--- お、チャンミンか? ---

・・・・・「先輩?」


電話の向こうから聞こえてきた声は、
変わらず僕の名を、優しい声で呼んでくれた。


--- 実はさ、明日、仕事で釜山に行くんだ ---

・・・・・「先輩が?」

--- あぁ、、それで、久しぶりにお前の顏見たいと思ってさ、時間あるか?---

・・・・・「もちろん、、、」


久し振りのキム先輩の誘い。
話したいことが沢山ある。

時間を約束して、電話を切った。

ふっと、デスクの上のカレンダーに目が留まる。


・・・・・「あ、、、」


そうだ。
明日は金曜日だ。
 

カレンダーを手に、少し考える。
そして、僕はカレンダーを携帯電話に持ち替え、フロアを出た。


廊下を少し歩いて、ビルの裏階段へつづく扉を開く。
空調が効いていないその場所は、空気が氷のように冷たかった。

誰もいないことを確認して、ある人のナンバーを表示させる。


〝パク室長〟


その名を少し眺めて、悩んだ末にメッセージを送った。


〝室長、明日都合が悪くなりました。申し訳ありません〟


確か、室長は今頃会議中だ。
送信したことを確認して、フロアに戻ろうと扉のノブに手を掛けた時、、、

ブルブルと震える携帯電話。
慌てて応答すると、、、


--- シムくん? ---

・・・・・「室長、、、会議中かと、、、」

--- 今終わったところだ ---

・・・・・「室長、明日、ソウルの事務所の先輩がこちらに来るらしくて、、、」

--- あぁ、そうか、、、---

・・・・・「すいません」

--- 気にすることはないよ。わざわざ連絡ありがとう ---

・・・・・「いえ、、、」

--- じゃあ、、、---

・・・・・「あの、、、」


電話を切ろうとした室長を、僕は何故か呼び止めた。


--- ん? ---

・・・・・「あの、、、やっぱり、行きます。少し、遅くなるかもしれないけど、、、」


思わずそう、言った。
室長の声が、とても寂しそうに聞こえたから、、、


--- シムくん、いいんだよ。僕の事は気にしなくてもいい ---

・・・・・「でも、、、」

--- いろいろ話すこともあるだろう。楽しんでおいで、、、じゃあ、、、 ---


プツっと電話が切れた。


その瞬間、階段の下から流れ込んで来た冷たい風が、
僕の身体を包む。

あまりの冷たさに、急いで扉を開き、フロアに戻った。






--- 久しぶりだな、チャンミン ---

・・・・・「先輩、お変わりないですか?」


久し振りに会った先輩は、
なんだかちょっとスリムになって、髪も明るい色に変っている。


・・・・・「先輩、何かありました?」

--- 何かって? ---

・・・・・「いや、なんだか少しイメージが、、、」


賑やかな居酒屋のテーブル席で、
ビールの入ったグラスで、乾杯をする。


--- まぁ、俺の事はあとでいい。それよりもお前に話しがあってな ---

・・・・・「僕に?」

--- あぁ、、、---

・・・・・「なんですか?」


先輩の視線が、一瞬揺れて、そして、、、


--- チョン・ユンホが来た ---

・・・・・「えっ?」

--- お前の転勤先を教えろと、、、---


ユンホさんが?
LAに行ったんじゃないの?

どうして、、、
どうしてこの国に居るの?


--- けど、それは個人情報で教えられないと言ったんだ。けど、毎日のようにやってきて、、、---



〝シム・チャンミンの居場所を教えてください〟



ユンホさん、、、


--- で、社長と相談して、お前に確認を、、、---

・・・・・「駄目です、、、」


僕は先輩の話を途中で遮った。


--- まぁ、そう言うだろうと思ってたけどな。お前が何のために釜山行きを了承したのか、
それを知ってる俺からしたら、聞くまでもないって、、、---

・・・・・「ご迷惑をおかけして、すいません」

--- まぁ、俺はお前たちの事情を全部知ってるわけじゃないしさ、、、--

・・・・・「・・・・・」

--- けど、お前が電話のナンバーを変えるほどの事なんだろうから、俺がとやかく言うことじゃないんだけど、、、
でも、本当に話さなくていいのか?  チョンさん、ちょっと切羽詰まった感じでさ、、、---

・・・・・「・・・・・」

--- 事情がある感じだったけど、、、---



事情、、、

何も話さずに、貴方は行ってしまった。
昔愛した、、、ううん、ずっと愛し続けていた人の手を取って、、、


・・・・・「先輩、、、」

--- ん? ---

・・・・・「もし、今度彼が来たら、、、」

--- ・・・・・ ---

・・・・・「僕は、、、シム・チャンミンは、貴方を、、、チョン・ユンホを忘れたと、、、そう伝えてください」

--- チャンミン、、、---


それがいい。
もし、言い訳なら聞きたくないし、別れの言葉もいまさらだ。


・・・・・「で、、、先輩の話って何ですか? どうしたんですか、その髪、、、」


あからさまに話を切り替えると、
先輩は苦笑いをして、、、

けど、それ以上ユンホさんの事には触れず、
僕の話に乗ってくれた。



--- あーっ、楽しかった。久しぶりにお前の顏見たら、酒が美味くてさ ---

・・・・・「ほら、危ないですよ、先輩、、、」


随分と話し込んで、気がつけば日付が変わろうとしている。
タクシーに先輩と乗り込み、先輩が宿泊するホテルの部屋まで送り届けた。 


・・・・・「先輩、また連絡します」

--- んーーーーーっ、、、またなーチャンミン、、、---


ベッドで伏せてしまった先輩の身体に、布団をかぶせ、
部屋を出る。


時計を確認した僕は、再びホテルの前でタクシーに乗り込んだ。



行き先は、そう、、、



--- シムくん、、、 ---


いつものバーの前。
タクシーを降りると、室長がバーの扉の向こうから姿を見せたところだった・・・









45へつづく

読者の皆さま、こんばんは。

14時更新の『君は僕を何も知らない。』が完結しました。
沢山コメント頂いてます。
ありがとうございます。

今日は夕食のおかずの1つにきんぴらごぼうを作りました。

2019 06 28 きんぴらごぼう

これを鍋一杯に作ったんですけど、2日しか持ちません(笑)


これを夕方作り終えて、途中になってたお話を書こうとPCの前に座り、
マイページを見ると、ある読者さまからコメントが。

〝こころ。さんのきんぴら食べたい〟

うそ~~~っ(笑)
どこかで見てる?? (笑)

ドキドキキョロキョロしながら、切ないお話書きました(笑)ププ






それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。素敵な夢を♪

また明日♪






こころ。

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ご了承ください。



君は僕を何も知らない。2





・・・・・「ユノさん、いらっしゃい」



〝お前が好きなんだ。愛してる・・・〟



あの日から、僕たちは時間を見つけては会うようになった。
普段は、僕は学校、ユノさんは現場の仕事で、なかなか会えなかったりするけれど、、、


「いい匂いがする。腹減ったな」

・・・・・「今日はチゲにしたよ」


ユノさんは、時々夜の仕事へ向かう前に、僕のアパートで食事していくようになった。
向かい合って、イスに腰を下ろす。


「ん、、美味い、、、」

・・・・・「ホント?」

「ん、、、お前も早く食えよ」


ユノさんが、僕の作った料理を美味しそうに口に運ぶ。
それを見てると、なんだかとても幸せな気分になった。


・・・・・「うん」










「実は、バーの仕事、クビになっちゃってさ」


それを告げられたのは、公園で会った日の数日後だった。


・・・・・「どうして?」

「ん、、、実は、派手にやらかしたんだよ、、、」

・・・・・「えっ?」

「あのバカ野郎、、、許せなくて、カーッとなってさ、、、」


バカ野郎?
もしかして・・・


〝この弁当、俺が食ってやるよ。あいつさ、毎日うんざりしてるぜ?〟

〝そう、毎日毎日食ってられるかよ、、、ってね〟




「あのバカのせいで、チャンミンの弁当も食いそこなったし、それに・・・」

・・・・・「・・・・・」

「カード、、、毎日楽しみにしてた。お前の事、お前のいろんなことを1つずつ知ってくような気がして・・・」

・・・・・「ユノさん、、、」

「だから、あの最後のカードは、、、」



〝出会ったころから、ずっと、、、僕は変わらず貴方が好きです。〟



「嬉しかった」


ちらりとユノさんの顔を覗き見る。

恥ずかしそうに頬を染めているユノさんと目が合って、、、
ふっと、お互い小さく笑い合った。

そんな彼を、僕はとても可愛いって、、、そう思った。



バーの仕事がダメになって、ユノさんは現場で働く先輩の紹介で、
週に数日、工場での仕事へ行くことになった。

僕のせいで、ユノさんの仕事がダメになってしまって・・・


・・・・・「ごめんなさい」

「そんなこと気にしなくていい。お前が悪いんじゃない」


申し訳ない気持ちで、胸がいっぱいになった。
けど、心の隅で、少しだけ安堵してた。

カウンターに座ってた綺麗な女性のお客さんと話すユノさんの姿・・・
忘れられなくて、胸が痛かったから・・・


ユノさんには、言えないけれど・・・




食事を終えて暫くすると、ユノさんは仕事へ出かけてゆく。

玄関で、靴を履く後姿を眺めていると、



「なぁ、チャンミン、、、」

・・・・・「はい」

「お願いがあるんだ」


振り向かず、扉のほう向いたまま・・・


・・・・・「なんですか? 僕に出来ることならなんでも、、、」


そう言うと、ユノさんは、ゆっくりと振り返って・・・



「その、、、」


瞳を泳がせて、僕と視線を合わせない。


・・・・・「どうしたんですか?」

「いや、その、、、少しだけでいいんだ、、、」

・・・・・「・・・・・」

「お前に、、、触れてもいいかな?」

・・・・・「ユノさん・・・」




ユノさんの心は、まだ自分を許してはいない。

けど、僕は思うんだ。

僕たちは、急ぐ必要はない。
時間はたくさんあるのだから・・・



・・・・・「うん、いいよ」


視線が重なる。
ゆっくりと、ユノさんの手が僕に近づき、大きくて温かい掌が、僕の頬を包んだ。


・・・・・「ユノさんの手は、いつも温かいね」




大丈夫、、、

僕たちは、始まったばかり・・・



「行ってくるよ」

・・・・・「行ってらっしゃい。気を付けてね」


扉が閉まると、僕はすぐにリビングの窓辺に向う。



暫く外を眺めていると、ユノさんの姿・・・
大きく僕に向かって、手を振ってくれる。

街頭が灯る通りを、ユノさんの姿が見えなくなるまで眺めてる。




さっき、ユノさんに触れられた頬が、ジワリと熱を持ち続けてる。
自分の掌をそっと当ててみた。





僕たちの出会い


「お前、名前なんてーの?」
・・・・・「シ、、、シム・チャンミン」



そして、辛い別れ


・・・・・「僕はもう、いらないんだね」
「俺を赦すな、、、、」




どうにもならない現実と、本当の想いに苦しんで戸惑った日々・・・


「あの頃に戻れたら、俺、もっともっと、お前を大切にするのに・・・」



やっと、想いを伝えあった日


・・・・・「知りたいんだ。傍に居たい。好きなんだ」
「お前が好きなんだ。愛してる・・・」






・・・・・「ユノさん、、、」


頬の温もりは、まだ消えていない。

僕たちには、いろんなことがあったけれど、
この温もりさえあれば、これから2人で過ごす時間はきっと穏やかで温かい時間になるはず。


そうだよね、ユノさん・・・



少しずつで構わない。

もっと貴方を知りたい
もっと僕を知ってほしい

そうすればきっと、今までよりももっともっと、、、
貴方を好きになるから・・・





貴方が居なくなった静かな部屋。

テーブルの上の携帯電話が、メッセージの着信を知らせる。



--- チャンミン、好きだよ、愛してる---



・・・・・「僕も愛してるよ、、、」


携帯電話を胸に当て、目を閉じた。
この胸の鼓動が、貴方に聞こえるかな?


ユノさん、
貴方に届くといいな。



窓の外に広がる夜空も、きっと・・・

あの日、2人で眺めた青空と同じように、
僕たちを見守っていてくれる。






--- 俺、チャンミンの卵焼きは世界一だと思う ---









君は僕を何も知らない。・・・ Fin

読者の皆さま、こんにちは。
『君は僕を何も知らない。』 29話で完結です。
少しダークな内容のお話だったので、
読者の皆様に受け入れてもらえるか、実はちょっと心配していたのですが、
お話の2人にそっと寄り添ってくださって、見守ってくださいました。
ありがとうございます。

実は、この後1話読み切りですが、
その後の2人のお話がありますので、
明日は、そちらを更新させていただきます。

とりあえず、本編完結です。
よろしかったら、感想などお聞かせくださいね。


それでは皆さま、午後も素敵なひとときを♪
いつもご訪問ありがとうございます。




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私の心の中のお話です。
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藍の月。2






「光栄です。名前を憶えていてもらえただなんて。いや、いい印象ではないことは分ってます」


書店からほど近いカフェの奥の座席。


俺は、〝ユ・セヨン〟と、テーブルを挟んで顔を突きあわせている。
突然の事で、暫く言葉が出てこなかった。



〝セヨンさん、、、病院のベッドで眠ってるんだ〟
〝僕を、、、僕を追って事故に・・・〟



確かに、あの時チャンミンはそう言ってた。


・・・・・・・・・元気そうだけど?


とにかく、落ち着け。


〝お待たせしました〟


店員が、注文していたコーヒーを運んでくる。
テーブルの上に、丁寧に置かれる綺麗なカップを見つめていた。


--- 実は、少し前からチョンさんにお会いしなければと思っていました---

「・・・・・」


カップを手に取り、コーヒーを一口喉に流す。
そして、テーブルの端に置かれていた、紙袋を手に取った。


--- この本、弟にプレゼントしようと思って・・・---


さっきの書店で、俺の本を・・・


--- 貴方の事を取り上げていた雑誌の記事を読みました---

「・・・・・」

--- すぐに理解しました。この本の内容は、貴方と弟の事を書かれているんだと---





『藍の月。』・・・・・冒頭は、こう始まる。


出逢いは偶然。
その偶然から、始まる必然。

藍色の月が、曇りがかった夜の空に淡く浮かぶ・・・


『セックスしようよ?』


それが、俺たちの偶然の出逢いだった。





「忘れたくなかっただけです。あいつと、、、チャンミンと過ごした時間を1分も、1秒も忘れないように」


少し、声が震える。

こんな人間を相手に、何も本気で答える必要なんてない。
そうは心で思いながらも、チャンミンのことに関しては、絶対に嘘はつきたくなかった。


「あいつ、、、チャンミンは、どうしてますか? 元気ですか?」


手にしていたカップを、ソーサーに戻し、彼に視線を向ける。
合わさった視線を、彼はゆっくりと逸らした。


--- 事故に、、、事故に遭った私を、一時も離れずに看病してくれました。
暫くは意識が戻らず、生死を彷徨っていた私は奇跡的に回復して、、、
目が覚めた時、弟は私の手を握り、病院のベッドにもたれ掛って眠っていました---

「最後に会った時に、自分のせいだと、そう言ってました」


俺の言葉を聞いて、彼は首を横に何度も振った。


--- それは違います。弟が、そう思いこんでいるだけです---


チャンミン・・・


--- チョンさん、、、長い間、私は弟を傷つけてきました ---

「・・・・・」

--- 愛してたんです。弟を、、、シム・チャンミンを・・・---

「・・・・・」

--- 歪んだ愛を彼に押し付けて、苦しめました。なのに、弟は僕を許して傍に居てくれました---


テーブルの上に置かれた彼の手が、震えていた。


---貴方とのことは、チャンミンから聞きました。貴方の事をとても愛していたと、そう言ってました---

「・・・・・」

--- 私達は、兄弟と言っても血は繋がっていません。その事実が、私に勘違いさせたんです。
2人は、愛し合っていると・・・---

「・・・・・」

---弟が、私に向けてくれる愛の意味を、私が取り違えてしまった。
けれど、そのことに気が付いた時には、もう、遅かった ---

「・・・・・」

---彼なしでは、生きていけないとさえ、思うようになって居ました。
例え、愛する人にどんなふうに思われていても・・・---



2人の間には、俺には理解しえない感情が、長い間積み重なっている。

兄として、兄弟として、ユ・セヨンを愛したチャンミンと、
自分だけの特別な人間として、〝弟〟を支配したかったユ・セヨン。

愛し合っていることには、なんら変わりはないのに・・・


チャンミン・・・
お前の心は、どんなに悲しみ、苦しみ、泣き叫んだんだろう・・・



--- この本、もちろん僕はまだ読んでいません。けれど、この物語のラスト・・・---

「ラスト?」

--- そうです、ラストです。まだ、2人は終っていませんか?---

「えっ?」

--- この本の主人公の2人は、まだ、繋がっていますか?---



そんなこと、
当たり前なのに・・・




「この物語に、終わりなんてありません。」


何故、そんなことを聞くんだろう。



俺たちはまだ、続いてるよな?
俺たちはまだ、繋がってるよな?


続いている
繋がっている



「俺たちに、終りなんてありません。続いてます。繋がってる」


ユ・セヨンは、穏やかな顔して微笑んだ。
そして、ジャケットの内ポケットから、小さなメモを取りだした。



--- 貴方に、お願いがあります---

「お願い?」

--- 弟を取り戻したい。兄として、兄弟として、もう一度やり直したい。勝手だとは分っています---

「・・・・・」

--- ここに、弟はいます---


テーブルの上を滑らせて、さっきの小さなメモが、俺の目の前に届いた。


--- もっと早くにこうするべきでした。私は何度も過ちを犯しています。
自分でも、もしかしたら弟を救えるんじゃないかって・・・---

「これは・・・」

--- 私が、弟をあんな風にしておいて、、、こんな私に、救えるはずなどないのに・・・---

「ここに、チャンミンが?」


こんなところに・・・
お前、バカだよ・・・


--- 弟を、どうか助けてやってください。もう、貴方しかいない---

「・・・・・」

--- どうか、、、---



今、俺の瞳に映る ユ・セヨンは、本当にあのユ・セヨンなのか?

涙を頬に滑らせ、けれど、それを拭おうともせず、
懇願の瞳を俺に向ける。

真っ直ぐに、逸らすことなく・・・






「俺は必ず取り戻してみせる。 あいつとそう、約束したんだ」



〝大丈夫だ。俺は、いつでもどんな時も、お前の味方だから、、、傍に居るから・・・〟



約束しただろ?
忘れてないよな、チャンミン・・・


待ってろ? 


すぐにお前を、迎えに行くから・・・・・








58へつづく

読者の皆さま、おはようございます。

ユノとチャンミンの再会が近付いています。
初めてこのお話を読んで下さっている読者さまは、
ちょっとハラハラしてらっしゃるんじゃないかと思います。
2人の再会、見守ってあげてくださいね。

今日の午後更新は、完結話です。
よろしかったら、お部屋にご訪問くださいね。
お待ちしています。





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