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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



KISSをちょうだい 2



・・・・・「あの、、、」

「ん? どうかした?」


これ以上、この人に関わってはいけない。
そう、頭では分かっていても、僕を見つめる魅惑の瞳から、逃れられない。


気がつけば僕は、彼に誘われるがまま、
ホテルの部屋に、脚を踏み入れていた。

けど、それはいつもとは違っていて、、、





・・・・・「ホテルなら、いくらでも、、、」



店を出て、彼は通りでタクシーを止める。
後部座席に2人で乗り込むと、彼はこのホテルの名を運転手に告げた。


タクシーが止まったのは、ソウルでも有名な一流ホテル。

しかも、今、僕がいるのは、
高層階のスイートルームだ。




一体、この人は、、、


「気に入ってもらえなかったかな?」

・・・・・「いえ、そうじゃなくて、、、」


戸惑う僕を見て、フッと笑みを零すと、
部屋の一角にあるバーカウンターのワインセラーから、
慣れた手つきでボトルを取り出す。


緊張しながらも、僕は窓辺に向かい、
カーテンを少しだけ開けた。


・・・・・「凄い、、、」


高層階から見おろすソウルの街は、
まるで、宝石箱のようにキラキラと輝いている。


「はい、、、」


背後からの声に振り向くと、
グラスを手にした彼が立っていた。


・・・・・「ありがとうございます」


濃密なルビー色をしたワインが、グラスの中でゆらゆらと揺れている。


「乾杯」


グラスを合わせ、
ワインを喉に通す。

滑らかな舌触りと、上品な甘さ。
果実の香りが、身体全体に広がった。


・・・・・「美味しい、、、」

「そう? よかった」


ふと、彼が視線を窓の向こうに移す。


「君は、この街が好き?」

・・・・・「えっ?」

「変ってないな、、、何も、、、」


小さな声で、彼はそう呟いた。


・・・・・「もしかして、旅行、、、とか?」


〝変ってない〟

彼のその言葉で、この街が久しぶりだという事が分かる。


「違うよ、5年ぶりに戻ってきたんだ。数日前まで、ロスに居たから、、、」

・・・・・「そうなんですか、、、」

「酷く懐かしく感じる」

・・・・・「僕は、、、この街しか知りません」

「ん?」

・・・・・「〝好きか?〟って、、、」

「あぁ、、、」

・・・・・「臆病者なんです。だから、怖くて何処にも行けない」


どうして僕は、こんなことを彼に話しているのか、、、

今夜だけの関係。
今まで、何度も同じような夜を過ごしてきた。

ただ、身体の熱を冷ますためだけに、
見知らぬ男と身体を繋げる。

自分のことは話さない。
相手のことも聞かない。

今までずっと、そうしてきたのに、、、


ふと、彼の視線を感じる。
隣りを見ると、空のワイングラスを手にしたまま、
僕をじっと見つめていた。

そして、、、


「じゃあ、僕が連れ出してあげるよ」

・・・・・「・・・・・えっ?」

「君をこの街から、連れ出してあげる」


そのまま僕は、彼に腕を取られ、
奥の寝室に引き込まれた。


彼が手にしていたワイングラスは、毛足の長いラグの上、、、

そして、そのすぐ傍には、
僕の手にしていたグラスが転がる。

まるで、その場に血が流れるように、
白いラグが赤く染まっていた。






4へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
今日は、しとしと雨の降る寒い1日でした。

ユノは、休暇を友人たちと楽しく過ごしたようですけど、
(というか、あの動画に若干引きましたけど、、、苦笑)
チャンミンは?
滅多にない休暇だから、ゆっくりと過ごせていればいいな。
4月まで会えないから、寂しいです(ノω;`)

明日から早くも2月ですね。
トンペンさんには、超多忙な2月(笑)
イチゴのケーキ買わなくっちゃ♡フフ




それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を♪




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アネモネ。2






・・・・・「ヒョン! お待たせ」


季節は過ぎ、俺たちは3年生になった。
俺は、部活も引退し、本格的に受験モードに入った。


「ん、お前、生徒会の仕事は?」

・・・・・「うん、もうあと少しで引き継ぎも終わるんだ。だから、これからは毎日ヒョンと勉強できるよ」


そう言いながら、チャンミンは嬉しそうに微笑んだ。

窓から差し込む太陽の光が、チャンミンを照らしてキラキラしてる。
とても綺麗だった。

チャンミンが俺のマンションの隣りに越して来た小学3年生以来、初めての同じクラス。
そして幸いなのか、厄介なのか、ドンヘとも・・・


--- おい、ユノ~っ、、、例のマンガ・・・・---


教室の最前列の席から、ドンヘが声を張り上げる。
振り向いたドンヘが、俺の隣りに居るチャンミンを見てニヤリと笑った。


--- ほらよ、持ってきてやったぜ?---


ニヤついたままの顔で、一番後ろの俺の席まで来たドンヘが、ドサリとコミック本を机に置いた。


「おぉ~、サンキュ~ドンヘ~続きが気になっててさ~」


それは、俺がずっと読みたかったマンガ本。


--- だろ? ネタばらしてやろうか? ---

「おいおい、バカ言うなよ。この最初のシーンで、、、、あれ?」


本を手に取って、ページを捲ろうとしたときだった。
パッと、俺の手から本が消える。


ん?


ふと、隣りを見ると怖い顔をしたチャンミンが、
マンガ本を手に取って俺を睨んでいた。


「チャンミン?」

--- どした? チャンミンもユノと一緒に・・・---


チャンミンの目は、じろりとドンヘに向けられる。


・・・・・「ドンヘくん、ヒョンはマンガを読んでる暇はないんです」


えっ?


--- いや、こいつ、部活も引退したし、、、暇そうだけど・・・---




・・・・・「暇じゃないです !!!!!」

!!




いきなりのチャンミンの大声に、ドンヘと俺は、驚いてビクリと身体を浮かせた。


「チャ、チャンミン、どうしたんだよ?」

---そ、そうだよ、チャンミン、、、何怒ってんだよ?---


ちょっとビビりながら、2人してチャンミンのご機嫌を伺う。
チャンミンは、手に持っていたマンガ本をドンヘに突き返しながら、大きなため息をついた。


・・・・・「ヒョン、ドンヘくん、2人ともよく聞いてください」

「はい」

--- はい---

・・・・・「ヒョンの今の成績では、希望校は到底無理なんです」


チャ、チャンミン、、、
そんなはっきりと・・・


・・・・・「マンガを読んでいる間に、英単語10個は覚えられます。でしょ?」

「う、、、、、」

・・・・・「ですよね? ヒョン!!!」

「う、う~ん、、、10は無理かな? 5くらいなら・・・」

・・・・・「そういう事なので、ドンヘくん」


聞いてないし・・・


---はい---

・・・・・「今後一切、ヒョンにマンガを貸したりしないでください。お願いします」


そう言いながら、俺のカバンを手に取って、


・・・・・「さ、ヒョン、、、早く帰って勉強しようよ」

--- ぷっ、、、---


その様子を見て、ドンヘが吹き出しそうなのを我慢している。


「なんだよ、何がおかしいんだよ?」


俺は、マンガの続きが読めない悲しさと、希望校は到底無理だ、、、なんて言われた悔しさとで、
ショックで落ち込んでるってーのに・・・


--- いやさ、お前ら知らないだろうけどさ---

「なんだよ?」

--- 〝3年1組の仲良し夫婦〟って、そう言われてんだぜ?---

「はぁ? なんだそれ?」

・・・・・「仲良し、、、夫婦、、、ふうふ・・・」


お、おい・・・
チャンミン、、、耳が真赤だって、、、


--- そう、夫婦! 出来の悪い旦那の世話を焼く、出来た嫁さんってな!---


特に意識はしてなかったつもりなのに、、、、


・・・・・「ヒョ、ヒョン、、、ごめん」

「気にするな、大丈夫だから」


別に、人の目を気にしているわけじゃなかったけど・・・


--- チャンミン、ユノにマンガはもう貸さないよ。これからもこいつの事、頼むよ、な?---


言わなくてもいいことを口にしたと思ったのか、
ドンヘが、顔を伏せてしまったチャンミンに必死になって話しかけてる。


「チャンミン、帰ろう」

・・・・・「うん」




--- また明日な!---

「おぉ、明日!」


チャンミンの腕を掴んで、俺たちは足早に教室を出た。




・・・・・「ヒョン、、、僕、出しゃばったりしてごめんなさい。そんな風に、言われてるなんて知らなくて・・・」


運動場は、後輩たちの元気な声が響いていた。


--- チョン先輩! さようなら!---

「おう、ガンバレよ、声出せ!!」

--- はい!! ---


運動場を横切り、いつもの帰り道。
チャンミンと並んで歩く。


「なぁ、チャンミン」

・・・・・「・・・・・」

「誰が何を言っても、気にしなくていい」

・・・・・「でも・・・」

「俺たち、親友だろ?」

・・・・・「うん」

「それに、兄弟」

・・・・・「うん」

「それに・・・」

・・・・・「・・・・・恋人だ」


歩きながら、隣りのチャンミンの顔を見ると、、


「チャンミン、、、顔真っ赤だよ。テレてる?」


可愛くて、少し苛めてみたくなった。


・・・・・「ち、違うよ、、、夕日が、、、」


チャンミン、、、空はまだ青いよ。


「親友で、兄弟で、恋人なんだからさ。ただの親友やただの兄弟やただの恋人よりも、
仲がよくて当たり前だろ?」

・・・・・「ヒョン」

「恋人って言うのは、2人だけの秘密だけど、、、な?」


ニッコリと微笑むチャンミンが可愛くて、
俺は思わずチャンミンの髪をクシャっと撫でた。


「あ~そうだ。残念だけど、ドンヘにバレてるな」


笑ってそう言うと、


・・・・・「うん。けど、ドンヘくんはとてもいい人です」

「そうだな、、、あいつはイイ奴だよ」




俺たちだけの、秘密の恋。
幼い2人の秘密の気持ち。

小さなことで、気持ちが揺れてしまうこともあるけれど・・・

小学生の頃、チャンミンを守ってやりたいとそう思った。

その気持ちは、今でも変わらない。
そして、これからも・・・



決して2人は、離れることはないと、そう信じていた。








26へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
アネモネも、もう25話ですね。

頂いたリクエストのお話、どれにしようか思案中です。
皆さんが、どのお話にもとても思い入れを持ってくださっていて、
何年も前のお話なのに、皆さんの気持ちがとても有難くて嬉しいです。

もう暫く悩みます(笑)



それでは、今日も1日いい日になりますように♪
いつもご訪問ありがとうございます。




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ひぐらしの鳴く、あの夏。3



毎日が、ジェットコースターのように通り過ぎてゆく。
僕は、ヒョンのサポートと、仕事を覚えることに必死だった。



ある日の午後・・・


--- いらっしゃいませ、チャンミンさま ---

・・・・・「お加減は如何ですか?ソンさん、、、」


僕は、ソンさんの家を訪れた。
ここに足を運ぶのは、何度目だろう。


--- 綺麗なお花をありがとうございます ---


いつも笑顔で僕を迎え入れてくれる、ソンさんの奥様にお花を手渡すと、
ソンさんの部屋のテーブルの上にある花瓶に挿してくれる。

飾られた花を見て、優しく微笑むソンさんは、
少しまた痩せたように見えた。

ソンさんの容態は、ヒョンから聞いていた。
思うように回復せず、すっかり弱気になっているらしい。

ベッドに半身を起こした状態で、
僕を迎えてくれたソンさんは、いつにもまして元気がなかった。


--- チャンミンさま、坊ちゃまは?---


元気のない理由は、きっとヒョンだ。


・・・・・「はい。今、会議中で、、、時間を貰ってここに来ました」

--- そうですが、、、チャンミンさまもお忙しいのに、わざわざ、、、---

・・・・・「いえ、、、ソンさん。ヒョ、、、いえ、専務はお元気でいらっしゃいます」

--- ・・・・・ ---

・・・・・「ソンさんに会いたいと、そうおっしゃってました」

--- そうですか。有難い、、、---


ソンさんは、視線を窓の外に向ける。
きっと、その視線の先にはヒョンがいるんだろう。


--- 坊ちゃまがお元気なら、ソンはそれで満足です ---

・・・・・「ソンさん、専務から伝言を預かっています」

--- 坊ちゃまから? ---



〝明後日のお誕生日にソンに会いに行くから〟



・・・・・「そうお伝えするようにと、、、」

「そうですか、、、今年も坊ちゃまは忘れずにいてくださったんですね、、、」

・・・・・「勿論です。専務は、誰よりもソンさんのことを大切に思っていらっしゃいます」


僕のその言葉に、ソンさんはとても嬉しそうにほほ笑んだ。




けれど、、、



ソンさんは、誕生日を迎えることなくこの世を去った。


冷たくなったソンさんに縋りつくヒョンの姿は、
両親を事故で失った時の自分と重なった。

心が痛む。

ヒョンにとって、ソンさんは父でもあり、母でもあった。
孤独を埋めてくれる親友であり、生き方を教えてくれる師でもあったはず。


「ソン、、、ソン、、、どうして、、、どうして俺を置いてくんだよ、、、ソン、、、」


ヒョンに掛ける言葉は何もない。
ただ、傍に寄り添って支えるしか出来ない。


ソンさんが、天に召されてゆくのを見届けながら、
僕は誓う。


ソンさん、、、
貴方のようにうまくはやれないかもしれない。

けれど、僕はこれからもずっと、ヒョンの傍で支えていきます。
だから、心配しないでください。

どうか安らかに、、、
願わくば、空の上から、ヒョンを見守ってあげて欲しい、、、



青い空を見上げて、ソンさんに別れを告げた。





それから1週間。



ソンさんの葬儀も終わり、
ようやく、ヒョンの気持ちも落ち着いて来た頃、、、


その日は、久し振りに社に出勤する日だった。


目覚めたのは、朝、6時過ぎ。
隣りで眠るヒョンを起こしてしまわないように、そっと温かなベッドを抜け出る。

寝室を出て、リビングに脚を踏み入れると、
人気のない尖った空気が肌を刺した。


カーテンを開いて、まだ覚醒していない陽の光をぼんやりと感じていると、
背後から、 ピッ、、、と聞きなれた音がした。

それは、玄関のカードキーの音。

こんな時間に、、、しかもヒョンの部屋に?
だれ?


振り向いたまま、僕は玄関から通じるリビングの扉をじっと見つめた。

微かな足音、、、
そして、キーーーッと小さな音が静かなリビングに響く。


薄暗くて、、、

すると、、、



--- オッパ? ---



ソヨンだった・・・・・







57へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
今日は、久しぶりに仲良し4人でランチに行ってきました。
子供が幼稚園の時からの仲良しグループなんですけど、
4月からは、みんなバラバラの高校に行くことになる(だろう)ので、
なんだかとても寂しいねって、そんな話をしてきました。
子供達が、それだけ成長したんですね。しみじみです。

昨日のひぐらしに、沢山コメントありがとうございました。
出来るだけ続けて更新できるように頑張ります。

それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を♪




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アネモネ。2





・・・・・「ヒョンは温かいね」

「チャンミン、ゴメンな」

・・・・・「どうして謝るの? ヒョンは何も悪くないよ」


何も言葉が出なかった。
チャンミンだって、本当は悲しかったはず。

淋しかったはずなのに・・・

俺に真っ直ぐに向けられるチャンミンの想いが怖くなって、
俺は向き合うことを避けていた。

そうじゃダメなのに・・・


・・・・・「ヒョン、困らせてごめんね?」


チャンミンを抱きしめていた腕を解いて、向き合うと、
恥ずかしそうに頬を染めて、けれど、視線はいつもと同じまっすぐで、、、


・・・・・「僕を好きだって、そう言ってくれたヒョンの事、信じてる。だから、ウナの事は・・・」

「チャンミン、俺、ウナとちゃんと話すよ」

・・・・・「ヒョン、けど、、、」

「正直に言うよ、他に好きな奴がいるって」


本当は、チャンミンが好きだって、、、
そう言えたら、どんなにいいだろう。

けれど、そんなこと言えるはずもない。
いつか大人になったら、堂々と・・・・・


「お前が好きだって、それは言えないけど、、、」

・・・・・「分ってるよ。僕、子供だけど、それはちゃんと理解できる」

「けどな、チャンミン、、、俺・・・」


俺は、ギュッと握られたチャンミンの手を取り、
両手でそっと包み込んだ。


「いつか大人になったらさ、堂々と言うよ」

・・・・・「・・・・・」

「俺の好きなのは、シム・チャンミンだって」

・・・・・「ヒョン、ありがとう。とっても、うれしいよ」



なぁ、チャンミン・・・


俺たちはまだまだ子供で、何一つ自分たちでは決められなくて、
大人になるために、沢山いろんなことを経験しなくちゃならない。

大人になるって、どんなに長い時間が必要なんだろう。
そんなことも、俺には分らないんだ。


けど・・・


どんなに長い時間がかかっても、
俺は絶対にお前を守れる強い大人になって、

お前が好きだって、、、
チャンミンが大好きなんだって、、、、


「チャンミン、ゲームしよっか?」

・・・・・「うん、一人ぼっちで、つまんなかったんだ」


大人になって、堂々と・・・・






あの日から、チャンミンの学校での態度がガラリと変わった。

休み時間に訪ねてくることもなくなったし、
俺の周りの友達に威圧的に振る舞うこともなくなった。

もちろん、ウナに対しても・・・


ときどき、廊下ですれ違うチャンミンが、淋しそうに俺を見つめている様子に、
なんだかとても胸が痛くなって・・・


数日後、俺は、帰り道でウナを公園に誘った。





--- どうしたの? なにかあった?---

「ウナに話がある」


そういうと、ウナは少し俯いて何かを考えていた。
そして、ベンチから立ち上がって、目の前のブランコに跨る。

ゆらゆらと揺れるブランコを俺はじっと見ていた。


「ウナ、、、俺・・・」

--- うん、分ってる---

「えっ?」

--- 分ってるよ、チョンくん---


小さく揺れるブランコから、飛び降りたウナは、
ベンチに座る俺の前に立って、、、


--- 友達なら、、、それもダメかな?---

「ウナ」

--- ダメかな? シムくん、私が友達でも嫌がっちゃうかな?---



どうして・・・
知ってる?


「ウ、ウナ、、、チャンミンは、、、、」

--- いいよ、隠さなくても、、、見てたらわかっちゃう。シムくん、すごくチョンくんが好きなんだね?---

「・・・・・」

--- ソニンは、どうしてフラれたのか分かんないって言ってたけど、、、分かんないのが分かんないよね?---


そう言いながら、ウナは俺にニッコリと微笑んだ。




いつか見た景色と同じ・・・
ウナの背中のずっと向こうに夕日が輝いて、綺麗なオレンジ色に染まってる。

突然、クルリと反対を向いたウナが、


--- わぁ、綺麗、、、オレンジだ・・・---


そう言いながら、まるで深呼吸するように大きく手を広げた。


--- チョンくん、私は誰にも言わないから、心配しないで? シムくんと仲よくしてあげてね---


もしかしたら、ウナは泣いてるのかもしれない。
俺に背中を向けたウナが、振り返ることはなかった。


ゆっくりと、広げた手を戻して、ウナは顔を伏せたまま、


--- じゃあね、チョンくん---


そう言うと、ベンチの鞄を手に取り、足早に去っていった。




ウナ、ごめん。
本当に、、、ごめんな。



俺はしばらくの間、ベンチから立ち上がることが出来なかった。






25へつづく

読者の皆さま、おはようございます。

今日は、久し振りにリア友たちとランチです。
楽しみ♪

皆さまも、素敵な1日を♡
それでは、今日も1日、いい日になりますように♪




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前回のお話はこちらから  →  ひぐらしの鳴く、あの夏。54

初めから読まれる方はこちらから  →   ひぐらしの鳴く、あの夏。1





ひぐらしの鳴く、あの夏。3




「チャンミン、疲れただろ?」


マンションにたどり着いたのは、日付が変わる5分前。
部屋に脚を踏み入れたと同時に零れ落ちた、無意識の大きな溜息。

広い玄関脇に備え付けられた大きな鏡。
その中に映る自分に、ふと目が止まった。

似合わないスーツを来た自分。
アパートを出て、ヒョンの元に身を置くようになって1か月が経つ。

けれど、スーツを着た自分の姿に、未だ慣れない。
首元のネクタイの結び目に手をやり、急いで緩めた。



・・・・・「ヒョン、、、何か軽い物でも作ろうか?」

「いや、俺はいい」

・・・・・「でも、お昼もろくに食べてないから、、、」

「ん、そうだったな」

・・・・・「シャワー浴びてきて? スープでも作るよ」


そう言いながら、ジャケットを脱いでキッチンヘ向かおうとすると、、、


・・・・・「ヒョン?」


後から伸びてきたヒョンの長い腕が、
僕の身体を引き留め、ぎゅっと背中から抱きしめられた。


「ごめんな、チャンミン」

・・・・・「どうして謝るの?」

「俺はさ、毎日お前が傍に居てくれるからすごく幸せだ。けど、、、」

・・・・・「けど?」

「随分と無理させてるな、俺、、、」

・・・・・「ヒョン、、、」

「ごめんな」

・・・・・「そんなことないよ、ヒョン」


僕は、ヒョンの腕に包まれたままくるりと身体を反転させる。
視界に入ったのは、泣き出しそうな顔のヒョン。


・・・・・「僕だって毎日ヒョンの傍に居られることがどんなに幸せか、、、」

「チャンミン、、、ホントに? 」

・・・・・「ホントだよ」

「後悔、、、してないか?」


僕は、ヒョンに手を伸ばす。
そして、今度は僕が、ヒョンの身体を強く抱きしめた。


・・・・・「馬鹿だな、ヒョン、、、」

「・・・・・」

・・・・・「僕の方こそ、僕なんかを傍に置いたりして、ヒョンが後悔していないかって、、、」

「そんなこと、、、」

・・・・・「傍に居ても何の役にも立てないし、、、」


この1か月、僕は必死だった。

学歴もコネもない。
両親もいない施設出身の僕なんかが、突然現れて〝専務〟の傍に居る。

しかも、ヒョンは〝時期社長〟なんだ。
社内の僕への視線は、決して温かい物じゃない。


そんな視線に耐えながら、


〝今の自分〟が出来ることを精一杯ヒョンの為に・・・


その想いだけで、頑張ってきた。


「後悔なんかするはずない。
今、俺がこうやって立っていられるのも、全部チャンミンのお陰なんだ」


見つめあう瞳が、何を欲しているのか聞かなくても分かる。



僕達はそのまま、食事もせずにベッドに向かう。



素肌と素肌が触れるだけで、
不安や恐怖が消えてゆく。

身体の中が、ヒョンの熱で満たされてゆく。

ヒョンだけが知っている、僕の身体の奥深く。
その場所に、ヒョンの熱が放たれる。

この熱を受け止められるのは、僕しかいない。



ヒョン、、、
大丈夫だよ。

僕が傍に居る。
これからもずっと、僕がヒョンの傍に・・・




身体は疲れ果てているのに、
溢れる熱は、治まらない。

僕達は、途切れることなく求めあい愛しあう。


「チャンミン、、、」

・・・・・「ユノ、、、ユノ、、、」


何度もお互いの名を口にしながら、
時間を忘れて、身体を重ねた。





疲れ果て、僕達は白いシーツに沈む。
子供のように背を丸めて静かに眠るヒョンを、僕は腕の中にそっと包む。


・・・・・「おやすみ、ヒョン」


ヒョンの額に口づけて、僕は静かに目を閉じた。







56へつづく

読者の皆さま、こんばんは。

ユノとチャンミンが2人で手を取り合い、歩き始めました。
覚えてらっしゃるかな?
心配の種になる人物もいましたよね?

お話の間隔が随分長いので、
読み返してくださる方もいらっしゃると思います。
お時間のある時によろしくお願いします。

連載していた頃は、余りの人気の低さに(笑)
途中棄権しようかと思ったことのあるこの『ひぐらしの鳴く、あの夏。』ですが、
今回、沢山の読者さまが楽しみにして下さっていることを知り、
とても嬉しく思いました。

今日から第2章に入ります。
最後まで、ぜひお付き合いくださいね。


それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を♪




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アネモネ。2





--- なぁ、ユノ、お前たちどうなってんだ?---


日曜日の午後。

ふらりと家を出て、近くのコンビニに入ると、
雑誌を立ち読みしていたドンヘに偶然出会った。

ペットボトルのコーラを片手に、2人して歩く。


「お前たちって、誰と誰のことだよ? 」

--- 決まってるだろ? お前とチャンミンだよ ---


はぁ、、、
こいつに知られていることが、最大の汚点だ。


「はぁぁ、、、、なぁ、ドンヘ」


けど、最初こそ、こいつに良く冷やかされたけど、
ガキの頃から、俺たちのことをとても心配してくれてた。

認めたくはないけれど、俺とチャンミンのことを一番良く知ってるのも、きっとドンヘだ。


「俺さ、、、怖気づいてる」

--- はぁ?---


並んで歩きながら、俺は自分の気持を思わず吐露した。


「チャンミンが、ちょっと怖い」


意味がよくわからない。
そんな顔をしたドンヘに、ずっと感じていたチャンミンへの想いを打ち明けた。

ドンヘは茶化すことなく最後まで黙って聞いていた。


「どうあいつに接していいか、分かんなくなってて、、、」


そう話しを締めると、ドンヘは大きなため息を吐いた。


--- お前さ、よーく考えてみろよ? チャンミンとウナ、二股かけてんだぜ?---


そんなこと分ってる。

けど・・・

ウナを傷つけたくない。
ウナを嫌いなわけじゃない。

あいつが傍に居てくれたから・・・

なのに、チャンミンと気持ちが通じたからって、
だからって、、、


--- お前は、ウナを気遣ってるつもりだろうけどさ、チャンミンにしてみろよ? 
自分の事好きだってそう言ったのに、どうしてだって、、、そう思って当たり前だろ?---

「・・・・・」

--- あいつ、ソニンと別れたんだろ? ちゃんと自分の心に正直で、ケジメつけてるのはチャンミンだろ?---

「・・・・・」




2人して行きついたところは、いつもの公園。
珍しく、公園内には誰もいなくて、静かな空気が流れていた。


--- それに、ウナにだってさ---


ブランコに座って、ゆらゆらと揺れるドンヘを、俺はじっと見ていた。


--- 心がないのに、いつまでも気を持たせるのは間違ってないか? ---

「気がないわけじゃない」

--- なら、ウナかチャンミン、どちらかに決めるべきだ。とにかく、お前が悪い。
ウナに気があるなら、最初からチャンミンに好きだって言うべきじゃなかったはずだ。そうだろ?---

「・・・・・」

--- 今のお前は、ウナだけじゃない。チャンミンも傷つけてる。分かるだろ? チョン・ユンホ---




公園でドンヘと別れてから、ため息をつきながらマンションに戻る。

チャンミンの家のドアの前・・・
脚を止めて、暫く動けなかった。

チャンミン、、、
お前、今も一人でいるのか?

インターホンに人差し指を添えて、力を入れようとしたその時、、、


〝カチャリ〟 と、ゆっくり扉が開く。
そっと扉の隙間から、チャンミンが顔を出した。


・・・・・「やっぱりヒョンだ」

「チャンミン」

・・・・・「なんとなく、ヒョンがいるような気がして、、、」


チャンミンはとても利口だから、俺の中途半端な気持ちをきっと分ってるはず。

そうだよな、ドンヘの言う通りだ。

こんな卑怯な俺をチャンミンはどう思ってるんだろう。
もしかしたら、もう、俺のことなんて好きじゃないかも?

ウナに何もいえず、ダラダラとどっち着かずな俺なんて・・・


--- ウナだけじゃない。チャンミンも傷つけてる---

・・・・・「ヒョン、時間ある? 一緒にゲー、、、」


チャンミンの顔を見たら、たまらなくなった。
俺に向けられる笑顔が、とても切なくて、、、

守ってやるってそう心に誓ったのに、
結局はいつも、俺が傷つけてる。

脚を踏み入れて、扉を閉めた。


・・・・・「ヒョン?」


腕を取って、チャンミンの身体を引き寄せた。


「チャンミン、ごめん」

・・・・・「ど、どうしたの? ヒョン、、、」


こんな風に、チャンミンに触れるのは初めてで、、、

ずっと、男同士だってことを心のどこかで感じてた。

好きなのに、俺もチャンミンも男・・・
触れたいのに、触れちゃいけない気がしてた。


・・・・・「ヒョン、、、恥ずかしいよ。けど、、、、とっても嬉しい」


チャンミンの両手が、俺の背中に回される。


・・・・・「ヒョンは温かいね」




お互いの温もりと匂いを初めて知った日・・・






24へつづく

読者のみなさま、おはようございます。

Blu-rayプレーヤーのHDDの整理をしようと、
古い録画番組を見ていたら、
HEY!×3 で、うぇ♪を歌う2人を発見しました(古)
BoAちゃんもいたし、少女時代もいた。
KARAもいた(笑)
SMAPも!!

そして、みんな若かった(笑)ププ


それでは、今日も1日、いい日になりますように♪



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KISSをちょうだい 2



「お待たせ」

・・・・・「えっ、、、」


その人は、僕にニッコリと微笑んだかと思うと、
一瞬でその表情を変え、尖った冷たい視線を僕の隣りの男に向けた。


「そういう誘い方は、止めた方がいい」


その威圧的な声に、男は後退ると何も言わず店を出て行く。



目の前で何が起こっているのか、、、

上質のスーツを纏い、腕には雑誌でしか見たことのない高級な腕時計。
磨かれた靴が、その人の品の良さを表している。

けど、こんな人がなぜこの店に?
明らかに他の客とは違う、その身に纏った眩しいオーラ、、、


「大丈夫?」


その声に、ハッと我に返る。


・・・・・「あっ、、、ありがとうございます」


そう言いながら、小さく頭を下げた。


「君のような人は気を付けた方がいいよ。あ、、、もしかして、、、」

・・・・・「・・・・・」

「ここがどんな店なのか、知らない?」


僕にそう問うということは、彼はここがどんな場所なのか、
知っているという事。


・・・・・「いえ、、、分ってます」

「そう、、、」

・・・・・「・・・・・」

「誰かと待ち合わせ?」

・・・・・「いえ、、、そういうわけじゃ、、、」


待ち合わせではないなら、
ここに居る目的は1つしかない。

身体が欲する熱を、冷ましてくれる相手を見つける事。
一夜だけの、偽りの恋の相手を探す事。

僕を見る、彼の瞳の温度が変わったように見えた。


「そう、、、僕、この店は初めてなんだけど、、、、」

・・・・・「・・・・・」

「少しの時間、付き合ってくれないか?」


僕は、目の前の男に誘われているのだろうか?
けれど、彼の身なりや振舞いを見ていると、この店に〝そういう理由〟で訪れているとはどうしても思えない。


「隣り、、、いい?」

・・・・・「はい。どうぞ、、、」


助けてもらったのに、断ることは出来ない。
それに、何だろう、、、嫌な気がしなかった。

彼の放つオーラが、僕を惹きつけている。


彼は、僕の隣りの席に座ると、
手慣れた様子でカウンターの向こうのバーテンダーに酒を注文する。

暫くすると、カラン、、、と小さな音を立てながら、
琥珀色に染まるグラスが、彼の前に差し出された。


「さて、何に乾杯すればいいかな?」


そう言いながら、差し出されたグラス。
僕は慌ててビールの入ったグラスを手にして、彼に視線を向ける。


その視線に、心臓がドクリと音を立てた。

凛としたアーモンドアイを、漆黒の睫毛が縁取っている。
引きこまれそうなほど深い黒の瞳が、僕の心の奥深くをチクリと刺激した。


思わず目を逸らせる。


それは、予感、、、


もう、誰かに心を見せてはいけない。
誰かに惹かれてはいけない。

誰かを、、、愛してはいけない。


心に鍵をかけ、そう自分に呪文を掛けてきた。


けれど、感じたんだ。
この瞳にこれ以上触れてはいけない。

触れたらきっと、自分が傷つくことになる。


「じゃあ、偶然の出会いに乾杯!」


彼は、目を逸らせた僕を見てフッと笑うと、
そう言いながらグラスを重ねた。


カン、、、と高い音が響いて、少しの間、余韻を残して消えてゆく。

グラスを傾け、酒を口にする彼をちらりと盗み見る。


隆起する喉が、
壮絶な色香を放っていた・・・・・








3へつづく

読者の皆さま、こんばんは。

新しいお話、どうでしょうか?
ちょっと、今までにないパターンで進ませたいと思っているんですけど、
数名の読者さまから、〝あんまりチャンミンを泣かせないで〟と、コメントをいただいてます(笑)
極力、意地悪しないように気を付けます(;・∀・)フフ

あと、うちの嵐ペンの娘のことを気にかけてくださって、
皆さん本当にありがとうございます。
頂いたメッセージ、娘に伝えますm(__)m


それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を♪




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アネモネ。2





・・・・・「ヒョン! 今日はもう、帰るでしょ?」


放課後、、、

教室に響くチャンミンの声。
授業が終わると、すぐに隣りのクラスからやってくる。


「あ、あぁ、けど、ごめん、、、、ウナと・・・」


その瞬間、チャンミンの瞳が曇ったかと思うと、キツイ視線を俺に突き刺す。


・・・・・「僕と帰ろう、ヒョン。ほら、この前ヒョンがやってみたいって言ってたゲーム、買ってもらったんだ。
家、誰もいないし、一緒に・・・」

「ウナ・・・」


チャンミンの後ろで、立ち尽くすウナ。


・・・・・「チョンくん、私・・・」


こんな日が、ずっと続いてた。


---ヒョンが、、、僕はヒョンが好きなんだ---
---俺も、チャンミンが、、、好きだよ---


あの日から、チャンミンは休憩時間ごとに俺の教室にやってくる。

最初は、気持ちを確認し合ったこともあって、
少し戸惑いながらでも、俺たちは上手くやっていた。


けど・・・


・・・・・「ウナ、悪いけど、ヒョンは僕と帰るって・・・」

「お、おい、チャンミン」


日ごとにウナに対するチャンミンの態度が、敵対していくように感じる。

ウナは泣きそうな顔をして、、、


--- うん、わかった。チョンくん、帰るね、、、じゃあ、、---

「ま、待てよ、ウナ!!」


俺の声にも振り向かず、ウナは足早に教室を出て行った。

クラスメイト達は、部活に急ぐもの、友達と連れだって楽しそうに帰っていくもの、
参考書を片手に職員室へ向かう者、、、

それぞれがそれぞれの場所に散ってゆく。

このままじゃダメだ・・・
ウナを傷つけちゃダメだ。

チャンミンと、話さないと・・・


・・・・・「ヒョン、行こうよ、コンビニでさ、お菓子でも買ってか、、、、」

「チャンミン」

・・・・・「ん? 何?  ヒョン」


俺にまっすぐに向けられる、チャンミンの穏やかな笑顔・・・
窓から差し込む太陽の光が、チャンミンを包む。

眩しそうに目を細めながら、俺に微笑みかける。


「チャンミン、、、少し、話さないか?」







・・・・・「ねぇ、ヒョン、どうしたの? なにか怒ってるの?」


俺は、チャンミンを半ば強引にいつもの公園に連れていった。
その間、ほとんど言葉を発せず、ただ、チャンミンの腕を引きながら歩いたように思う。


「座れよ」


ベンチに2人して、腰を下ろす。

夕刻の公園。
遠くの空が、いつものオレンジ色に染まっている。


・・・・・「ヒョン、どうしたの?」


空を眺めたまま何も話さない俺を見ながら、心配そうなか細い声で俺に問いかける。




「チャンミン、、、学校でさ、あんまり俺に構うな」

・・・・・「それって、どういう意味?」

「ソニンと別れたって、ホントか?」


チャンミンは一瞬、視線を落として、、、、
そして、なにかを覚悟したかのように、小さく頷きながら俺に視線をもどした。


・・・・・「そうだよ? 」

「どうして?」

・・・・・「どうしてって・・・」


チャンミンは、すっと立ち上がって、俺の真正面に立つ。
顔を見たいと思ったけれど、チャンミンの背中には夕日のオレンジが光っていて、、、

眩しくて・・・


・・・・・「ヒョンが好きだって、、、僕、そう言ったよね?」


俺にまっすぐに向けられるチャンミンの心・・・

嬉しいに決まってる。
ガキの頃から、チャンミンが好きだった。

ずっと、ずっと・・・
なのに、どうして・・・・

どうして俺は、素直にチャンミン向き合えないんだろう。


・・・・・「でさ、、、、」

「えっ?」

・・・・・「ヒョンは? ヒョンは、いつウナと別れるの?」


ただ、ひたすらにストレートにぶつけられるお前の想いが、

正直怖い・・・


好きなのに・・・
チャンミンが好きなのに・・・












23へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
やっぱり〝アネモネ。〟はこの時間の更新のが合ってる気がします(笑)

昨夜の新しいお話『KISSをちょうだい。』
待っていてくださった読者さま、お待たせしました。
『ひぐらしの鳴く、あの夏。』をお待ちの皆さま、読み返し終了しました。
続き、頑張ります(^^♪

書ける時は、どちらかの更新になりますが、
楽しみにして頂けたらと思います。




それでは、今日も1日いい日になりますように♪




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KISSをちょうだい 2





 前回のお話 (prologue) はこちらから   →    KISSをちょうだい。~ prologue ~ 





ホテルを出ると、冷たい冬の風が僕の身体を包む。
時間は、真夜中の3時過ぎ。

アパートの方向に向かって、トボトボと歩き出す。

コートのポケットに手を突っ込んで、
襟もとに首を窄めた。


ふと、脚を止める。
ポケットの中で、手に触れたそれを取り出す。


・・・・・「いつの間に、、、」


それは、1枚の名刺。

さっきまで、ホテルで一緒に時間を過ごした男の物だ。


〝よかったら、連絡して?〟


僕は、その名刺を掌でギュッと握りしめ、
そして、高く腕を上げ、吹く風に乗せるようにして掌を広げた。



僕の掌から、零れ落ちるように風に吹かれて飛んでゆく。



同じ男に抱かれることはしない。
二度と、誰かに本気にならないように。

二度と、誰かを愛したりしないように。


誰かを愛して傷つくリスクを負うのなら、
僕は初めから孤独を選ぶ。

身体を重ねるひと時だけ、その温もりに浸ればいい。



真夜中の人通りの少ない薄暗い道。

見知らぬ誰かにさっきまで抱かれていた僕の身体は、
すでに冷たく冷えていた。






その日は、朝から少し熱っぽかった。

けど、体調のせいか仕事が思うように進まなくて、
イライラする気持ちを払拭したくて、僕は、いつものバーに脚を踏み入れた。



--- いらっしゃいませ ---


いつものバーテンダーが、フワリと笑う。


・・・・・「ビールを、、、」

--- かしこまりました ---


カウンターに座ると、途端辺りから視線を感じる。


滑るように目の前に差し出されたグラス。

白く滑らかな泡が立つグラスに口を付けて、
コクリとビールを喉に通した。


--- ここ、いいかな? ---


1杯目のビールを飲み干した頃、耳に届いた声。
声のした方に視線を向ける。

いかにも、、、
そういう表情で僕を上から見下ろす男が1人。

品定めするように、僕の頭からつま先まで視線を流して、
ニヤリと笑った。


・・・・・「すいません、待ち合わせなんで、、、」


やんわりと断りを入れたけど、
僕の言葉などお構いなしで、その男は僕の隣りの椅子に腰を下ろした。


・・・・・「あの、、、」

--- 連れが来るまでなら、いいだろ? ---


カウンターの下。

伸びてきた男の掌が、
僕の太腿に触れる。


背中がゾクリと震えた。
思わず立ち上がって、、、


・・・・・「すいません、失礼します、、、」


席を離れようとした僕の腕を取り、


--- 捜してたんだろ? 今夜の相手。俺が付き合うよ? ---


痛みを感じるほどに、強く握られる。


・・・・・「離してください、、、」


眩暈がする。
気がつかないうちに、熱が上がっていたのか、、、
身体が火照っているのが分かる。

振り解こうとしても、思うように力が入らない。


その時、、、



「お待たせ」


背後から聞こえたその声。
僕が振り向く前に、その声の主が、男の手を僕から引き離した。


驚いて顔を上げる。



それが、僕と彼、、、

ユンホさんとの出会いだった・・・・・






2へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
このお話のプロローグをご紹介したのは、昨年の10月だったので、
随分お待たせしてしまってすいませんでした。
よろしかったら、お話の冒頭にプロローグへのリンクを貼ってありますので、
そちらから順に読んでいただけたらと思います。

イメージ画も変更しました。

KISSをちょうだい 2

もう、このチャンミンがドンピシャのイメージです。
本編より、こちらに変更させていただきます。
好きなんです、このチャンミン♡フフ


娘が泣き崩れました。
突然の推しの活動休止発表。
掛ける言葉もなくて、、、
私の娘が嵐のファンだということを覚えていてくださって、
読者さまが心配して連絡くださいました。
ありがとうございました。
こればっかりは、乗り越えるしかないもんね、、、


それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい
素敵な夢を♪





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アネモネ。2





・・・・・「ヒョンが、、、僕はヒョンが好きなんだ・・・・・」



夜の公園に、虫の音だけが響き渡る。

隣りに座るチャンミンは、俺に視線を向けたまま、静かに俺の言葉を待っている。
俺の胸がドクドクと大きく波打って、その音がチャンミンに聞こえてしまわないだろうか・・・


「お、お前、、、す、好きって・・・・」

・・・・・「ヒョンは? ウナが、、、ウナが好きなの? 違うよね?」


チャンミン・・・

俺に向けられるチャンミンの言葉ひとつひとつが、胸に突き刺さるようだ。
俺の気持ちを、ずっと前から知ってたって、、、、事なのか?



小学生のガキの頃から、チャンミンが好きだった。


・・・・・「ゆんほくん、ぼくとおともだちになってください」


母親の後ろから、チラリと覗くように俺にそう言った。
あの時から、俺はずっとチャンミンだけが好きだった。

けど・・・


〝好き〟って・・・

俺もチャンミンも男同士・・・
ウナや、ソニンとは違う。

普通じゃない。
けど、そんなことは最初から分ってて・・・

だからこそ、俺はこの可笑しな気持ちを心の奥に閉じ込めて、
チャンミンの〝ヒョン〟になろうって決めたんだ。


今までも、これからも・・・・・


「お、お前、、、何言ってんの? ドッキリか何かなのか?」

・・・・・「ヒョン・・・」

「今日は4月1日でもないしな、何だ、、、、なんだよ?」

・・・・・「ヒョン!!! 真面目に、話してるんだ」


チャンミンの顔を直視できない。
目を逸らせて、俯いた。


・・・・・「ヒョン、、、ねぇ、ヒョン・・・」

「お前、ソニンと上手くやってんじゃないか」

・・・・・「えっ?」


そうだよ。
初めに女と付き合ったのは、チャンミンだ。


「笑っちまう、俺が好きとか、、、お前、ソニンと付き合ってんじゃないかよ」

・・・・・「そ、それは・・・」

「何で、俺がそんなお前に責められなきゃならないんだよ? お?」

・・・・・「だ、だって、それは、ヒョンが・・・」

「俺がなんだよ。そんなこと、簡単に言う事じゃないだろ?」


簡単に・・・

チャンミンみたいに、簡単に言えるような、そんな軽い気持ちじゃない。

俺は、そんな・・・



・・・・・「ヒョンが最初、ウナの申し出を断った時、〝小学校の時からずっと好きな子がいる〟って」

「・・・・・」


静かな公園。
今は、虫の音すら、耳に入ってこない。

ただ、チャンミンの声だけが、俺の心にこだまする。


・・・・・「悲しかった。僕はずっと、、、初めて会った時から、ずっと・・・」



--- しむ・ちゃんみんともうします。よろしくおねがいします---



・・・・・「ずっと、ヒョンが好きだったから・・・」


うそ・・・・・


・・・・・「だから、忘れたくて、、、ヒョンを好きだって気持ちを紛らわせたくて・・・
ソニンに告白されて付き合ったんだ」


うそだ・・・


・・・・・「けど、ヒョンがウナと付き合うことになって・・・
もう、以前言ってたずっと好きだった人のことは諦めたんだと、、、けど・・・」

「そうだよ、諦めたんだよ」

・・・・・「どうしてだか、、、分らない。けど、もしかしたらって・・・」

「俺には、到底、手の届かない人だから」

・・・・・「いつからか、ヒョンが僕を見る目が、ソニンの目に重なるようになったんだ」



〝ヒョンが僕を見つめる瞳が、ソニンが僕を見る目に似てて、、、〟



えっ?


俺はいつの間にか、そんな目でチャンミンを見ていたのか・・・
俺と同じように、チャンミンもまた、そう感じていたという事なのか・・・


・・・・・「ねぇ、ヒョン、お願いだよ。本当の事、聞かせて?」


チャンミンの瞳が、揺れている。
真正面から、俺に問いかけて来る。

嘘も、誤魔化しも、、、
ガキの頃から、チャンミンには通らなかった。


けど、いいのか?


俺が、好きだと言って、それでどうする?

男同士なんだ。
もし、みんなに知られたら・・・

チャンミンは、怖くないんだろうか?
俺に向けられる痛い位の視線が、自分よりはるかに大人びて見えた。

けど、、、


「俺、、、俺も、チャンミンが、、、チャンミンが好きだよ」


戸惑う心とは裏腹に、
俺は、チャンミンの瞳に導かれるように、そうチャンミンに告げていた・・・






22へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
お久しぶりの早朝更新再開です。
とりあえず、アネモネ。完結まではこの時間に更新しますので、
お時間のある時に覗きに来てくださいね。
お待ちしています♪

それでは、今日1日がいい日になりますように♪




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