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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



微R18閲覧ご注意!

管理人 こころです。
いつもお立ち寄りくださりありがとうございます。
本日、微R18記事です。
管理人の判断で、通常公開しますが、BLな要素大ですので、男性同士の表現が無理な方、
ここから先へはお進みにならぬよう、閲覧は自己責任でお願いいたします。
閲覧後の苦情や中傷はお断りいたします。
全て、ご自身の判断でお進みください。

いつも、こころ日和。に遊びに来てくださってありがとうございます。




微熱。~永遠に冷めない熱病~ ②





---行くな、、、チャンミン・・・何処へも行かないでくれ・・・---

行かないよ、何処へも・・・





・・・・・「ユンホさん、温かいですね。」

「ん、、、なぁ、チャンミン」








あれから僕たちは、雨に濡れながらアパートまでの道のりを2人支え合うようにして戻ってきた。
狭いバスルームで、一緒に熱いシャワーを浴びて・・・

髪を乾かす時間ももどかしくて、
そのままベッドに縺れるようにして沈む。


「チャンミン、こんなの初めてなんだ、、、少し、怖い・・・」

・・・・・「んっ、、、な、何、が・・・?」


ユンホさんの大きな手が、僕の全身を撫でまわす。
唇を首筋に這わしながら、僕のホクロを執拗に舌で刺激する。


「セックスが、こんなに気持ちいいのがさ、、、止まらない・・・」

・・・・・「んっ、ぼ、僕も・・・」



狭い僕の中に、じりじりと貴方が入り込む。
きつくて、息をのむ程の痛みが僕を襲う。


「チャンミン、、、辛いか? 抜こうか?」

・・・・・「い、いやで、す。早く、、、奥まで・・・」


ユンホさんが奥に進めるたび、内臓がせりあがってくるような激しい圧迫感。
けれどそれを過ぎると、痺れるような快感が訪れるのを僕の身体は知っている。


・・・・・「あっ、あっ、、、んっ・・・」

「お前、、、いいよ、最高だ・・・」


僕の身体を気遣って、ゆっくりと時間をかけて、ユンホさんが僕の最奥を目指す。


「はぁぁぁっ、、、んっ・・・」


見上げる僕の上で、ユンホさんが大きく息を吐く。


「チャンミン、全部お前の中だよ・・・」


僕の汗ばむ額の髪を、ユンホさんの手が撫でるように流してくれる。


・・・・・「はっ、、、いいですか?、僕で、、、感じますか? ユン、ホさん・・・」


僕の顔をじーっと見つめて、そして、溶けるような瞳をしながら・・・


「最高だよ・・・」


僕を揺さぶる貴方の動きが、徐々に熱く熱を持つのが分かる。
最初は、痛みしか感じなかった僕の身体は、
いつの間にかユンホさんに強く突かれて、掻きまわされて・・・

待ちわびていた快感が痛みを超えて身体中を包む。


・・・・・「んっ、、あっ、、ぁあ・・・もっと・・・もっとして・・・」


僕の中が、貴方を離さないと、縋るように締め付ける。
自分では意識していなくても、心が身体をそうさせているんだろうか・・・


「チャンミ、ン、、、ど、何処へも、、、行くな」


僕の上で揺れるユンホさんに、腕を伸ばす。
その手を受け止めてくれて・・・

そのままベッドに縫い付けられた。


もう、このまま溶けてしまいたい。
ドロドロに溶け合って、貴方と1つになりたい。

全て混ざり合って消えてしまってもいい。


そうなれたら、なんて幸せなんだろう・・・


・・・・・「い、行かない、、、傍に、いるから・・・」







2人して果てて・・・

微睡む意識の中、貴方の胸に抱かれて気持ちのいい余韻に浸る。


「ん、、、なぁ、チャンミン・・・」

・・・・・「・・・はい」

「俺と、どこか遠くへ行かないか?」

・・・・・「えっ?」

「俺たちの事を知ってる奴がいないところ」


ユンホさんの肩に埋めていた顔を上げると、
切なげな瞳で僕を見つめている。


・・・・・「いいですよ、行きましょう」


僕のいるべきところは、貴方が居る所。


「チャンミン・・・」


ユンホさんの腕が、僕の頭をぐるりと抱きこむ。


・・・・・「苦しいです、ユンホさん?」

「あ、ごめん・・・」


緩んだ腕の隙間から、顔を見合わせて、
視線を合わせたまま、触れるだけのキスをした。


「行こう、チャンミン、、、2人でどこか遠くへ・・・」

・・・・・「はい・・・・」







33へつづく

読者の皆さま、こんばんは。

この記事を書いている現在、16時です。
(ビギアゲDVD見てます)
少し前から、雨風が激しくなってきました。
更新される22時頃は、どうなっているんだろう。
心配してメッセージ下さった皆さま、ありがとうございます。
離れた場所でも、大雨になるとか。
何度も言いますが、皆さまもお気をつけてくださいね。

今日で9月も終わりですね。
来月は平和で楽しい10月になりますように。




それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を♪




こころ。

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family 1




「待って、チャンミン、、、」


強く握られた腕。

驚いたこともあって、つい、、、

・・・・・「痛っ、、、」

と、小さく声を上げてしまう。


「あっ、ご、ごめん、、、」


途端、解かれた僕の腕。
気まずい空気が、僕たち2人を包む。

人の出入りが激しい入り口で立ち尽くす僕、、、


「チャンミン、こっち、、、」


促されて、人の邪魔にならない道の脇に身体を寄せた。


「チャンミン、話したいことがあるんだ」

・・・・・「・・・・・」

「でも、スジンがいるから、、、だから、、、えーっと、、、どうしたら、、、」

・・・・・「・・・・・」

「あ、そうだ、、、スマホ、、、スマホ貸して?」

・・・・・「何を、、、」

「いいから、、、早く、、、」


そう言われて、僕はポケットの中のスマホを取り出し、ヒョンに差し出す。
何をするんだろう、、、

黙って見ていると、ヒョンは僕のスマホでどこかに電話を掛けている。
すると、、、


どこからか、着信音がかすかに聞こえて、、、


その音に、ヒョンは嬉しそうに笑みを浮かべ、
尻ポケットから自分のスマホを取り出した。


「これで良し、、、」

・・・・・「あの、、、」

「チャンミンのナンバーゲット! 」

・・・・・「・・・・・」

「俺たちさ、ナンバーの交換してなかっただろ?」


そう言われて気が付いた。

学校では、よく一緒にいたけれど、
ヒョンと学校以外で連絡を取り合ったこともなかったっけ、、、


・・・・・「そうだね、、、」

「チャンミン、、、話したいことがあるんだ。とっても大事な話なんだ」

・・・・・「うん、、、」

「今夜、電話してもいいか? 」


大事な話。
それを聞くのが少し、怖いと思った。

夏休み前の、教室での時も、、、


〝チャンミン、あのさ、、、〟


何か僕に伝えようとしたヒョンの言葉を、


〝僕、ちょっと急いでるから、、、〟


聞くのが怖くて、嘘をついてヒョンから逃げた。



僕には、ヒョンの話の内容は、何となく想像はついている。
だから、聞くのが怖い、、、いや、聞きたくないんだ。

でも、目の前のヒョンの顔は、真剣だった。
断わることなんて出来ないと、そう思った。


・・・・・「分かりました。8時以降なら、いつでも、、、」

「8時以降だな、分かった」

・・・・・「じゃあ、、、」


約束を交わし、僕たちはその場で別れた。


歩き出した僕の背中に、
ヒョンの視線を感じたけれど、僕は振り向くことなくそのまままっすぐ、歩き続けた。







・・・・・「ふぅ、、、」


時計の針は、午後8時5分前。

食事も済ませた。
お風呂も入った。


僕は、ベッドの上で、スマホの画面を見つめている。


ただ、電話するだけなのに、
僕の心臓は、痛いくらいドキドキと鼓動を打っている。

おかしなものだ。

今から僕は、失恋するっていうのに、、、

それでも、僕はヒョンとイ・テミンの恋の未届け人なんだから、
最後はきちんと、祝福してあげなければいけない。

そんなことを考えていたその時、、、



ベッドの上のスマホが、着信を知らせる。


ディスプレイには、、、


〝ヒョン〟


登録したばかりの名前。

手に取り、大きく深呼吸をする。
そして、、、


・・・・・「はい、、、」


コール5回で、僕は応答した。




「チャンミン、、、俺、、、」

・・・・・「うん、、、」

「昼間はごめんな。スジンのやつ、、、助かったよ、、、」

・・・・・「いえ、、、とてもお兄さん思いの可愛い妹です」

「ん、、、」

・・・・・「・・・・・」


しばらくの沈黙。
ヒョンの言葉を待つ。


「あのさ、チャンミン、、、」

・・・・・「はい」

「沢山あって、、、何から話していいのか、、、」

・・・・・「・・・・・」

「えっと、この前さ、教室で言えなかったんだけど、、、」


僕は、スマホ片手に、ぎゅっと目を閉じる。
覚悟はできてる。

大丈夫。


「俺、アイツと、、、テミンと付き合うのやめたよ」


えっ?

今、なんて?
なんて言った?


「聞いてる?チャンミン、、、」

・・・・・「あ、は、はい、、、」


動揺を隠せない。
電話でよかった。


「チャンミンにも見届け人、、、頼んじゃったからさ、お前にも一応報告しておこうと思って、、、」


どうして、、、


・・・・・「そ、そうですか、、、」

「どうしてか、、、気になる?」

・・・・・「えっ? 」

「理由、、、聞きたい?」


そう言われて、返す言葉が見つからなくて、
僕は口を閉じてしまう。

知りたいけど、、、
知りたくないような、、、

嬉しいけど、
嬉しくないような、、、

とても複雑で、自分でもよく分からない。



「ゴメン、、、違うんだ。そうじゃなくて、、、」

・・・・・「・・・・・」

「お前が、聞きたくても聞きたくなくても、俺はそれをお前に伝えなくちゃならないんだ」

・・・・・「・・・・・」

「でも、それは電話じゃなくて直接会ってお前に言いたい」


ヒョンの声が、、少し震えてる。
僕の返事を、待ってる。


・・・・・「うん、分かったよ」


僕がそう答えると、電話の向こうから ふぅ、、と小さく息を吐く音が聞える。


「よかった」

・・・・・「・・・・・」

「もう、俺に会いたくないって言われるかもって、、、」

・・・・・「そんなこと、、、」

「うん、、、よかった」


ヒョンは、〝よかった〟と、何度も何度も小さく口にする。


「それで、そのついでじゃないんだけどさ、、、チャンミンに頼みたいことがあって、、、」

・・・・・「うん、、、」




ヒョンは、少し申し訳なさそうに話を続けた。
その内容に僕は少し驚いて、そして戸惑ったけれど、、、



・・・・・「分かったよ。じゃあ、その日に、、、」

「ありがとう、チャンミン。ごめんな?」

・・・・・「ううん」

「じゃあ、遅くまでゴメン」

・・・・・「おやすみ、、、ヒョン」

「おやすみ、チャンミン」



電話を切って、大きく息を吐いた。


壁に掛けられたカレンダーを見る。


・・・・・「あと1週間か、、、」


そう、ポツリと呟いて、ベッドに身体をドスン、、、と横たえる。

未だ大きく打つ鼓動が治まるのを、
胸に掌を当てて静かに待った、、、









14へつづく

読者の皆様、こんにちは。

今日は日曜日ですね。
ということは、くる*くるり のkieちゃんとのコラボ企画「空を見上げて」の更新日です。
今日の第20話は、くる*くるり のお部屋での更新です。
続けて読んで下さっている皆さま、是非、お部屋を覗いてみてくださいね。

リアルの こころ。地方は、空を見上げる状態ではありません(;・∀・)
チャーミー大接近中。
今季何度目だ、、、(;´Д`)
何事もなく過ぎていきますように、、、




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淋しい熱帯魚。85 第3章 ~






- c side -


--- 悪かったね、本当なら私が訪ねて行くべきなのに・・・ ---


ユンホさんのお父様の顔を見た瞬間、
泣きたくなるくらいの安堵感が僕の心を包んだ。


〝兄さん、会社を辞めるつもりなんだ〟


お父様から連絡があったのは、
シヨンさんからそんなメッセージが来てからすぐのことだった。


--- チャンミンくんかね? ---


僕に会って話したいという。
施設まで足を運んでもいいかと・・・

まだ、体調が完全に回復なさっていないのに・・・・


・・・・・「いえ、僕がソウルに行きます」


きっと叱られる。

僕が・・・
僕の存在が、ユンホさんの将来を台無しにしてしまう。

分ってた。
だから、何も言わずにユンホさんのもとを去ったのに・・・

ユンホさん、どうして?
どうして会社を辞めるなんて・・・


---俺は諦めないよ。必ずお前を迎えに来るから・・・---


まさか本気でそんなこと・・・
そんな複雑で不安な想いを胸に、ソウルへ向かった。



なのに・・・


--- よく来てくれたね。 久し振りだ。会いたかったよ ---


穏やかな微笑みを湛えた顔
差し出される大きな掌

ユンホさんと重なる・・・


お父様は僕の目が見えにくくなっていることもすでにご存じだった。


--- キチンと治療を受けなさい。---

・・・・・「ありがとうございます。けど、僕はもう・・・」

--- ユンホか? ---

・・・・・「えっ?」


胸がドキリとした。
お父様の口から、ユンホさんの名を聞くと、僕はとても胸が痛くなる。

お父様は、ユンホさんのことをとても大切に思っていらっしゃる。

なのに、僕みたいな親もいない施設育ちの・・・
しかも男・・・

責められても、仕方ない。
そう思っていたのに・・・


--- 心の病気だと、、、もしユンホが原因なら、戻って来てやってくれないか?---

・・・・・「お父・・・さま?」

--- 息子のもとに、戻って来てやってほしい・・・---


自分の耳を疑った。

僕がユンホさんのところに・・・
ユンホさんの傍にいても、、、いいの?

そんなこと・・・
そんな夢みたいなことが、許されるの?


--- そして、たまにでいい、、、私のもとに来て、話し相手になってはくれないか?---



『私たちの家族になってはくれないか?』



予期せぬお父様の言葉に、情けないほどに涙が溢れる。

そんな僕を、お父様は何も言わずにただ温かくて大きな胸に抱きしめてくれた。
その温かさと優しさに、僕はまた、溢れてくる涙を止めることはできなかった。


---暫くここに居ればいい・・・---


お父様のお誘いを丁寧にお断りして、僕は釜山行の高速バスのターミナルに向かった。


お父様から頂いた言葉。

嬉しかった。
心臓が止まってしまうかと、、、そう思うくらい・・・

けれど、本当にそんなこと・・・

出来るのかな?
僕が傍にいたら、きっと・・・
きっと、ユンホさんに迷惑が・・・



ユンホさん・・・


---俺は、お前が好きだよ。チャンミン、、、忘れたくない。---
---愛してるんだ。だから、諦めない。お前が必要なんだ---


僕も愛してる
忘れたくない

ユンホさん・・・   
会いたい・・・・・


会いたい気持ちと、会ってはダメだと思う気持ち・・・
自分の中で、葛藤を繰り返す。

気が付けば、すでに陽は落ち、ソウルの街がネオンに包まれていた。
予定のバスは随分前に出てしまった後だった。

仕方なく夜の街をフラフラと歩く。
兄さんのところへ向かおうとして足を止めた。

それでなくても、兄さんは僕の事をとても心配していて・・・
そんな兄さんに、これ以上心配はかけられない。

気が付くと、僕はユンホさんのマンションに向かっていた。
見上げる最上階。

ぼやける瞳では、その部屋に明かりが灯っているのかさえはっきりとしない。

そっと、胸のポケットを抑える。

いつか、返さないといけないと思いながら、ずっと持ってた。
ユンホさんの部屋のカードキー。

いろんな感情が、頭の中を駆け巡る。

ねぇ、ユンホさん・・・
僕はいったい・・・どうすればいいの?

お父様の気持ち
シヨンさんや、ソウン姉さん
施設の先生、それに兄さん

そして、、、ユンホさん・・・

どうすれば、沢山の温かな気持ちを・・・心を・・・
無駄にせずに済むのかな?


--- なにかあったら、これで連絡してくるんですよ・・・---


霞む目で、ひとりソウルに発つ僕を心配して、
先生が持たせてくれた携帯電話。

カバンから取り出して、
僕は、いつの間にか記憶していたユンホさんのナンバーを表示させる。

少しだけ・・・
声を聴くだけでいいんだ。

僕の大好きな、ユンホさんの低く響く声・・・

少しでいいんだ・・・


そんな風に自分に言い聞かせながら、僕は発信ボタンを押した。


長いコール音。
こんな時間に、もう眠ってるかも・・・

もう諦めて、電話を切ろうとしたその時だった。


---もしもし?---
---あの、、、どちらさ・・・---




ユンホさん

貴方の声・・・
僕の耳から、心臓へ、そして全身に駆け巡る・・・

思わず・・・


・・・・・「ユンホさん・・・こんな時間に、ごめんなさい」


胸の高鳴りと、そして湧き上がってくる感情・・・


貴方に、会いたい。


どうしたって、貴方が好きなんだ・・・・・







101へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
100話はチャンミンsideからお届けしました。

今日は1日、家から出られないと思うので、
ゆっくりお話書けたらいいなと思っています。

どうか何事もなく過ぎますように。



それでは、皆さまも十分にお気を付け下さい。
いつもご訪問ありがとうございます(^-^)





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ヒョンのばか。




何時間も経ってるし、さすがにもう帰ってるだろ?
そう思いながらも、ヒョンのことだ、もしかしたら・・・

こんな時に限ってエレベーターは随分と離れた階にあって
下を指すボタンを何度も押したりして。

いつもこんなに遅かったっけ?


気持ちが焦る・・・
ようやくやってきたエレベーターに乗り込んで、階を示すランプが徐々に降りて行くのを眺めてた。

やっと下までたどり着いて、急いでエントランスを抜けて表に出る。
辺りを見回してもヒョンの姿はなくて・・・


・・・・・「だよな、、、」


戻ろうと思ってふり返った時、、、


「チャンミン・・・」


・・・・・「えっ・・・」


後ろから聞こえた声に驚いて、もう一度振り返ると・・・
ヒョンが立ってた。


・・・・・「ヒョン、、、まさかずっと居ましたか?」

「メッセージ聞かなかったのか?お前が来てくれるまで居るって言っただろ?」

・・・・・「でも、、、もう何時間も経ってるし・・・」

「何時間でも待つよ。」

・・・・・「ヒョン、、、」

「チャンミン、、、お前に話があるんだ」

・・・・・「うん、分ってる。ヒョン、ここで話すわけにはいかないから上がって」



僕はヒョンと一緒に部屋に戻った。

部屋に戻る間、2人とも無言で、、、
きっとヒョンは僕にどう伝えようかと悩んでるんだね。

僕の中で覚悟はできてた。

ヒョンと僕の関係が変わってしまうかもしれないという・・・それをヒョンの口からきくという覚悟。
2人のあんな姿を見てしまったら、僕には何も言えない。


リビングのソファにヒョンが座って、


・・・・・「お茶、入れるよ、コーヒーでいい?」

「チャンミン、お茶はいいよ、、座って」

・・・・・「はい・・・」


ヒョンと少し間を開けて、ゆっくりと腰を下ろした。


「チャンミン、隠さずに話すよ。あの子に、、、好きだって言われたんだ。」


怖い・・・・・
怖いよヒョン。


・・・・・「うん。分かってる。」

「いや、分ってない。お前は何も分ってないよ。」



どういうこと?
ヒョン・・・・



〝何も分ってない〟


そうヒョンに言われて、、、

分かってないことなんてない。
だってそうじゃないか。

真っ赤に染めた頬
ヒョンを見つめる潤んだ瞳

それに、ヒョンの腕が優しく彼女を抱いてた。

それだけでも僕が今から、、、
最愛の人から告げられる言葉は容易に想像できる。


・・・・・「ヒョン、もう、いいよ。僕もその方がいいと思う」


ガマンできなくて溢れてきた涙、、、
ヒョンに見られないように僕は俯いた。

心にもないことだけれど、自分の愛する人が願うことなら・・・


「何がいいの? お前、勘違いしてるよ。」

・・・・・「なにを? 僕、見たんだよ。抱き合ってた。」

「違うよ、、、違うんだ。」

・・・・・「何が違うの?」

「・・・・・」


しばらくの沈黙が続いて、大きなため息の後、ヒョンが切り出す。


「好きだと言われたのは、俺じゃなくてお前だよ、チャンミン。」

・・・・・「えっ??」

「ゴメン、彼女が好きなのは、チャンミンなんだ。」


ヒョンの言う言葉が理解できない。


・・・・・「分からないよ、ヒョン、どういうこと?」

「少し前から、相談を受けてたんだ。彼女がお前の事、好きだって。」

・・・・・「・・・・・」

「チャンミンには好きな奴がいるって言ったんだけど、、でも、彼女、諦められないって・・・
ダメでもいいからお前に伝えたいって・・・」

・・・・・「・・・・・」

「でも、もし、、、もしお前が・・・彼女、純粋でいい子だから、、、もしもお前が・・・」

・・・・・「もしも、僕がその気になったら・・・って、そう思ったんですか?」

「いつも思ってた。お前だって普通の男で、、俺なんかがいなけりゃ普通の女の子と普通に恋をして、
こんな、誰にも言えない辛い恋愛じゃなくて・・・」

・・・・・「ヒョン、、、」

「でも・・・でも、どうしてもダメで、、、お前を手放すことになったらって怖くなってそれで・・・」

・・・・・「・・・・・」

「彼女に嘘ついたんだ。チャンミンに伝えたけど、やっぱりダメだったって・・・・」




・・・・・「ヒョンのばか」




大馬鹿野郎だよ、ヒョン・・・
僕と同じこと考えてたなんて、、、

僕なんかがいなければ、ヒョンだって普通に女の子と恋愛して結婚して、子供も出来て・・・


・・・・・「ヒョン、ヒョンはばかだよ」

「ゴメンな、チャンミナ」

・・・・・「僕は、、、ヒョンじゃなきゃダメなのに・・・」

「チャンミナ・・・」

・・・・・「他の誰かなんてイヤだよ。僕が好きなのはヒョンだけだよ」

「・・・・・」

・・・・・「ヒョンは、辛いの?」

「えっ?」

・・・・・「僕との恋愛が辛いの?そう思ってるの?」


ヒョン、貴方が辛いなら
本当にそう思っているのなら

僕はいつだってマンネに戻るよ・・・





・・・・・「ヒョン、もし、そう思ってるなら・・・」

「チャンミン、、、辛いよ、辛いに決まってる」

・・・・・「・・・・・」

「誰にも、愛してるのはお前だって、、、お前だけだって言えない。
お前に何も与えてやることも出来ない。俺たちの間になにも生まれない。」

・・・・・「それ、本気で言ってる?」


そんな悲しい事、、、


・・・・・「ヒョン、僕だっていつも思ってたよ。僕なんかいなければヒョンも普通の恋愛をして
普通に結婚して子供もできて、、、ヒョンの人生には僕が邪魔なんじゃないかって」

「・・・・・」

・・・・・「でも、僕たちの間に何も生まれないなんて・・・そんな悲しい事思ったことは無いよ。」

「でも、チャンミナ」

・・・・・「ヒョン、僕たちの間には本当に何もないの?何も生まれない?」

「・・・・・」

・・・・・「ううん、たとえそうだとしても、それでも僕はヒョンを・・・
ヒョンだけを愛してる。それだけじゃダメなの?」


ヒョンは俯いたまま答えない。
きっと、考えあぐねてるんだろう。

でも、僕の心は決まってる。

ヒョンを愛してる。

ただ、それだけ。
ほかには何もない。


「チャンミナ、いつの間にか俺より大人になってたんだな」


言いながらヒョンは静かに微笑んでた。


・・・・・「今頃気づいたんですか?」


僕もヒョンに笑って見せた。


「チャンミナ、愛してるよ、誰よりもお前を愛してる。」

・・・・・「・・・・・」

「それだけで、、、それだけでいいんだよな?」


ヒョンは大きく腕を伸ばして僕をグッと引き寄せて・・・
力いっぱい抱きしめてくれた。


・・・・・「ヒョン、僕にはヒョンしかいないんだ、だからずっと一緒だよ、絶対に離れたりしない」


ヒョンの胸にギュッとしがみついたら僕の大好きなヒョンの匂いがした。
幸せだった。



それから数日たって、番組の収録先で、彼女とばったり出会った。

少しだけ時間をもらえるようにお願いして、
収録後、人気の少ない廊下の隅で彼女に謝った。

気持ちに応えられなくて申し訳ないということ。
キチンと自分で話さなかったということ。

彼女は笑って許してくれた。


--- ユノさんにもとても迷惑をかけてしまって申し訳ないです。
でも、とても親身になってくださって・・・感謝しています。
それに・・・チャンミンさん、ユノさんにとても大切にされてるんですね。少し、、、羨ましかったです---

・・・・・「そんな、、、」

--- 私、ますますお二人のファンになりました。これからも応援してます---



そう言って彼女は笑って戻っていった。


さぁ、僕もそろそろ戻らないと・・・
ヒョンが探してるかも?

少し早足で控室に向かって廊下を歩く。
ふっと、曲がり角の奥まった階段へ続く狭い踊り場の辺りで何かが目に留まった。


んん?? ヒョン?

確かにヒョンの背中だ。
あんなところで何してるんだろ?

僕は少し角度を変えて遠目に見てみる。


!!! ネコミミ !!!


そこには、頭に黒いネコミミを付けた女の子が、、、

はぁ・・・
全く、ウサギの次はネコか・・・

僕はヒョンに気付かれないようにそっとその場を後にした。
先に控室に戻って事務所に戻る準備をする。


「チャンミナ~」

戻ってきたヒョンは、どことなくぎこちない。
隠すつもりか?? ふん!!


・・・・・「ヒョン、どこ行ってましたか?」

「えっ? あぁ、ちょっと挨拶に・・・」

・・・・・「そうですか、、、まさか、、、クロネコさんに挨拶に行ってたんじゃないですよね?」

「えっ!! な、なんでそれを、、、」

・・・・・「で、、、ネコさんのご用事は僕ですか? それとも、、、ヒョン・・・ですか?? お??」

「ネコさんのご用事は・・・」


ヒョ・・・ヒョンです



・・・・・「もういいです!! ヒョンのばかっ!!!!

「チャンミナ~~(T_T)」



ふふっ♡


きっとこれからも、僕は何度もこう言うんだろうな・・・



ヒョンのばかっ!!!!






ヒョンのばか。・・・・・fin

リアルタイムで読んで下さっている読者さま、真夜中にこんばんは。
朝、目覚めてから読んで下さっている読者さま、おはようございます。


ヒョンのばか。 全4話(9話) これにて完結です。
おつきあいありがとうございまとした。

旧館では、全9話のこのお話。
こちらでは4話に調整して更新させていだきました。

明日からは、お知らせさせていただいた通り、
「ちいさな落としもの。」を更新させていただきます。
こちらのお話も、是非おつきあい下さい♪

いつもお部屋に来てくださってありがとうございます♪






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微熱。~永遠に冷めない熱病~ ②






傘も持たずに飛び出した。
もちろん、財布も携帯電話もない。


ユンホさん・・・


僕が居なくても、貴方は大丈夫なんだね。

2年・・・
そんなに離れていたら、僕たちはきっと終ってしまう。

どんなに想い合っていても、お互いの距離が遠ければ、自然と心も離れてゆく。
人間なんてそんなもの・・・

ましてや、ユンホさんと僕は・・・

何の約束も出来ない。
身体を繋げたからといって、僕たちの間には、何かが息吹く訳でもない。

ただ、言葉だけ・・・

愛してる
貴方だけ
好きです

けど、何も保証はない。

離れたくなくて、ずっと近くに寄り添ってたくて、ただ抱いていてほしい。
他には何もいらないから、ただそれだけでいい。

けど、そう思っているのは僕だけ・・・
ユンホさんは、僕が居なくても・・・




雨脚が強まる。
寒い夜、冷たい雨・・・


貴方に想いを伝えた日の事を思い出す。

あの日も寒くて空気が冷たくて、強い雨が降る夜だった。


---・・・・・僕が温めてあげます。風邪をひいたら前みたいに抱きしめてあげます・・・---
--- ・・・・・ただ、貴方が好きなだけです・・・---



ずぶ濡れの貴方を抱きしめたあの日。
それまで自分の気持ちを誤魔化していた心が、完全に熱を上げた。

少しずつ、変わってゆく自分。

ユンホさん、僕はそんな自分が少し好きになりかけていたんです。

貴方といると、寒い夜でもまるで春の陽気のように温かくて・・・
そして、それが心地いいと感じる自分。

人を本当の意味で寄せ付けず、温かい布団にくるまっていても、どこか心が寒々しかった僕が、
他人を受け入れ、必要としてる。

とても途惑ったけれど、素直にそれを感じ、受け止めることが出来たのは、
ユンホさん、全て貴方のおかげなんです。


貴方が好きです。

離れたくない・・・
どうしても・・・

僕の意志は変わらない。





気が付けば、アパートから随分と歩いてた。

この街にしては、大きいであろう通りに出たら、まだそんなに遅くない時間だからだろうか。

傘を差しながら足早に歩く人たち
雨宿りをするために、閉店している店の軒先で携帯電話を弄っている人
バス停で寒そうに手を擦り合わせながら、道路を覗きこむ人


僕は、傘も差さずにふらふらと歩いていた。
もう、今は、雨に濡れることなんてどうでもよかった。

よく前を見ていなかった僕は、すれ違う男性と肩をぶつけてしまう。



・・・・・「あ、すいません」

--- ったく、、、何やってんだよ! どこ見て歩いてんだよ---


振り向いて大声を上げるその男性が、濡れそぼった僕の姿を見てニヤリと笑う。


・・・・・「すいませんでした」


頭を小さく下げて、振り向いて足を進めようとしたその時・・・


--- おい、ちょっと待てよ・・・--


肩を強い力で掴まれた。


・・・・・「痛っ、、、な、なんですか?」


その男性は、まるで僕を値踏みするかのように、
頭の先からつま先まで、嫌な視線を僕に向ける。


--- いいぜ、買ってやるよ、いくらだ?---

・・・・・「は? なんですか?離してください」

--- なに勿体ぶってんだよ? 売ってんだろ? 買ってやるって言ってんだよ、いくらだ? ---


身体が冷たい・・・
摑まれている肩がいやに温かく感じる。

今の僕は、そんなに人恋しそうに見えるんだろうか、、、

誰かを・・・
誰かの肌を求めているように・・・
そう見えるんだろうか・・・?


・・・・・「僕をいくらで、、、いくらで買ってくれるんですか?」


気がつけば、そんな馬鹿な言葉を口走っていた。


--- そうだな、、、お前なら・・・---


男の指が僕の顎を持ち上げて、、、


--- なかなか上玉じゃないかよ、、、お前の言い値で・・・---





「おい、、、離せ・・・」


雨の音をかき消すように、その人の声がした。


--- はぁ? 何だよ、お前に・・・・あれ? お前、チョン・ユンホ、、、ユノじゃないか?---


ユンホさん・・・


「その手を離せ、そいつに触るな」

--- おいおい、ユノ、、、誰に向かって言ってんだよ・・・---

・・・・・「ユ、ユンホさん」

「黙ってろ」

・・・・・「でも、、、」

「いいから、黙ってろ」


--- そう言えば、お前、どっかの女に骨抜かれて、辞めたって聞いたけど、、、まさかのこいつ?---

「・・・・・」

--- おい、ユノ、、、嘘だろ? 男だぜ? ま、これくらい美人なら、分らないでもないがな---


そう言いながら、僕の肩にぐるりと腕を回した。


・・・・・「や、止めてください」

「殺されたいか?」


ユンホさんの声がいつもと違う。
彼を知っている僕ですら、震えそうな程に・・・


--- 残念だが、今、こいつを買ったばかりだ、こいつの言い値・・・---


その時・・・
突然、隣りにいた男が、地面に倒れ込む。

一瞬、何が起こったのかわからなかった。
気が付いたら、ユンホさんに腕を強く摑まれて・・・

人ごみをかき分けながら全力で走っていた。


・・・・・「ユ、ユンホさんっ」

「いいから、走れ!」


雨は容赦なく僕たちを濡らす。


繋がったユンホさんの手と僕の腕。
そこから感じる温かさ。


どのくらい、走っただろう・・・

2人とも、息を切らせて胸を揺らす。
大きく呼吸しながら、胸に空気を吸いこんだ。

通りから外れた裏道。
明かりもまばらで、そこは人の気配がない、ビルとビルの隙間。

ユンホさんが、僕の腕から手を離す。


・・・・・「ユンホさん、、、ごめ・・・んっ、、、っ・・・」


呼吸もまだ落ち着いてないのに、
僕はユンホさんに唇を塞がれていた。


・・・・・「あっ、、、んっんんん、、、んふっ・・・」


苦しくて、呼吸したくて開けた唇に、ユンホさんの舌が入り込んでくる。
口内をすべて舐めつくすように、歯列をなぞり、舌を絡める・・・

酸欠になりそうなくらいに長くそれは続いた。
もう、立ってられなくて膝がガクリとなったその時・・・

ようやくユンホさんの唇が離れてゆく・・・

倒れそうになった僕の腰に腕を回して支えてくれている。

僕は大きく息を吸い込みながら、ユンホさんにしがみ付いた。


・・・・・「ユン、ホさ、、、」

「行くな、、、チャンミン・・・何処へも行かないでくれ・・・」




降りしきる雨・・・

誰もいない通りのビルの隙間で、抱き合って絡み合う男と男。
けれど、僕はそんなことどうでもよかった。


〝行かないでくれ〟


幸せだった・・・


・・・・・「僕はどこにも行かないよ、、、貴方の傍に居る」



びしょ濡れの2人・・・

けれど、寒くはない。

貴方の熱が僕をとても温かく包んでくれたから・・・






32へつづく

読者の皆さま、こんばんは。

チャーミーの影響でしょうか?
昨日から頭痛が治まりません。
困った(;・∀・)

娘2人が、風邪気味です。
夜、眠るときは少し暑く感じて薄い布団で寝るのですが、
朝、とても冷えているので、うっかり風邪引いた模様。
気温差にはどうかご注意を。

それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を♪




こころ。

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・・・・・「ここだよ、スジン」


スジンの手を引いて、ヒョンのアルバイト先の店の前に立つ。

お昼の時間を少し回ったこの時間は、店内は少し混雑していて、
お店のスタッフも、とても慌ただしくしている様子だ。


--- ちゃんみんも行く? ---


小さな顏が、僕を見上げる。
不安そうな表情が、見て取れた。

けど、、、


・・・・・「ごめんね、僕は少し行くところがあって、、、」


正直、ヒョンとは顔を合わせにくい。

僕のその返事に、スジンは肩を落として俯いてしまう。


そうしている間にも、沢山の客が、
店へと入って行く。

この状況に、小さなスジンを独りで行かせるのは無理かも、、、


僕は、スジンと目を合わせるためにしゃがみこんで、
小さな頭をクシャリと撫でた。


・・・・・「よし、スジン。僕も行くよ」

--- でも、、、---

・・・・・「大丈夫。僕の用事は、スジンがお兄ちゃんにお財布を届けてからにするよ」


再び僕たちは手を繋ぎ、
店の自動扉を潜った。



店内を見渡す。

カウンターに並ぶ、5台のレジ。
その一番端に、ヒョンの姿を見つける。

僕たちには気がついていないようだ。



・・・・・「スジン、、、お兄ちゃんいたよ。ほら、あそこに、、、」

--- ほんとだ。お兄ちゃんだ ---

・・・・・「お兄ちゃん、お仕事忙しそうだ。」

--- うん。どうしよう、ちゃんみん---


僕は、スジンを連れて、ヒョンのレジの一番最後に並んだ。
暫くすると、、、


「次のお客様、、、どう、、、えっ?」


ヒョンが、僕とスジンの姿を見て、驚いて動きを止める。


・・・・・「ほら、スジン」

--- お兄ちゃんっ! ---


スジンは、肩にかけていた鞄の中から、ヒョンの財布を取り出し、
手を伸ばしてカウンターの上に置いた。


--- お財布忘れてた ---

「ちょ、、、え、、、ど、どういう事? スジン、お前、、、」


ヒョンは、何が何だか分からない様子で、
スジンと僕を交互に見てる。

仕方なく、僕は事情を説明する。


・・・・・「少し先で、迷子になってたスジンと出会いました。お財布を届けたかったようで、、、なので連れてきました」

「そ、そうか、、、」


ようやく、少し事情が分かったヒョンは、
落ち着きを取り戻して、、、


「あ、あの、、、後30分で仕事終わるからさ、、、」

・・・・・「・・・・・」

「ちょ、、、ちょっと待って、、、」


そう言うと、トレイの上にチーズバーガーとコーラを2つづつ乗せて、、、


「スジンと一緒に待っててくれないか?」


あと30分、、、
スジンをこのまま一人で帰すわけにもいかなくて、、、

仕方ない、乗り掛かった舟だ。


・・・・・「分かりました」


財布を取り出し、お金を払おうとしら、


「あーっ、いいからいいから、、、悪いけど、スジンを頼むよ」


そう言われ、僕は小さく頷いてトレイを手にした。




--- 美味しいね、ちゃんみんっ ---


開いていた一番隅のテーブルに、スジンと向かい合って座る。
美味しそうにチーズバーガーを頬張るスジンは、とても可愛い。


「スジンは何年生なの?」

--- 1年生だよ ---


1年生ってことは、7歳か、、、
まだ7歳なのに、忘れ物を届けようなんて、、、

余程、ヒョンの事が好きなんだな、、、


・・・・・「スジンは、お兄ちゃんの事好き?」

--- うんっ、大好きだよ。ちゃんみんは? ---

・・・・・「えっ?」

--- ちゃんみんは、お兄ちゃんの事好き? ---


コーラのストローをチューっと吸いながら、
僕を見てニコッと笑う。

純粋で、屈託のないその表情に思わず、、、


・・・・・「好きだよ、、、」


そう、口にしていた。



暫くすると、、、



「お待たせ、、、ごめんな、チャンミン、、、」


着替えを済ませたヒョンが、
スジンの隣りの椅子に腰かける。

急いできたんだろう、、、
シャツの襟が内側に入り込んでて、、、


・・・・・「あ、、、ヒョン、あの、、、」

「ん?」

・・・・・「あの、襟が、、、あの、、、」

「えっ?」


僕は、少し腰を浮かせて中腰になり、
手を伸ばしてヒョンの襟を整える。


「あ、、、ゴメン、、、」

・・・・・「いえ、、、」


微妙な空気に、バツが悪くなって、
ヒョンから視線を外し、コーラのストローを口にした。


・・・・・「それじゃあ、僕はそろそろ、、、」

「えっ? もう?」

・・・・・「はい、、、その、、、途中だったので、、、」

「途中?」



どう言っていいのか戸惑っていると、、、


--- ちゃんみんはね、行くところがあるんだって ---

「ちゃ、、、ちゃんみんって、、、こら、スジンっ! 」


僕の事を呼び捨てにするスジンに驚いたヒョンは、
大きな声でスジンにそう言うと、左手をグーにして、コツン、、、とスジンの頭にゲンコツを落とした。


・・・・・「いいんです、ヒョン」


叱られたスジンは、今にも泣きだしそうだ。


・・・・・「スジン、、、泣かないで、、、大丈夫だから、、、ね?」

--- お兄ちゃんの馬鹿っ、、、もう嫌いだからっ---

「スジン、、、」

--- せっかくちゃんみんもお兄ちゃんの事好きって言ってくれたのに、、、
意地悪なお兄ちゃんは、ちゃんみんも嫌いになっちゃうよ?---

「えっ?」


顏から火が出そうだった。
視線を合わせる事なんて出来ない。

それどころか、伏せた顔を上げる事も出来ない。


・・・・・「あ、あの、、、僕、行きます」


鞄を手に、慌てて立ち上がる。


--- ちゃんみん、ありがとう。またね ---

・・・・・「うん、またね、スジン」


未だ、お客さんが沢山居る店内を横切り、店を出たところで、、、


「チャンミンっ」


後ろから腕を取られた。



「待って、チャンミン、、、」







13へつづく

読者の皆さま、こんにちは。
朝からひんやりとして、雨が降っています。
明日は1日家から出なくてもいいように、買い物も済ませて準備しました。

数年前、隣の工場の大きなシャッターが台風の風で外れてうちの庭に飛んできて、
リビングの窓ガラスに直撃しました。
二重窓だったので、内側のガラスはどうにか耐えてくれ、
家の中にまで被害はなかったのですが、本当に怖かったです。

自分が注意していても、被害を被ることもありますもんね。
皆さま、十分に備えられて、今日、明日、明後日、お気をつけてお過ごしくださいね。




それでは、午後も素敵なひと時を♪




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淋しい熱帯魚。85 第3章 ~







・・・・・「息子のもとに、、、ユンホさんのもとに戻って来てほしいって・・・」


親父が?


「チャンミン、本当か?」


小さく頷く。


・・・・・「秘書の方が駅まで迎えに来て下さって、、ユンホさんのお家でお会いしました。」


俺をじっと見つめていた瞳が、ゆっくりと伏せられる。


・・・・・「とても温かく迎えてくださって、、、僕、とても心配だったんです。ホントはとても怖かった・・・」

「なにが? なにが怖かったんだ?」

・・・・・「シヨンさんから聞きました。ユンホさんが会社を辞めるって、、、僕のせいかも・・・
だから、きっとお父様に叱られるんじゃないかって、それで・・・」

「チャンミン」


俯いたまま、身体を震わせて・・・
どんな想いで、遠い釜山からたった一人で・・・

思わず腕を伸ばして、チャンミンの身体を強く抱きしめた。


「お前のせいなんかじゃない。会社の事は、俺自身の問題だ。」

・・・・・「でも・・・」

「チャンミン、よく聞け」

・・・・・「・・・・・」


「俺は、今まで自分以外の人間の事なんて考えずに好き勝手に生きてきた。
自分の人生だ、何が悪いんだって・・・」

・・・・・「・・・・・」

「けど、お前に出会って、大切なことを沢山知ることが出来た。
姉ちゃんの気持ち、シヨンの気持ち、それに・・・親父の本当の心も、、、みんなお前が教えてくれたんだ。」


お前に出会っていなかったら・・・


「誰かを、、、自分以外の誰かを心から愛する気持ちも・・・」


お前がいなかったら・・・


「お前が好きなんだ。愛してる。お前が、、、チャンミンがいないと、息が出来ない。」


俺の人生は、色のないモノクロの世界・・・


・・・・・「ユンホさん」

「これからずっと、俺の傍にいてほしい。お前じゃないと、ダメなんだ」


抱きしめていた腕を解いて、視線を合わせる。


「ダメか? 」


合わせる視線を外して、チャンミンが瞳を泳がせる。


・・・・・「でも・・・」

「ん?」

・・・・・「僕は、僕にはユンホさんにあげられるものなんて、何もなくて・・・」

「何もいらないよ、チャンミン」

・・・・・「・・・・・」

「ただ、俺の隣りで笑っていてくれれば、それでいい。それだけで、俺は幸せなんだ」


頬に手を添えて、もう一度瞳を合わせる。


「俺が好きだろ?」

・・・・・「・・・・・」

「なぁ、チャンミン・・・俺の事、愛してるだろ? ん?」


包んでいたチャンミンの頬が、熱を持ち、赤く染まる。


・・・・・「・・・・・はい」

「ずっと一緒に居よう。もう、何処へも行くな、、、俺を置いて行くな・・・」


心が高揚した。
もう絶対に、離れない、離さない。


・・・・・「僕、、、僕なんか・・・僕なんかがユンホさんの傍にいてもいいの? 迷惑になりませんか?」


不安そうな瞳で俺を見つめながら、遠慮がちに問いかける。

こんなに愛してるのに、どうして俺の気持ちが届かないんだろう・・・
もどかしくて、、、、





「来いよ、チャンミン・・・」


立ち上がって、チャンミンの腕を引いた。


・・・・・「?」

「分からないなら、俺が教えてやる・・・」






光が差し込む明るい部屋・・・


・・・・・「や、、、、ユンホさ、、、あっ、、、」

「じっとしてろ? 」


カーテンの向こうはまだ、太陽が眩しい光を放っている。
ベッドの上・・・

お互いの邪魔なものすべてを取り去って、素肌と素肌を合わせる。

欲しかった温度
感じたかった肌の感触

俺の心が全部、チャンミンに届くように・・・


「チャンミン、お前は俺のものだ」

・・・・・「あっ、、、んっ・・・・・」



もう、離さない・・・・・











100へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
次回、100話です。
早いな、、、

昨日も、開いているコメント欄をわざわざ探してくださったんだと思うのですけど、
〝また、熱帯魚のお話を読むことができて嬉しいです〟と、コメントを書き込んでくださった方が
居てくださいました。
同じような内容のコメントを、未だ時々頂きます。

随分前に書いたお話なのに、忘れずに続けて愛して頂けるお話なんて、
そんなにあるもんじゃないと思ってます。
『淋しい熱帯魚。』は、ある意味、こころ日和。の代表作のような感じがします。
とにかく、熱帯魚のチャンミンは本当に可愛い♡



それでは、今日も1日いい日になりますように♪
いつもご訪問ありがとうございます(^-^)





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ヒョンのばか。





結局、あの日から一度も話せずに撮影の日を迎えた。

なんて話そう・・・
そればかり考えて、昨日は疲れているのにぐっすりと眠れなかった。


・・・・・「おはようございます」


控室に入ると一足先にヒョンが到着してたようで、


「おはよう」


僕の方は見てはくれない。
ヒョン、すごく疲れてるみたい。

体調悪いのかな?


・・・・・「ヒョン、、あの、、」


言いかけたとき、、、ドアが開いて、、、


---お、チャンミン、すぐに打ち合わせだから---


そう、マネヒョンが告げる。


・・・・・「はい、わかりました。」


結局、部屋で二人だけになる時間がなくって、
関係者と打ち合わせを済ませて撮影に臨んだ。

仕事では、私生活でのイザコザは微塵も見せず、僕らは完璧にこなす。

でも、、、、

撮影中に僕に向けられるヒョンの視線は、どこか冷たくて・・・
そう感じながらもスムーズに撮影は終わった。


〝お疲れ様でした〟


スタッフの皆さんに挨拶を済ませ、控室に2人で戻る。
今日の仕事はこの撮影だけだから、ヒョンと話せるはず・・・

部屋に戻った僕は思い切って話を切り出した。
これ以上長引かせたくなかったし、
正直言うと、、、ヒョン不足で寂しかった。


・・・・・「あの、ヒョン、この後、時間ありますか? 少し話せませんか?」

「・・・・・」

・・・・・「ヒョン?」

「今日は、疲れてるから、、、戻って休むよ、ゴメン」


ヒョンは、、、、そう言って素早く着替えを済ませると、


「おつかれ」


振り向きもせず、部屋を出て行った。


どうしよう・・・
でも、、明日も明後日も別行動だし・・・

僕はとにかく少しだけでもヒョンと話したくて、、、
ヒョンを追いかけようと急いでドアを開けた。


ヒョンの姿はもう見えなくて、駐車場に向かうために廊下を走る。
エレベーターは別の階から動かなくて、仕方なく階段でヒョンを追いかける。
どうか間に合いますように・・・

ようやく地下駐車場への扉まで駆け下りてドアを開けた。


そこで僕の目に入った光景は・・・


広い駐車場からは死角になってる隅の奥まった場所。
そこに、ヒョンとあの子が隠れるように立っていた。

頭にウサミミもないし、ヒラヒラのミニスカートでもないし、
メイクも濃くはなかったけれど間違いない。

あのウサミミの女の子。


彼女の顔はなぜか真っ赤になってて、、、泣いていた。

そんな彼女の肩にはヒョンの腕が回っていて、
そっと包むように、彼女の肩を優しく抱いている。






疲れすぎて、、、幻覚を見てるのかな?

しばらく動けなくて・・・
とにかくこの場所から逃げ出したかった。

僕は、ヒョンに気付かれないようにそっと後退りしてドアを閉めようと思ったけれど、
足が絡まってしまってうまく動けなくて・・・

ドアの段差に躓いてしまった。


・・・・・「あっ!」


思わず声が出てしまって・・・


「チャンミン?」


ヒョンが、さっと彼女から離れて僕の方へ近寄ってこようとしたけれど<

僕は・・・


・・・・・「来るな」


小さな声だったけれど、咄嗟にそう言ってしまった。

ヒョンは、、、
聞こえたんだろう、、その場で足を止めて・・・


・・・・・「スイマセン、邪魔してしまって、、、ヒョン、僕、お先に帰りますね。」


わざとらしく彼女にも聞こえるように言い放って、
ドアを大きく開けて、広い駐車場を横切って表の通りまで足早に歩いた。

ヒョンは、追いかけては来てくれなかった。

携帯を取り出して・・・


・・・・・「あ、マネヒョン? ゴメン、ちょっと約束があって、一人で向かいます。お疲れ様でした」


心配していたであろうマネヒョンに連絡を入れて、僕はタクシーに乗った。


自宅に戻って一人になりたくなくて、ギュラインの連中に連絡するけれど、
一向に誰も捕まらない。


・・・・・「はぁ・・・」


大きなため息がでた。
仕方なく、ドライバーに自宅の場所を告げて・・・


陽が落ちかけた夕刻時。

いつもなら街の景色を眺めるけれど、今日はそれすらも見たくなかった。
きっと僕以外のすべての人が幸せそうに見えるだろうから。

目を閉じて、なにも考えたくなかった。


マンションに戻って、シャワーを浴びた。
冷蔵庫からビールを出して、ふとテーブルに置いた携帯を見ると
着信を知らせる点灯。

でも、、なんとなく見る気にはなれず僕は一気にビールを飲み干して
ソファに横になった。


どのくらい眠っていただろう・・・

気が付くと随分と時間が経っていた。
時計を見ると、日付が変わろうとしていた。

小さなコーナーライトだけが灯っている薄暗いリビング。

テーブルの携帯の点滅する明りが、なんだか僕を呼んでいるようで
手に取ってタップした。

着信はやっぱりヒョンからだった。
留守電話にメッセージ。


〝チャンミン、、、下にいるよ。出てきてくれるまで待ってる。ずっと待ってるから・・・〟


えっ?


・・・・・「まさか、、、もう帰ってるよね」


でも・・・

僕は急いでソファにかけてあった上着を掴んで、部屋を出た。







4へつづく

リアルタイムで読んで下さっている読者さま、真夜中にこんばんは。
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微熱。~永遠に冷めない熱病~ ②





-- そんなのでアメリカなんかへ行ったら、俺が恋しくて泣いちゃうんじゃないか?・・・--


どうして、、、どうしてユンホさんが知ってるんだ?


・・・・・「な、なんですか? アメリカって・・・」


ユンホさんは、俯いたまま食事をする手を止めようともしない。
普段と変わらない口調で平然と 〝アメリカ〟 という言葉を口にした。


「・・・・・行くんだろ? アメリカ」


囁くような小さな声でそう言いながら、ゆっくりと顔を上げる。
強い視線で僕を見つめる。

お互いの視線がぶつかり合う。
先に目を逸らせたのは、僕だった。


・・・・・「誰に何を聞いたのか知りませんが、僕はどこにも行きません。」


何故だか、この話を今、ユンホさんとしたくない。

ユンホさんの口から、もしかしたら、聞きたくない言葉を聞くことになるかもしれない。
それが怖かったから・・・


僕は、イスから立ち上がって・・・


・・・・・「ごめんなさい、先に休みます。食器は、申し訳ありませんがキッチンにお願いします。
明日の朝、僕が片付けますから・・・」


早口でそうユンホさんに告げて、寝室へ向かおうとしたら、
テーブルの向かい側から、ユンホさんが手を伸ばして僕の腕を掴む。


「チャンミン、座れ。」

・・・・・「ごめんなさい、僕、疲れてて、、、休みたいんです。」

「いいから、座れ」

・・・・・「嫌です。」

「チャンミン、ちゃんと話してくれないと分からないだろ?」

・・・・・「・・・・・」

「な? チャンミン」


僕の腕を掴むユンホさんの手の力が、一層強くなる。

そうだよ、ちゃんと話して説明して 〝行かない〟 そう言えばいい。
僕は、そのままゆっくりともう一度椅子に腰を下ろした。


ユンホさんの手が離れて、中腰で僕を引きとめていたユンホさんも椅子に座った。



・・・・・「先日、ソウルへ戻った時に、確かにそういう話があったことは事実です。
でも、僕はアメリカには行きません。」

「どうして行かないんだ?」


ユンホさんは、とても落ち着いていた。
僕はこんなにも緊張していて、どんな言葉で貴方に伝えればいいのか躊躇っているというのに・・・


・・・・・「仕事はここで、、、・韓国でも十分にできます。それに・・・」

「それに・?」

・・・・・「・・・・・」

「お前がやりたかった仕事じゃないのか?」


誰だ・・・

ミノ? いや、ミノとユンホさんが繋がるわけがない。
なら・・・

ソヒョン?

そうだ、彼女しかいない。
恐らくミノから伝わったんだろう。


「違うのか?」

・・・・・「行きたくないんです。理由なんてない。」


ユンホさん相手に、上手く言葉が出てこない。

誤魔化すことも、いつもなら、
相手がユンホさんじゃないなら、

そんなことは容易になのに・・・


「チャンミン、そんな子供みたいな言い訳するな」

・・・・・「誰に何と言われようと、僕はここに残ります。」


静か過ぎる沈黙。
部屋を暖めている暖房機の音、窓の外から聞こえる通りを走る車の音・・・

いつもならちっとも気にならないような音が、耳について・・・


暫くして、テーブルの向かいから大きなため息が漏れる。


「俺か?」

・・・・・「・・・・・」

「俺が、そうさせてるのか?」

・・・・・「違います。ユンホさんは関係ないです。」

「なら、行って来い」


思わず顔を上げてユンホさんに視線を向ける。
顔色一つ変えずに、、、どうして?


・・・・・「僕が居なくなってもいいんですか?」

「・・・・・」

・・・・・「これを受ければ、2年以上戻りません。2年ですよ?」


何も言わず、ただ、僕の話をじっと聞いてる。
それが答えなんだろうか?

僕が居なくなっても、何も変わらないと・・・
自分は何も関係ないと・・・そうなんだろうか?


・・・・・「何とか言ってくださいよ。」

「お前の人生を狂わせたくない。」

・・・・・「なんですか? それ・・・」

「俺のせいで・・・」

・・・・・「貴方のせいじゃない!!!」


身体中から怒りが込み上げてくる。

どうして今更・・・
何を言うんだ? 僕をバカにしてるのか?


・・・・・「そうです、ユンホさんがいるから、、、ここに居たい。離れたくない。だから、行かない!!」


立ちあがってユンホさんを見下ろす。


「・・・・・」

・・・・・「だから何? 僕の人生です。どうするかは僕が決める」


ユンホさんは何かをじっと考えているようだった。
僕を諭す言葉でも考えているんだろうか?

けど、今はこれ以上、ユンホさんの言葉を聞きたくない。


・・・・・「少し、出てきます」



ソファにかけてあった上着を掴んで、僕は急いで部屋を出た。


外はとても冷たい雨が降っていた・・・






30へつづく

読者の皆さま、こんばんは。

さいたまに参戦された皆さま、お疲れ様でした。
次は福岡ですね。
あっと言う間に10月です。

昨日、体調の悪い私に、旦那がああだこうだと煩いので、
「私は体調が悪いので寝る。早く元気にならんとダメやから」と、そう言うと、
それしか言っていないのに、旦那が、
「次いつ?」 と聞いて来たので、私は即座に「来月」といいました。
(心の中で、複数回と付け加えた 笑)

凄いなーと思ったんです。
流石、長年トンペンやってる嫁を持つ男。
元気にならないと、、、と言っただけで、嫁さんのライブ参戦が近いことを察知するとは、、、(笑)
これで心置きなく参戦できる♪
早く元気になろーっと(;・∀・)フフ




それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を♪






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窓の向こうの空から、ぎらぎらと太陽の光が降り注ぐ。

季節は脚を早め、本格的な夏の訪れ。
明日から夏休みだ。


--- 夏休みだからといって、勉強サボるんじゃないぞ。分かったな ---


担任のその言葉は、夏休みの始まりで浮かれているクラスメイト達には届かない。


終業のチャイムが鳴ると同時に、
担任は呆れたように、大きな溜息をついて教室から出て行く。

騒がしい教室の中の中心に、ヒョンがいる。


〝もう、誘ったりしないから、、、〟


あの日から、ヒョンは僕を見ようとしない。

席替えで、遠くに離れてしまってからというもの、
僕は、ずっと前の席に座るヒョンの背中を、ただ見ているだけ、、、


夏休みが始まれば、
暫く会うこともない。


--- ユノ、行こうぜ ---

「おう、、、」


最近は、イ・テミンも教室に現れなくなった。

色んな噂話を耳にしたけれど、
誰もその真相を、ヒョンに直接聞く者などいなかった。


沢山の取り巻き達に囲まれるようにして、
ヒョンが教室から出ていく。

途端、教室の中は静かになり、、、


--- お、チャンミン、、、帰らないのか? ---

・・・・・「少し職員室に寄ってから帰るよ」

--- そうか、、、じゃあ、またな ---

・・・・・「うん」


友人の背中を見送って、
教室には、僕独り。

椅子から立ちあがって、窓の外に視線を向ける。


刺すほどの陽の光に、思わず目を瞑る。

夏はどちらかというと苦手だ。
今年の夏は、何をして過ごそう、、、

そんなことを、ぼんやりと考えていたその時、、、



大きな音を立てて、教室の前の扉が開く。

驚いて振り向くと、
そこには、僕の姿を見つけて、少しバツが悪そうな顔をしたヒョンが立っていた。

視線が合うと、すぐに逸らされる。


僕は、すっかりヒョンに嫌われてしまったようだ。


何とも言えない空気に耐え切れなくなった僕は、
鞄を手に取り、ヒョンを避けるように教室の後ろ側の扉に向かって歩き出した。

扉に手を掛け、開こうとした時、、、



「チャンミン」


ヒョンの声が、僕の名前を呼んだ。
どのくらいぶりだろう、、、

思わず足が止まる。


キュッ、キュッ、、、と、上履きが床を歩く音が近づいてきて、
僕の背後で、ピタリと止まる。


「チャンミン、、、」

・・・・・「・・・・・」

「あのさ、、、」

・・・・・「ご、ゴメン、、、僕、ちょっと急いでるから、、、」


怖かった。

何を言われるのか、、、そんな不安な気持ちと、
僕を無視してたくせに、、、そんな大人げない拗ねた気持ち。


感情のコントロールが上手くて来なくて、
僕は、その場から、、、ヒョンから逃げ出した。


教室を出て、廊下を足早に歩く。
気がつけば、いつの間にか僕は駆け出していた。


もちろん、ヒョンは追ってはこなかった。






ヒョンとの関係がこじれたまま迎えた夏休み。


〝チャンミン、あのさ、、、〟


あのとき、ヒョンは僕に何を言おうとしたんだろう。
ベッドに身体を横たえ、見慣れた天井をぼんやり眺めながらそんなことを考えていた。

窓の向こうから、騒がしい夏の虫たちの声が途切れることなく聞こえてくる。
勉強しようと思って机に向かっても、気がつけばヒョンの事を考えていて、、、

手にしたペンを放り投げて、溜息をつくばかりだ。


そんな日々が、ただ淡々と過ぎて行く、、、



その日は、夏休みの課題制作の資料を探しに、
家から少し離れたところにある大きな図書館へ向かっていた。

燦燦と降り注ぐ太陽の光を浴びながら、通りを歩く。
額に汗が滲む。

あまりの暑さに、街路樹の陰に入り、
ポケットからハンカチを取り出す。


・・・・・「暑いな、、、」


ハンカチで汗を拭って、鞄の中のペットボトルを取り出し、
乾いた喉に水を流し込む。


・・・・・「ふーっ、、、」


大きく息を吐いたその時、、、

通りの前方から、見覚えのある顔が視界に入る。


あの子は、、、
確か、、、


〝お兄ちゃんのお友だちもどうぞ〟


僕を家に招き入れてくれた、あの女の子。
ヒョンの妹だ。


暫く様子を見ていた。

少し不安気に、辺りをキョロキョロと見渡しながら、
トボトボと歩いてる。

1人、、、なのかな?

辺りには、一緒に居る〝誰か〟は見当たらない。


こんなところまで、、、1人で?


暫くすると、脚を止め動かなくなってしまった。
今にも泣きだしそうに俯いて、、、


放っておけなかった。
僕は、彼女に向かって歩き出す。




・・・・・「どうしたの?大丈夫?」


彼女の前に立ち、しゃがんで視線を合わせる。
俯いていた顔が、驚いたようにびくっと跳ねあがると、
僕の顔をじーっと見つめて、、、


--- お兄ちゃんのお友だち ---

・・・・・「そうだよ。良く覚えてたね」

--- うん ---

・・・・・「僕は、シム・チャンミンといいます。こんなところでどうしたの?」

--- ちゃんみん、、、あのね、、、---


彼女を通行の邪魔にならないところに移動させ、
話を聞くと、、、


どうやらヒョンは、アルバイトに出掛けてて、
彼女は、ヒョンが財布を忘れていることに気がついて、
それをヒョンに届けるため、ここまでこっそりと1人でやってきたらしい。


--- けど、お店がどこか分からなくなっちゃって、、、---


ジワリと目に涙が浮かぶ。


・・・・・「そっか、偉かったね。じゃあ、僕と一緒に行こうか?」

--- ちゃんみんは、お兄ちゃんのお店、知ってるの?---

・・・・・「うん。知ってるよ」


途端、彼女に笑顔が戻る。


--- 名前、なんて言うの? ---


立ち上がり、手を差し出す。
彼女の小さな手が、僕の手をとり、ぎゅっと握った。


--- チョン・スジンです ---







12へつづく

読者の皆さま、こんにちは。

今朝、とても肌寒くて目が覚めました。
久し振りに煌々と太陽の光が射してしますが、
明日からは〝チャーミー〟の影響で、雨が降り出すそうです。
チャーミーの予想進路図、またもや直撃コース(~_~;)
日曜日の午後、、、
どうか大人しく素早く過ぎ去っていきますように、、、(;´Д`)

そして、今日でさいたま終了です。
無事に、怪我無く事故無く、みんなが思い出深く楽しいライブになりますように♪


それでは、午後も素敵なひと時を♪







こころ。

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