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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



微熱。~永遠に冷めない熱病~ ①




玄関のドアを閉めて部屋に入ると、
許してもいないのに部屋に侵入してきたチンピラは、ちゃっかりソファに腰を下ろしていた。


「このソファ、高いんだろ? すんげぇ座り心地いいねぇ」

・・・・・「いえ、別に・・・」


テーブルにコンビニで買ってきたものをドサリとおいて、上着を脱いだ。
見ると、がさごそと袋の中の物を全部取り出している。


「ところでさ・・・」


断りもなしにビールの缶を開けながら・・・


「何しにこんな街に来たんだよ? 仕事? 見た限りではエリートっぽいけど・・・・」


自分の言いたいことをずけずけと言って、ゴクゴクと喉にビールを流し込む。


・・・・・「仕事です。すぐにソウルに戻る予定ですが、少しの間こちらの支社でお世話になります。」

「へぇ・・・・」


チンピラは、僕の頭の先からつま先までをまるで値踏みするようにじろじろと見ている。

本当に最悪だ。
こんな奴とは絶対に関わりたくないのに・・・


・・・・・「あの・・・」

「なに?」

・・・・・「申しわけないんですけれど、今日、疲れてて、、、もう休みたいのですが・・・」


チンピラがニヤッと笑った。


「こんなお隣さん、最悪だな、関わりたくないな・・・」

・・・・・「えっ?」

「って、そう思ってるだろ?」

・・・・・「い、いえ、、、」


顔に出るよ、あんた、気を付けないと・・・

そう言いながら、苦笑している。


「いいよ、休めば? 俺は・、、、これ食っていい?」


買ってきた弁当を指差して・・・


・・・・・「どうぞ・・・」

「な、皿、、、皿、貸して? あと、箸も・・・」

・・・・・「・・・・・」


小さくため息を吐いて、僕はキッチンからお皿と箸を1組、チンピラに手渡した。



そのまま洗面所で手と顔を洗って、戻ると・・・


「はい、これ、あんたの分」


さっき手渡したお皿に、買ってきた弁当が半分綺麗に並べられている。


・・・・・「いえ、僕は・・・」

「あんたが金出したから、から揚げはあんたにやる」


そう言ってニコッと笑って・・・


「ほら、食えよ・・・」


差し出されたお皿を受け取って、僕は彼の隣に並んでそれを口にした。


「な、美味いな」


隣りを見ると、美味しそうに頬張るチンピラの顔。


・・・・・「そうですね。」


どうして僕が見ず知らずのチンピラと弁当分け合って食べなきゃならないんだ。

とにかく、早く終わらせて帰ってもらわないと・・・


「あー美味かった。ごちそうさん」


チンピラは満足げな笑顔を浮かべて、ビールを飲み干した。
チラッと視線を時計に向けると、11時近くになっている。


もうこんな時間、、、早く帰ってくれよ・・・

見ると、テレビのリモコンを手にして自分の気に入りそうな番組を探してる。
僕は心の中で大きなため息をついた。


テーブルの上の乱雑に散らかったゴミやビールの缶を手にキッチンを何度か往復して、
洗い物を済ませ、温かいお茶を淹れた。

これを飲んで帰ってもらおう。

両手にマグカップを持って、ソファまで戻ると・・・・



・・・・・「嘘だろ?」


ソファの上で気持ちよさそうに、、、寝てる・・・


こんなところで、こんな奴に寝られたら困る。
僕はマグカップをテーブルに置いて、急いでチンピラを揺さぶった。


・・・・・「あの・・・・風邪ひきますよ、家に戻らないと・・・」

「う、、、、ん、、、」

・・・・・「ねぇってば・・・・お隣さん、、、、困ります、、、」


どんなに揺さぶっても、チンピラは一向に目を覚ます気配がなかった。



嘘だろ・・・


最悪・・・


暫く茫然としていたけれど、どうしようもない・・・
僕は、厚めの毛布を持ってきて、チンピラの身体に投げるようにかけた。


テレビを消すと、室内はとても静かで・・・

ソウルならこうはならない。
賑やかな街の喧騒がそれを許さないから・・・


そんな静けさの中、ふと耳に入る、、、小さく聞こえる誰かの話す声・・・

不思議に思って耳を澄ますと、
僕の部屋の壁の向こうから音が漏れてくる。

チンピラの部屋だ。
隣りの音が筒抜けって、、、

もう、勘弁してくれよ・・・

明日にでももう一度不動産屋へ行こう。




仕方なく、僕は部屋を出て隣の部屋の玄関へ向かう。
ノブをそっと回すと簡単にドアが開いた。


「そのまま来たのかよ・・・」


電気も消さず、鍵もかけずに僕の部屋に来たから・・・
他人の部屋に許可なく入ることに少し戸惑ったけれど、


・・・・・「まぁ、アイツも僕の部屋に勝手に入ったし・・・いいか」


僕は靴を脱いで、部屋に入った。



--- これって・・・---


部屋の中は、小さなテーブルと床に置かれた小さなテレビ。

無造作に置かれた引きっぱなしの布団。
脱いだままの衣服が、辺りに散乱している。

見ただけで寒々する光景、、、


・・・・・「暖房もないのか?」


どういう生活してるんだよ。

とにかく、僕はテレビのリモコンを掴んで電源を落として、壁際の電気のスイッチも切って、
素早く部屋を後にした。




僕の部屋のソファで眠っているこの厄介な隣人、、、
これ以上は絶対に関わりたくないと、そう心に強く思った。


電気と暖房を消して、僕も隣の部屋のベッドに潜り込む。

いくら温かい毛布って言っても、風邪ひかないかな?
いやいや、僕の知ったことじゃない・・・



そんなことを想いながら、僕は夢の中に引き込まれていった・・・・







3へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
更新しながら、誤字脱字があれば訂正して、
やたらと多い〝・・・〟を、ある程度削除して(笑)

そんな感じで、いつも旧館のお話を更新しています。
改めて、微熱のユンホさん、すっごいチンピラですよね(笑)
まず、チンピラって言葉が新鮮だし(笑)

楽しみにしてくださっていた読者さまから、
「チンピラユンホさんにまた会えて嬉しい」と、コメントやLINEを頂いて、
チンピラなのに愛されてるユンホさん(笑)ププ
暫く22時に現れますので、可愛がってやってください(笑)



それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を♪




こころ。

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ボクたちの関係。①




「ごめんね、、、」


グラスの酒を一口飲んで、小さな溜息を零すと、
ユンホさんは、俯いたままでそう呟いた。


・・・・・「いいんです、、、気にしないでください」

「・・・・・」

・・・・・「映画なら、また観に行けば、、、」


あっ、、、そうだ、、、
今日が上映最終日だったんだ。


・・・・・「いえ、、、あっ、そうだ、ほら、最近はすぐにDVDとか出るじゃないですか、、、
だから、それを待って観れば、、、」

「きっと、1人で観てるって、そう思ったんだけど、、、」


手にしたグラスを、小さく揺らす。
氷がグラスを叩く、カラン、、、と、涼し気な音が、耳に届く。


「でも、もしかしたらって、、、」

・・・・・「独りで、、、」

「・・・・・」

・・・・・「独りで観る気になれなくて、、、」


僕は、ポケットから映画のチケットを取り出す。
もう、しわくちゃになったそれを、カウンターの上に置いた。


・・・・・「折角頂いたのに、無駄にしてしまって、、、ごめんなさい」

「チャンミンくんが謝る必要はないよ、、、誘ったのに時間を守れなかった僕が悪い。それに、、、」

・・・・・「・・・・・」

「それに、、、どうしてかな、、、あの時、凄く嬉しかった」

・・・・・「えっ? あの時?」

「エスカレーターを駆け上って、君の姿を見つけた時、、、」


ユンホさん、、、


「あ、、、ゴメン、ヘンな事言って、、、」

・・・・・「いえ、、僕もです、、、」

「ん?」

・・・・・「エレベーターを駆け上ってきたユンホさんの姿を見て、、、」

「・・・・・」

・・・・・「凄く嬉しかったから、、、」


この時、僕は気が付いたんだ。
僕は、彼を、、、ユンホさんを好きなのかもしれないって、、、


僕の言葉に、ユンホさんは一瞬驚いたように、僕を見るその瞳を凝視したけれど、、、
チラリと僕が視線を合わすと、気まずそうにすぐに逸らされた。


「そ、そっか、、、うん、、、」


なんだか可笑しな雰囲気になってしまって、、、
それに気が付いたのか、少し離れた場所に居たバーテンダーが、
こちらにやってきて、、、


--- おつくりしましょうか? ---


そう、ユンホさんに声を掛けた。




結局、僕達はその可笑しな空気を払うことが出来ず、
ひたすら飲み続けて、、、


再びタクシーに乗り込み、アパートに着いた頃には、
僕もユンホさんも、かなり酔っていたと思う。


「じゃあ、、、また、、、」

・・・・・「はい、、、あの、、、ごちそうさまでした」


それぞれの部屋の扉の前。

ユンホさんは、上着のポケットから鍵を取り出す。
扉が開いたのを確認した僕は、自分の部屋の鍵を取り出そうと、
鞄のポケットを開こうとしたその時、、、


・・・・・「あっ、、、」


それは、突然のことだった。


なんの前触れもなく、僕を襲った、、、



気が付けば、僕はユンホさんに腕を取られ、
彼の部屋に引き入れられていた。


ユンホさんの背中の向こうにある玄関扉が、バタン、、、と音を立てて閉じる。

僕の身体は、そのまま壁とユンホさんの身体に挟まれた。


・・・・・「ユ、ユンホさん、、、?」


手にしていた僕の鞄は、床に落ちている。


「チャンミンくん、、、僕は今、かなり酔ってる、、、」

・・・・・「・・・・・」

「でも、酔ってるからこんなことしてるわけじゃない、、、」

・・・・・「・・・・・」

「もし、、、もしイヤなら、、、僕を殴って、隣の部屋に戻っていいから、、、」


ユンホさんの言葉の意味が、すぐに理解できなかった。


けど、、、



その刹那、、、


ユンホさんの冷えた唇が、
僕の唇に重なる、、、



〝イヤなら、、、〟


そして、ユンホさんの言葉の意味を理解した。



驚きで見開いた瞳、、、
僕は、静かに瞼を閉じる。


〝彼を好きかもしれない〟


その気持ちが、


〝彼が好き〟


に変わった瞬間だった・・・・・








5へつづく

読者の皆さま、こんにちは。
夢の国に遊びに行っていた娘が、昨夜戻ってきました。

DTRお土産2018.08.30

お金もそんなにないのに、いろいろとお土産を買ってきてましたけど、
私にはいつも、マイクとエイリアン(笑)
ごまたまごが、ぽてたまごになってるっ!
ダイエットしてるっつーのに(笑)
このクランチチョコ、すっごく美味しいんだよね、、、ヤバイ(;・∀・)



それでは、22時に「微熱。」でお待ちしています♪
いつもご訪問ありがとうございます。





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淋しい熱帯魚。51 -第2章- ~






今更ながら、親父の大きさを実感する日々、、、

〝社長〟 その肩書きは、ただの肩書ではなくて、
親父がどんなに苦労して、じいさんから引き継いだこの会社を大きくしてきたのか・・・


〝社長不在〟 


自分では無力だということを思い知る。


--- 専務、少しお休みになられた方が・・・---


大きなため息とともに、ソファに身を沈める。


「そうだな、、、悪い、コーヒー頼むよ」

--- 畏まりました、お待ちください・・・---

「あ、少し話したいから、ジュオンさんのも・・・」

--- はい、、、---


パタンと静かにドアが閉まる。
より一層、大きなため息をついた。


チャンミン・・・


どの位会ってないだろう。
忙しくて、会いにも行ってやれなくて・・・


・・・・・「元気です。ユンホさんは? お仕事忙しくて、心配です」


たまの電話にも、俺のことばかり心配している。

会いたいな、、、
お前の顔見たら、きっと元気になれるのにな・・・

ドアをノックする音。


--- コーヒーをお持ちしました。---

「ジュオンさんも、座って?」


テーブルを挟んで向かい合う。

あまり得意ではないコーヒーを、最近はよく飲むようになった。
カップに口を付けて、1口喉に通す。


「毎日、大変だろ? 助かってるよ・・・」

--- いえ、、、シヨンさまがいつもサポートしてくださってます。それに・・・専務も、とても頑張っておられる---


ジュオンさんは、俺がここに戻るまでは親父にずっとついていた優秀な秘書だ。
俺の非力さなど、俺よりも実感しているだろうに・・・


「ありがとう。それでさ・・・ここからは弟として・・・」

--- 弟? と言いますと・・・---

「だってさ、姉ちゃんと結婚したら、俺、弟だよ?」


その俺の言葉にジュオンさんは何故か、浮かない顔をして瞳を伏せた。


--- 専務、、、いえ、ユンホくん、それは・・・---

「姉ちゃんに伝えてやってよ? きっとすぐに体調も良くなる。」


淋しげな表情
ふっと、笑みを浮かべて・・・


--- 実は、、、ソウンが、僕に会ってくれないんだ---

「えっ? 」

--- ソウンが病院に入ってから、一度も会ってないよ。---

「う、、、そ・・・だろ?」


あれから随分と時間も過ぎてる。

確かに、入院当初は会いたくないと・・・けど、、、
未だに?知らなかった・・・


--- もう、僕は愛想尽かされてるんだよ、ユンホくん・・・---

「だから、もういいのかよ? ジュオンさんの気持ちはどうなんだよ?」

--- ・・・・・---

「親父に、許してくれって・・・頭下げたんじゃないのかよ」


少し俯いて、瞳を閉じる。
俺は、彼の次の言葉を待った。


--- ソウンを愛してるよ。何も考えずにいられるなら、手を引いて抱きしめてやりたい・・・---

「なぁ、ジュオンさん・・・何も考えなくていいんじゃないかな?」

--- そうはいかないよ・・・---

「愛してる人の一番の幸せを叶えてやりたい、って思わないの?」

--- それは・・・---

「姉ちゃん、きっと待ってる。アンタが来てくれるのを、、、ずっと待ってるんだよ」


彼の気持ちは、本当は俺だって十分に理解できる。
少し前までは、俺もそうだった。

自分がそうすることで、チャンミンの手を取ることで誰かを・・・
チャンミン自身までも不幸にしてしまうかもしれない。
悲しませてしまうかもしれない。

そう思うと、一歩も踏み出すことなどできなかった。


けれど、俺は今、何も後悔していない。

チャンミンの笑顏と笑い声。
はにかんだ表情。
泣き顔ですら、、、

全てが、心から嬉しくて、幸せで・・・後悔なんてちっともしてない。


「後悔なんて、2人にはしてほしくないんだ。幸せになってほしい。
姉ちゃんを幸せにしてやってほしい。それが出来るのは、ジュオンさん、、、アンタだけなんだよ・・・」


静まり返る室内

ジュオンさんは、暫くじっと何かを考えていた。
そして、冷めてしまったコーヒーを一気に飲み干して・・・


ゆっくりと立ち上がる。


--- 専務・・・申し訳ありませんが、帰りは・・・---

「ああ、大丈夫だ。」

--- 行ってきます。今から・・・---

「ん、姉ちゃんをよろしく頼むよ」


ジュオンさんは、俺に深々と頭を下げて、足早に部屋を出て行った。



窓辺に立って、群青に染まりだした空の下・・・

ソウルの街並みを・・・
灯り始めたネオンを眺めていた。


なんだか無性に会いたくて・・・
ポケットから携帯を取り出して、コールする。


愛しい人の声は、3度目のコールが鳴りやまないうちに俺の耳に響いてきた。


・・・・・「もしもし、ユンホさん?」

「チャンミン、、、いまどこにいる?」

・・・・・「僕は・・・その・・・」

「ん? どこなんだ?」

・・・・・「ユンホさんのお家です・・・」

「えっ? マンション・・・か?」


少し前・・・チャンミンに合鍵を渡した。


「いつでも好きなように使っていいよ」


・・・・・「冷蔵庫に何もなかったので、おかずを作って置いておこうと思って・・・」


お前ってやつは・・・


長引く姉ちゃんの入院。

付き添っててくれるチャンミンは、疲れているだろうに、、、
姉ちゃんが、チャンミンを離したがらなくて・・・


「チャンミン・・・今日、帰らなくちゃダメか?」

・・・・・「・・・・・」

「お前に会いたいよ・・・会って抱きしめたい。チャンミンが不足してて今にも倒れそうなんだ」


暫くの沈黙、そして・・・


・・・・・「早く・・・帰ってきて、、、僕もとても淋しい・・・」

「・・・・・待ってろ?」


チャンミンの返事を聞かず、電話を切って、、、
上着と鞄だけを掴んで、俺は部屋を出た。


チャンミンのところへ、、、
少しでも早く、、、

1分でも1秒でも早く、チャンミンに触れたかった・・・・・









71へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
8月も今日で終わりですね。
いつも言いますが、あっという間でした。

日産も、SMTも、エイネも終わっちゃって、
私の(アクティブな)夏も終ります(笑)

けど、もう来月にはツアーが始まりますね。
なんだか、パートで忙しくしている近所のリアルの友達より、
ユノの方がよく会っている気がする(笑)
ツアーが楽しみです♪



それでは、今日も1日いい日になりますように♪
ご訪問ありがとうございます。




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微熱。~永遠に冷めない熱病~ ①




偶然に貴方と出会ってから、僕は長い間、微熱に侵されてる。
冷めることのない、柔らかくて穏やかな、心地よい熱に・・・








・・・・・「はぁ・・・どうして僕が・・・」


突然の辞令が下りたのは、1週間前だった。


--- シム、悪いが頼めるのがお前しかいないんだ。よろしく頼むよ・・・---


そんなことないだろう。
僕がこの会社に入ったのは、こんな田舎町の小さな支社で働くためじゃない。


--- 暫くあっちで頑張ってもらって、必ず本社に戻すよ。ポストも準備する---


どうだか・・・


ため息ばかりついてても仕方ない。
取りあえず、赴任先の街でアパートを探して向かう準備は整った。


--- チャンミン、暫く会えないね・・・---

・・・・・「休日には戻ってくるよ、な? 」

--- 浮気しないでね・・・? ---


大学時代から付き合ってる彼女とは結婚を約束してる。
婚約こそしてはいないけれど、僕も彼女もそのつもりだ。


・・・・・「バカだな・・・するわけないだろ?」

--- うん。信じてる---

・・・・・「おいで、、、」


彼女には何の不満もない。
僕の事をとても理解してくれているし、性格も趣味も、、、それに身体の相性だって悪くない。


・・・・・「寂しくないように、沢山愛してあげるよ・・・」

--- ん、、、チャンミン、、、---






出発の日・・・

彼女はまるで永遠の別れのように涙していた。
何とか落ち着かせて、僕はソウルを離れた。






引っ越しの荷物も無事に届いて、あとは荷を解くだけ。
出勤は3日後。

それまでにどうにか片付くだろう。

取りあえず、すぐに必要な荷物を出していたら、窓の外はすっかり陽が落ちていた。


時刻を見れば 午後7時過ぎ。

上着を来て、財布と携帯をポケットに入れた。
確か近所にコンビニがあったはず、、、


5分ほど歩いたところのコンビニで、食事になるようなものとビールを2本買って、
もと来た道を引き返す。

ソウルとは違って、まだ8時にもなっていないのに辺りはすでに真っ暗で、、、
けたたましい騒音もなければ、眩しすぎるネオンもない。


大通りまで出たら、もう少し賑やかなのかな・・・


まだここに来て1日も経っていないのに、僕はソウルの街が恋しくなっていた。





アパートの前まで戻ってきて、改めて思う。


・・・・・「もうすこしマシな所はないのか、、、」


田舎の街にはオシャレなデザイナーズマンションなんて皆無だ。
いや、別にデザイナーズじゃなくても、普通でいいのに・・・

ついてないことに、どこも空いてなくて・・・


・・・・・「ま、暫くのガマンだ」


最上階の部屋を目指して、階段を上る。

最上階と言っても3階、、、しかも一番奥の部屋・・・

これから毎日の上り下りを考えると、憂鬱な気持ちになった。



階段を上りきって、ふと空を仰いだ。


・・・・・「そうだな、確かにソウルより星は綺麗だ」


けれど、やっぱり小さなため息が出る。

苦笑いを浮かべながら部屋に向った。
ポケットから鍵を取り出して、ドアのノブを握る。

その時、突然隣りの部屋から、賑やかな音が耳をつんざく。


--- うっそ~~っ、女いないって言ったじゃん! ---

--- 私がこいつの女なんだよ!! 人の男に手ぇ出しやがって!!---


静かな空間に、突然耳に入る罵声。


冗談だろ?


立ち止まって茫然としていたら、ドアが勢いよく開いた。


「ったく、うるせぇよ、お前ら出て行け!!」

--- 何言ってんだよ、あんたが来いっていうからっ! ---

「そんなこと言ってねぇよ、帰れ、バカやろう!!」


開いたドアの向こうから、派手な化粧をしたいかにも下品そうな女が2人。

ここの住人の男だろうか?
その男に押しやられながら外に出てきた。


--- ちょっと! ねぇ、、、泊めてよ~私行くとこないんだよ---

「家賃も払わねぇくせに自分の家みたいに入り浸るんじゃねぇよ」

--- いいじゃんか、その代りあんたの好きなように抱かせてあげてるじゃん---

「てめぇくらいの女なら吐いて捨てるほどいるんだよ、自惚れるな!!」


女たちと一緒に飛び出してきたその男は、
僕よりも少し年上だろうか、、、


チンピラじゃないか・・・


こんなのに関わったら、後々厄介なことになる。
早く部屋に入ろうと、握ったノブを回した時だった。


「あれ? お隣さん・・・越してきた?」


チンピラが僕に気付いて、話しかけてきた。
内心、なんてついてないんだろう・・・そう思いながらも、、、


・・・・・「今日、越してきました。また、改めてご挨拶にお伺いします。」


小さく頭を下げてドアを引こうとしたら、


--- ねぇ、お兄さん、カッコいいね。背も高いし、イケメンじゃん? 
今晩泊めてよ? サービスするからさ・・・---


愛想笑いも出来ない。
僕の顔が酷く歪んだんだろう、、、


「バカ野郎、何言ってんだよ、行けよ!!! 早く!!」


女たちの頭を平手で打ちながら、その男は何度も女たちに帰るように促す。


--- ちっ、バカ野郎!! もうセックスしてやらないからっ!!---

「お前なんかいなくても女に不自由してねぇんだよ!! もう二度と来るな!!」




引っ越し初日から最悪だ。
こんな隣人、聞いてない・・・

とにかく、一日でも早くもっとマシなマンションを見つけて引っ越そう。


これ以上ここにいたら頭痛がしそうだ。


今日はもう、買ってきたビールでも飲んでさっさと寝よう。
ドアを大きく開けて、部屋に入ろうとしたら・・・


「な、俺と一緒に呑まない?」


閉めかけたドアをグイッと戻されて、
チンピラが、僕のコンビニの袋を指差している。


・・・・・「はい?」


僕は苛立ちを隠せなかった。


「俺、まだ飯食ってなくて、、、お邪魔しま~す」


チンピラは、僕の返事を待たずにズカズカと部屋へ入ってゆく。


頭の奥に、ズキンと鈍い痛みが走った・・・







2へつづく

読者の皆さま、こんばんは。

今日から22時の更新は、「微熱。~永遠に冷めない熱病~」をお届けします。
実は、皆さまから頂いたリクが一番多かったのは、昨日完結した「俺の男。僕の男。」の続編という、、、(;・∀・)
ごめんなさい。
今のところ、続編考えてません(笑)

自分の中で、続編OKなお話と、このまま綺麗に終わらせたいお話っていうのがあって、
俺男僕男は、残念ながら後者なんです、、、m(__)m
上手く言えないですけど、続編書くと失敗するお話の部類です(;・∀・)ゴメンネ

そして、その次に多かったのは、この「微熱。」と「横恋慕。」の続きです。
横恋慕。の続き、、、これは嬉しかったな~♪
待っていて下さる方が居てくださるのが嬉しかった。

ただ、今はお昼更新の「ボクたちの関係。」に頭が持っていかれているので、
「横恋慕。」を毎日更新出来る自信がなくて、、、

ということで、22時は「微熱。」そして、余裕があるときに「横恋慕。」を真夜中更新しようかと思います。
真夜中更新をするときは、22時のお話のあとがきでお知らせします。

そういうことで、ご了承下さい♪


その他、、、

アネモネ。
スワロウテイル。
砂の記憶。
震える愛撫。
藍の月。

に、リク頂きました。

アネモネ。以外の4作は、ちょっと癖のある(笑)お話なので、
病気だったり死んじゃったり他の誰かと・・・・だったり、、、(;・∀・)

当時もそうでしたけど、リアルと切り離して「お話」だと理解して読んで下さる方ばかりじゃなかったので、、、
今回も、そんな感じのコメントもいくつかありましたしね。
なので、私の判断でこういうお話を今後再更新する時は、告知したうえで真夜中更新に持っていくことにします。

今まで何度か書いたこともありますが、
ただ、2人が仲良しでラブラブで楽しいだけのお話は、こころ日和。には皆無です。
そういうお話だけをお求めの方は、余り私のお話はお勧めできません。
ご理解いただけますように。



本編より長いあとがきになってしまいました。
お付き合い下さってありがとうございます。

では、明日からのチンピラユンホさんにご期待ください(苦笑)ププ

おやすみなさい♡



こころ。

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久々に、スヒョン氏(←憶えてる?)に会いたい♥(笑)


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読者の皆さま、こんばんは。

晴れ、ときどき雨・・・こころ日和。 管理人の こころ。 です。
いつもお部屋に遊びに来て下さって、ありがとうございます。

さて、いつぞやお知らせいたしましたが、
許可なく勝手に動画サイトへ加工されて投稿されていたお話「この恋はニセモノ?」ですが、
暫く全話、下げさせていただいていました。


この恋はニセモノ? 1


しかし、随分と時間も経ちましたし、
そろそろ公開してもいいかな、、、と言うことで、
時間のある時に数話ずつ再公開しようと思っていましたが、
エイネ参戦など、少しバタバタしていて時間がなく、5話まで再更新して2週間ほど経っていました。

先日、ある読者さまにコメントいただき、
お待たせしているようでしたので、今日、時間を作り、全話再更新いたしました。

ということで、28話全て公開済みですので、
このお話が、何度目まして、、、の読者さまも、初めましての読者さまも、
よろしかったら覗いてみてください。



この恋はニセモノ? 1



可愛くて真っすぐにチャンミンに恋するユンホさんと、
素直じゃなくて、自分の気持ちをうまく言葉に出来ない不器用なチャンミンが、
皆様のお越しをお待ちしています♪




こころ。

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ボクたちの関係。①




・・・・・「はぁっ、、、」


映画館の待合のソファで、僕は大きな溜息をついた。
最後の上映が始まってから、もうすぐ2時間だ。

手にした映画のチケットを見つめながら、
この胸の中に湧き出る可笑しな気持ちの正体について考えていた。


どうしてだろう、、、

ただ、映画を見損ねただけじゃないか、、、
しかも、特に観たかった映画でもない。

第一、僕は恋愛映画になんて興味はなかったし、
主演の女優もタイプじゃない。

なのに、、、

なのにどうして僕は、こんなにガッカリしてるんだろう、、、


チケットを見つめ続けても、その答えは出そうにない。
腕時計をちらりと確認する。

あと30分で、映画も終わる。
いつまでも、こんなところに居たって仕方ない。


帰ろう、、、


ようやくそう思えて、ソファから立ちあがったその時、、、



「チャンミンくんっ!」


エレベーターを物凄い勢いで駆けあがってきたユンホさんが、
息を切らせて僕の目の前に走ってきた。


・・・・・「ユンホさん、、、」

「ご、、、ごめ、、、」


大きく揺らせた肩
額に汗を滲ませて・・・・・


走ってきてくれたんだ、、、


「ゴメン、、、チャンミンくん、、、」

・・・・・「いえ、、、いいんです、、、」


僕との約束を、忘れたわけじゃなかった。
忙しいのに、こんなに急いで来てくれた。

それがとても嬉しかった。



「行こう、、、」

・・・・・「えっ?」


チケットを持った僕の手を掴んで、
ユンホさんは、ずんずんと歩きだす。


--- あの、、、もうあと30分ほどで終わりますけど、、、---


そう言うスタッフの人に、


「いいんです、、、お願い、、、します、、、」


そう断りを入れて、上映されているスクリーンに向かった。



最後の上映だからか、
こんな時間でも、映画を観ている人は思ったよりも多かった。


もう、映画も終わりに差し掛かっているというのに、
今頃入って来た僕達を、お客さんたちがチラチラと気にしていることが分かる。

けれど、ユンホさんは、そんなことは全くお構いなしに、
一番後ろの空いている席に、腰を下ろした。


それから、ユンホさんは何も言わず、スクリーンを見つめている。
僕は、当たり前だけど映画の内容なんて分かるはずもなくて、、、

ただ、隣のユンホさんが気になって、
けど、隣を見れなくて、、、

スクリーンに視線を向けたまま、ただ、じっと黙って映画が終わるのを待った。



30分後・・・


エンドロールが終わり、場内が明るくなる。
お客さんたちは、それぞれに映画の感想を口にしながら、
スクリーンを後にする。

気が付けば、僕とユンホさんの2人きり、、、



・・・・・「ユ、ユンホさん、、、終わりました」

「うん、、、」

・・・・・「あの、、、」

「帰ろうか、、、」

・・・・・「はい、、、」


すくっ、、、と立ちあがり、歩き出すユンホさんの後に続いて、
一歩後ろを歩く。

もう、お客さんもいなくて、
掃除道具を手にしたスタッフの人が、


--- ありがとうございました ---


と、小さく僕達に頭を下げながら、誰も居なくなったスクリーンに向かって速足で向かって行った。


エスカレーターに乗って、6階から1階に下り、そのままビルを出る。
まだ、最終の地下鉄には間に合う時間。

なのに、ユンホさんは通りに出て、タクシーを止めた。


「乗って?」

・・・・・「あ、、、いえ、、、僕は電車で、、、」

「同じところに帰るのに?」


そう言われて、、、
促されるまま、僕は後部座席に乗り込んだ。


ユンホさんが、アパートの場所を運転手に告げ、
静かにタクシーが走り出す。


どうしてだか、ユンホさんは無言で窓の外の景色を見ていた。

どの位走っただろう、、、


「チャンミンくん、、、少し時間ある?」

・・・・・「えっ?あ、は、はい、、、」

「じゃあ、付き合って、、、」


窓の向こう側に視線を向けたまま、
ユンホさんは、運転手に行き先の変更を告げた。



タクシーが止まったのは、大通りから少し奥に入った脇道沿いにある小さな店。
ユンホさんの後に続いて店内に脚を踏み入れる。

雰囲気のいいシャレたバーの店内は、
ジャズが流れる、とても大人な雰囲気だ。


--- いらっしゃい、、、あれ? お連れ様がいるなんて、珍しいですね ---


カウンターの向こうから、バーテンダーの男性がユンホさんに声を掛ける。
ユンホさんは、その言葉に笑みを浮かべただけで、
静かにカウンターの隅に腰を下ろした。


「チャンミンくん、座って?」

・・・・・「は、はい、、、」


正直、大学生の僕にはとてもハードルが高い店だ。
貧乏学生の僕が、友達と飲みに行くのは決まって安い居酒屋だし、、、

こういう、雰囲気のある大人な店は初めてで、、、
緊張する。


「何にする?」

・・・・・「あー、、、じゃあ、ビールを、、、」


綺麗に磨かれたグラスの中に、
シュワシュワと、小さな音を立てながらビールが注がれる。

ユンホさんの前には、黄金色に輝く酒が入ったグラスが置かれた。



「じゃあ、、、乾杯」

・・・・・「乾杯、、、」


グラスを軽く合わせると、
鈍い音が、カウンターに重く響いた・・・・・








4へつづく

読者の皆さま、こんにちは。

昨日、娘と「銀魂2」観に行ってきました。
すっごく面白かったww
出演陣も豪華だし、笑いあり(というかずっと笑い)
ちょっとホロッと涙ありな感じで、1100円(水曜日なので)で、凄く得した感じ(笑)
もう一回観たい(笑)


それでは、午後も素敵な時間をお過ごしください。

22時に、、、、えーっと、、皆さんから頂いたコメントのリクを集計して、
沢山いただいたお話でお待ちしています(笑)フフ





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淋しい熱帯魚。51 -第2章- ~





親父が倒れてから、もうすぐ1か月、、、

迅速な処置のおかげで一命を取り留めた親父は、集中治療室からようやく一般病室に戻った。
身体には数本の管が通され、力なく横たわる。

たった1か月なのに、まるで別人のように小さくなった親父、、、
胸が痛んだ。


--- 点滴の薬が効いていますので眠っておられますが、暫くすると意識も回復されます---

「ありがとうございます。」


殺風景な病室。

冷たいベッドと、静かに眠る親父の姿があまりにも無機質に感じられる。
ベッドの隣りの小さなチェストの上に置かれた加湿器の音だけが、静かな病室に響いていた。




--- 兄さん・・・---


囁くような声。
振り向くと、シヨンがドアの前に立っていた。


「ん、親父、戻ってきたよ・・・」


ゆっくりとベッドに近づく。


--- なんだか違う人みたいだね ---

「そうだな。なぁ、シヨン、、、」

--- はい---

「どうすれば、みんなが幸せになるんだろうな、、、分らなくなってきたよ」

--- そうだね・・・・でも、兄さん・・・僕は思うんだ ---

「・・・・・」

--- 幸せなんて、きっと誰かの不幸の上に成り立ってるんじゃないかって・・・---

「えっ?」

--- 父さんが倒れた日の事、覚えてるでしょ? あの時とても羨ましかった。---

「羨ましい?」

--- うん。あんなにストレートに、兄さんの愛を受けてるチャンミンがとても羨ましくて、、、憎らしかった---

「シヨン・・・」

--- どうして、、、どうして僕じゃないんだろうって・・・---


親父の手をそっと握りながら、俯いたままシヨンは笑ってた。


--- 僕の大好きな兄さんには、チャンミンという愛する人がいて、
僕の大切なソウン姉さんには、ジュオンさんという愛する人がいる。
けど、僕には何もない。父さんさえも、僕は、、、僕は愛人の子だから・・・---


シヨンの瞳から、ポロポロと涙が零れ落ちた。


--- 僕なんて、誰からも愛してもらえないんだ・・・---


こいつは今まで、そんな風に自分を卑下して生きてきたんだろうか?

母を失くしても、俺には姉ちゃんがいた。
姉ちゃんは、母の分まで俺を大切に愛してくれた。

けど・・・

シヨンには誰もいなかった。
唯一の存在の母を失くし、その心は、どんなにか寂しく苦しく悲しかっただろう・・・

目の前で、涙を流すシヨンに伝えたかった。


「シヨン・・・」


歩み寄り、引き寄せて肩を抱いた。
そうすべきではなかったのかもしれない。

けれど、どうしても・・・
お前を愛する人がいるんだと伝えたかった。


--- 兄さん、やめて・・・同情なんて・・・イヤだよ---

「シヨン、、、兄としてお前を愛してる。誰にも愛されないなんて・・・そんなこと言うんじゃない。
姉ちゃんだって、親父だって・・・家族だろ? みんなお前を愛してる」

--- 兄さん・・・---

「俺には、お前の望む愛はあげられない。けれど、それだけが〝愛〟じゃない。分かるだろ?
俺は、お前を愛してるよ・・・」

--- うっ、、、っっ・・・---

「泣くな、シヨン。もう泣かなくていい。」


俺の背後で彷徨っていたシヨンの腕が、背中に回される。


--- あり、がと、、、兄さん・・・愛してるよ・・・---


ベッドで静かに眠る親父に聞かせてやりたかった。

アンタの息子は、、、
シヨンは、こんなにも、俺たち家族の事を愛しているんだって・・・


なぁ、親父・・・


早く目を覚まして、シヨンの言葉を真正面から聞いてやれよ。
アンタ、こいつの親父なんだろ?

声を殺してすすり泣くシヨンをきつく抱きしめた・・・



人の心も気持ちも、、、
時に優しくて時に残酷だ。

俺たち家族が本当の家族になるためには、あとどれくらいの時間と試練が待っているんだろう。


なぁ、チャンミン。
お前は親の顔も知らずに育った。

名前すらなく・・・


--- チャンミンっていうのは、施設の母さんがつけてくれたんだ---


なのにどうして・・・
どうしてお前はそんなにも真っ白で、純粋で、汚れてない?


チャンミン・・・


どうか俺の傍に寄り添って、力を与えてくれ。
お前が傍にいてくれたなら、俺は、、、どんなことにも耐えられる気がするんだ・・・


なぁ、チャンミン・・・

お前のその真の強さを、、、
少しでいい、、、俺にくれないか。




チャンミン・・・・・











70へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
昨夜、「俺の男、僕の男。」の完結話に、沢山コメントいただき、
ありがとうございました。
そして、続作のリクエストも嬉しかったです。
皆さん、いろいろと覚えていてくださってるんですね。嬉しかった(^^♪
今回は、単純にリクの多かったお話にしようと思います。
お楽しみにしてくださいね。



それでは、今日も1日いい日になりますように♪
ご訪問ありがとうございます。




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俺の男、僕の男。





「ふぅ、、、」


久し振りの自国の空気。

東京に比べて、やはり気温も低く空気が冷たい。
薄手のコートの襟元に、思わず首を竦めた。

腕の時計を確認すると、昼を過ぎた頃、、、

俺は、荷物を手に待合ロビーの椅子に腰を下ろした。


「微妙だな、、、」


暫く考えて、コートのポケットから携帯を取り出す。
ディスプレイにチャンミンのナンバーを表示させ、コールした。


・・・・・「・・・・・」


長いコールの後、
ようやく応答したかと思うと、無言のチャンミン。

まだ、怒ってるな、、、



「チャンミン?」

・・・・・「なに?」

「どこにいる? 家か?」

・・・・・「何処でもいいだろ?」


ご機嫌斜めのチャンミンの声。
その背後から聞こえる雑音に、思わず笑みが漏れた。


「なぁ、チャンミン。俺、腹減った。」

・・・・・「はっ?」

「朝から何も食ってないんだよ。」

・・・・・「だから何なんだよっ!」

「ここで食う? それともソウルに戻るか?」

・・・・・「えっ?」

「軽く食おう。4階で待ってる。」



そのまま、チャンミンの返事を聞かずに電話を切った。



携帯をポケットにしまいながら、
これから目にするチャンミンの顔を思い浮かべて、思わず笑みが零れた。


立ち上がり、荷物を手に歩き出す。

休日の空港は、今から旅立つ者、戻って来た者、
そして、見送りや出迎えの人で賑わっている。

暫く歩いて、エスカレーターに乗ろうとしたその時、、、



--- 課長! チョン課長!! ---



聞き覚えのあるその声に、驚いて振り返る。


「エリ?」


少し先から、手を振りながら駆けてくる。
思いがけない彼女の登場に、少し面食らった。


真っ白なコートに身を包んで、
ようやく俺の目の前で立ち止まる。


--- おかえりなさい、課長。---


少し息を切らせながら、エリはにっこりと笑った。


「驚いたな、、、どうした? 」

--- 実は、ドンヘ先輩から課長がお昼に帰国されると聞いて、、、良かった。
人が多くて、出逢えないかもって思っていたから、、、---

「あぁ、、、」


俺が帰国することは、ドンヘにしか伝えていなかったからな、、、


「それで、わざわざ出迎えに?」

--- 日曜で時間があったので、、、---

「そうか、、、気を使わせて悪かったな、、、」

--- いえ、、、久しぶりに課長のお顏を見たいと思って、、、---

「・・・・・」

--- お元気そうで、良かった、、、それに、、、---

「ん?」

--- そのネクタイ、、、使っていただいて、、、とても似合ってます。---


ふと、自分が締めていたネクタイに目をやる。

あぁ、、、そうだ。
これは日本に発つ前に、彼女に贈られたネクタイだったな、、、




なんとなく、、、いや、気が付いてはいたものの、
俯いて頬を赤らめる彼女に、どうしていいのか、、、


「チームの皆は? 変わりはないか?」

--- はい。皆、相変わらずです。---

「そうか、、、」

--- あの、、、課長、、、---

「ん?」

--- もし、この後ご予定がないようでしたら、その、、、---

「・・・・・」


こういうのが苦手だ。


どう言葉にすればいいのか、戸惑ってしまう。


「ああ、、、実は、、、」




〝約束があって、、、〟

そう、言おうとしたその時、、、








・・・・・「すいません、、、この人、今から予定があるんです。」


突然、後から腕を掴まれ、驚いて振り向くと、、、


「チャンミン、、、?」


キャリーケースを手にしたチャンミンが、
俺の腕を掴み、視線をエリに向け、ニッコリと笑っている。


でも、、、

目が笑ってないぞ、チャンミン、、、


・・・・・「ごめん。待った?」


ようやく、俺に視線を向ける。

気のせいか、目じりがピクピクと動いているように見える。
いつから俺たちの話を聞いていたのか、、、


「い、いや、、、そうでもないが、、、」

・・・・・「じゃあ、、、そう言う事で。」


チャンミンは、エリに向って小さく頭を下げ、
俺の腕を掴んだまま、身体を反転させる。


--- あ、あの、、、課長、、、---


突然の事に、驚いたエリが囁くように俺を呼んだ。


「悪い、エリ、、、明日、出社するから、、、」

--- ・・・・・あ、あの、、、---


俺とエリの会話を聞いていたチャンミンが、歩き出そうとしていた脚をピタリと止めた。
そして、何を思ったのか、、、


くるりと振り向き、あからさまな作り笑顔をして、、、



・・・・・「あの、、、申し訳ないんですけど、この人は、〝僕の男〟なんで、、、
今後、誘ったりするの、止めてもらえます?」

--- えっ? ---

「チャ、、チャンミン、、、お前、、、、」

・・・・・「そう言う事なので、失礼しますっ」



余りの驚きに、それ以上何も言えなかった。
そのまま、俺はチャンミンに引きずられるようにして歩き出す。

俺と同様、驚きを隠せないエリは、暫くその場に立ち尽くしていたようだが、
沢山の人の波に隠れて、その姿はすぐに見えなくなった。







「お前は一体、何を考えてる? 」


カフェでコーヒーを買って、テーブルに向かい合わせに座る。


・・・・・「それを言うならユノさんだ。」

「なんだよ?」

・・・・・「どうして今日帰国するの、教えてくれなかったんだよっ!」

「そ、それはだな、、、」


まさかこんな展開になるなんて思ってもいなくて、、、
少々バツが悪い。


・・・・・「僕を驚かせようとか、考えてたんだろ?」

「・・・・・」

・・・・・「ったく、子供だな、、、」

「そういうお前は?」

・・・・・「何が? 」

「その荷物、、、」


チャンミンの足元には、キャリーケースが置かれている。


「今から旅行でも行くのか? ん?」

・・・・・「・・・・・」

「早く行かないと、飛行機行っちまうぞ。」

・・・・・「うるさいっ、、、もう、キャンセルしたし、、、」




「はは、、、」

・・・・・「ふふ、、、」



顔を見合わせて笑う。

このチャンミンの笑顔、、、
例え3ヶ月でも、何度も恋しいと思ったよ。

そんなこと、口にはしないけどな、、、



・・・・・「久し振りだね。」

「ああ、、、」

・・・・・「やっぱり、浮気してた。」

「あれはだな、、、会社の部下で、、、」


俺の話しを途中で遮るように、突然チャンミンの腕が、スーッと伸びてきて、、、


「えっ?」


俺の胸元に届くと、ネクタイを掴んだ。


・・・・・「これ、趣味が悪い。ユノさんに全然似合ってない。」

「そうか? 割と、気に入ってるけど?」

・・・・・「僕が、もっと似合うの買ってやる。」

「へぇ、そりゃあ楽しみだな。」


目の前で笑うチャンミンが愛おしくて、、、
ダメだな、、、マンションまで、我慢できそうにない。


「行こう、、、」


コーヒーを飲み干し、席を立つ。


・・・・・「ユノさん、、、何処へ行くの?」

「そうだな、、、ネクタイはまた今度買ってもらうことにして、、、」

・・・・・「・・・・・」

「とりあえず、今すぐお前を抱きたい。」

・・・・・「ばっ、、、ばかっ!!//////」



一瞬にして、顔を真っ赤に染めたチャンミンは、
前を歩く俺を追い越し、スタスタと歩き出す。


「待てよ、チャンミン、、、」


歩き出そうとすると、ポケットの中の携帯がブルッと震えた。


取り出して、応答する。



--- 課長? ---

「エリ? さっきは悪かったな、、、」

--- いえ、、、でも、、、---

「・・・・・」

--- あの人、、、誰なんですか? ---



その時、前を歩いていたチャンミンが、脚を止めて振り返る。



「アイツは、、、」

--- ・・・・・---

「あいつは俺の、、、」








「〝俺の男〟だよ、、、、」








俺の男、僕の男。 ・・・  fin

読者の皆さま、こんばんは。
本日で、「俺の男、僕の男。」完結です。
22話、お付き合い下さって読者さまに、感謝申し上げます。
ありがとうございました。
個人的に、このお話の2人が大好きだったので、少し寂しい気持ちです。
完結話なので、コメント欄を開けたいと思います。
よろしかったら、感想などお聞かせください。

さて、明日からどうしよう、、、

「横恋慕。」の続き、、、
もしくは、過去作の更新、、、

う~~ん、、、もし過去作なら、、、

*例えば君と抱き合って。
*微熱。~永遠に冷めない熱病~
*アネモネ。
*砂の記憶。(これはラストがなぁ、、、苦笑)
*震える愛撫。(これはチャンミンが他の人と、、、苦笑)

とか、他にもいろいろとあるんですけど、、、
それも含めて、コメントお待ちしています(←なげやり 笑)



それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい♪





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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



ボクたちの関係。①



今日は朝からツイてない。

本当は、昼からの授業だったのに、
先生の都合で運悪く、朝イチに講義が変更になってしまった。

朝夕少し涼しくなってきたこの頃。
もう、半袖のシャツじゃ肌寒い。

箪笥の奥から、薄い長そでのシャツを引っ張りだして、、、


・・・・・「よし、これでいいか、、、」


いつものリュックを背負って、アパートの鍵を手に部屋を出る。


「あっ、、、チャンミンくん。おはよう」

・・・・・「おはようございます、ユンホさん」

「あれ? 珍しいね、こんなに早くから?」

・・・・・「そうなんです、、、」


お隣に越してきたチョン・ユンホさんとは、
たまに近くのコンビニでばったり出会ったり、地下鉄の駅で出逢ったりを何度か繰り返して、
お互いに、名前を呼び合うようになった。

ユンホさんは、見た感じとてもクールで近寄りがたい雰囲気があるけれど、
実はとてもフレンドリーで、愛敬があって、優しい人だ。


「地下鉄だろ? じゃあ、一緒に行こうか?」

・・・・・「はい」


ユンホさんの勤めている会社と、僕が通う大学は、
同じ沿線ということもあって、一度一緒に電車に乗ったこともある。


駅までの距離は、徒歩15分。
僕たちは背丈も同じくらいで、隣を見れば、ユンホさんと目が合う。

僕は、ユンホさんの瞳がとても好きだ。

なんだか不思議な魅力があって、
深い黒のその瞳は、見ているといつの間にか引き込まれてしまいそうになる。

男の人にこういう言い方は間違っているのかもしれないけれど、
僕はユンホさんをとても美しいと、そう思う。



「あっ、そうだ、、、チャンミンくんって、彼女いる?」


地下鉄のホームで、並んで電車を待っている時、そう問われた。


・・・・・「いえ、、、いません」

「あーっ、そっかぁ、、、」


なんだかとても残念そうな顔をしたのが気になって、、、


・・・・・「それが、どうかしたんですか?」

「あ、、、うん、実はね、、、」


ジャケットの内ポケットに手を突っ込んで、
何かを手にし、僕に差し出す。


「これ、、、少し前、取引先の人に頂いたんだけど、すっかり忘れてて、、、」

・・・・・「映画、、、ですか?」


それは、少し前に随分と話題になった映画のチケット2枚。


「ほら、上映が明日までなんだよ。
仕方ないな、、、あ、チャンミンくん、友達とどう? あ、もしかして、もう観た?」

・・・・・「いえ、、、観てないですけど、、、ユンホさんは、観ないんですか?」

「あーっ、僕は仕事でこの時間に行けるかどうか、、、それに、一緒に映画を観るような人は居ないからね、、、」


ということは、ユンホさんも彼女が居ないのか、、、
何故だかそれが嬉しいと感じて、フッと笑みを浮かべてしまう。


あ、、、それなら、、、


・・・・・「じゃあ、ユンホさん、僕と一緒にどうですか?」


そう口にして、すぐに後悔した。
男が男を映画に誘うとか、、、ユンホさん、ヘンに思ったりしないかな?


「えっ? チャンミンくんと?」


その反応に、僕はさらに後悔をする。
つまらないこと、言わなきゃよかった。


・・・・・「あ、、、い、いえ、、、」

「僕でもいいの?」


予想外の展開に、驚いて、、、


「あーっ、でも今日は仕事で無理なんだ、、、明日は、、、どうかな、、、はっきり約束できなくて、、、」

・・・・・「そうですか、、、」

「あーでも、何とか早く仕事を終わらせるようにするよ 」

・・・・・「ほんとですか?」

「うん」


グイっと差し出された2枚のチケットを受け取る。


「もし、万が一上映時間までに僕が現れなかったら、折角だし、1人でも観てよ」

・・・・・「でも、、、」


独りで映画か、、、


きっと、僕はそんな表情をしてしまったんだろう。
ユンホさんは、クスっと笑って、、、


「出来るだけ、行けるようにするから、、、」

・・・・・「分かりました」


乗り込んだ電車内。
通勤通学の人たちで、ごった返す。


明日はユンホさんと映画か、、、


乗車してくる人に圧されながらも、
僕はもう明日のことで頭が一杯になっていた。

なんだかすごくワクワクしてる自分が居る。
不思議な感覚だ。



「じゃあ、チャンミンくん、お先に、、、」

・・・・・「はい、じゃあ、明日、、、」


人と人の間を潜り抜け、ユンホさんが電車を降りる。

上手く動かせない手を必死に上げて、ユンホさんに手を振った。






そして、次の日、、、



僕は、アパートでタンスをひっくり返し、1時間かかってようやく決めたシャツを着て、
ユンホさんと約束した場所にやってきた。

エレベーターに乗り込み、映画館の入っている6階で降りる。

案内を見ると、今日の最後の上映時間まであと1時間。


・・・・・「少し早かったかな、、、」


僕は、待合のソファに腰を下ろし、ユンホさんが来るのを待った。


けど、、、


映画が始まっても、ユンホさんは現れなかった。


〝もし、万が一上映時間までに僕が現れなかったら、折角だし、1人でも観てよ〟


ユンホさんのあの言葉を思い出す。

それでも僕は、1人で観る気にもなれなくて、
かと言って、その場を去る気にもなれない。


誰も居なくなった待合のソファ、、
映画のチケットを手に、僕はそのままユンホさんが現れるのを待ち続けた・・・・・








3へつづく

読者の皆さま、こんにちは。

このお話が更新される頃、私は娘と「銀魂2」を楽しんでいます。
その後は、絶対にアニメイトに連れて行かされるはず(;・∀・)
あの特殊な空間は、なかなか落ち着かない(笑)
書籍(漫画)の一番奥の(同人誌)コーナーなら楽しめるかも?
ですが、娘に釘を刺されています。
「ママ、絶対に奥地へ行かないように、、、、、」 (;・∀・)


それでは、午後も素敵な時間をお過ごしください。
22時に「俺の男、僕の男。」でお待ちしています。




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淋しい熱帯魚。51 -第2章- ~







「チャンミン、どうしてここへ?」

・・・・・「ごめんなさい・・・」

--- 僕が連れてきたんだよ。兄さん、電話にも出ないし、ほっとけなくて・・・---


「シヨン、チャンミンを連れて部屋に行ってろ。」


チャンミンの不安そうな顔、、、
さっきの親父の言葉を聞かれてしまったか・・・


・・・・・「あ、あの、、、僕・・・帰ります。」


こちらに向かって頭を下げて、瞳を泳がせながらドアに向かう。


「待て・・・」


俺の言葉を無視して、ドアのノブを握る。


「チャンミン、待てよ!」


俺の声に、ピクリと身体を震わせてチャンミンの動きが止まった。


足早に歩み寄って、腕を取る。
引きずるようにチャンミンを親父の前に連れ出して、、、


「親父、この人が、今、姉ちゃんの傍にいてくれてる。姉ちゃんが俺たちよりもこの人がいいって・・・」

--- ・・・・・---

「どうして姉ちゃんがそう言ったのか、分かるか?」

--- 何が言いたい? ---

「姉ちゃんは疲れてんだよ。疲れ果ててるんだよ。オヤジでも俺でもシヨンでもなくて・・・
この人に・・・チャンミンに救いを求めてるんだよ。」


チャンミンは、少し震えながら親父に会釈した。


--- 君は、ソウンとどういう関係かね? ---

・・・・・「ぼ、僕は・・・あの・・・」


途惑うチャンミンの心が、掴んだ腕から感じとられて・・・
安心させたくて、その手に力を込めた。


「親父、この人は俺の大切な人だ。」

・・・・・「ユンホさん・・・」


俺は、〝大丈夫だよ〟 そう伝えたくて、チャンミンの目を見て微笑んだ。

チャンミン・・・心配しなくていい。
約束しただろ?


--- 誓うよ・・・もう絶対に離れないよ。何があっても・・・---



--- 何を言ってるんだ、ユンホ、お前・・・---

「この人を愛してる。だから、誰だか知んねぇけど、親父の言う人とは結婚しない。こいつ以外は誰ともしない。」


チャンミンの身体が震えてる。
思わず、肩を抱き寄せた。


「大丈夫だ、チャンミン・・・」

--- お、お前、、、おかしくなったか?---

「どう思われようが構わない。とにかく、そういう事だ。姉ちゃんはジュオンさんと、俺は、こいつと・・・
チャンミンと生きてゆく。親父に何を言われようと、自分の人生だ。一緒に生きてゆく人は、自分で決める。」

--- お、お前・・・!!! ---


ソファから立ちあがった親父が、胸を押さえながら苦しそうに倒れ込んだのは、その後すぐだった・・・


--- 社長!!!---









--- 以前よりお伝えしていましたが、ご本人の御希望で・・・---


運ばれたいつものかかりつけの病院で、医師に告げられた。


--- 実は以前から、胸の痛みを訴えておられました。検査結果も思わしくなく・・・
出来れば入院していただいてもっと詳しく検査して頂きたいと申したのですが・・・---

「親父は・・・なんて?」

--- いえ、何も・・・ただ・・・---

「ただ?」

--- もう、家族には迷惑はかけられないと・・・---




親父・・・

何考えてんだか分らないのは、親父の方じゃねぇかよ・・・

担当医と話しを終えて、ロビーに戻ると 俯いたままのチャンミンが肩を震わせていた。


「シヨン、悪いがチャンミンを送ってやってくれないか?」

--- 兄さん、暫く僕とジュオンさんがここに居るから・・・---


シヨンの視線がチャンミンに向けられる。
俺は、小さく頷く。


・・・・・「シヨン、悪いな」


シヨンの肩に手をやると・・・


--- 兄さん・・・---


俺の手に自分の手を重ねあわせる。


「ん? どうした?」


何か言いたそうなシヨンの表情、、、
気が付かない訳はない。

けれど、俺は気が付かないフリをした。
それがいいと思ったから・・・

そんな俺の気持ちを、何も言わずとも汲み取ってくれる。


--- ううん、ここは心配しないで、、、気を付けてね---


俺の手の甲から、熱が離れてゆく。


「頼む・・・」


シヨンの視線を背中に感じる。

けれど・・・


「チャンミン・・・帰ろう・・・」


俺が手を差し出す相手は、こいつだけ・・・
顔を上げたチャンミンは、涙でクシャクシャで・・・


・・・・・「ユン、ホさん、、、ごめっ、なさい・・・」


チャンミンの隣りの椅子に腰を下ろす。


「どした? チャンミンが謝ることなんて何もないぞ? 大丈夫だから、泣くな?」


大きな瞳から、次々と零れ落ちる真珠のような涙、、、
たまらなくなって、ぐるりと腕を回してきつく抱き寄せた。


「今日は、マンションに泊まってけよ? 一緒にいてくれるだろ?」


俺の背後から、カツカツと鳴る靴音が、次第に遠ざかってゆく。



「いいだろ?」

・・・・・「はい・・・」

「さ、行こう・・・」










69へつづく

読者の皆さま、おはようございます。

昨日の味スタ旅日記に、コメント寄せていただき、ありがとうございました。
そして、皆さんが私の脚の事を気にしてくださっていて、、、
実は、怪我をしたところが治りきる前にばい菌が入っていたようで、
腫れと熱はそれによるものでした。
後、味スタ参戦2日間で、その部分を日焼けしてしまって、
軽いやけどのような症状になっていたようです。
日光で火傷、、、(;・∀・)
薬で少し落ち着いてます。
御心配おかけして申し話ありませんでした。
用心しますねm(__)m

お昼の新しいお話も、「甘い運命。」同様に、皆さんに気に入っていただけたら嬉しいなと、
そう思いながら書いています。

あ、今日は息子の誕生日だった!
日付を見て思い出した(笑)

今日は、上の娘が昨日から夢の国へ旅行へ行っているので、
下の娘を連れて「銀魂2」観に行ってきます♪




それでは、今日も1日いい日になりますように♪
ご訪問ありがとうございます。




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