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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



ユンホ先生、急患です!







「チャンミン・・・」


程なくして、診察が終わって、チョン先生が戻ってきた。


・・・・・「・・・・・」

「怒ってる?」


本当に僕を気にしているんだろうか・・・チョン先生の顔は少し笑ってる。


・・・・・「こんな小さな町で、変な噂になったら・・・チョン先生に迷惑がかかります。」

「どうして? 僕たち、恋人だろ? 何も隠す必要なんてないんだよ?」

・・・・・「でも、みんなが・・・」

「チャンミン、みんなが君を歓迎してくれてる。チャンミンがここに来てくれてから、・・・その・・・」


少し、照れたような顔のチョン先生・・・。
どうしたんだろう・・・


・・・・・「なんですか?」

「じつはさ・・・みんなに言われたんだ。」


〝 ユンホ先生が、明るくなった・・・〟 って・・・


先生が僕の手を取って自分の頬にそっと添える。


「海を眺めては、君のことを考えてた。その姿が、いつも悲しそうで見ていて辛かったって・・・
けど、チャンミンが来てから、1人で海を眺めることが無くなったから・・・」

・・・・・「先生・・・」

「今の僕は、幸せの海に溺れそうなんだよ。それがきっと、ここの人たちにも伝わってるんだ・・・」

・・・・・「・・・・・」

「チャンミン・・・僕は幸せ者だよ。一生、僕のパートナーでいてほしい・・・」

・・・・・「チョン先生・・・」


先生は、白衣を着たままで、僕をギュッと抱きしめた。

いつもの消毒液の匂い・・・
その匂いに混じって、先生の髪から微かに香るシャンプーの香りが、僕と同じだってことにとてもテレてしまう。


「愛してる、チャンミン・・・〝ユンホさん〟って、呼んでみて?」

・・・・・「えっ? ム、ムリです・・・そんな・・・」

「そう呼んでほしい・・・2人の時だけでもいいから・・・ダメ?」


ユンホさん・・・
心の中で呼んでみ。

けど・・・


「チャンミン・・・俺たち、これからもずっと一緒だろ? ずっとチョン先生って・・・そう呼ぶつもりなのか?」


僕を抱く両腕にさらに力がこもる。


・・・・・「・・・ユン、ホさん・・・」


「ん? 聞こえないよ、、、もう一回・・・」


腕を解いて、僕の顔を覗きこむ。
先生はちょっと意地悪だ。


・・・・・「ユンホさん・・・」


溶けそうな笑顔。
嬉しそうに、ちょっとだけ頬をピンクに染めて・・・

顔を見合わせて、笑い合った。
そんな何気ないことが、とても幸せだった。



その夜、僕たちは何時もよりお布団をくっつけて・・・
手を繋いで向い合った。


月明りがやけに明るくて・・・
ソウルと違って、空一面の星が、落ちてくるかと思うほどキラキラ輝いてる。


「チャンミン・・・」

・・・・・「はい・・・」

「あのさ・・・その・・・」

・・・・・「どうしたんですか? ユンホさん・・・


なんだか慣れるまで大変だな・・・
恥ずかしくて、お布団を口元まで被った。


「もし・・・」

・・・・・「・・・」

「もしよかったら・・・だけど・・・」

・・・・・「はい・・・なんでしょう?」

「一緒に・・・」

・・・・・「えっ?」

「こっちの布団で、一緒に寝ませんか?」


・・・・・・?


えっ? いきなり・・・敬語?


・・・・・「ぷっ・・・どうしたんですか? いきなり敬語なんて・・・」


話の内容より、先生が突然敬語なんて使うから、なんだか可笑しくて・・・
笑いが止まらなくて・・・

気のすむまで笑って、気が付いたら・・・
いつの間にか繋いでた手は離れてしまって、先生は、僕に背中を向けてお布団にもぐっていた。


・・・・・「先生・・・チョンせんせ・・・・ユンホさん・・・」

「・・・・・」

・・・・・「ユンホさん、怒ってますか?」


先生は、なにも答えてくれない。



一緒に住むようになってから僕の知らなかった先生をたくさん知った。

とてもカッコよくて、大人でクールな人だと思っていたけれど、時々子供のように甘えたり拗ねたりするんだ。
今がまさにその時・・・


・・・・・「ユンホさん、ごめんなさい・・・少し驚きました。」

「もういい、寝る。」

・・・・・「こっち向いてください。お願い・・・」

「・・・・・」



困ったな・・・僕が笑ってしまったから・・・


・・・・・「・・・お邪魔します・・・」


自分のお布団から出て、ピタリとくっつけた先生のお布団にそっと入り込んだ。
大きな背中にギュッとしがみ付く。


・・・・・「とても、温かいです。ユンホさん・・・ご機嫌直してください。」

「・・・・・」


暫くそうしていたら、先生は何も言わずに体を反転させて・・・
大きな腕に僕を包み込んでくれた。


「寒くないか?」

・・・・・「とても、温かいです。」

「チャンミン・・・」

・・・・・「はい・・・」

「・・・抱きたい・・・チャンミンを抱きたい。」






僕たちは愛し合ってる。

だから・・・

いつかは、そうなるんじゃないかって、そう言われるんじゃないかって心のどこかで思ってた。
そうなりたいって・・・なれたらいいなって・・・




僕の身体にぐるりと巻いていた腕を解いて、瞳を合わせる。
僕の髪を撫でる先生の大きな掌が、ゆっくりと降りてきて・・・

額に、耳に、頬に、ゆっくりと添うようにして・・・
その手が1本の指に代わって・・・


温かい指先が、ゆっくりと僕の唇をなぞった。


「チャンミンが・・・欲しいんだ・・・早く自分のものにして安心したい。もう、誰にも渡したくない。
また、僕のもとからいなくなっちゃうんじゃないかって・・・怖いんだ。」


先生・・・僕は何処へも・・・行かないのに・・・


大丈夫です。
僕は先生のものです。

ずっとずっと前から・・・



・・・・・「僕の全部・・・ユンホさんにあげる・・・」


唇をなぞる先生の指を、僕は薄く唇を開いて口内に招き入れた・・・







22へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
読みかえしながら、ちょっとドキドキしてしまった(笑)

今日は1日ジメジメしたスッキリしないお天気だったからか、
朝から頭痛で辛かったです。

6月も今日で終わりですね。
1年の半分があっという間に過ぎていきました。
今年後半も、トン活忙しくなりそうです(笑)





それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を♪





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私の心の中のお話です。
ご了承ください。




淋しい熱帯魚。2







「はぁ・・・」

今日、溜息をつくのは何度目だろう・・・

あの日から、もう、一週間も経つ。


--- 家へ来いよ。待ってるから・・・---


確かにそう言ったのに・・・
あの日以来チャンミンとは会っていない。


「ちゃんと、包帯取り換えたかな・・・」


寝ても覚めてもチャンミンの事ばかり考えてる。


ダメだダメだ・・・・

頭をブンブンと降って、俺は床に落ちていた求人雑誌を手に取った。
以前の勤め先をクビになってもう2週間・・・

いい加減、次の仕事探さないとな、、、

また、大きな溜息が零れた。



時計を見ると、午後3時。
今日も朝から、何もせずに終わりそうだ。

床に寝転んで窓から差し込む温かい陽射しを浴びた。

身体を伸ばして背伸びして、また大きな溜息・・・


「チャンミン・・・」


俺は・・・
俺の気持はどうなんだろう・・・

こんなにずっとあいつの事ばっかり・・・
これって好きってことなのかな?

チャンミンは・・・男だ。

けど、そうじゃなくて・・・男とか女とかじゃなくて・・・
何だろう・・・わからないけれど、どうしても気になる・・・・・
チャンミンに惹かれる・・・


その時、テーブルに投げ出すように置いてあった上着のポケットから、
俺を呼び出す音。

慌てて取り出す。
見ると・・・


「・・・・・はぁ・・・」


今日は溜息ばっかりだ。

通話ボタンを押して、耳を傾けた。



「何だよ・・・」

--- ユンホか?---

「ユンホにかけたんだろうが・・・ったく・・・なんだよ」

--- 会いたがってる・・・少し良くなくて・・・---

「調子悪いのかよ?」

--- お前の顔を見たら、元気になると思うんだが・・・---

「なんだよ、そんな時だけ勝手な事言いやがって・・・誰のせいでこうなったと思ってんだよ。」

--- とにかく、一度顔見せてやってくれ。---



そう言うと、一方的に切れる電話。


ったく・・・
人にものを頼むなら、もっと言い方があるだろうっーに・・・

みんな自分のことばっかり。
だから、人とかかわるのはゴメンなんだ。

家族でさえも・・・分からないのに・・・



心のモヤモヤが一度に吐き出てきそうになった時、

コンコン と、ドアをノックする音が聞こえた。


「はい・・・」


立ち上がって玄関ドアを開けた。




「チャンミン・・・・」

・・・・・「こんにちは、ユンホさん・・・突然ごめんなさい。」


突然のチャンミンの登場に、心中穏やかでいられなかった。


「あぁ、どうぞ、中、入れよ」

・・・・・「お邪魔します・・・」


チャンミンは、茶色の紙袋に入った何かを大切そうに持っていて・・・

相変わらずの散らかった部屋。
ソファの上の物を隅に寄せて、そこにチャンミンを座らせた。


「久し振りだな・・・っても1週間だけど・・・」

・・・・・「はい・・・」


お互い、言葉が出てこない。
意識してしまって、上手く話せない。

何か話さないと・・・そう思った時・・・


・・・・・「あの・・・」


チャンミンが口を開いた。


「ん? 何? どした?」

・・・・・「僕、暫くソウルを離れることになって・・・それで・・・」

「えっ? どうして? 旅行か・・・何かか?」

・・・・・「いえ・・・そうじゃなくて・・・」

「じゃあ、何? どこへ行くんだ? すぐ帰ってくるんだろ?」


胸がざわついた。


・・・・・「釜山へ行きます。どのくらいで帰ってくるかは分らなくて・・・」

「そう、、なのか・・・」

・・・・・「それで、ユンホさんにお願いがあって・・・」

「俺に?」

・・・・・「これ・・・」


言いながら、チャンミンは大切そうに持っていた袋の中から小さな小瓶を取り出した。


「これ・・・・魚?」

・・・・・「はい、熱帯魚です。」

「でも、こんな小さなビンの中・・・」

・・・・・「この魚、他の魚とは一緒にできないんです。」

「ん? どういうこと?」

・・・・・「同じ水槽に入れると、相手のヒレや体がボロボロになるまで突き合ってケンカするんです。」

「へぇ、、、」

・・・・・「ベタっていうんですけれど、別名は闘魚。その名の通り、闘う魚です。
だからずっと、一人ぼっちなんです・・・」


その魚を見つめるチャンミンの瞳があまりにも切なげで・・・
胸が締め付けられた。


・・・・・「魚のくせに、空気呼吸するんですよ。だから、ポンプとかも特には必要ないんです。」

「へぇ・・・」


ビンの中を覗き込むと、赤くて長いヒレをヒラヒラさせて愛想を振りまいてるように見える。


「で、こいつをどうするの?」

・・・・・「もし良かったら、ユンホさんに預かってほしくて・・・」

「え、俺に? あの・・・あのお店の人の方がいいんじゃないか?」

・・・・・「ユンホさんに預かってほしくて・・・この子は僕のたった1人の友達なんです。」

「・・・・・」

・・・・・「ずっと一人ぼっちで・・・僕と一緒で、友達もいないし・・・
僕が居なくなったら本当に一人になってしまいます。」



ずっと一人ぼっち・・・


--- 僕は、友だち・・・ですか? 好きって、友だちの好きですか? ---
--- 恋人みたいに、恋愛の相手として好きってことですか? ---



チャンミンは、俺に何を求めていたんだろう。
出会ったばかりの俺に・・・どうしてそんなに急いでるんだろう・・・


なんだか、変な感情がこみあげてきて、泣きそうになる。


「チャンミン・・・コーヒー飲むか?」


誤魔化すように立ち上がって、キッチンの方へ向いた。

その時・・・

俺の腕に、冷たい手が振れる。

驚いて振り向いたら・・・
チャンミンが俺の腕を掴んでいて・・・


・・・・・「お願いします。ユンホさんにお願いしたいんです。一人ぼっちは可哀想です。
僕みたいに一人ぼっちは・・・」


グッと涙をこらえながら、俺にそう訴えてくる。

思わず・・・その手を掴んでチャンミンの身体を引き寄せた。


・・・・・「ユン、ホさん・・・」

「お前は一人ぼっちじゃないよ、俺がいるだろ?」



俺・・・たぶん・・・好きなんだ・・・

チャンミンを強く抱きしめながら、確かにそう感じたんだ。








9へつづく

読者の皆さま、おはようございます。

今日のお話から、熱帯魚のタイトル画像が変わっています。
チャンミンがお話の中で〝お友達〟と言っていた〝ベタ〟という魚です。
よく、ホームセンターなんかで小さな小瓶に入れられて売っているのをよく見かけます。

チャンミンのお話の通り、オス同士一緒にすると大きくヒレを広げて威嚇し合って闘います。
メスや、他種との混泳も難しい魚です。

実は、高校生の時から熱帯魚飼育が趣味の私・・・(^_^;)
熱帯魚の事ならドンと来いです・・・ププ




それでは、6月最後の日です。
今日も1日、いい日になりますように♪
いつもご訪問ありがとうございます。





こころ。

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ユンホ先生、急患です!








---どう、、、して?---


暫く2人とも動けずに、ただ、僕は見上げるようにしてチョン先生を見つめていた。


・・・・・「チョン先生に会いたくて・・・来てしまいました。」

「チャンミン・・・」


先生が、身体をくるりとこちらに向けて、
ひらりと僕の前に舞い降りる。


「本物・・・?」


僕は何も言わず小さく頷いた。

チョン先生の掌が、ゆっくりと優しく僕の頬を包む。

先生の瞳が、揺れてる・・・


「今・・・いや、ここに来てからずっと・・・海を見ながら君の事・・・チャンミンの事、考えてた。」

・・・・・「・・・・・」

「仕事、頑張ってるだろうか・・・風邪引いたりしてないだろうか・・・泣いてないだろうか・・・笑ってるだろうかって・・・」

・・・・・「僕は・・・ずっと先生に謝りたかった。先生の事を信じてあげられなくて、我儘ばかりで、先生の事を傷つけて・・・」

「違うよ・・・チャンミン・・・傷つけたのは僕の方だよ。ルナの事をキチンと最初に話しておけば・・・」


頬に添えられたチョン先生の手はとても暖かくて・・・
その温かさに、緊張していた僕の心がゆっくりと、じんわりと熱を持って行く・・・

冷たい心が溶けてゆく・・・


・・・・・「先生、僕・・・ここに来て先生に会えたら・・・伝えたいことがあったんです。」


チョン先生は、小さく頷いて・・・


「言って? チャンミン・・・聞きたい・・・」

・・・・・「あの・・・僕・・・」


伝えるために、ここに来た。

先生に・・・チョン先生に・・・好きだって・・・
傍に居たいって・・・


俯いて言い淀んでいる僕の顔を覗きこむようにして、僕の言葉を待っている。

波の音が、僕の心を後押しする。
勇気を出して、伝えないと・・・


顔を上げて、チョン先生の瞳を見つめた。
真正面から・・・最後まで目を逸らさずに言えたら、きっと・・・


・・・・・「僕、チョン先生が好きです。先生の傍に居たい・・・」


心臓が痛いくらいに早鐘を打つ・・・


「・・・チャンミン・・・」


ほら・・・
最後まで言えたら・・・先生がきっと抱きしめてくれる・・・


「夢みたいだ・・・」


僕は今・・・先生の温かい腕の中にいる。
大きくて、温かくて・・・僕の大好きな匂い・・・


「僕の腕の中に、チャンミンがいるなんて・・・」

・・・・・「チョン先生・・・」

「夢じゃないよな・・・?」


僕を腕から解放して、両の掌で僕の頬を包む。


・・・・・「僕です。先生・・・夢じゃありま・・・」


言い終わる前に、唇を塞がれた。

海風に長く当たっていたからか、チョン先生の唇はとても冷たかった。

名残惜しげに離れてゆくチョン先生。


「俺と一緒に、ここに居てくれるの?」

・・・・・「僕でよければ・・・」


チョン先生の顔に真夏のような明るい陽が射した。


「僕はチャンミンじゃなきゃダメなんだよ。チャンミンが・・・好きなんだよ・・・」












--- ユンホせんせー、算数が分かんないよ・・・---


僕がチョン先生の所にやってきてから1か月が経った。
診療所は、まるで村の集会所みたいに普段はとても賑やかだ。

子供達が宿題を持って集まって来たり、お年寄りがおかずを作って持ってきてくれたり・・・
もちろん、怪我をしたり、身体の不調を訴えてここに来る患者さんたちも・・・

小さな待合室は、いつも明るく、笑い声で溢れていた。
きっと、チョン先生の人柄がそうさせるんだろう。


--- ねぇ、チャンミンせんせー、ここは、これで合ってる?---

・・・・・「そうですね、これは正解です。けれど、ほら、ここが間違っていますよ。」


僕もいつの間にか、子供たちの先生になってて・・・


・・・・・「チョン先生、お部屋にお食事用意していますから、先に食べてきて下さい。」

「ん~、、いい、あとでチャンミンと一緒に食べる。そのほうが美味いし・・・」


そんなことをみんなの前で平気で言うもんだから、僕はいつも途惑って俯いてしまう。



--- ねぇ、チャンミンせんせー・・・どうして、ユンホせんせーは、チャンミンせんせーの事を名前で呼ぶのに・・・---

・・・・・「?」

---チャンミンせんせーは、〝チョン先生〟って、呼ぶの?---


子供のいう事は、時にドキリとして、答えを言うのに戸惑ってしまう。


・・・・・「それは・・・僕よりもずっと偉い先生だからです。」

--- ふーん、ヘンなの・・・だって、この前さ・・・---

・・・・・「はい・・・」

--- 堤防のところで、チュウしてたじゃないか・・・---


!!!!!!!



・・・・・「・・・・・・え、そ、そんなこと・・・し、してないです・・・」


ど、どうして・・・?

それまで賑やかだった待合室が、急に静まり返る。

待合室にいた、子供達・・・そして、おじいちゃん、おばあちゃん・・・
沢山の人の視線が僕に集中して・・・


・・・・・「あ、あの・・・っと・・・」


ああ!! ど、どうしよう・・・
きっと今、僕の顔は湯だったタコみたいに真っ赤に違いない・・・


「あははははははは~」


突然、チョン先生がいつものように大きな口を開けて豪快に笑いだす。


「ん、そうだよな・・・恋人なのに、チョン先生って呼ぶのは可笑しいよな?」

--- そうじゃよ、新しい先生・・・えーっと・・・---

--- じいちゃん、チャンミンせんせーだよ---


おじいちゃんまでもが・・・


--- そうじゃ、チャンミン先生・・・そうじゃな・・・〝ユンホさん〟ってな感じでどうじゃ?---


ユンホさん・・・


む、無理・・・僕には絶対に無理・・・

さらに赤くなって熱を持つ僕の顔・・・

待合室に居た村の人たちが一斉に拍手する。


--- そうですよ、チャンミン先生、呼んでみて下さいよ---

--- ほら、チャンミンせんせー、呼んでみてよ~---


ダメだ・・・恥ずかしすぎて・・・


・・・・・「ご、ごめんなさい・・・僕・・・」


言葉を最後まで言えないまま、僕は奥の部屋に逃げ込んだ。


「チャンミン!!」


みんなが僕を呼んでいたけれど、僕は・・・

どうしよう・・・先生に迷惑がかかっちゃう・・・







21へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
蒸し暑い日が続いていますが、
体調崩しておられませんか?

もう6月も明日で終わりですね。
暑さはこれからが本番なので、
食事や睡眠に気を付けて、暑い夏を乗り切りましょう。

そういう私は、ただいまダイエット中(笑)フフフ






それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。

素敵な夢を♪





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淋しい熱帯魚。





向い合って、暖かいカフェオレを飲む。

静かな室内、お互いに俯いたまま。
俺は、静けさに耐えられずに口を開いた。


「チャンミン、お店にいた人って・・・・お兄さん? じゃないよな?」


俯いていた顔をとっさに上げて、瞳を泳がせて返事に困ってる。


・・・・・「あ、あの・・・・」

「あ、いや、いいんだよ、ごめん・・・」

・・・・・「・・・彼は・・・身寄りのない僕を引き取ってくれた恩人です。」

「えっ?」

・・・・・「僕、18歳まで施設で育ちました。それから、彼のところでお世話になってます。」

「そ、そっか・・・なんか、ごめん。へんなこと聞いちゃったな・・・」

・・・・・「いえ・・・」


出会った時から、少し陰のある人だと思っていたけれど・・・


・・・・・「彼も、同じ施設出身なんです。とてもいい人です。」


---よかったらあの子の友達になってやってもらえませんか?---
---寂しい子なんです---


そう言う意味・・・なのか?

俯いて、目を伏せて、なんて淋しそうな表情をしてるんだろう・・・

彼の・・・チャンミンの力になってやりたいと、その時強く思った。


「チャンミン・・・」

・・・・・「はい・・・」

「もし・・・俺でよかったらさ、何でも言えよ。」

・・・・・「何・・・でも?」

「ああ、嫌な事とか、辛い事とか・・・泣きたいときとか・・・・さ。」

・・・・・「ユンホさん・・・」

「ま、あんまり役には立たないかも・・・だけど友だちだろ? な?」


照れ隠しに、少しふざけてみた。

チャンミンは嬉しそうに笑ってた。




・・・・・「ユンホさん、質問してもいいですか?」

「質問? いいよ、何?」

・・・・・「ユンホさんは、好きな人・・・いますか?」


真っ直ぐ俺の目を見て、逸らさない、強いまなざし・・・


「好きな・・・人?」

・・・・・「はい・・・恋人・・・です。いますか?」


突然のチャンミンからの質問に、俺はすぐに答えられずうろたえてしまった。

そんな俺の様子を見て、チャンミンが俺から視線を外して俯いた。


・・・・・「ユンホさんは、とてもいい人だし、カッコいいから・・・もちろんいますよね。
すいません、へんなこ・・・」

「いないよ」


チャンミンの言葉を遮ってまで否定したかった。


・・・・・「えっ? いないんですか?」

「あぁ、でも・・・好きになりかけてるっていうか・・・」

・・・・・「・・・・・」

「気になってる人は・・・いるよ」


まさか、チャンミンだなんて・・・・言えないけど・・・


・・・・・「そう・・・ですか・・・」

そうですよね・・・


小さく呟いたチャンミンは、笑っていたけれど、
瞳の奥深くが、とても悲しい色に見えて・・・

その悲しげな瞳を見たら・・・


「誰か・・・聞きたい?」

・・・・・「えっ? 」

「知りたい? 俺の気になる人・・・」


頭の中で、何言ってるんだと、そう思いながらも
俺の心の声が思わず口をついた。


・・・・・「誰・・・ですか?」

「お前だよ・・・チャンミン・・・お前の事、気になってる・・・」

・・・・・「僕・・・・?」


そこまで口にして、はっとした。
何言ってんだよ・・・俺・・・


「あはは、冗談だよ、冗談・・・真剣になるなよ、チャンミ・・・・ン・・・」


困惑した表情を必死で隠して、チャンミンを見たら・・・

チャンミンが・・・泣いてた・・・


「ど、どうした? チャ、チャンミン・・・ん?」


大きな瞳から、ポロポロと光りながら堕ちてゆく・・・


--- なんて・・・綺麗なんだ・・・---


チャンミンが泣いてるっていうのに・・・・俺はその涙の美しさに目を奪われて・・・
暫く息が出来なかった。


・・・・・「冗談・・・で、すか?」


泣きながら、俺にそう問いかける。
その顔を見たら、嘘が・・・つけなくて・・・


「冗談じゃないよ・・・チャンミンの事・・・気になってる。
もしかして・・・好き・・なのかも・・・」

・・・・・「僕は、友だち・・・ですか? 好きって、友だちの好きですか?」


穏やかで、柔らかい物腰。

落ち着いてて、大人びて見える表情・・・・
少し影があって・・・

出会ってから、まだ数日しか経っていないけれど、
俺の中のチャンミンの印象・・・


それがすべて打ち砕かれた。


強い眼差し・・・
言葉を曲げず、ストレートに問いかけてくる。

物怖じすることなく、俺の心にまっすぐに入り込んでくる。
なんて情熱的なんだろう。


「チャンミンを見てると、ドキドキするんだ。それに・・・」

・・・・・「それに?」

「大事に・・・大切にしてやらなきゃって・・・俺が力になってやらなきゃって・・・
守ってやらなきゃって・・・お前は、女じゃないのに・・・」

・・・・・「それは、僕の事好きって・・・
恋人みたいに、恋愛の相手として好きってことですか?」


チャンミンの必死の問いに、上手く答えられない。


「ゴメン・・・まだよくわからなくて・・・けど、チャンミンは特別だよ。
まだ、知り合って時間はそんなに経ってないけど・・・でも、俺の特別だよ。」


沈黙がつづく・・・

窓から差し込んでいたオレンジ色の陽の光は、いつの間にか消えてしまって、
徐々に闇の色へと変化していた。


・・・・・「僕、そろそろ帰ります・・・」


ゆっくりとテーブルから立ち上がって、チャンミンが歩き出す。


「チャンミン・・・」

・・・・・「ヘンな事、質問してしまいました。ユンホさん、忘れてください。」

「チャンミン・・・」

・・・・・「僕なんて・・・どうせ・・・すぐに・・・」


チャンミンが、何か呟いたように聞こえたけれど、
俺には聞き取れなかった。


「送っていくよ、チャンミン・・・」

・・・・・「いえ、1人で帰ります。大丈夫です。 淋しくなんてないから・・・」


えっ?


・・・・・「じゃあ、お邪魔しました。」


さっきの涙が、まるで嘘のようにチャンミンは笑っていた。

ドアがパタンと、小さな音を立てて閉まる。

ほっとけなくて・・・
チャンミンのあの笑顔が、作り笑いってことくらいすぐに分かった。


急いで、ドアを開けた。


「チャンミン!」


驚いたチャンミンが振り向く。


「チャンミン・・・明日も包帯交換しなきゃダメだから・・・家へ来いよ。待ってるから・・・」


そう言うのが精一杯だった。

チャンミンは、もう一度作り笑いをして
そして、小さな靴音をさせながら帰って行った。

その寂しそうな背中が、俺の瞳に焼き付いて離れなかった・・・・・







8へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
昨日、こちらのお話を初めて読んでくださっている読者さまからコメントいただきました。
何度目かの読者さまがほとんどの中、初めて、、、と言われてちょっとドキドキしています。
何年も前の私が書いたお話は、初めて読んでいただく方にどんなふうに感じてもらえるのか、、、
緊張しながらの更新です♪


それでは、
今日も1日、いい日になりますように♪







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ユンホ先生、急患です!







--- はぁ、、、やっと着いた・・・---

早朝、ソウルを出発してから、どの位経ったかな・・・
電車を何度も乗り継いで、バスに揺られて・・・


降り立ったその町は、潮の香りがする小さな小さな港町だった。

空を仰ぐと、太陽の光が眩しくて思わず目を閉じた。
大きく深呼吸。

空気が綺麗で澄んでいる。



見渡すけれど、人の姿はない。
遠目に見える集落まで、僕は海風に当りながら荷物を抱えてある場所をめざした。








--- シム・チャンミン・・・アンタが居なくなると思うとなんだか淋しくて・・・---


〝仕事を辞めたい〟


そう僕が婦長に我儘を言ったのは2週間前のことだった。
理由を聞かれて、どう言おうか悩んだけれど・・・


〝 自分に正直に生きたいと思って・・・後悔はしたくないんです〟


そんな曖昧な理由なのに、婦長は笑って頷いてくれた。

僕は最後まで詳しいことは言えなかったけれど・・・


--- 淋しくなるけどさ、それが正解だと思うよ。頑張って!!---


先輩だけは、言わなくても分ってたみたいだ。


・・・・・「先輩、お世話になりました。僕・・・先輩の事大好きでした。」

--- や、やだぁ~~♡ シム・チャンミンったら・・・ふふふ、---


いつものように、僕の隣りで背伸びをして、耳打ちする。


--- 素敵な彼によろしくね♡ ---


ありがとう、先輩。







・・・・・「遠いな・・・」


歩けど歩けど、人の姿はない。


・・・・・「本当にここで合ってるのかな?」


上着のポケットから1枚のメモを取り出した。


---これは、ヒチョルも知らないし、私しか知らない情報だよ。他言無用だよ・・・分ってるね?---


--- ユノはさ、知り合いの医師の紹介で小さな港町の診療所で仕事をしているらしいんだよ。
以前いた医者はもう高齢でさ。---

・・・・・「診療所、、、」

--- たった一人で、看護師もいないらしくて・・・でも、そう言うところで身近に患者と向き合う医療がしたいって、
医者になった時からのユノの夢だからさ・・・アイツらしいでしょ?---



そうだね。チョン先生はそういう人だ。

困っている人のためになりたい。手を差し伸べて救ってあげたい。
自分が出来ることのすべてを、誰かのために・・・


そういう人。

そして、そんなチョン先生を僕は・・・


---アイツを助けてやってよ---


もし、先生に会えたら、正直に心のままに僕の気持ちを伝えたい。
許してもらえるなら、傍にいて、先生のお手伝いがしたい・・・

けど、チョン先生が僕を許してくれるんだろうか・・・

そんな不安を抱えながらも、僕の気持ちはすでにチョン先生のもとにあった。



・・・・・「あ、・・・第一村人発見・・・」

それは、小さな身体に大きなランドセルを背負った小学生の男の子だった。


・・・・・「あの、・・・少し聞きたいことがあるんだけど・・・」


その子は、見慣れない僕の顔に少し怪訝そうな顔をして・・・


--- なんですか? 知らない人と話しちゃダメって、ユンホ先生がそう言ってた。---

・・・・・「えっ? ユンホ先生?」

--- 何だ、ユンホ先生の知り合い?---

・・・・・「はい、そのユンホ先生を訪ねて、ソウルから来ました。」

--- ソ、ソウル????---

・・・・・「はい、そうです・・・・けど・・・どうかしましたか?」

--- まさか、ユンホ先生を連れ戻しに来たんじゃないだろな?---


えっ? 連れ戻し・・・?


・・・・・「いえ、そうじゃなくて、ユンホ先生のお手伝いに来ました。」


少し緊張していた少年の顔が、パッと明るくなる・・・


・・・・・「ユンホ先生の診療所、どこか教えてもらえるかな?」

--- ここをまっすぐ行って、次の角を左に曲がったら診療所だよ、けど・・・---

・・・・・「ん? どうしたの?」

---たぶん先生はいないよ---

・・・・・「いない・・・って?」

--- この時間は、いつも・・・・ほら、あそこ・・・---


少年の指差す方へ目を向けると・・・


ここからずっと先の堤防に座り込んで、海を眺めてる人・・・

チョン先生・・・?


--- いつも、この時間はああやってずーっと海ばかり見てるんだよ---


僕は、少年の頭を撫でて・・・
鞄からイチゴのキャンディを取り出した。


・・・・・「ありがとう、これ、お礼だよ。」

--- わぁ、ソウルのキャンディ?---

・・・・・「うん。」


少年は、さっそく包みを開けて口の中に放り込んだ。


--- わぁ、スゴく美味しい!ありがとう。じゃ、僕はお家に帰るね。---


少年は大きく手を振りながらキラキラの笑顔で帰って行った。





一歩一歩、チョン先生に近づいてゆく。
足を前に出すたびに、胸の鼓動がドキドキと激しく波打つ。

寄せては返す波の音が、僕の鼓動と重なりあってリズムを刻む。


その懐かしい後ろ姿。

白衣が似合う、大きな背中・・・

高い堤防の上。
見上げるようにその姿を瞳に写す。

先生・・・思わず手を伸ばしたけれど、届かない。


・・・・・「先生・・・チョン先生・・・」


声が震える・・・

足をぶらぶらさせていたチョン先生の動きがピタリと止まって・・・
ゆっくりと振り向く・・・


・・・・・「チョン先生、急患です。」

「・・・チャン、ミン・・・?」

・・・・・「胸が痛くて・・・先生が恋しくて胸が痛いんです。」

「どう、、、して?」








20へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
さて、今日からツアーのエントリーが始まりましたね。
昼から3時間半も、kieちゃんと電話で打ち合わせという名の長電話(笑)

今回はアリーナだから、なかなかチケットのご用意は難しいだろうな~(;・∀・)
そして、当落までの胃痛にまたまた耐えなければならない(-_-;)
皆さんが1度は行きたいところに行けますように、、、
チケットの神様にお祈りしておこう♪


それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。

素敵な夢を♪





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私の心の中のお話です。
ご了承ください。




淋しい熱帯魚。






--- 気を付けるんだぞ---

・・・・・「うん、行ってきます。」

「では、失礼します・・・」

--- はい、チャンミンをよろしくお願いします---

・・・・・「もう、兄さん、やめてよ・・・」


兄さん?
えらく歳が離れてる兄弟・・・か?


チャンミンと一緒に店を出て、俺たちは2人してレンタルショップへ向かう。


・・・・・「あの・・・ユンホさん、わざわざありがとうございました。」

「いや、もう少し早く持ってくればよかったんだけど・・・」

・・・・・「まさか、ユンホさんが来てくれるなんて思ってなかったから・・・」

「どうして?」


天気がいいからか、秋の冷たい風も今日はとても温かく感じる。
ふわっとチャンミンの柔らかそうな髪を、風がいたずらに流していった。


・・・・・「沢山迷惑をかけたから・・・」


俯いて、寂しそうな顔・・・


「チャンミン・・・俺たち、友達だろ?」


その言葉に、何故だかチャンミンは驚いて、大きな瞳をまんまるにして僕をじっと見る。


・・・・・「友だち?」

「そう、友達・・・・」


一瞬、微笑んだのに、すぐにまた俯いて瞳を泳がせてる。


・・・・・「僕なんか・・・ユンホさんに迷惑かけるだけです。」

「何も、迷惑なんてかからないよ。また、一緒に映画を観たり、沢山話して、
お互いをもっと知ってゆこう、、、な? チャンミン?」


チャンミンは俯いたまま、頬を少し緩めて、小さく頷いた。







「チャンミンは、何も借りないのか?」


レンタルショップの返却カウンター。


--- はい、ありがとうございました---

・・・・・「はい、僕はあまり続けては観られなくて・・・」


続けて観られない?


「ん? 続けて・・・?」

・・・・・「この前、ユンホさんと一緒に観たから・・・」


チャンミンの言ってる意味が理解できなくて、


「どういう・・・」

・・・・・「ユンホさんは、今日はいいんですか?」


なんとなく、俺の言葉の続きを遮られたような気がした。
それ以上、聞いちゃいけないような気がして・・・


「あぁ、今日は俺も返しに来ただけだから・・・いこっか・・・」


それ以上、聞くのを止めた。



帰り道、さっき歩いてきた道をまた2人で引き返す。

ふと、チャンミンの手に目がいく。
もしかして・・・俺が巻いた包帯、、、そのまま?


「チャンミン、、、指・・・どう? 大丈夫?」


チャンミンは、何故だかその指をさっと隠すように反対の手で覆ってしまう。


・・・・・「はい、痛くないし・・・」

「もしかして・・・あの時のまま?」


そっと、チャンミンの腕を取ってみると、、、

やっぱり・・・

包帯が少し汚れていて、不器用な巻き方そのまま・・・


「チャンミン、ちゃんと取り換えないと・・・もう3日経ってる」

・・・・・「・・・・・」

「チャンミン?」


2人立ち止まる。
通りの真ん中で、俯いて黙ってしまうチャンミン。

その顔を覗き込む俺。


気になって仕方ない。
この感情は、なんだろう。

わからない・・・

けど・・・

チャンミンが気になって仕方ないんだ・・・


・・・・・「ユンホさんが・・・」

「ん? 俺?」


小さく頷きながら・・・


・・・・・「ユンホさんが、巻いてくれたから・・・だから・・・」

「チャンミン・・・」


いつの間にか、太陽が傾きかけている。
うすいオレンジ色の光が、通りの真ん中で黙り込む俺とチャンミンを照らしているようで・・・


道行く人が、立ち止まっている俺たちを怪訝な顔で見ているけれど、
そんなこと、どうでもよくて・・・


ドキドキした・・・


「家・・・行こう。包帯・・・綺麗にしようか・・・」


少し汚れた包帯を巻いてるチャンミンの指をそっと掌に包み込んだ・・・






「ほら、見せて?」

ゆっくりと躊躇うように俺の前に差し出す。

俺は、汚れた包帯とカーゼをはずした。


「少し赤いよ、痛くない?」

・・・・・「痛くないです。」


薬を塗り直して、新しい包帯をそっと巻いた。


「あはは、やっぱり上手く巻けないな・・・」


それを見て、チャンミンの顔に笑みが戻る。


・・・・・「いえ、ありがとうございます。とても、嬉しいです。」

「そっか・・・」


少しの沈黙・・・


その場の空気が、普段と違う。

暖房もつけてなくて、空気は冷えてるはずなのに、
チャンミンがここにいるだけで・・・

俺の心がとても温かくて・・・


さっき通りで感じたドキドキは、まだ俺の心の奥に響いていた。
その気持ちを紛らわすように、口を開いた。


「チャンミン・・・何か・・・飲む?」

・・・・・「はい、ユンホさんと一緒ので・・・」

「じゃあ、カフェオレでいいか?」

・・・・・「はい。」



窓から差し込むオレンジ色の夕日の光が、チャンミンの横顔を照らす。
伏せた長い睫・・・


胸の高鳴りが止まらなかった・・・










7へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
今日も1日、いい日になりますように♪





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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



ユンホ先生、急患です!







---アンタ、、、ユノの事・・・チョン・ユンホの事どう思ってる?---


僕の心を見透かすようなその物言いに、顔が見えなくても、
電話の向こうのルナさんがどんな顔をしているのかが手に取るように分かる。


・・・・・「どうって・・・・」

--- シム・チャンミン、アンタ・・・男だろ?---

・・・・・「・・・はい・・・一応・・・」

--- は? 一応って・・・アンタね? 私をバカにしてんの?---

・・・・・「いえ、そんなつもりはなくて・・・」


はぁぁぁ~~~っ、、、っと、

まるですぐ傍にいるかのように聞こえる、大きなため息。


--- ったく・・・こんな女の腐ったみたいな奴のどこがいいんだろ・・・ユノの奴・・・---

・・・・・「あ、あの・・・」

--- とにかく、少し時間を頂戴。いい?---

・・・・・「はい・・・何処へ行けばいいですか?」


結局、僕はルナさんの迫力に勝てなくて午後から駅前のカフェで会う約束をして電話を切った。







--- シム・チャンミン!!! ここ、ここ!!!---


カフェのドアを開けて覗きこんだ瞬間、奥のテーブルから大きな声で僕を呼ぶ。

回りのお客さんが一斉に僕に注目するもんだから、恥ずかしくて・・・
顔を隠すようにして、ルナさんのもとに足を進めた。


・・・・・「すいません、電車が遅れてて・・・お待たせしました。」

--- 私も、さっき着いたところだから・・・それより・・・---


注文を聞きに来たウエイターさんにコーヒーを頼んで、
もう一度ルナさんと向き合う。


・・・・・「はい、お話って・・・なんでしょう」

--- 電話でも言ったけど、ユノ・・・チョン・ユンホのことで話をしたくて---



何だろう・・・


--- あいつさ、婚約解消したよ---


キム先生がそう言ってた。

何だろう、僕に恨み言でも言うつもりなんだろうか・・・?
少し、怖い・・・


・・・・・「チョン先生、お元気ですか?」

--- お元気かどうか聞いて、それでどうするの? お元気じゃないって言ったらどうするの?---

・・・・・「えっ? もしかして、チョン先生、どこか悪いんですか? どうしたんですか?」


はぁぁぁ・・・・っ・・・・

目の前のルナさんが、またため息・・・
ガックリ肩を落として、呆れたような視線を僕に向けている。


--- ユノはね・・・・いや、その前に、私の質問に応えなさい。---

・・・・・「質問?」

---アンタ、、、ユノの事・・・チョン・ユンホの事どう思ってる?---

--- そう、ユノの事、もういいの? ---

・・・・・「僕なんか、チョン先生はもう僕のことなんて忘れてらっしゃいます。」


そう、きっとチョン先生は僕のことなんて忘れてて・・・
何処か別の場所で、また新しい恋をしてる。

だって、先生はとてもステキだから・・・


--- バカじゃないの? シム・チャンミン・・・ユノがどんな思いで、ここを去ったか・・・---

・・・・・「僕は、先生の事を好きでいる資格がありません。先生を酷く傷つけました。」

--- そのセリフ、ユノも言ってたよ・・・---

「チャンミンを酷く傷つけたから・・・俺にはどうすることも出来ないよ。もう、泣かせたくないんだ・・・」

--- あんたたちって・・・変なの・・・---


チョン先生・・・


--- 私と婚約解消したの・・・知ってる?---

・・・・・「はい、キム先生から・・・」

--- あの、お喋りヒチョルめ・・・言っとくけど、私がユノをフったんだからね!!---

・・・・・「・・・・・」

--- 私達さ、兄妹みたいな関係でね。どうしても、ユノを恋人だとか、結婚相手だとか、そんな風に思えなくて・・・
今までお互い好き勝手してきたけど、おじさま・・・あ、ユノのお父様ね、結婚しろって急かされてさ・・・
だから、正直に言ってやったの---



〝 ユノとは結婚できません。って・・・〟


そしたら、おじさま・・・大笑いしてさ、、、


〝そうか、なら好きにしなさい〟って・・・


---深く考えていたのは、ユノだけだったってこと。真面目だからさ、あいつ・・・---


そう、チョン先生は、とても真面目で一生懸命で・・・全てが温かい・・・


--- ねぇ、シム・チャンミン・・・アイツを助けてやってよ---

・・・・・「助ける?」

--- ユノの事、好きなんでしょ? 愛してるでしょ?---


ルナさんは、真剣な顔で僕にそう言った。

その表情は、とても真っ直ぐで・・・
誤魔化したり、嘘をつくことは出来ないと思った。


・・・・・「はい・・・」


--- よかった・・・ならさ、アイツを助けてやって? アンタしか頼めない・・・
っていうか、アンタじゃないとユノが・・・---

・・・・・「あの・・・助けるって・・・チョン先生に何があったんですか? すごく心配です・・・」








〝これは、ヒチョルも知らないし、私しか知らない情報だよ。他言無用だよ・・・分ってるね?
しかしさ、アイツ、私にも何も言わないで行っちゃったからさ・・・ムカつくよ〟




休日はあっという間に過ぎて行った。
アパートの窓から夜空を見上げると、昨日の夜とは打って変って灰色の雲が星たちの光を遮っていた。



今、僕の手の中には、ルナさんから受取ったチョン先生の・・・居場所・・・

先生・・・こんなところで一人ぼっちで・・・

淋しくないですか?

賑やかなソウルの街が恋しくないですか?
病院のみんなの笑顔が見たくないですか??

僕に・・・僕に会いたいですか?


僕は・・・僕はチョン先生に・・・会いたいです・・・


とても、会いたい・・・








19へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
今日もお部屋にご訪問下さり、ありがとうございます。

昨夜、今年初めてエアコンをつけました。
リビングは家族が集まるし、電化製品の熱でとても蒸し暑かったので、
家族が耐えられませんでした。
けど、1度付けちゃうと、エアコンなしではいられないようで、
日中は、私一人なので窓を開けて風が入るだけで充分なんですが、
夕方になって子供たちが戻り始めると、いつの間にかスイッチオンに(;・∀・)
冷えすぎに注意しよう、、、



それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を♪






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※ 前回のお話はこちらから  →   淋しい熱帯魚。4

※ 初めから読まれる方はこちらから  →   淋しい熱帯魚。1




私の心の中のお話です。
ご了承ください。







淋しい熱帯魚。







・・・・・「ほんとです・・・あっ・・・」


気が付いたら、重なるようにして2人でソファに沈み込んでいた。

俺の目の前にチャンミンの顔・・・
咄嗟に逸らした。

チャンミンも慌てて起き上がって・・・


・・・・・「ご、ごめんなさい・・・」

「ったく、お前ってどこまでおっちょこちょいなんだよ。。。大丈夫か?」


半身を起しながら、恥ずかしさを隠すために、少し乱暴な口調でからかうようにそう言った。


・・・・・「ごめんなさい・・・」


あ、ちょっと言い過ぎた?

チャンミンが俯いたまま瞳を泳がせてる。
動揺しているのが俺にも伝わってきた。


「俺は大丈夫だよ、チャンミンは?」

・・・・・「・・・・・」

「チャンミン?」


ソファから立ち上がって、俯いた顔を覗き込んで・・・・驚いた。


・・・・・「すいません、僕・・・もう帰ります」


大きな瞳に今にもこぼれそうなくらいの涙を溜めていて・・・


「チャンミン・・・悪かったよ、言い過ぎた。」

・・・・・「いえ、僕が迷惑ばかり・・・・今日は楽しかったです。」


その瞬間・・・ポタポタとチャンミンの涙が光って落ちた。




床に置いたリュックを手に持って、足早に玄関へ向かおうとする。


「ちょ、待てよ・・・おい!」


振り向きもしないで、去ろうとするチャンミンに少しイラッとした。


「おい、待てって!!」


追いかけて、玄関で靴を履きかけたチャンミンの腕を強く掴んだ。


「待てって!!」

・・・・・「・・・・・」

「どうしたんだよ? もう少し居ろよ?」

・・・・・「いえ、もう帰ります」


頑なに俺とは目を合わせようとしない。

掴んだ手をゆっくりと離した。


・・・・・「ごめんなさい・・・」

「・・・・・」


ドアがカチャッという音だけを響かせた。







数日後・・・


俺は、チャンミンの働く店の近くで行ったり来たりを繰り返していた。


あの日・・・

急いで帰って行ったチャンミンが、置き忘れて行ったカーディガン。
どうしようか迷ったけれど、あの日一緒に観たDVDを返却に行くついでにチャンミンに返しに行けばいいと、
ずっと先延ばしにしていた。


とにかく、これを返すだけだから・・・


店のドアをゆっくりと開ける。


--- いらっしゃい ---


店の奥から聞こえる声。
チャンミンじゃない。


「すいません・・・」


辺りを見回しても人影がない。


「すいません・・・」


二度目の呼び声で、奥からの返事が聞こえてきた。


--- はい、いらっしゃい---

「あの・・・シム・チャンミンさん、いらっしゃいますか?」


店の奥から出てきたその人は、歳でいうと40過ぎくらいの・・・


--- チャンミン? あぁ、今日は店には出てないんです・・・けど、、、?---


まるで、チャンミンに何の用なのか? そう言わんばかりに俺の姿をじっと見ている。


「あ、これ・・・」


持っていた袋を差し出して・・・


「この前、チャンミンが俺の家に置き忘れて行ったんです。申し訳ありませんが、渡しておいてもらえますか?」

--- チャンミンが? 貴方の・・・家へ行ったんですか?---

「はい、見たい映画があって・・・それで・・・」


目の前でじっと俺を見つめている人の視線が、俺の抱えているDVDショップの袋に留まった。


--- もしかして・・・レンタルショップで見かけた人って・・・貴方かな?---

「は?」

--- いや、チャンミンが他人の家へ行くなんて・・・驚きました。
あんまり他人と付き合ったりしない子だし、もしかして・・・何かご迷惑おかけしませんでしたか? ---

「いえ、そんなことは無いんですけれど・・・」


なんだかその人の言葉が心に引っかかって・・・


--- それならよかったです。じゃあ、それはお預かりしておきます。---


差し出された手に、その袋を手渡した。


「では、スイマセンがよろしくお願いします。」


小さく頭を下げて、店を出ようとしたとき・・・


--- あの・・・---


呼び止められて、足を止めて振り向いた。


--- チャンミン・・・何か言ってませんでした?---

「何か・・・とは?」

--- いえ、あの・・・よかったらあの子の友達になってやってもらえませんか?---

「・・・・・」

--- 突然、変なこと言ってすいません。けど、あの子が他人の家で映画を見るなんて・・・
よほど、貴方が気に入ったんだと思うんです。寂しい子なんです。ご迷惑じゃなければ・・・---


何か、チャンミンには事情があるんだろうか?
特に変わったところは感じられなかったけれど、、、


その人の目が真剣で、なんだか冗談で返せなくて、、、


「俺とチャンミンはもう友達ですよ」


頬を緩めて、そう言った。

ちょうどその時、店の奥からチャンミンが顔を覗かせた。


俺のその言葉を聞いていたのか、少し恥ずかしそうに俯きながら・・・
チャンミンの指には、まだ白い包帯が巻かれていた。







6へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
こちらのお話を待ってくださっている読者さまが沢山居てくださるみたいなので、
朝の時間に更新始めます。
よろしくお願いします。


今日も1日、いい日になりますように♪







こころ。

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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



ユンホ先生、急患です!







--- ユンホ先生、どこへ赴任されたのかしらね・・・---


この病院から、チョン先生の笑顔が消えた・・・。


触れられなくてもいい。

抱きしめてもらえなくても、
優しく微笑んでもらえなくても、
僕の大好きなあの声で、名前を呼んでもらえなくても・・・

それでも、ここに居れば・・・
辛くても、ここに居られれば、先生の姿が・・・笑顔が見ていられると、そう思ってた。

なのに・・・


--- この病院をお辞めになられました---


どうして?
どうして、僕に何も言ってくれなかったの・・・?

いや、当たり前だ。

僕とチョン先生は、もうなんでもないんだから・・・
ただの、職場の知り合い。


--- ねぇ、シム・チャンミン・・・ユンホ先生、どこに行かれたか知ってる?---

・・・・・「いえ・・・知りません」

--- そっか・・・先生がいないと、まるで色がないみたいに世界がモノクロに見えちゃうわ---


本当だ・・・僕の目に映るもの・・・
全て色がない。

暖かい色、冷たい色、穏やかな色、切ない色、幸せな色・・・
何もかもが、モノクロの世界・・・




それからしばらくは、先輩たちも元気がなくて・・・

ナースステーションに笑い声が戻ってきたのは、
チョン先生が居なくなって1か月が過ぎようとしていた頃だった。


数日前に、眼科の若い先生から付き合ってほしいと言われ、念願の彼氏が出来た先輩は、
毎日瞳をキラキラさせながら幸せそうにしている。

先輩の世界は、モノクロから虹色に変わった。

それを近くで見ていると、羨ましく思ったりしちゃうけど・・・


--- シム・チャンミン・・・アンタも早く彼女作っちゃいなさい、失恋の傷を早く癒すのは新しい恋なんだよ---

・・・・・「僕は、失恋なんて・・・」

--- 強がらないのっ! 泣きたきゃ私の胸貸してあげる・・・あ、ダメダメ、彼に叱られちゃう・・ふふ---

・・・・・「そうですよ、先輩。やっと出来た彼氏なんですから、大切にしないと・・・」

--- ねぇ、シム・チャンミン・・・たまにはさ、自分の気持ちに正直に行動しちゃうのもいいもんだよ。
結果がどうであれ、後悔だけはしたくないでしょ?---

・・・・・「・・・えっ? なんのこと・・・ですか?」

--- 追っかけないの? ユンホ先生・・・---

・・・・・「えっ? な、何言ってるんですか、、、変な事言わないでくださいよ、先輩・・・」

--- 私だったら、愛してるならどこまでも追っかけて行くけどな・・・
ま、アンタはまだお子ちゃまだから、大人の恋愛はできないか・・・---


先輩・・・僕にはまだ新しい恋なんて・・・
それ以上に、チョン先生を追いかけるなんて・・・

僕にはできないよ・・・


そんな事・・・そんな勇気は僕にはない。
そして、そんな資格も僕にはない・・・







アパートの窓から、夜空を眺めてた。

透き通る冷たい空気。
そのせいか、空が綺麗で星がキラキラと瞬いてる。


・・・・・「チョン先生・・・どこにいますか? 元気ですか? ・・・逢いたいです・・・」


何処か遠くの土地で、先生もこの空を眺めてるといいな・・・


空は続いてる。


きっと僕の見ている星の輝きも、チョン先生のもとに届いているはず。

〝チョン先生が、いつまでも健康で幸せでいられますように〟

僕は、夜空に輝く星達にそう願った・・・。







・・・・・「うんんんん・・・・」


その日は久し振りの休日だった。
ここのところ、毎日が目の回る忙しさで、僕はとにかく眠る時間が欲しかった。


けれど・・・


枕元の携帯電話が、着信を知らせるためにブルブル震えだす。


・・・・・「ん、、、、誰・・・?」


半分だけしか開かない瞼を必死で持ち上げて、ディスプレイを見る。

登録されていない番号。
時間は朝の8時過ぎ・・・

誰だろう・・・
そのまま眠ってしまおうかと思ったけれど、しつこく震える携帯に諦めて・・・


・・・・・「もしもし・・・」


寝起き丸出しの声で電話に出ると、


--- ちょっと、まだ寝てたの?---


電話の向こうのその人物は、意外な人だった。


--- シム・チャンミンでしょ? 私・・・ルナ。わかる?---

・・・・・「えっ?」


--- チョン・ユンホの 〝元〟婚約者よ・・・・そう言えばわかる?---

・・・・・「ルナ・・・さん?」

---ねぇ? アンタ、今日休みでしょ?---


どうして知ってるんだろう・・・


・・・・・「はい・・・」


僕の番号・・・


--- 少し、話したいことがあるの。会えない?・・・---


僕は、返事を躊躇った。

ルナさんが僕に〝話したい事〟それはきっと・・・


--- チョン・ユンホのことで、話したいのよ!!---

・・・・・「ルナさん、電話じゃダメですか?」


正直に言うと、少し怖かった。
きっとルナさんは、チョン先生が、今、どこで、何をしているのか知ってるはず。

何故だかわからないけれど、それを聞くのが少し怖かったんだ。
僕は知らない方がいいんじゃないかって・・・

けど、ルナさんは僕の気持ちなんて全くスルーで、、、

落ち着いた、冷静な声・・・


--- シム・チャンミン・・・1つ聞きたい。---

・・・・・「はい、なんでしょうか?」

---アンタ、、、ユノの事・・・チョン・ユンホの事どう思ってる?---








18へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
今日、久しぶりにブログ村のランキングへ行って、
そこからうちの相棒のお部屋に飛んだら、あれ? kieちゃん、ブログのデザイン変えたのか?
って思ったんだけど、よーく見ると全然違う書き手さんのお部屋でした(笑)
お部屋の名前が激似だったので間違ってしまった(笑)ププ

さて、こちらのお話も、もう17話です。
あと5話で完結です。
旧館からのお付き合いの読者さまは、
何度目かのユンホ先生だと思いますが、最後までおつきあい下さい♪




それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を♪






こころ。

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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



ユンホ先生、急患です!







--- 僕の好きな人は、シムくんじゃないよ ---



アパートに戻って、部屋の灯りもつけずにソファに身体を沈めた。
そのまま何をするでもなく、ずっとチョン先生の事を考えてた。


・・・・・「チョン先生・・・」


--- 僕の恋人になってくれないか? ---

--- 目、閉じて・・・おやすみのキスが出来ないよ・・・---

--- 僕はチャンミンが好きだ。ほんとだよ---

--- ・・・好きだよ・・・チャンミンが好きなんだ---

--- ここに居るよ・・・ずっといるから、おやすみ・・・---



先生・・・僕も好きです。
チョン先生が好きです。

例え貴方に婚約者がいても、
例え貴方が僕を騙していたとしても・・・


でも・・・

もう終わったんですね。


--- 僕の好きな人は、シムくんじゃないよ ---


短い間だったけど、とても・・・

とても幸せでした。


さよなら、チョン先生・・・

さよなら、ユンホ先生・・・



--- はい、違います・・・・---











仕事は変わりなく順調。

忙しくて、時々辛くなるけれど、今の僕にはそのくらいの方が丁度いい。
忙しくしている間だけでも、チョン先生の事を考えなくて済むから・・・・・・


--- あ、ユンホ先生!! おはようございます---


今日もナースステーションに先輩たちの黄色い声が飛び交う。

人間の記憶や感情なんて、案外単純で簡単にできてる。

失恋して相手に会わなくなったら、少しずつ恋する気持ちも小さな隙間から零れ落ちて・・・
そして、いつの間にか新しい相手と恋をして・・・そうやって自然と時間が解決してくれるものだけど・・・


僕の場合は・・・


「シムくん、昨日オペのカンさんの容態はどうですか?」

・・・・・「はい、夜に少し胸の痛みがあったと報告を受けています。
チョン先生の指示通りのお薬で、朝には回復されていました。」

「そうですか、分りました。」


そうはいかない。
職場ではどうしても顔を合わせることになる。

けど、あれからすでに1か月以上・・・
平静を装う事にもずいぶんと慣れた。


いまだに先生の顔を見ると、胸が痛む。
諦めの悪い僕の恋心・・・

いい加減にしろって、自分に何度言い聞かせても、心が好きだと訴える。

けど、僕は決めている。

もう、チョン先生の事は諦めるんだと・・・

いくら時間がかかろうと、僕のこの気持ちは、心の奥深くの宝箱にそっとしまいこんで、
鍵をかけておくんだって・・・

それなら、先生に迷惑はかからないよね?




そんな、どうしようもない気持ちを胸の奥に隠したまま、時間だけが過ぎて行った。







--- チャンミンか? 久し振りだな・・・元気か? ---

・・・・・「キム先生・・・」



--- お前ら見てたら、じれったくて・・・ちゃんと話して来い・・・な?---



あの日以来、キム先生とは病院以外の場所では会っていない。
けれど、僕のことをとても心配してくれて、時々こうやって電話をくれる。


・・・・・「キム先生は、お忙しくて身体壊していませんか?」

--- あぁ、大丈夫。チャンミン・・・あのさ・・・---

・・・・・「ふふ、またですか?キム先生」

--- なぁ、チャンミン、もう一度話せよ・・・---

・・・・・「キム先生・・・前にも言いましたけれど、僕はもう・・・」

--- チャンミン・・・あいつさ、婚約解消したよ---


婚約解消? チョン先生が?


・・・・・「ど、どうしてですか?」

--- 理由は・・・直接ユンホに聞いた方がいい。俺が話すべきことじゃない・・・---

・・・・・「でも、僕にはもう関係ないですから・・・」

--- ほんとに? 関係ない?---

・・・・・「・・・・・はい」

キム先生は、電話の向こうで大きなため息をついて・・・

--- なぁ、チャンミン・・・覚えてるか?---


〝 ユンホ、お前を利用してる・・・騙されてる、チャンミン・・・〟
〝あいつは、チャンミンのこと何とも思ってないよ、好きじゃない〟



--- ユンホがお前を・・・男を好きだと言った時、一番最初に思ったんだ。
ルナとの婚約を解消するために、男を好きだと偽って、
ルナのほうから婚約を破棄させようとしているんじゃないかってさ・・・---

・・・・・「どういう意味・・・ですか?」

--- あいつさ、医者になったころからの夢があってさ。どうしても、その夢を叶えたくて・・・---

・・・・・「夢・・・」

--- ルナとは兄妹みたいな関係で、自分の勝手な夢にルナを巻き込むのは嫌だって、なにカッコつけてんだか・・・---

・・・・・「・・・・・」

--- ユンホの事だから、自分から婚約解消なんて、そんなことになったらルナに傷がつくんじゃないかって・・・
きっと、そう考えたんだと思う。---


そうだね、それはきっと間違っていない。

チョン先生はとても優しい。
だから、ルナさんの事を想ってそう考えるのも当然のことだ。


--- あいつがまさか男を・・・だから、チャンミンを・・・俺が好きなチャンミンを利用するなんて許せないと思ったんだ。
俺は・・・俺はお前に本気だったから・・・けど、、、---

・・・・・「キム先生。もういいんです。終わったことです。」

--- 本当に、終ったのか? お前はそれでいいのか?---

・・・・・「僕は、チョン先生の事を信じてあげられませんでした。疑ってばかりで何も聞こうとしなかった。だから・・・」

--- チャンミン、あいつはお前のことを心から愛してた。俺が言ったことは、俺の勘違いだったんだ。---

・・・・・「キム先生、ありがとうございます。でも、僕は・・・そっと遠くから見ているだけでいいんです。」

--- 俺のことなら、気にしなくていいから・・・眠ってるお前がユンホの名前を何度も呼びながら泣いてるのを見てさ・・・
正直白旗上げたよ。降参だ・・・---

・・・・・「ごめんなさい・・・僕・・・」


キム先生の優しさにずっと甘えてきた。
僕の全部を許してくれる人・・・そんな居心地がいい場所を手放したくなくて・・・


・・・「キム先生、ずっと僕の傍にいてくださってありがとうございました。
ちゃんと、お礼を言わなくちゃって、そう、思ってました。やっと言えた・・・」


--- 俺は、お前に幸せになってほしいだけだよ。後悔だけはしてほしくない・・・---







それから1週間後・・・



--- ちょっと!!!!! 嘘でしょ?---

・・・・・「おはようございます。先輩、また何かあったんですか?」


相変わらずの朝・・・
廊下の向こうから、先輩が息を切らせながら走ってきた。

そして、また、いつもの・・・


--- 少し、静かにしなさい・・・私から話しますから・・・---


あれ? 今日は婦長の声が・・・いつもと違う・・・


--- みなさん、集まってください。---


婦長の声で、ナースステーションに居た看護師たちが集まってくる。


--- ご本人からのお知らせが一番いいかとは思いますが・・・
次にここに居らっしゃるのがいつになるか分りませんので、、、皆さまに伝言を預かっています。---


婦長のいつもとは違う雰囲気の言葉に、その場全体がざわつき出す。


--- 実は、チョン・ユンホ先生が・・・急ですが、この病院をお辞めになられました---


えっ?

看護師たちのざわめき・・・


〝皆さんに、ご挨拶もせずに申し訳ありません。これからも患者さんのために一生懸命看護の道を歩んで行ってください。
いつかまた、皆さんにお会いできる日が来ることを祈ります〟





それが、チョン先生がみんなに残した言葉だった・・・








17へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
いつもお部屋に来てくださってありがとうございます。

昨夜は、サッカーを見るのに少し夜更かししまして、
寝不足な1日でした。

特にサッカーに興味はなくて、
どちらかというと野球派なんですが、
それでも子供たちと一緒にテレビ観戦していると、熱くなりますよね。
ルールはちっともわかりませんけど(;・∀・)

次の試合も頑張れっ!!i日本!!




それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を♪






こころ。

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