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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



横恋慕。3



車を飛ばし、ソン・ユナからのメッセージに記されていた店の前に車を横付けする。


「ここか、、、」


車から降りて、店の名前を確認した。

そこは、最近オープンしたのか?
新しいビルの1階にある居酒屋。

どうしてこんなところにチャンミンが?

頭の中に浮かんだあれこれ、、、
だが、考えたって答えは出ない。

店の扉を開き、脚を踏み入れた。


店内は結構賑わっていて、目立つのはチャンミンと同世代くらいの若い客。
店員が俺の姿を見つけ、〝いらっしゃいませ、、、〟と声をあげた。


「すいません、、、連れを迎えに、、、」

--- あ、はい、どうぞ、、、---


断りを入れ、店を見渡す。

すると、こちらを見つめるその目を見つける。


目が合うと、ニヤリと笑った。



「チャンミン、、、」


一番奥のテーブル席。
脚を止める。


--- 早かったですね ---

「何をしてる?」

--- 別に、、、2人で飲んでただけですよ ---


テーブルには、ユナとチャンミンだけ。


--- 連れは先に帰っちゃいました ---


テーブルの上にはビールのグラスが4つ。
他にも誰かいたのか、、、

まさか、チャンミンが酒を飲むなんて想像もしてなかったからか、
驚いたけれど、それ以上に、俺の感情を揺らし激怒させたのは、、、


--- チャンミンくん? チャンミンくん? ---


ユナの膝の上にある、チャンミンの頭、、、
チャンミンの耳元に囁きながら、白く細い手がチャンミンの髪を撫でる。


--- チャンミンくん、、、お迎え、、、来てるよ? ---


この女、、、
わざとだ、、、

俺の反応を確かめるように、チラチラと俺を見ている。

確実に、その意図をもった手が、
イヤらしくチャンミンに触れている。

頭に血が上るとは、このことだ。


一体、どういうつもりだ?



「チャンミン、、、迎えに来たよ、帰ろう、、、」


そう言うと、伏せられたままだったチャンミンの瞼が、
ゆっくりと開いて、、、


・・・・・「ヒョ、、、ン?」

「そうだよ、迎えに来た。帰ろう、、、」


どれほど飲んだのか、ぼんやりとしたままのチャンミンは、
言うことをきかない身体をゆっくりと起こす。


・・・・・「どうして、、、ヒョン、、、」


俺に向かって伸びてきた手を取る。


「帰るよ、チャンミン」


身体を俺に預けるように、ダラリともたれ掛るチャンミンを抱えるようにして、
そこから歩き始めた。


「大丈夫か?」

・・・・・「うん、、、ヒョン、、、ヒョン、、、ごめんね、、、」


店を出る前に会計を済ませ、表に出る。
すると、ユナが俺達を追うように程なくして店を出てきた。


--- 私も送ってくれるんでしょ? ---


助手席にチャンミンを座らせ、シートを倒す。
扉を閉めて、振り向いた。


「悪いが、そんな暇はない」

--- えっ、、、し、信じられない、、、女の子を放っていくの? ---

「迎えに来てくれる男がいくらでもいるだろう、電話しろ、、、」


吐き捨てるようにそう言って、
ユナの手にしていたチャンミンのリュックを奪う。


--- 信じられない、、、---


捨て台詞のようにそういうと、
俺に背を向け、去ってゆく。

その背中を見送ることなく、
俺は車に乗り込み、発進させた。



赤信号で止まる。

チャンミンは、助手席で小さな寝息を立てている。


さて、どうしたものか、、、
この状態のチャンミンを、家の前で放り出すわけにもいかない。

時計はもうすぐ23時になろうとしている。



悩んだ末、俺はチャンミンを自分のマンションに運んだ。




「はぁっ、、、」


何とかチャンミンを部屋まで運び、
ベッドに寝かせる。

上着を脱がせ、苦しくないようにシャツのボタンを開けた。


「・・・・・」


ふと、手が留まる。

ボタンを外したシャツの隙間から、
チャンミンの白い肌が見える。

触れなくても分かる、肌理の細かい美しいその肌、、、
思わず、手を伸ばしそうになって、、、

我に返る。

ダメだ、、、

傍に居たら、何をするか、、、
自分を自制する自信が、、、、ない、、、


布団を掛け、ベッドから立ち上がろうと腰を上げたその時、、、


・・・・・「ヒョン、、、」


長い指が、俺の腕にそっと絡みついた・・・・・









54へつづく

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真夜中の観覧車。-scene8-




--- ごめん、、、チャンミン、、、---


ヒョンと出会ってからの僕は、今までずっとヒョンに頼って来た。
悲しい時、苦しい時、辛い時、、、

ヒョンはいつも、僕を大きな腕の中に包んでくれた。

何も言わず、いつも笑って僕を迎えてくれた。


なのに、、、

今、僕の腕の中で震えながら泣いているヒョンは、

僕の知ってるヒョンじゃない。
僕の知ってるソン・ユンスじゃない。

こんなに、細く小さくなって、、、

どんな思いで、、、
どんな気持ちで、、、

毎日を過ごしていたのか。
それを思うと、胸が痛い、、、



・・・・・「ヒョン、、、」

--- ごめん、、、チャンミン、、、---


ただ、〝ゴメン〟と、それだけを繰り返す。
何度も、何度も、、、


・・・・・「ヒョン?」

--- ・・・・・ ---

・・・・・「一緒にご飯食べよう」



そう言うと、ヒョンはゆっくりと顔を上げ、
僕を見て、ふっと笑った、、、



・・・・・「美味しい? 簡単な物しか作れないけど、、、」

--- とっても美味しいよ。なんだか久しぶりだ、こんなに美味しいものを食べるの、、、---

・・・・・「良かった。いっぱい食べて早く元気にならないと、、、ね?」


ん、、、と、微かな声で頷いたヒョンは、
スプーンですくったお粥を口に運ぶ。


テーブルの上には、コンビニで買ったカップ麺。
お粥を作るのに足を踏み入れたキッチンにも、簡単なインスタントばかりだった。

そんなのじゃ、怪我も治るはずない、
元気が出るわけもない。


・・・・・「ヒョン、、、どのくらいで治るの?」

--- ん、、、完全に元に戻るには、3ヶ月は掛かるだろうって、、、---

・・・・・「3ヶ月、、、」

--- 仕事は、無理のないようにやってる。
同僚が気遣ってくれて、内勤が中心だから、そんなに不便じゃないよ---

・・・・・「そう、、、」


不便はないと、そうヒョンは言ったけれど、利き手が使えないなんて、
不便に決まってる。


毎日の食事はどうしてるんだろう?
洗濯や掃除は? お風呂は?
色んなことが、頭の中をぐるぐると回る。

聞きたかったけれど、聞けなかった。




食事を終えて、少しだけ部屋を片付ける。


--- ごめんね、チャンミン、、、---

・・・・・「ヒョン、、、会ってから〝ゴメン〟ばっかり、、、」


そう言って笑うと、少しだけヒョンも笑う。


・・・・・「ほらほら、いいから座ってて?」


温かいコーヒーの入ったマグカップを手渡し、ソファに座るように促す。
少し申し訳なさそうに目じりを下げて、また〝ゴメン〟と言ってソファに座る。


部屋を片付ける僕を、ヒョンはずっと見つめてる。
いつもなら、〝恥ずかしいから〟何て、可愛くないことを言うけど、、、

今日は、僕は黙ってヒョンの視線を受け止めた。



--- ありがとう、チャンミン、、、---

・・・・・「どういたしまして、、、」



気が付けば、窓ガラスの向こうの空は、夜の色に染まっている。
星が綺麗だ・・・


・・・・・「ヒョン、、、僕、そろそろ戻るよ、、、」

--- うん、、、---

・・・・・「少しだけど、冷蔵庫におかずを入れてるから、、、」

--- うん、、、---

・・・・・「インスタントばかりじゃダメだよ、食事はちゃんと摂って、早く元気になってね」

--- うん、、、ゴメン、チャンミン、、、送ってあげられなくて、、、---

・・・・・「いいんだよ、、、気にしないで、、、」


表通りまで送るというヒョンを玄関先で止めて、、、


--- チャンミン、、、僕はもう大丈夫だから、、、心配しなくていいよ---


なんだかヒョンのその言葉は、
まるで、自分に言い聞かせているような、、、そんな風に感じた。


・・・・・「うん、、、また、連絡するよ」

--- 今日は、ありがとう、、、---

・・・・・「じゃあ、、、」


僕たちの間に、次の約束の言葉はない。



扉を開け、脚を踏み出す。
ゆっくりと、閉じてゆく扉、、、


振り向いたその時、、、


・・・・・「ヒョン、、、?」


扉が閉まる僅かな瞬間、
その隙間から、ヒョンが泣いている顔が僕の瞳に映り込んだ・・・・・







131へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
お天気があまりよくないようですが、
今日も1日、素敵な日になりますように。


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純愛。1




キュヒョンと別れて、アパートに戻る。
鍵を取り出し、扉を開くと、ギーーーッと嫌な音がして、思わず顔を顰めた。

着替えを済ませて、ペットボトルの水を手に、ソファにダイブする。


・・・・・「はーーっ、、、」


見慣れた天井。
けど、脳裏に浮かぶのは、ヒョンとリンさんの姿・・・

腕、組んでたな、、、

それに、ヒョンはやたらとめかしこんでた。
あんな洋服、いつ買ったんだろう、、、

ぼんやりそんなことを考えていたら、
いつの間にか窓の向こうの空が、夜の色に染まっていた。


・・・・・「シャワー、、、浴びよ」


おもむろにソファから立ち上がり、
着替えを手にしたところで、〝コンコン〟と、遠慮がちに扉をノックする音が聞こえてきた。

誰だろう、、、こんな時間、、、


ひょいっと、窓から店の方を確認する。
まだ、店の灯りは付いてるから、ヒョンじゃないことは間違いない。

第一、ヒョンはノックなんてしない。


着替えを手にしたまま、扉に向かう。


耳を当ててみるけれど、何の音も聞こえない。

そっとドアノブを握り、扉を開くと、、、


・・・・・「ジミン?」

--- チャンミンくん、こんばんは ---


思ってもみなかった、ジミンの訪問。
キッチンからちらりと覗くと、バッチリ目が合う。


・・・・・「ほら、、、」

--- ありがと ---


コーヒーの入ったマグカップ。
色違いのお揃いは、ジミンが買って来たもの。


・・・・・「どした? こんな時間に、、、」

--- うん、、、今日、近くの友達の家で勉強してて、、、その帰り ---

・・・・・「そっか、、、」


ジミンがこの部屋に来るのは初めてじゃない。

テーブルの上に飾られた2人が映る写真だって、
ジミンが持ってきて飾ったものだ。


この部屋にジミンがいることに、特に違和感はないけれど、、、


何だろう、、、
やっぱりいつもと何か違う、、、


・・・・・「なぁ、ジミン」

--- ん? なぁに? ---

・・・・・「化粧、、、してる?」


いつもと感じが違うのは、化粧のせいだろうか、、、


--- やだ、チャンミンくん、、、お化粧はいつもしてる ---

・・・・・「だよな、、、」


今時、女の子は学校にも化粧してくるし、、、
なら、どうしていつもと雰囲気が違うんだろう、、、


思わず、ジミンの顏をまじまじと見つめてしまう。


--- もう、チャンミンくんたら、、、---


ジミンの言葉に、ハッと我に返る。
ジミンの頬が、真っ赤に染まっていた。


--- そんなにジロジロ見ないで、、、恥ずかしいよ、、、---


恥ずかしそうに俯いて、俺から視線を逸らすジミンを見て、ハッと気が付く。
ようやく、その理由が分かった。


・・・・・「あぁ、、、」

--- えっ? ---

・・・・・「い、いや、、、」

--- どうしたの? チャンミンくん、、、---

・・・・・「うん、、、その、、、」

--- ・・・・・ ---

・・・・・「リップの色、、、変えたんだなって思って、、、」


ジミンの少し厚めの唇が、いつもよりも赤いリップで彩られている。
いつもの印象は、薄めのピンク。

だから、いつもよりも口元が強調されて、
なんだか違う雰囲気だと思ったんだ。


--- チャンミンくん、、、---

・・・・・「いや、なんだかいつもと雰囲気が違っ、、、」


〝違って見えたから、、、〟


そう言いたかったのに、
俺はその瞬間、身体が固まって動けなくなっていた。


--- チャンミンくん、、、嬉しい ---


〝嬉しい〟?
女の子の言うことは、時々理解しがたい。


ソファに並んで座っていたジミンの身体が、俺に密着してる。
細い腕が、俺の身体に巻き付いてて、、、


・・・・・「ジ、、、ジミン?」

--- チャンミンくん、、、私の事、好き? ---

・・・・・「えっ?」

--- 一度も、、、聞いてない、、、---


そう言われて、気が付いた。
俺は、ジミンに一度も〝好き〟だと、口にしたことがなかった。


--- チャンミンくん、、、時々、私と居てもぼんやりしてる。だから、心配で、、、---

・・・・・「そんな事、、、ないって、、、」

--- じゃあ、私の事、、、好き? ---


もし、今ここで〝好き〟だとそう答えたら、
僕は、嘘をつくことになるのだろうか、、、

違う、、、
違う、俺は、嘘なんてつかない、、、


・・・・・「す、好きだよ、、、ジミン、、、」


俺のその言葉に、ジミンがゆっくりと顔を上げ、俺を見上げる。

ツヤツヤで、プルプルの赤い唇・・・・・
ドキン、、、と、心臓がはじけて、、、

ジミンの瞳が、そっと閉じられる。


この誘惑に、勝てる男はそういない、、、はず、、、


ちょっと戸惑いながらも、
俺は、ジミンの魅力的な唇に、そっと自分の唇を重ねる。


あ、、、いい匂いがする、、、


と、そう思ったその時、、、



「おーーーーいっ、チャンミーーーン!!」


大きな音を立てながら、
乱暴に扉が開いた。









30へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
今日の定時更新は、「横恋慕。」の予定でしたが、
実は上の娘が急病のため、朝から1日病院に居たので、書く時間が持てませんでした。
珍しく1話書き溜めた〝純愛。〟が保存していましたので、こちらを更新させていただきます。

久し振りに大きな総合病院へ行きましたが、
病院って、あんなにどこから人が集まってくるんだろうと思うほど沢山の人で、、、
検査が長くかかったので、戻ってから頭が痛くて(;・∀・)

明日はスッキリして更新したいと思います。



それでは、本日はこのへんで♪
おやすみなさい。





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私の心の中のお話です。
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純愛。1


3年になって、回りは一気に受験モードに突入した。
俺はというと、まだ、そんなに実感がなくて、、、


--- って言ってもさ、あと数か月で俺らの人生が決まる ---

・・・・・「大げさだな、キュヒョンは、、、」


放課後、久しぶりにキュヒョンと下校する道すがら、
キュヒョンの誘いで入ったハンバーガーショップで、テーブルを挟んでキュヒョンと話す。

ポテトフライを摘まみながら、時折大きなため息を吐くキュヒョンは、
最近、上手く勉強がはかどらないようだ。


--- チャンミンは? 考えてるんだろ? ---

・・・・・「ん、、、まぁ、、、」


と、曖昧な返事で誤魔化す。


--- いいよな、、、お前は勉強しなくてもそこそこ頭いいし、、、---


ヒョンに聞いた事がある。


〝お前の父さんは、いつも学年で1番だったんだぞ?〟


父さんや母さんのことを、ヒョンに聞いたことは無い。
小学校5年までの記憶は、今でもちゃんと心にも頭にも残ってるし、
2人の笑った顔や、怒った顔もちゃんと覚えてる。

ただ、その記憶はそれ以上増えることは無い。
必死に、忘れないように、、、そう思うだけ。


・・・・・「そんなことないって、、、」

--- まぁ、受験生のくせに、頻繁に彼女をアパートに連れ込むとか、あり得ねぇけどな ---

・・・・・「連れ込むって、そういう言い方は止めろ」

--- で、、、どう? ---

・・・・・「何が?」

--- しらばっくれるなよ、、、お前とジミンがヤったのかヤってないのか、3年男子の恰好の話題だぜ? ---



みんな、勉強のし過ぎで頭がおかしくなってんじゃーないか?


・・・・・「ヤってねーーよ」

--- マジかぁ、俺、ヤってる方に賭けたのに、、、---


呆れたように大きなため息を吐くと、
キュヒョンは声をあげて笑う。

正直、1週間に1度のペースで、ジミンは俺のアパートに来てる。
けど、そう言うのは全然なくて、、、

一緒に借りてきたDVD見たり、受験用にテキストを教え合ったり、
ゲームしてみたり、、、そんな感じだ。


--- とにかくさ、俺はお前がジミンと付き合い始めて良かったって思ってる---

・・・・・「・・・・・」


コーラの入ったカップを手に、ちゅーっと音を立てて飲み干すと、、、


--- ユンホさんのこと、引きずるのかと思ってたからさ、、、---

・・・・・「そんなこと、、、」

--- ・・・・・ ---

・・・・・「ちょっとした気の迷いだったんだって、、、ヒョンは、男だしさ、、、」



そう、思おうとして必死なんだって、キュヒョン、、、

キュヒョンは、ストローを咥えたままじっと俺を見つめて、
そして、、、

ちょっとわかりやすく無理に笑う。


--- だよな? そうだよな? ---

・・・・・「あったり前だろ、、、」

--- うん、、、---


多分、キュヒョンは分かってる。
俺が、マジでヒョンの事を好きだったこと、、、

それでも、それ以上何も聞かないで言わないでくれる。
やっぱ親友だ。


--- さて、、、帰って勉強するか、、、---

・・・・・「ん、、、そうだな、、、」


テーブルの上を片づけ、椅子を引いて立ち上がる。


フッと、顏を上げてキュヒョンを見ると、
窓ガラスの向こう側をじっと見つめていて、、、


・・・・・「どした?」

--- あ、いや、、、何でも、、、ない、、、---


振り返ると、、、


・・・・・「ヒョン、、、」


窓ガラスの向こうの通りに、ヒョンの姿が見える。

見たことない洋服を来て、
その隣には店で見る時よりも綺麗にオシャレをしたリンさんが、ヒョンと腕を組んでいる。


2人は、笑いあいながら、楽しそうに歩いていた・・・・・







29へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
早朝の更新なんて、初めてかな? フフ

今日も素敵な1日になりますように(^^♪

いつもありがとうございます。




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真夜中の観覧車。-scene8-




ユノヒョンは、笑って僕を送り出してくれた。
ユノヒョンの車を見送って、僕はくるりと振り返り、マンションを見上げる。


ここにいるのだろうか?
けど、思いつくのはここしかなかった。

ポケットからスマホを取り出し、ヒョンのナンバーを表示させる。

〝ユンスヒョン〟

コールするか暫く悩んで、、、


・・・・・「いや、とにかく行ってみよう」


スマホをポケットに納め、マンションのヒョンの部屋に向かって歩き出す。


次第に高鳴る鼓動。
一歩、二歩と脚を進めたその時、、、



--- チャンミン? ---



脚が留まる。
振り向くのが怖くて、脚が小さく震える。


--- チャンミンだろ? ---


もしかしたら、会えないかも、、、そう思っていた。
ここに居ないかも?

そんな風に考えていたのに、不意に訪れた、、、再会、、、


飛び出してしまいそうな心臓を右手で抑え、
ゆっくりと振り返る。


・・・・・「ヒョン、、、」


僕の顏を見て目を見開いたヒョンは、すぐに表情を崩し、泣き出しそうな顔をした。
暫く会わない間に、髪が伸びて随分と痩せている。

ヒョンの利き手の右手には、グルグルと包帯が巻かれ、肩から吊られていた。


--- 来て、、、くれたの? ---

・・・・・「ヒョンが、、、心配で、、、」


僕の言葉に、一瞬、ヒョンは嬉しそうに笑ったけれど、
でもすぐに表情を曇らせて、、、


--- ごめん、、、僕がおかしな電話をしたせいで、、、---

・・・・・「そんなことないよ、、、」


ヒョンの左手には、コンビニの袋がぶら下がっている。

僕は、ヒョンに近付き、その袋をヒョンの手から取りあげた。


--- チャンミン? ---

・・・・・「ヒョン、喉が渇いた」


そう言って、僕はマンションのエントランスに向かって歩き出す。

後に居るヒョンの顏は分からなかったけど、
僕の足音に重なるように、ヒョンの足音がすぐに聞こえてきた。






--- どうぞ、、、散らかってるけど、、、---

・・・・・「お邪魔します、、、」


〝散らかってる〟

そう、ヒョンが言った通り、以前来た時に比べて、
部屋は雑然としていた。


--- コーヒーでいい? ---

・・・・・「うん」


ヒョンは、ポケットに入っていた財布をテーブルの上に置くと、
そのままキッチンへ向う。

僕は、立ったままで部屋を見渡していた。


なんだか以前と空気が違う。

何だろう、、、
そんな事をぼんやりと考えていた時、、、


--- あっ、、、---


ヒョンの声が聞こえて、僕は慌ててキッチンへ向った。

使い慣れない左手だけで、カップにコーヒーを注ごうとしていたヒョン。
うっかりしていた。


・・・・・「ゴメン、、、ヒョン、僕がするよ、、、」

--- ごめん、、、頼むよ---


並んだ2つのマグカップ。
いい香りのするコーヒーを注いで、リビングに向かう。

テーブルの上に静かに置いて、ヒョンと並んでソファに座った。


--- 久しぶりだね、チャンミン、、、---

・・・・・「うん、、、」

--- なんだか少し、大人っぽくなってる---

・・・・・「そうかな? 」


隣に座るヒョンの視線を感じる。

その圧倒的な熱を持つ視線に、僕は振り向く勇気がなかった。
手を伸ばし、マグカップを取ると、コクリ、、、と一口飲む。

喉元を過ぎるコーヒーの温度と味が、ほんの少しだけ、僕の心を落ち着かせてくれた。


マグカップを置き、ヒョンの方を向いて視線を合わせる。


・・・・・「ヒョン、事故って? 怪我は?」


そう口にしてから、ハッと気づく。


伸びた前髪の陰に、痛々しい傷、、、
頬にも、そして、顎にも、、、


・・・・・「ヒョン、、、き、傷、、、」


狼狽える僕を見て、ヒョンは優しく笑った。


--- 大丈夫だよ、心配かけて、ごめんね ---


そう言いながら、ヒョンは泣いていた。





分かってる。

ヒョンは、怪我が傷むから泣いてるんじゃない。
骨折した腕が傷むから、泣いてるんじゃない。


泣いてるのは、ヒョンの心・・・・・


僕を見つめるヒョンの瞳が、余りにも悲しすぎて、、、


僕はヒョンに腕を伸ばし、震えるその身体を抱きしめた、、、







130へつづく

今日から、更新時間の変更をしています。
よろしかったら、前記事のお知らせをご覧ください♪
よろしくお願いします。


それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい(^^♪




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読者の皆さま、こんにちは。
晴れ、ときどき雨・・・こころ日和。 管理人のこころ。です。
いつもお部屋に遊びに来て下さって、ありがとうございます。


いくつかお知らせを。


まず、タイトルにもありますように、
お話の更新時間を変更させていただきたいと思います。

現在、02時、15時、22時 更新と、史上まれにみる(笑)ハイペースの更新を続けていますが、
私、もう一つお部屋を持って居まして、そちらでも1日1度更新しています。

どちらのお部屋でも、出来るだけ長く毎日更新を続けて行こうと思いますので、
こちらのお部屋での更新回数を1日1~2回に変更させていただきます。

先日、久しぶりにコメント欄を開けましたところ、
1日3度の更新をとても楽しみにして頂き、喜んでいただいている読者さまがいてくださったので、
非常に申し訳なく思うのですが、自分のペースで、ぼちほぢ(笑)続けて行こうと思いますので、
どうぞ、ご理解ください。

ということで、通常更新は変わらず22時に。
それ以外の更新は、朝6時に変更したいと思います。

この時間帯更新をおためしで続けてみて、また私の都合で変更になるかもしれませんが、
暫くは 、6時と22時で進めたいと思います。

お話は、現在の 

真夜中の観覧車。-scene7-

 「真夜中の観覧車。」



横恋慕。3 

「横恋慕。」



純愛。1 

「純愛。」



の3作の中から、更新にムラが出ないように調節しながら更新します。
どうぞよろしくお願いいたします。
(というか、皆さんはどのお話が好き? 笑)


※本日の更新は、22時のみです。

明日からの更新は、22時が定時更新です。
その他のお話の更新がある場合は朝の6時となります。
お時間のある時にでも、覗いてみてくださいね。




そして、もう一つ。


現在のこのお部屋は、こころ日和。の本館となっています。
旧館からの読者さまはご存知だと思いますが、
このお部屋を新たに新設した際、スマホ版の設定をしていませんでした。

その件に関して、以前から〝読みにくい〟とご指摘を受けていましたが、
私自身が、PCからの更新であること、
PC用のテンプレートに合わせた書き方(行間や改行など)をしていることが理由で、
今日まで設定を先送りしていました。

しかし、最近また、いくつか同じようにコメント欄に書きこまれた方がいらっしゃったので、
この際スマホ版の設定をしようかと思います。

けれど、私はPCでないと文を書くことができないので、
行間や改行など、スマホ版では可笑しな部分も出てくるかと思いますが、
その旨、御了承ください。

自分でも可笑しいと思うんですけど、
文の書き方や設定とか、書いてるものとしては、いろいろこだわりがあるので(笑)

ということで、PC版もしくはスマホ版、読者さまの読みやすい方でお楽しみいただけたらと思います。
準備出来次第、設定します。


お知らせは以上です。


今後とも、こころ日和。をよろしくお願いいたします♪


更新時間やテンプレートの件などで何かあれば、
こちらの記事のコメント欄を開けますので、書きこんでください。



それでは、素敵な1日を♪





こころ。

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純愛。1





--- チャンミンくーん、お待たせっ! ---

「おう、、、ちょっと待ってて」


1日の授業が終わると、廊下からジミンが俺を呼ぶ声が聞こえる。


--- おーっ、チャンミン、今日もデートか? --

・・・・・「僻むな、僻むな、友よ」

--- しかし、ジミンが彼女とか、羨ましい限りだぜ。チャンミン、、、---

・・・・・「ん?」


急いで帰り支度をしながら、クラスメイト達の僻みを受け流していると、
前の席に座る友人が立ちあがり、そっと俺に耳打ちする。


--- お前さ、もうジミンとヤったのか? ---


あーぁ、イヤだね、、、
男同士だと、こんな話題ばっかりだ。


・・・・・「バーーーカ、、何言ってんだよ」

--- あー誤魔化しやがったな。さてはヤったな。白状しろ! ---

・・・・・「例えそうだとしても、お前には教えねぇよっ!じゃあなっ」


鞄を手に、友人を適当にあしらい、
ジミンの待つ廊下に出る。


・・・・・「お待たせ」

--- チャンミンくん、あのね、、、---

・・・・・「うん、、、」


廊下を並んで歩き出す。

こんな風に一緒に下校するようになって、
最初はみんなに冷やかされてばかりだったけど、、、


--- チャンミン、また明日なー---

・・・・・「おーっ」


何時しか俺とジミンは、〝公認カップル〟のようになっていた。






〝可愛い人だなって、、、そう思ってる〟



あの夜、、、

ヒョンのリンさんに対する気持ちを聞いたあの夜、
俺は自分の持ってる涙がすべて出てしまったんじゃないかと、
そう思うほど、泣いて泣いて泣きつくした。

朝起きたら、目も当てられない酷い顔になってて、、、



次の日、日曜なのをいいことに、俺は一日アパートの部屋で過ごした。

ヒョンには適当な嘘をついて、顏を合わさないようにした。
店も忙しかったからか、


〝チャンミン、飯は?〟


そう、短いメッセージが来ただけで、、、


〝適当に食ったよ。お腹いっぱい〟


そう返信すると、それ以上の返信は来なかった。



スマホをソファに投げ置いて、窓から夜空を眺める。

遠くの空が、ピカッと光って、、、


・・・・・「あっ、、、流れ星、、、」


願いごとを3回繰り返し言えたら、その願いが叶うって言うけれど、、
実際、3度も口にするのは難しくて。


〝ヒョンが幸せになりますように、、、〟


そう、1度だけ願いを空に向けた。


すると、その時、店の扉が音を立てて開く。

表看板の灯りはもう消えていて、
扉から出てきたのは、ヒョンとリンさん。

2人の手が、繋がれているように見えた。



〝じゃあ、付き合うんだね〟


あの僕の問いに、ヒョンは返事をしなかった。
いや、出来なかったんだとそう思う。

俺に遠慮して、きっと悩んでいたに違いない。


楽しそうに微笑みあう2人の姿が、俺の胸を刺す。


俺は、ついさっき願いを掛けた空をもう一度仰いだ。


これでいいんだ。
ヒョンに幸せになってもらいたいんだろ? チャンミン、、、


俺も前を向こう。

ヒョンに心配を掛けないように、一生懸命勉強して、
そして、新しい恋をしよう。

きっと、いつか、〝そんな時もあったよな、、、〟なんて、思える時が来るさ、、、

夜の空に、そう誓った。




あれから、ジミンと俺は、時々屋上でジミンの作った弁当を食べたり、
休日に一緒に出掛けたりして、一緒の時間が増えていった。


あれは、そんな日がどのくらい続いた頃だったか、、、


--- チャンミンくん、、、私達、、、付き合ってるのかな? ---


出掛けた先のカフェで、突然ジミンにそう問われて、、、


その時思ったんだ。

ヒョンが自分から離れていく寂しさを、ジミンで埋めるようなことをしちゃいけないって、、、
ちゃんと、ジミンと向き合おうって、、、


・・・・・「うん、、、俺は、そう思ってるよ」


気が付けば、俺はそう自分に告げていた。


これでいいんだ。
これが正解だ。

きっと大丈夫。
上手くいくさ、、、



その時は、出来ると思ってた。

ヒョンとリンさんを祝福できると、、、
ジミンを好きになれると、、、


そう、思ってたんだ、、、、、







28へつづく


真夜中の更新に、リアルタイムでお付き合い下さる読者さま、こんばんは。
朝、目覚めて読みに来て下さった読者さま、おはようございます。

また1週間がはじまります。
お天気が悪い日もあるようですが、
今週末はもう3月です。
少しは春らしい、暖かい日もあればいいですね。

それでは、今夜はこのへんで。

おやすみなさい♪





こころ。

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ご了承ください。



横恋慕。3



チャンミンとは、暫く会えていない。

大きな仕事が舞い込み、その担当を任された。
今まで以上に、きついスケジュールだ。

チャンミンはチャンミンで、卒業式を無事に終え、
大学の入学の準備で、忙しそうだ。


「ふぅーーーーっ、、、」


午前中の会議を終え、少し気が緩んだ。
皆がぞろぞろと会議室を出てゆく中、椅子に腰かけたまま腕を伸ばし大きく背伸びをする。


高層階の窓の向こうは、青い空が広がっている。


「チャンミン、、、」


つい、心の中の声が口に出る。

立ちあがって空を見上げると、
白い雲が弱い風に流されている。



〝ヒョン? 身体に気を付けてね〟


昨夜、チャンミンから届いたメッセージ。
残業が続く俺を気遣って、最近電話もしてこない。

俺は、完全に〝チャンミン不足〟になっていた。


気が付けば、会議室には俺一人。
すぐに次のスケジュールが入っている。

テーブルの上の資料を片づけ、会議室を後にしようとしたその時、、、


ポケットの中のスマホが揺れる。

電話の相手は、察しが付く。
正直、うんざりだ、、、

ポケットからスマホを取り出し、応答した。


「いい加減にしろ、、、」

--- あ、ユンホさん。やっと出てくれた---


強い口調で話す俺の真意を察することもなく、
声を弾ませ、俺の名を口にする。


数日前、、、

--- 食事に連れてってください。ユンホさん ---

突然現れた彼女、ソン・ユナ。
チャンミンの幼馴染で、同じ学習塾に通う同級生。


あの日から、頻繁にメッセージと電話が俺の元に届く。


「仕事中だ」

--- だって、ユンホさんが出てくれないんだもん、、、---

「切るぞ」

--- あーっ、待って? ユンホさん、今日の夜空いてる? ---

「君に会う必要がない、悪いがもう俺に関わるのは止めてくれ」

--- ま、、、---


そのまま電話を切る。
電源を落として、会議室を出た。






--- チョンさん、お先に、、、---

「お疲れ、、、」


午後22時。
仕事に夢中になり、気が付けば今日もこんな時間。

疲れた、、、

デスクの上のカップを手に取り、口にする。
女子社員が淹れてくれたコーヒーは、冷めきっている。


帰り支度をはじめ、
デスクの上にある、プライベート用のスマホに手を掛ける。

電源を落としたままにしていたことを思い出し、ボタンを押した。

すると、、、

メッセージが5件、、、
そのうち2件は、ドンヘから。

〝おーい、ユーノーっ! 暇なら連絡くれーっ〟

〝おーい、いつものところに1課の奴らと居るから、暇なら来いよー〟


「暇な分けねぇだろ、、、ったく、、、」


苦笑しながら、次のメッセージを開くと、、、


〝ユンホさん、迎えに来て〟


ソン・ユナからのメッセージだった。
もちろん、相手にする気はない。
そのまま、スマホを閉じようとして気が付く。

メッセージに添付された1枚の写真。
開くと、、、


「チャンミン、、、」


そこには、頬を赤く染めて、
机の上の組んだ腕に顔を伏せて眠っているチャンミンの姿、、、

そして、最後のメッセージには、
店の住所が記されてあった。


気が付けば、俺はカバンを手にフロアを駆けだしていた・・・・



こんな時に限って、エレベーターが来ない。
イラつく感情をどうにか抑えながら、その場で待つ。


ようやく到着したエレベーター。
扉が開くと同時に、脚を踏み出した俺は、すぐにその脚を止める事になった。


--- あら、ユンホさん、、、ちょうどよかった ---

「・・・・・」


それは、暫くの間見る事のなかった顏。



--- お元気でした? ---

「はい、おかげさまで、、、」

--- まだいらっしゃるようでしたから、お迎えに上がりました ---


キム・ミンジだ。


「迎え、、、とは?」

---  貴方がいらっしゃるならと、父がお酒でもどうかと、、、---


専務が?

--- これからのことで、お話もあるようですし、、、---


俺が専務の誘いを断ることなど、考えもしていないのだろう。
悪いが、今は専務に付き合っている暇はない。


「専務に、お伝えください。」

--- ・・・・・ ---

「先約がありますので、申し訳ないと、、、」

--- えっ? ---

「では、失礼します、、、」


頭を下げ、ミンジの隣りをすり抜け、
エレベーターに乗り込む。


振り向いたミンジは、目を見開き俺を見つめていた。


静かにエレベーターの扉が締まる。


俺の心は、すでにここにはない。



「チャンミン、すぐ行く、。待ってろ、、、」



いつもよりも長く感じる地上までの距離。

もどかしいくらいの時間をエレベーターの中で過ごした俺は、
そのまま1階をスルーし、地下の駐車場へ向かった・・・・・








53へつづく

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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



真夜中の観覧車。-scene8-




「何があったか、、、聞いてもいいか?」


ダメなのは分かってた。
でも、ユノヒョンのその優しい言葉に、その時の僕は甘えるしかなかった。


・・・・・「ヒョンが、、、」

「・・・・・」

・・・・・「ユ、ユンスさんが、怪我したって、、、」

「怪我?」

・・・・・「事故で、、、」

「怪我の状態は? 詳しく聞いたのか?」


動揺していた僕は、改めて肝心なことをきいていなかったことに気が付く。
ユノヒョンと目を合わし、僕は首を横に振った。


ユノヒョンは、僕をじっと見つめてそして、、、


「心配するな、電話が来るくらいだ。きっと大丈夫」

・・・・・「う、うん、、、」


ユノヒョンの笑顔が、揺れる僕の心を落ち着かせてくれる。
つられるようにして、僕も笑った。


「さ、ベルトして?」

・・・・・「うん、、、」


シートベルトを締めると、車はゆっくり動き出した。



涙は何時しか止まっていた。
けど、頭の中はヒョンの怪我のことで一杯で、、、

ぼんやりしていたんだと思う。
対向車線から聞こえたクラクションの音で、ハッと我に返った。


・・・・・「あれ?」


窓の外、、、

流れる景色は、さっき走って来た、見覚えのある道、、、


・・・・・「ヒョン?」

「ん?」

・・・・・「どうして、、、」


僕たちの乗った車は、さっき走ってきた道を引き返していた。


「道、、、教えて、チャンミン、、、」


ヒョンの視線は、前を見据えたまま。

けど、表情は柔らかく笑っているようにも見えた。


・・・・・「ヒョン、、、ダメだよ、、、、」

「心配だろ? 」

・・・・・「でも、、、」

「ちゃんと自分の目で確かめたら安心できる」

・・・・・「ヒョン、、、」


もし、僕がユノヒョンの立場だったとしたら、
こんなこと、、、出来るだろうか?

ううん、、、出来るはず、、、ない。


・・・・・「ヒョン、、、」

「ん?」

・・・・・「ゴメン、、、ね」


僕にはそれしか言えなかった。
ユノヒョンに対する申し訳なさを、どんな言葉で表せばいいのか、、、

そんな言葉、思い浮かばない。


僕のその言葉に、ユノヒョンはふっと笑って、、、


「知ってるだろ? 俺が、お前の泣き顔に弱いって、、、」


運転席から伸びてきたヒョンの掌が、
僕の髪をくしゃくしゃに撫でる。


僕は俯いて、再び溢れそうになった涙を拭った。





窓の外の景色が、色を変えてゆく。


僕は黙ってその景色を見ながら、隣にいるユノヒョンの事を考えていた。


ユノヒョンは、こういう人だ。

自分の気持ちよりも、人の心を思いやれる人。
だから僕は、ユノヒョンを好きになった。

けど、、、

僕はユノヒョンに心配ばかりかけて、悲しませて、、、
甘えでばっかりで、、、

なにやってるんだろう、、、


自分が、惨めで情けなくて、、、
心の未熟さを痛感した。




「ここでいいのか?」

・・・・・「うん、、、」


車が留まったのは、ユンスヒョンのマンションの前。
ここにいるのかは分からない。

もしかしたら病院なのかも?
怪我してるってことは実家だったのかもしれない。

けど、電話をして聞くことを、僕はしなかった。


「大丈夫か?」

・・・・・「ヒョン、、、」

「・・・・・」

・・・・・「本当に、ごめんなさい」

「いいんだ。気にするな」

・・・・・「でも、、、」

「お前が泣くのは見たくない。そう言ったろ?」


ユノヒョンは、いつも言ってた。
僕の笑った顔が好きだと。
いつも笑っていてほしいと。


「さ、、、早く行ってこい」

・・・・・「・・・・・」

「チャンミン、、、俺のことは気にしなくていい」

・・・・・「ヒョン、、、ヒョンはどうするの?」

「そうだな、、、今からもう一度戻るよ」

・・・・・「・・・・・帰るの?」

「あぁ、、、」

・・・・・「ヒョン、、、」

「・・・・・」

・・・・・「夜に戻るよ。だから、、、」

「・・・・・」

・・・・・「僕も一緒に、連れて帰ってほしい、、、」



僕の言葉に、ユノヒョンは一瞬驚いて、、、
そして、少しぎこちなく笑みを浮かべると、


「分かった。連絡して来い。いつでも迎えに来るから、、、」

・・・・・「うん、、、」


その約束を自分の中で、もっと強いものにしたくて、
僕はそっと小指を立て、ヒョンに差し出す。


「小学生かよ、、、」


そんな風に言いながら、ヒョンは少し恥ずかしそうに
僕の小指に、指を絡めた・・・・・







129へつづく

次回、ユンスさんがお久しぶりの登場です。
念のためにお伝えしておきますね♪ ←意味深(?)フフ

いつもお部屋に御訪問ありがとうございます♪
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こころ。

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純愛。1



「チャンミン、あのな、実は、、、、、」


チラチラと俺を見ながら、
ヒョンは自分の心を落ち着けるように、ふーーーっと静かに息を吐いた。


「実は、、、、」

・・・・・「まさか、もうヤったとかじゃないだろな?」


まどろっこしいヒョンの言葉に我慢できなくてそう言うと、


「お、お前、、、ガキが何を言う!!」

・・・・・「その慌てよう、、、怪しい、、、」


目を細めてヒョンをじーーーっと見つめると、
あからさまに視線を泳がせて、、、


・・・・・「ヤったんだろ?」

「ヤってねーよっ!」

・・・・・「どうだか、、、」


怪しい、、、
冗談で言ったつもりが、ヒョンの反応が思っていたのと違っていて、、、


こっちが焦る・・・・・



「チャンミン、、、あのさ、、、」

・・・・・「なんだよ、、、」

「話はあとにしてさ、先に食おう。冷めるしさ、、、」


目の前の並んだ美味そうなおかず。
たしかに、、
腹も減ったし、実はさっきから何度も腹から大きな音が・・・


・・・・・「ん、、、そうしよう」

食べ物の誘惑には敵わない。
何てったって、ヒョンの手料理は久しぶり。

俺は、箸を手にして、

・・・・・「いただきます」

そう言って、トッポギにガッツいた。




・・・・・「ごちそうさまっ!」

「ごちそうさま」


同時に箸を置いた俺達。

テーブルを挟んで、ヒョンは気まずそうに俺を見てる。


・・・・・「で? 話の続き、聞かせてよ」

「うん、、、正直に言うとさ、、、」

・・・・・「隠し事なしだぞ」

「分かってるって、、、だから、、、付き合ってほしいって、そう言われて、、、」


やっぱり、、、
なにかあるとは思ってた。


「それで、、、」

・・・・・「それで?」

「キ、キス、、、」

・・・・・「はぁ? キスぅぅぅ???」

「お前が、隠し事なしだって、そう言うから、、、」


聞きたくねぇこと言わなくてもいいだろ?
察しろよ、、、


「言っとくけど、俺がしたんじゃなくて、不意打ちに、、、」

・・・・・「そう、、、」


なんだか、凄く落ち込む。

俺は、ヒョンが好きな訳で、、、
でも、ヒョンはそんなこと知るはずもなくて、、、


「チャン、、、ミン?」


さっきまでの勢いは何処へやら。
俯いて口を閉じた俺を、不思議そうにテーブルの向こうから覗き込む。


「チャンミン、、、怒ってるのか?」

・・・・・「怒ってなんて、、、ないよ」

「・・・・・」

・・・・・「ヒョン、、、」

「ん?」

・・・・・「ヒョンは、リンさんのことをどう思ってる?」

「・・・・・」

・・・・・「正直な気持を聞きたい」


ヒョンの正直な気持ちを、この耳でちゃんと聞きたい。
そうすれば、俺にも〝覚悟〟が出来るんじゃないかって、、、


「うん、、、可愛い人だなって、、、そう思ってる」


ヒョンが、俺じゃない〝誰か〟に、こころを向けてる。
こんなこと、初めてで、、、

俺は、、、

ショックで、、、


でも、、、ヒョンがそう思うなら喜んであげないと、、、
ヒョンに、自分の人生を大切にしてもらいたい。

それを、俺が邪魔しちゃいけない。


・・・・・「そっか、、、じゃあ、付き合うんだね」

「・・・・・」

・・・・・「ヒョンもさ、いい歳なんだから、いい人見つけてさ、早く結婚しなよ、、、」

「チャンミン、、、」

・・・・・「今まで俺に遠慮してたんだろ? もう、俺に構わなくていいからさ、、、」

「何言ってんだよ、遠慮とかそんなんじゃ、、、」

・・・・・「ヒョン」


ヒョン、、、

もう、随分とヒョンの傍で見てきたから、
ヒョンが何考えてるのか、分かっちゃうんだよ、、、


・・・・・「ヒョンの幸せを、早く見つけなよ、、、」





その夜、、、
俺は、久しぶりに泣いた・・・


ベッドに伏せて、声を殺しながら、、、


ヒョンが遠くへ、、、行ってしまう、、、







27へつづく


真夜中の更新に、リアルタイムでお付き合い下さる読者さま、こんばんは。
朝、目覚めて読みに来て下さった読者さま、おはようございます。

平昌オリンピックも、今日で終わりですね。
昨日は、カーリングとスケートをテレビ前で子供たちと応援しました。
やっぱり日本の選手が頑張っているのを見ると、熱く応援してしまいます(笑)
沢山の感動を感じられた素晴らしいオリンピックでした。

それでは、今夜はこのへんで。
おやすみなさい(^^♪





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