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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



この恋はニセモノ? 1




--- へぇ、、、それはそれは、、、大変だったな? ---


駅前のハンバーガーショップでキュヒョンと待ち合わせる。
久しぶりに会うキュヒョンに、事の成り行きを初めから終わりまで一気に話し終わると、
テーブルの上に置いたままだった、一度も口を付けていないコーラをゴクゴクと喉に流し込んだ。

ふーっ、、、と一息ついて・・・


・・・・・「まぁ、とりあえず落ち着いたんだけどさ、、、」

--- うん ---

・・・・・「ユノがさぁ、、、」


白けた顔をしながら、ポテトフライを次々と口に運んでいる。


・・・・・「おい、、、キュヒョン、真剣に聞いてるのか?」

--- ちゃんと聞いてるよ、、、で、お前はどうなんだよ? ---

・・・・・「どうって?」

--- ユンホさんの事、ちゃんと本気で考えてんの? ---




あの日・・・
ドーナツと焼酎を買って、ユノのアパートへ行って・・・

なんとなく、真面目な話をするのが気恥ずかしくて、
俺は買って帰った焼酎と、ユノの部屋の冷蔵庫にあった缶ビールをがぶ飲みして、、、

悪酔いしたのか、そのままぐっすりと眠ってしまった。


次に目が覚めたら、もう朝になっていて、、、

ユノは、俺の身体をギュッと抱き締めながら眠っていた。

狭いベッドの上、、、
目の前には、伏せられたユノの睫毛。
少し笑ってるように見えるのは、俺の目の錯覚かな?

なんだかそんなユノを見ていると、
らしくないけど、幸せだなぁ、、、
何て、思ってしまった俺。

その後、目を覚ましたユノにヤラれちゃったわけだけど、、、




--- 何ニヤついてんの? キモイんだけど---

・・・・・「い、いや、、、何でもないよ、、、」


キモイって、最近よく言われるな、、、


キュヒョンは、食べ終わったポテトフライの袋をクシャッと丸めて、
トレイの上にポイっと放り投げる。


--- お前さぁ、ユンホさん大切にしろ ---

・・・・・「なんだよ、それ、、、」

--- お前みたいなテキトーなやつに、本気で恋してくれるなんてさ、、、---

・・・・・「テキトーは余計なんだよ、、、」

--- ならさ、ユンホさんにちゃんと伝えろ、お前の口でさ、、、喜ぶぞ、ユンホさん、、、---


ちゃんと、、、、、か、、、


・・・・・「ん、、、そう、、、だよな、、、」

--- あっ! 来た来た!! ユンホさんっ! ---


キュヒョンのその声に振り向くと、ハァハァと息を切らしながら、
ゆっくり開く自動ドア・・・
もどかし気に、隙間をすり抜けて、、、


「チャンミン、、、ごめん、、、遅刻、、、」

・・・・・「ユノ、、、いいよ、、、ほら、飲んで?」


俺の隣りに腰を下ろしたユノに、コーラの入った紙コップの蓋を外し、手渡す。

一気に喉に流し込んで、プハーッと息を注いだ。



「キュヒョン、久しぶり」

--- お久しぶりです、ユンホさん ---

「元気にしてた? 」

--- はい。ユンホさんは、、、いろいろと大変だったようですね ---

「あぁ、、、まぁね、、、」


ユノとキュヒョン、、、
2人して、俺の顔を見てニヤニヤと笑う。

何なんだよ、、、ったく、、、


--- ということで、俺はバイトへ行ってきます ---

「そっか、、、またゆっくりな。飯でも行こう」

--- はい、楽しみにしてます。それじゃあ、、、---

・・・・・「おぉ、またなっ」


席を立ち、キュヒョンが歩き出す。


その背中を見送っていると、突然足を止めて振り向いた。


--- ユンホさん---

「ん?」

トレイの上の、俺のポテトフライを摘まんだまま、ユノはキュヒョンに視線を向ける。


--- チャンミンが、ユンホさんに大事な話があるそうです。
聞いてやってくださいね、じゃあ ---


えっ?

な、なんだよあいつ、、、


キュヒョンが店から出て行くと、
ユノがにっこりと笑って、、、


「話って何? チャンミン、、、」




〝ユンホさんにちゃんと伝えろ、お前の口でさ、、、〟


キュヒョンのあの言葉が、脳裏をかすめた。


「チャンミン?」


隣りに座るユノが、俺を心配そうに見つめてる。

そうだよな、、、
キュヒョンの言う通りだ、、、

自分の気持ちにも、ユノに対しても、きちんとけじめをつけないと、、、な、、、


・・・・・「ユノ、、、」

「ん?なに?チャンミン、、、」

・・・・・「俺さ、、、その、、、」

「・・・・・」

・・・・・「ユノが、、、」

「なに? チャンミン、、、聞こえない、、、」


俯いて、ごにょごにょと囁く俺に、
ユノは耳を近づけてくる。

俺は、ユノの耳に手を当ててそっと唇を寄せる。


誰にも聞こえないように、、、
ユノにだけ、俺の声が届くように、、、


「ユノのこと、好きだから、、、」

・・・・・「チャ、、、チャンミン、、、」


ユノは、ポカンと口を開け、暫く固まっていた。

そして、、、



「チャンミーーーーン!!!」



・・・・・「いっ、、、痛いっ、、、離せよ、ユノっ!!」


賑わうハンバーガーショップの店内で、
ユノは人目をはばかることなく、俺を思いっきり抱きしめた。


店内の客は、チラチラと俺達を見ながらクスクス笑ってる。

気恥ずかしくて、俺はユノの手を振り払う。
けれど、ユノは俺を離さない。


以前なら、そんなユノが煩わしくて、、、
けど、今はなんだか心が温かくて、幸せだなって、そう思うんだ、、、


ユノと俺の恋・・・


時間は掛かったけれど、ようやく、、、


〝ホンモノ〟


になったんだな、、、なーんて、、、
ユノには恥ずかしくて言えないけど、、、



・・・・・「ユノ、、、」

「ん?」

・・・・・「今から映画でも観よっか、、、」

「うーん、、、じゃあさ、DVDレンタルしてアパートに帰ろう」

・・・・・「え?」

「チャンミンとソファでくっついて観たい」

・・・・・「ば、ばかやろ、、、」

「ふふ、、、いいじゃん、、、な?」







この恋はニセモノ? ・・・・・ Fin

読者の皆さま、こんばんは。
「この恋はニセモノ? 」 無事に完結しました。
思っていたよりも長くなってしまいましたが、
楽しんで頂けたならとても嬉しいです。

それでは、今までお付き合いありがとうございました。
また(*´꒳`*)




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この恋はニセモノ? 1




「ソユル、、、その手を離せ、、、」

--- はぁ? ---


なんだ? この状況・・・

俺の左手は、隣に座ったソユルに、
そして右手は、テーブルの横で立つユノに掴まれてる。

身動きが取れない・・・


・・・・・「あの、、、」


「それに、チャンミンにキスするとか、そんなの予定にないだろ?」

--- いいじゃん、昔は私の男だったんだし、、、ユノのケチ ---

「ケチとかそういう問題じゃないだろ? 契約違反だぞ?」



・・・・・「あの、、、」


俺の頭上をユノとソユルの言葉が飛び交う。
どうにか止めたかったけど、余りにも激しい応酬に言葉が出てこない。



--- はぁ? 何言ってんの? 大体、姑息な手を使って女と別れようとするチャンミンが悪い ---

「チャンミンは悪くない! チャンミンの悪口を言うなんてお前、、、
おばさんにバラしてやるっ!」

--- いいわよ、別に、、、その代わり、私だってユノのおばさんにバラしてやるから、、、
ユノがゲイだって!!---

「ゲイじゃないって言っただろ! 俺は男が好きじゃなくて、チャンミンが好きなんだっ!!!」



昼間の静かなカフェで、
こいつら何言ってんだ、、、



--- あーーーーーーのーーーーっ、、、---


その声にハッとして顔を向ける。

騒ぐ俺たちの前で、冷めた目をしてこちらを向いているスジョン、、、


・・・・・「あ、あの、、、スジョン、これには訳が、、、」


苦し紛れに言い訳をしようとした俺に、スジョンはパッと掌を向けて首を振る。


--- 要するに、、、---


人差し指を立て、ソユルを指さして、、、


--- この女はチャンミンくんの元カノで、、、
チャンミンくんが私と別れたいがために、用意されたダミーって訳ね? ---


〝ダミー〟と言われたスジョンは、分かりやすく顔をしかめる。


--- で、この人が、、、---


ソユルに向けられていたスジョンの人差し指が、俺の前をゆっくりと通り過ぎ、
ユノの前でピタリと止まる。


--- チャンミンくんの新しい彼女、、、いや、、、彼氏、、、ってことね?  ---



ニヤリと笑ったスジョンは、
何度も何度も頷きながら、俺とユノに交互に視線を向ける。


すると、左側の俺の腕が、するりと解放され、、、
すくっと立ち上がったソユルが、はーっと、大きなため息をついた。


--- はい。その通り。私、頼まれただけなの?後の話は、3人でどうぞ、、、---


そう言い残すと、何事もなかったかのように、店を出ていった。
おい、ソユル、、、後始末どうしてくれる?


ソユルの背中を見送ると、ユノがようやく、俺の腕を離す。


「ごめん、チャンミン、、、」


申し訳なさそうに目じりを下げて、
分かりやすくガクン、、、と肩を落とす。

落ち込みたいのはこっちだよ、、、


「でも、チャンミンにキスとか、、、そんなの許せなくて、、、」

・・・・・「ユノ、、、」


立ち尽くすユノに、思わず手を伸ばしかけた時、、、


--- ちょっと、私の前でイチャつかないでくれる? キモイんだけど、、、---

・・・・・「あっ、ゴ、ゴメン、、、」

伸ばしかけた手を引き戻した。


--- はぁっ、、、もういいよ、、、---

・・・・・「えっ?」

--- おかしいと思ってたんだよね、、、---

・・・・・「おかしい?」

--- だって、チャンミンくん、、、誘ってもノってこなかったし、、、---

・・・・・「あぁ、、、それは、その、、、」

--- すごく私の好みだったから、残念だけど、男が好きとか、、、---

・・・・・「いや、、、そうじゃなくて、、、」


言い訳は、スジョンには聞いてもらえなかった。
隣りの席に置いた鞄を手にして立ち上がる。

そして、ニッコリと笑う。


あーやっぱいい女だ。
もったいねぇ、、、と、ちょっと思ってしまったことはユノには秘密。


--- お幸せにね? チャンミンくん---


そう言うと、小さく手を振り歩き出す。
改めて見ると、細くて白い脚、キュッと閉まった腰と、揺れる胸、、、
ヤっときゃよかった、せめて1度くらい・・・


そんなことを、スジョンの背中を見ながら思っていると、、、


「スジョンさん!」


突然ユノが、スジョンを呼び止めた。

そして、、、


「すいませんでした」


そう言いながら、スジョンに深々と頭を下げた。

その姿を見たスジョンは、ふわりと笑って、、、


--- 今思い出した。貴方と1度会ったこと、、、---

「はい、、、」

--- チャンミンくん、彼、凄くいい男ね、、、---


そう言い残して、颯爽と店を出ていった。





「結局、バレちゃったね、、、」

・・・・・「うん、、、」



ユノと2人、並んで通りを歩く。
街路樹の葉は、黄色く色付いて、弱い風が吹くと、
ハラハラと舞い落ちてくる。

もう少ししたら、凍える冬がやってくる。


「ごめんね、チャンミン、、、」


さっきから、何度も謝るユノに、
俺は足を止めて、秋の空を仰ぐ。


・・・・・「ユノ、、、」

「・・・・・」

・・・・・「もうすぐ冬が来るな、、、」

「うん、、、」

・・・・・「スノボ、、、」

「ん?」

「俺、やったことなくて、、、教えてくれる?」


ユノの顏が、ぱーっと明るくなって、、、


「うんっ! もちろんっ!」



冬は苦手な俺だけど、
今年はちょっと、楽しみかも、、、


・・・・・「帰ろっか?」

「チャンミン、ドーナツ買って帰ろうよ」

・・・・・「そうだな、、、」


伸びてきたユノの腕が、俺の肩にぐるりと回る。
いつもなら、人の目をして振り払うけど、、、


・・・・・「焼酎も!」


秋の冷やりとした風が、
俺達を包んでいた・・・・・








最終話へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
次回28話で完結します。
最後までお付き合いよろしくお願いいたします。



それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を・・・・・




こころ。


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この恋はニセモノ? 1





--- 本当にいい男なんでしょうね? ---

「俺が保証するって、、、それに、、、」

--- それに? ---

「お前がつい最近までキャバクラで働いてたこと、
おじさんとおばさんに黙っててやるからさ、、、な? 」

--- ちょ!!! ちょっと!! どうしてユノがそれを知ってんのよっ!---


ユノは、何故か得意げな表情を浮かべて、、、


「俺に知らないことは無い」


ふんっ、、、と鼻を鳴らして胸を張るユノに、
思わず俺は、疑いの目を向ける。

ソユルがキャバクラ?
ってか、それよりも俺が気になったこと、、、


・・・・・「ユノ、、、まさか、そのキャバクラへ行ったんじゃねぇだろうな?」

--- あーっ!! そうだ、そうだよ、ユノ、、、さては行ったね? ---


目の前のソユルと合わせるように、
2人して目を細めてユノを凝視する。


「ま、まさか!! ちょ、、、チャンミン、、、」

--- ユノ、、、怪しい、、、---

「そんな、、、俺、ずっとチャンミン一筋だったのに、、、酷いよ、、、」

・・・・・「・・・・・ホントかよ、、、」

「ホントだってば、、、信じてよ、チャンミン」


目じりを下げて、俺を見つめるユノの瞳は、
まるで少女漫画に出てくる恋する乙女のように、キラキラと輝いてる。

ベッドの中でのユノとは、余りにも違う。
まぁ、そのギャップに持ってかれるんだけどね、俺も、、、


--- ちょっと、、、あんたたち、、、---

「ん?」

--- 私がいる事、忘れてる? イチャつくなら家帰ってからにしてよ、キモい、、、---

「と、とにかくだな、、、協力してくれたら、お前のもろもろの悪行は、
墓場まで持っていく。どうだ?」

--- そうね、、、まさかあんた達がゲイだったとは、、、驚きだけど、、、---

・・・・・「ちょ、、、言っとくけど俺達はゲイではない」

「そうだそうだ!」

--- でも、男が好きなんでしょ? ---

「男が好きなわけじゃない、チャンミンが好きなんだ」

---もうそんな事どっちでもいい。兎に角、私にチャンミンよりもいい男を紹介すること。
それと、その、、、---

「口チャックな? 」

--- いいわ。契約成立ね---



テーブルの向こうのソユルの手と、俺の隣りのユノの手が、
俺の目の前でがっしりと組まれる。

なんだか微妙な気持ちだけど、
とりあえず安心していいのか?



そんなこんなで、ユノはソユルに事情を話し、
俺はスジョンに連絡を入れる。

スジョンの希望で、会うのは2日後。
今日と同じカフェでの約束を取り付けた。




そして、2日後・・・・・






--- 初めまして。 私、チャンミンさんとお付き合いしています、キム・ソユルと申します---


ソユルは、いつもとは違う清楚なワンピースを着て、
落ち着いた大人の化粧と佇まい、、、

正直、まるで別人だ。
こいつ、女優になれるかも?

俺の隣りで、小さくスジョンに向って頭を下げるソユルを見ながら、
そんなことを思っていた。


--- ふーーーん、、、貴女が、、、---


スジョンは、冷たい視線でソユルを値踏みしている。
そして、最後にふっと、意味ありげな笑みを浮かべた。

自分の方が格上、、、
そんな風に思ったんだろう。


・・・・・「スジョン、、、」

--- チャンミンくんは黙ってて---


強い口調でスジョンに窘められた俺は、その迫力に思わず口を噤む。


--- ソユル、、さん? とか言ったわね、、、貴女、大学は? ---

--- はい、、、今、K大経済学部の2年です---


ソユルの発言に驚いた俺は、思わず隣りのソユルに目を向ける。

K大と言えば、ここらじゃかなりの有名大学。
大きく出たな、ソユルの奴、、、


--- へぇ、、、そんな風に見えないけど、、、---


スジョンの言葉に、
ソユルの目じりが、ピクピクと動く。


--- で、チャンミンくんとは、何処で知り合ったの? ---

・・・・・「ちょっと、スジョン、、、そんな事どうでもいいだろ?」

--- 良くないよ、、、聞きたいんだもん---


なんだか思っていたのと違う、、、
このまま、スジョンに根掘り葉掘り聞かれれば、
ぜったいにソユルはボロを出しそうだ。


・・・・・「俺の大学の近くのコンビニで、アルバイトしてたんだよ、な? ソユル?」

--- スジョンさん、、、とかおっしゃいましたね? ---


ソユルは、俺の話をまるっきり無視して、スジョンを強い視線で見つめる。
表情と声のトーンが明らかにさっきとは違う。


--- そうだけど? ---


スジョンも負けてはいない。
流石、ミスS女。
根性が座っている。


--- いちいち煩い。ああだこうだと言ってみても、
チャンミンはもうあんたなんか好きじゃないって、そう言ってんの。馬鹿じゃない? ---

--- はぁ? ---


これはヤバイ、、、
まさかのこの展開に、俺は慌てふためいてオロオロしていたその時、、、


--- チャンミン、、、---


隣りのソユルに名前を呼ばれて、顏を上げると、、


・・・・・「んっ!!」


ソユルの両手が、俺の頬をガッと掴み、
薄桃色のリップが付いた唇を、ギュッと俺の唇に押し付けられた。

呆然と固まる俺、、、

目を丸くして驚くスジョンに、ニヤリと笑うソユル。
自分の腕を、俺の腕にぐるりと絡めて、、、


--- チャンミンは私のだから ---



「ちがーーーーーーーうっ!!!」


えっ?


ソユルと絡めた腕とは逆の腕、、、
大きな手が、グイっと乱暴に俺を引き寄せようとする。


・・・・・・「ユノ、、、」


俺の後ろの席で、さっきまで大人しく成り行きを見つめていたユノが、
ソユルを睨みつけるようにして、俺の腕を掴んでいた・・・・・







27へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
いつもお部屋に遊びに来て下さって、ありがとうございます。
こちらのお話も、予定通りあと2話で完結出来そうです。

いつも読みに来て下さる読者さま、
ありがとうございます(*^^*)


それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を・・・





こころ。


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「で、どうするの?」

スジョンが居なくなって、ガックリと肩を落とす俺の目の前に、
ニヤついた顏で、腰を下ろすユノ、、、

しっかりと、ココアの入ったカップを手にしている。


・・・・・「どうするって言っても、、、」

「まさか男と付き合うからって、、、、」

・・・・・「馬鹿!! そんな事言えるわけねぇだろ?」

「だろうね、、、チャンミンは、、、」


なんだよ、その言い方、、、
まるで、ユノは男の俺と付き合ってることを公言出来るとでもいうのかよ、、、


カップに口を付けて、コクリ、、、と一口喉に通す。
ユノの喉仏が、隆起するのをじっと見つめていた。


「いいよ、、、俺がどうにかする」

・・・・・「ユノが? どうにかって、どうするんだよ?」

「要するに、チャンミンの彼女の役を引き受けてくれる女の子を連れてくればいいんだろ?」

・・・・・「まぁ、、、そうだけど、、、」


そりゃあ、俺にも女友達くらいいるけれど、、、
事情を話さずその役を買って出てくれるなんて、、、
そんな都合のいい女はいないだろうな、、、


「心当たりがある、、、」

・・・・・「えっ? マジで?」

「うん」

・・・・・「言っとくけど、ややこしい女はゴメンだからな、、、」


出来る事なら、全く面識のない女で、
何も事情は聴かず、頼んだ事だけ的確にしてくれて、
そして、その後は全く無関係になれる、、、そんな女、、、


「あ、もしもし? お前、今どこにいるんだよ?」


突然のユノの声に驚いて顔を上げると、
ユノはいつの間にか誰かに電話を掛けている。


「なら、今から時間あるだろ? お前に頼みたいことがある。」


話の内容から、
ユノは早速心当たりの女に、連絡を入れたようだ。

その口調から、随分親しい間柄だと思った。
誰なんだろう、、、
ユノの女関係なんて、今の今まで気に掛けたこともなかったから、、、


「よし、じゃあ待ってるから、、、」


電話を切り、ユノは俺に向って小さく頷く。


・・・・・「大丈夫なんだろうな、その女、、、」

「ん、よく知ってる子だし、ちょっと、、、」

・・・・・「なに?」

「その子のちょっとした秘密を握ってるからね、、、」


そういうと、ちょっと不敵な笑みを浮かべたユノは、
カップに残ったココアを飲み干し、スマホを手に黙り込んだ。

それから、どの位経ったか、、、


カラン、、、とドアベルが鳴り、
ユノがスマホから視線を上げる。


「おーっ、こっちこっち!!」


手を挙げて、手招きするユノを見て、
俺も思わず振り返った、、、


えっ?えっ?

どうして?


「ソユル! こっち!!」


スタスタと表情を変えず歩いてきたのは、、、
例のストーカー、、、

そう、、、前カノの キム・ソユルだった。


・・・・・「な、、、なんでお前が、、、」

--- 知らないわよ、ユノに呼び出されたから、、、---

・・・・・「えっ?」


2人して、ユノの方に視線を向ける。

ユノはにっこり笑って、すくっと立ち上がり、
テーブルをぐるりと回って、俺の隣りに腰を下ろした。


「ソユル、とにかく座れって、、、」


不機嫌丸出しの顔をしたソユルは、
はーっ、と短く息を吐いて、ドカリと俺達の前に座る。


--- 早くしてよ、忙しいんだから、、、---

「実は、、、」


話しかけたユノの腕を、俺は隣りからガッ、、、と掴んだ。
こいつに何を話すつもりだ?


・・・・・「ユノ、、、まさか、、、ソユルに? 」

「うん、、、そうだけど、、、?」

・・・・・「止めよう、ユノ、、、」


こんな女に、俺達のことを暴露するだなんて、、、
いくらユノが秘密を握っているとしても、、、

想像しただけで、恐ろしい、、、


・・・・・「俺が、どうにかする、、、だから、、、」

「大丈夫だって、、、心配ないよ、チャンミン、、、」

・・・・・「いや、、、やっぱり、、、」


ああだこうだと、言いあう俺達を、ソユルは冷めた目で見つめている。
暫くすると、、、


--- あんたたち、なにイチャついてんの? キモいんだけど? ---


ソユルのその声で、俺達はピタリと言葉と動きを止める。
ユノと見つめあって、、、

どうする気だ、ユノ、、、


すると、ユノはガシッと俺の手を握りしめて、、、
ソユルの方を見た。


「ソユル、実は俺達、付き合ってるんだ」

・・・・・「ば、バカッ! ユノ!!!」


必死で掴まれた手を離そうとするけれど、
そうすればするほど余計に2人の手は絡まり、最後には恋人繋ぎになってしまう。


--- で? ---


ソユルの反応は意外なものだった。

全く表情を変えず、それがどうしたと言わんばかりに、
目の前の俺達を冷めた目で見つめる。


「それで、ちょっとややこしいことになってて、、、」

--- ・・・・・ ---

「お前に協力してほしい」


ソユルは、俺とユノ、、、
交互に視線を動かして、、、


--- いいわよ、、、けど、、、---

「・・・・・」

--- 私にも、もちろん、メリットはあるんでしょうね? ---


意味ありげにニヤリと笑うソユル・・・
ユノもまた、同じように不敵な笑いを返して、、、


「じゃあさ、、、」


まるで、準備していたかのように、
ソユルへの交換条件を話し始めた・・・・・








26へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
お引越ししてからも、旧館の方に通ってくださっている読者さまが沢山いてくださって、
とても嬉しく思っています。

その際、過去のお話にもコメントを頂いたりしていますが、
なかなかお返事を返せなくて、申し訳ないです。
なるべくお返事を返せるように努めますが、
出来ないこともあるかと思います。
ご了承くださいm(__)m




それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を・・・・・




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この恋はニセモノ? 1




--- ごめん、、、待った? ---

・・・・・「いや、、、俺も今来たところ、、、」


スジョンといつも待ち合わせるカフェ。
ゆっくりと話せるように、一番奥まった静かな場所に腰を下ろした。

相変わらずスジョンはいい女だ。

ほら、、、

店の入り口から俺が座るテーブルまでの短い距離、、、
何人の男が、スジョンに視線を送っただろう、、、

ヘアスタイルを変えたのか、
自慢の髪は、クルクルとカールしていた。

真っ赤な口紅と、長い睫毛、、、
ヒールの音が、ピタリと俺の前で止まった。


--- どうしたの、急に、、、---

・・・・・「忙しかったか? ごめん、、、」

--- 1時間後には、行かなくちゃ、、、友達と約束してて、、、---

・・・・・「そうか、、、時間は取らせないよ、、、」


俺の話に、スジョンが納得してくれれば、、、の話だけど、、、


オーダーを取りに来たウエイトレスに、
アイスオーレとホットコーヒーを注文する。

スジョンは、スマホをちらりと覗いた後、
ふぅっ、、と小さく息を吐いて、俺と向き合った。


--- で、、、話って? ---

俺は、ちらりと腕時計を確認する。

後10分か、、、


・・・・・「あの、、、あと10分だけ、待ってくれないか?」

--- えっ? ---

・・・・・「だから、、、あと10分、、、」


呼び出した時間までは、あと10分あった。
けど、、、

カラン、、、と、店のドアベルの音が耳に届いて、
自然と向けた視線、、、

そこに立っていたのは、、、


ユノ、、、


アパートを出るとき、このカフェにユノを呼び出した。
予定より少し早いけど、作戦決行だ、、、

打ち合わせした通り、ユノは何気ない顔をして、俺が座るテーブルの隣りの席に腰を下ろす。

俺の背中の向こうに、ユノが居る。


ユノは、ウエイトレスにココアを注文すると、
フーッと大きく息を吐いた。

よし、、、


--- ねぇ、チャンミンくん、、、---

・・・・・「あの、、、話っていうのはさ、、、」

--- うん、、、---

・・・・・「あの、、、」

--- ・・・・・ ---

・・・・・「俺と、別れて、、、くれないか?」

--- えっ? 今、、、何て? ---

・・・・・「だから、、、俺と別れてほしい」


スジョンは、口をポカンと開けたまま、
俺を凝視している。

そりゃそうだろう、、、ほんの数日前まで、
一緒に旅行に行こうなんて、話してたんだから、、、


--- ちょっと待ってよ、、、何なのそれ?---

・・・・・「いや、、、その、、、悪いと思ってる、、、ごめん、、、」


今回だけは、俺が悪い。

ユノと別れて、なんとなく付き合いだして、
ダラダラと続けてきたうえに、別れてくれって、、、

ただ。
救いなのは、スジョンとヤってないってこと、、、

まぁ、そんな事、今は関係ないよな、、、


--- 何が悪いの? 私、何かした?---

・・・・・「スジョンは、何も悪くないよ、、、」

--- なら、どうして? ハッキリとした理由を聞かせてよ ---


綺麗な顔が、怒りで歪んでる。
曖昧に流して、納得してはくれないだろう、、、


・・・・・「その、、、実は、好きな人が、、、」

--- は? なにそれ、、、好きな女? --


いや、、、女じゃないんだけど、、、

心の中でそう思っていると、背後から聞える、ユノの微かな笑い声、、、
必死で笑いを堪えてる。

ったく、、、誰のためにこんなことやってんだよ、、、
ユノの奴め、、、


・・・・・「お前には申し訳ないと思ってる」


そう言うと、歪んだスジョンの目が、みるみる潤みだして、、、


・・・・・「ス、スジョン、、、泣くなって、、、」


まさか泣き出すなんて、そんな事想像すらしてなかった。
俺の事、そんなに好きで、、、


--- バカにしないでよ、、、私を誰だと思ってんの? ---

・・・・・「・・・・・」


ん?


--- S女子大で一番美しいって、そう言われてる女なのよっ!
どうして私が、、、ミスS女の私が、、、フラれなきゃならないのよっ!!!---


あぁ、、、なるほど、、、

目の前で流れてる涙は、俺への気持ちじゃなくて、
自分の自尊心を傷つけられたことによる怒りの涙って訳か、、、


なーんだ、、、


・・・・・「そういうことは、どちらからとか、、、黙ってりゃいい話だろ?」

--- バカね、あんた、、、---

・・・・・「ミスS女なのよ? そんな情報、すぐに流れてあっという間に広がっていくんだって!!」


別に、自分が言わなきゃいいだけなのに、、、
よく分かんないな、、、

けど、とにかく逆らうことはやめておこう。


--- いいわよ、、、別れてあげる---

・・・・・「ホント?」

--- 但し、2つ、、、条件がある---

・・・・・「条件、、、なんだよ?」

--- 1つは、私からフったことにすること---


プライドの高さも、さすがミスS女だよな、、、
俺も相当だけど、こいつには叶いそうもない。
仕方ない、、、


・・・・・「分かった。」

--- あと1つは、、、---

・・・・・「・・・・・」

--- その女に会わせて---

・・・・・「はぁ?」

--- 私をフッてまで、貴方が付き合いたい女、、、---


げ?
マジで?


--- その女を見て、納得出来たら別れてあげる、、、どう?---


これは、非常にマズイ状況じゃないだろうか、、、


背中がゾクッと震えた・・・・・








25へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
こちらのお話も、あと3話くらいで完結かな~と思っています。
最後までお付き合いよろしくお願いいたします。



それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を・・・・・




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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



この恋はニセモノ? 1




ユノに渡されたスマホ、、、
手にとっては見たけれど、今、この場で?

まさかと思ってユノの顔を見ても、
ただ、ニコッと笑っているだけで、僕への要求は冗談ではないみたいだ。


・・・・・「今度さ、ちゃんと会って話してくるからさ、、、」

「ダメだ」

・・・・・「けど、、、」

「もう会っちゃダメ」

・・・・・「・・・・・」

「ほら、、、早く」


どうしたもんだ、、、
ユノは、こう見えても一旦言い出したら、絶対に引かない。

それは、俺がよく知ってる。
はぁ、、、どうしたらいいんだ?


「何?その溜息、、、まさか、昨日の話は、、、あれ、嘘?」

・・・・・「違うよ、、、嘘じゃないって、、、」

「なら、いいじゃん。今すぐ別れろ」


あーーーーっ、、、!!!
もう、どうにでもなれっ!


俺は、ディスプレイにスジョンのナンバーを表示させ、
心の中で、せーのっ! と勢いをつけて、発信ボタンに触れた。

心の中で、密かに祈る。
どうか、スジョンが応答しませんように、、、

けれど、俺の祈りとは裏腹に、
コール音は無情にも、スジョンの声で途切れた。


--- もしもし? チャンミンくん? ---

・・・・・「あ、、う、、え、、、」

--- チャンミンくん? どうしたの? ---


言葉に困っていると、目の前にユノの手が見えて、、、
そして、耳に当てていた俺のスマホを瞬時に奪い、
会話が聞こえるように、スピーカーのボタンに触れた。


・・・・・「な、、、なにすんだよ、、、」


テーブルの上に置かれたスマホから、出来るだけ顔を背けて、
電話の向こうのスジョンに聞こえないように、小さな声でユノに抗議する。

けれど、そんな俺の声は、ユノには全く届かない。


「いいから、早く、、、」


何がいいんだよ、、、
どうしろって言うんだよ、、、


--- チャンミンくん? ---

・・・・・「あ、、、うん、、あの、、、早くに、、その、、、ごめん、、、」

--- もう10時だよ、、、大丈夫、、、それより、、、---

・・・・・「うん、、、その、、、スジョンに話があって、、、」

--- なぁに? 改まって、、、---

・・・・・「うん、、、あのさ、、、」

--- もしかして、旅行の話? ---

・・・・・「えっ?旅行?」

--- ほら、今度2人でハワイ行こうって、話したでしょ?---


そんな話したっけ?

ちらりとユノに視線をやる。

ユノは笑っていた。
けれど、ピクピク動くこめかみが、激怒していることを俺に訴えている。



・・・・・「あーっ、その話じゃなくて、、、実はさ、、、」

--- うん、、、---

・・・・・「その、、、」

--- ・・・・・ ---

・・・・・「・・・いや、、、何でもない、、、また連絡するっ! 」


そのまま、スジョンの返事を待たずに、
俺はスマホに素早く手を伸ばし、電話を切った。


「チャ、、、チャンミンっ!!」

・・・・・「ちょ、ちょっと待てって、、、ユノ、、、」


ソファから立ち上がり、鋭い目つきで俺を見下ろす。


・・・・・「なぁ、ユノ、、、考えてもみろよ、、、別れ話を電話でなんて出来るわけないだろ?な?」

「・・・・・」

・・・・・「ちゃんと、会って話してくるって、、、な? だから、、、」


言い訳をする俺から、ユノがふっと目を逸らす。


・・・・・「な? ユノ、、、」

「もういい、、、」

・・・・・「ユノ?」

「帰る、、、」


ポツリとそう呟くと、ユノはテーブルに置いてあった自分のスマホと財布をズボンのポケットに押し込んだ。


・・・・・「ユノ、、、待てって、、、」

「もういい、、」


俺の顔を見ようともせず、
スタスタと玄関に向う。

いつもは靴を履くのももたつく癖に、
こんな時は難なくスッとスニーカーを履いて、、、

ユノが、ドアノブに手を掛けたところで、
俺はようやくユノに追いついた。


・・・・・「ユノっ」


回しかけたドアノブ、、、
ユノの手が、ピタリと止まる。

そして、、、


「チャンミンは、、、」

・・・・・「・・・・・」

「チャンミンの俺に対する気持ちって、、、本当に、、、ホンモノなのかな?」

・・・・・「えっ?」

「よく、、、分からない、、、俺、、、」



そのまま、ユノは部屋を出て行った。



ユノが居なくなった部屋・・・・・

放り出された俺のスマホから、着信音が流れ出す。


リビングに戻り、スマホを手に取った。



・・・・・「もしもし、、、スジョン? 今から、、、会えるか? 大事な話があるんだ、、、」



ニセモノか、ホンモノか、、、
ちゃんと証明してやろうじゃないか、、、


待ってろ、ユノ、、、







24へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
9月に入って、空気と空が一遍に秋模様になったように思います。
夕方、買い物に出かけると、辺りにトンボが飛んでいたりするし、
スーパーに行けば、新物の秋刀魚、あと、梨も並び始めましたね。
スナック菓子は、栗とサツマイモのコーナー(笑)
秋が来ましたね(笑)フフフ



それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を・・・・・





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私の心の中のお話です。
ご了承ください。




伝わるヒョンの熱と震えが、僕を強くする。
この人を守るのは僕しかいない。
この人のために、、、この人だけのために、
生きて行こうと心に決めた夜・・・・・



ひぐらしの鳴く、あの夏。1





「施設の先生には、ソンからちゃんと伝わってるから、、、」

・・・・・「うん。」


部屋に運ばれてきた夕食を2人だけで摂って、
テラスで2人並んで、ソウルの夜景を見ていた。


「チャンミンを迎えに行く前に、施設に行ったんだ。先生方に、挨拶したくて。」

・・・・・「そう、、、」

「とても、喜んでくれて、、、」

・・・・・「・・・・・」

「俺は本当は、、、」

・・・・・「ヒョン?」

「本当は、ここに、、、施設に戻りたいって、、、そう思ってるのに、、、」


貧しい施設での暮らしよりも、
お金持ちの家の子供になって、何不自由なく暮らすのは、
当たり前のように幸せなことだとそう思ってた。

親のいない孤児たち・・・
将来が、ただただ不安で、、、

「未来は明るい」

正直、そんな風に思っている子供は、1人も居ない。
だから、将来を約束されたヒョンが、羨ましいって、施設の皆はそう思っていた。


けど・・・・・


「俺を、引取ってくれたおじさんとおばさんには、本当に感謝してる。」

・・・・・「?」


おじさん、おばさん、、、、、
その言葉が、僕にはピンと来なかった。

分からなくて、首を傾げると、
ヒョンは、寂しそうに笑って・・・


「俺って、最低だろ?
口では、父さん母さんって言ってても、心の中ではこんな風に思ってたんだ。」

・・・・・「ヒョン、、、」



ヒョンと過ごした、あの夏の日・・・
ヒョンは言ってた。


〝施設でみんなと、、、チャンミンと一緒の頃の方が、楽しかった。〟

〝寂しいよ、チャンミン、、、お前と一緒に居られたあの部屋が恋しい、、、〟



あの時のヒョンの言葉・・・
胸が締め付けられたことを憶えてる。


・・・・・「ヒョン、、、」

「ん?」

・・・・・「手紙に書いてあった事、、、」

「・・・・・」

・・・・・「事情が、、、変わったって、、、」


僕の隣りに立つヒョンの横顔を見つめる。
前を向いていた視線は、ゆっくりと落ちていく。


「おばさんに、、、子供が出来たんだ。」

・・・・・「子供?」

「俺の、、、弟か、妹、、、って、事になるかな?」

・・・・・「それが、ヒョンが留学することと、どう関係があるの?」

「本当の、子供。俺は、偽物だ。」

・・・・・「えっ?」


その後、ヒョンは淡々と僕に話をしてくれた。


ヒョンを引き取ったおじさんとおばさんには、長い間子供ができなくて、、、
大きな会社を経営していることもあって、子供を諦めて、優秀なヒョンを養子に迎え入れた。

けど、、、

ヒョンを養子として迎えたその数か月後・・・
奇跡的に、2人の間に子供を授かった。

次第に、大きくなってゆくおばさんのお腹、、、
長い間、待ち望んでいた命の誕生が迫るにつれ、
ヒョンの居場所は無くなっていった。



「当たり前だよな。」

・・・・・「ヒョン、、、」

「俺は、我慢できなかったんだ。どうしても、あの家に居たくなかった。だから、、、」

・・・・・「・・・・・」



だから、ロンドンへ逃げるんだ、、、、




そう、ヒョンは力なく言った。

ヒョンの苦しみや悲しみ、寂しさを、僕はきっと全部分かってあげられない。
僕にしてあげられることは、一つだけ、、、


・・・・・「ヒョン、、、」


ヒョンと向き合う。
そのまま、ヒョンの身体を包むように、腕を回してヒョンを抱きしめた。


・・・・・「ヒョン、、、」

「チャンミン、、、」

・・・・・「ヒョンの居場所は、ここにある。僕が、、、」

「・・・・・」

・・・・・「僕が、待ってる事、、、絶対に忘れないで、、、」

「・・・・・」

・・・・・「ヒョンの居場所は、僕だよ。忘れないで、、、」









寝室のライトは、全部消した。
大きなガラス窓から入り込む月明りが、ぼんやりと部屋を包む。

今の僕たちには、それで十分だ。


「チャンミン、、、」

・・・・・「ヒョン、、、」

「チャンミン、、、ユノって、、、ユノって呼んで?」


ヒョンは震えていた。


・・・・・「ユノ、、、ユノ、、、僕がいる、、、」



大きなベッドの上で、僕たちはすべてを脱ぎ捨てて抱き合う。
震えるヒョンを、僕は強く強く抱きしめた・・・・・


ヒョンの苦しみも悲しみも全部、
僕が抱きしめて、、、
癒してあげたいと、そう思ったんた・・・・・







33へつづく 

読者の皆さま、おはようございます。

この「ひぐらしの鳴く、あの夏。」は、1話~32話まで、
旧館で今年の2月から更新していました。
その後、更新をストップしていましたが、お引越しを機に、
こちらの新館に、1話ずつ移動更新し、今日の更新分で旧館からの移動が終了しました。

ですので、ここで一旦、朝の更新は終了させていただきます。
このお話は、移動更新ということもあるかと思いますが、極端に閲覧数が少なくて、、、(;_:)
勿論、楽しみにしてくださっている読者さまも居てくださるんですが、
今後、続きを更新するかどうか、少し検討させてください。
勝手を言いますが、よろしくお願いいたします。

夜21時の更新は、変わりありません。



それでは、今日も1日いい日になりますように。




こころ。

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私の心の中のお話です。
ご了承ください。





この恋はニセモノ? 1




次に目が覚めたら、隣にユノはいなかった。

部屋には、朝の眩しい光がカーテンの隙間から射し込んでいる。
隣りのシーツはすでに冷たい。


・・・・・「ユノ?」


呼んでみたけれど、声が掠れてうまく出ない。
ユノとセックスした後は、いつもこう、、、

昨夜の行為を思い出して、
俺は、1人頬を赤らめていた。

半身を起こしてベッドから出ようとするけれど、
身体中がギシギシと音を立てるように痛む。

久し振りのユノとのセックス・・・
ユノはもちろん、俺もいつにも増して大胆になっていたのかもしれない。


カチャっ、、、と扉の開く音がして、
視線を移すと、清々しい顔をしたユノが、俺を見てにっこりと笑った。


「おはよう、チャンミン、、、」

・・・・・「お、おはよう、、、」

「朝食出来てるよ」


そう言われて、微かに届くスープのいい香り、、、
急に腹の虫が騒ぎ出す。


ユノは、ベッドの脇に腰を下ろし、
俺の頬に手を当てると、頬にチュッとキスを落とす。


「身体、痛む? 大丈夫?」


なるほど、、、
自覚はあるんだな。


・・・・・「痛い、、、動けない、、、」

「だろうね、、、」

・・・・・「だろうねって、なんだよ、、、」

「だって、昨日はチャンミン、凄く激しかったし、、、」

・・・・・「はぁ? それはユノの方だろ?」

「積極的なチャンミン、凄く可愛かったなぁ、、、」


ニヤニヤしながら、俺の唇に指を伸ばす。

そんな風に言われて、恥ずかしいのと腹立たしいので、
俺は伸びてきたユノの指を払いのけた。


・・・・・「可愛くなんかないっ! シャワー浴びてくる!!」

「ふふふふ」

・・・・・「痛っ、、、」


痛む身体を急に起こしたから、ふらっと倒れかけると、
すぐに伸びてきたユノの逞しい腕が、俺の身体を優しく支えた。


「シャワー付き合おうか?」

・・・・・「バカヤロ、、、」

逃げるようにユノの腕を解いて、
俺は身体を引き摺りながら、シャワー室へ向かった。



身体は、俺が寝ている間にユノが綺麗にしてくれたんだろう。
簡単に汗を流してリビングに戻ると、
テーブルの上には、美味そうな朝食が並んでいた。


「冷蔵庫の中の物、勝手に使ったよ」

・・・・・「うん、、、」

「ほら、、、俺もお腹ペコペコ。食べよう、チャンミン」


向かい合って、テーブルに着く。

コーンスープを一口飲むと、
温かい温度と甘い香りが、身体にジワリと染みていった。



・・・・・「ご馳走様、、、」

「美味しかった?」

・・・・・「ん、、、」



腹も満たされて、ソファにドカリと身体を沈ませる。

暫くすると、コーヒーのいい香りが部屋に広がる。


「はい、チャンミン、、、」


色違いのマグカップ。
いつだったか、ユノが俺の部屋に持ち込んだものだ。


ユノはテーブルにカップを置くと、
俺の隣りに腰を下ろした。


・・・・・「ん、、、美味しい、、、」

「ねぇ、チャンミン、、、」

・・・・・「ん?」

「昨日の話、覚えてるよね?」

・・・・・「昨日の? 何?」


昨日は、ユノといろんな話をした記憶が、、、
なんのことだろう?

首を傾げてユノを見ると、、、


「もう、、、忘れたとは言わせないぞ。俺とヨリを戻すって、、、」


あぁ、、、その話、、か、、、


「思い出した?」

・・・・・「うん、、、まぁ、、、なんとなく、、、」

「なんとなくって何だよ、、、ほら、、、」


ほら、、、と言いながら差し出されたのは、俺のスマホ・・・


「ほら、早く、、、」

・・・・・「なんだよ、、、」

「早く電話して?」

・・・・・「えっ?」


電話?


訳が分からず戸惑っていると、、、



「ミスS女だよ、、、早く電話して、この場で別れろ」


更にグッと押し付けられたスマホ・・・


・・・・・「マジで?」

「勿論、、、」



意地悪くユノが笑った・・・・・








23へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
夏休みが終わり、ホッとした読者さまも多くいらっしゃるのではないでしょうか?
私も、そのうちの1人なんですが、よく考えたら明日は土曜日でしたね(笑)

先日、韓国へ行かれた読者さまに、お土産頂きました。
この干し芋、美味しいですよね♪
モモチャミとユノイチゴも(*´꒳`*)
ありがとうございました♪

読者さまからの韓国お土産2017.0829

そして、こんな立派な葡萄🍇も送っていただきました。
今、葡萄とても甘い季節ですよね。
美味しくいただきます。
ありがとうございます。

読者さまからの頂き物 2017.09.01


週末は、余りお天気が良くないようですね。
体調もあまりよくはないので、家で大人しくしていようと思ってます。

お話いくつか書ければいいな(*^^*)





それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を・・・・・



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私の心の中のお話です。
ご了承ください。





貴方のいない長い時間、
あの夜の、貴方の温もりの記憶だけが、僕の心を支えてくれた・・・・・



ひぐらしの鳴く、あの夏。1





「チャンミーーーン!!!」

ヒョンだ、、、

・・・・・「ヒョーーーン!!!」


慌てて歩道に飛び出しそうになった。
赤信号がもどかしい。

早く、、、、
早く、、、、


ようやく、信号が青に変わって、
僕はヒョンに向って駆けだした。


・・・・・「ヒョン、、、」

そんなに長い距離を走ったわけでもないのに、
息がとても乱れている。

それはきっと、目の前にヒョンがいるから・・・
ヒョンがいるから、鼓動が早鐘を打っているんだ・・・


「お前、、、」

・・・・・「ヒョン、、、僕、、、」


横断歩道を渡り切った場所。
すぐに信号は、また赤に変わる。


--- お坊ちゃま、、、とにかく中に、、、---


その声に視線を向けると、ヒョンの少し後ろ・・・
ソンさんがニッコリと笑って立っていた。


「ほら、チャンミン、、、とりあえず、車に乗れ。」

・・・・・「うん、、、」


ヒョンに背中を押されて、車の後部座席に乗る。
隣りにはヒョン・・・


--- お坊ちゃま、どういたしましょう? ---

「このまま、、、」

--- はい、かしこまりました。---


静かに車が走り出す。


・・・・・「ヒョン?」


何処に行くんだろう。
そう聞きたくて、ヒョンに呼びかけると、
僕の言いたいことが分かったのか、


「後で話そう。」


ヒョンはにっこりと笑って視線を窓の向こうに向けた。
探るように伸びてきたヒョンの手が、僕の手を見つけると、ギュッと握る。

嬉しくて、、、

僕もヒョンの手を強く握り返した。






--- では、何かありましたらお呼びください。---

「うん。」


パタン、、、と扉が小さな音を立てて閉まる。

広くて静かな部屋、、、

ここは、ソウルの街を一望できる
高層ホテルの一室。

その空間、ヒョンと僕の2人だけ・・・


・・・・・「ヒョン? どう言う事?」

「突然で驚いたろ?」

・・・・・「うん、、、びっくりした。」

「座って?」


促されてソファに座る。
ヒョンは、僕の隣りに少しだけ隙間を開けて座った。


「チャンミンの学校に行ったんだ。」

・・・・・「えっ?僕の?」

「うん。お前を迎えに。そしたら、正門のところでキュヒョンに会って、、、」

・・・・・「・・・・・」

「お前が、俺に会いに行くって、飛び出して行ったって言うから、、、、」

・・・・・「う、うん、、、」

「探してた。見つかってよかった。」



顔を見合わせると、ヒョンはとても優しい目で僕を見て、、、


「ごめんな、チャンミン、、、」

・・・・・「僕こそ、、、手紙、返事しなくて、、、ごめん」


ヒョンの手が、僕の髪に触れる。
大きな掌が、そっと髪を撫でた。


「チャンミン、あのな、、、」


言いかけて、ヒョンは言葉を飲み込む。
ヒョンの瞳が、揺れている・・・


・・・・・「ヒョン?」

「俺、、、俺、、、」

・・・・・「うん。」

「明日、、、発つんだ。」

・・・・・「えっ? 発つ?」

「明日の午後の便で、ロンドンへ・・・・・」

・・・・・「明日、、、」



そう言われて、ふっと目に入ったのは、
部屋の隅に置かれた、大きなキャリーケース。

現実を見た。
ヒョンは、本当に行ってしまう。

遠い遠い、僕の手の届かないところへ・・・・



「チャンミン、、、泣くな、、、」


悲しそうな声で、ヒョンが僕を呼ぶ。
ヒョンの掌が、僕の頬を包んで、親指がゆっくりと涙を拭う。


・・・・・「あ、あのね、、、ヒョン、、、」

「・・・・・」

・・・・・「ぼ、僕、、、」

「うん、、、」

・・・・・「ヒョンがどこに居ても、、、どんなに遠いところに居ても、、、」

「うん、、、」

・・・・・「ヒョンが好き、、、ずっと忘れないよ」

「チャンミン、、、」

・・・・・「待ってる、、、」


キュヒョンに言われたこと、、、


〝 後悔、しないように、伝えたいことを直接伝えないと、、、〟


ちゃんと言えてよかった。
ヒョンに伝えることが出来てよかった。


「明日まで、、、俺が発つまで、一緒にいてほしい。」

・・・・・「・・・・・」

「俺の心の中、、、チャンミンをフル充電しておきたいんだ。」

・・・・・「うん。ヒョンと一緒に居るよ。」



明日、ヒョンがロンドンに発つまでの時間・・・



この目に、この心に焼き付けよう。


僕の大切なヒョンを・・・

僕の大好きな、チョン・ユンホを・・・


心にヒョンを、フル充電しよう・・・・・








32へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
9月に入りましたね。

2017.9 カレンダー

今月は、とても美しいチャンミンに癒されます(*^^*)



今日も1日。素敵な日になりますように。
いつもありがとうございます。



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