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藍の月。1





〝ユノさんを愛してる〟


もう一度聞きたくて、チャンミンに詰め寄る。


「もう一度、聞かせて?」


チャンミンは、フッと笑みを零して視線を逸らせた。


・・・・・「もうすぐ夜が明ける」


さっきまで薄暗かった窓ガラスの向こうが、少しずつ白みだす。
俺から視線を逸らせたチャンミンは、窓の外を眺めながら、小さな声でそう呟いた。


「チャンミン、誤魔化すなよ、なぁ、、、」

・・・・・「ユノさん・・・」

「・・・・・」


静かな部屋に、チャンミンの寂し気な声が響く。


・・・・・「僕には、貴方を愛する資格がない。前にも、そう言ったよね?」

「あぁ、聞いたよ。だから何だって言うんだ?」

・・・・・「分ってるなら、もう聞かな、、、」


違うだろ?
そうじゃないだろ?

俺は、チャンミンの言葉を折り、口を開いた。


「俺を愛してるのか聞いてるんだ。資格があるとかないとか、そんなことどうでもいい」

・・・・・「でも、、、、」

「いいから、答えろ!!!」


気持ちが昂り、思わず大きな声が出た。
驚いて振り向いたチャンミンの視線が、強く見つめる俺の視線と絡み合う。


・・・・・「ユノさ・・・」

「俺が聞きたいのはたった1つだけだ。 俺を愛してるか? ん?」

・・・・・「ユノさん、、、」

「俺はお前を愛してる。 お前がどんな人間だろうと、そんなこと関係ない。
シム・チャンミンを愛してる。それだけだ」

・・・・・「・・・・・」

「だけど・・・」


俺の本心だった。


「もし、こんな俺が迷惑ならそう言ってくれ。俺の事を面倒な奴だと、そうと思うなら、、、
潔く、お前を諦めるから・・・」


言いたいことを言い終わると、何故だろう、
心が少し晴れたような気がした。

そんな自分自身が可笑しくて、小さく苦笑する。


・・・・・「迷惑なんて、そんなこと・・・」

「えっ?」


チャンミンが小さくため息をついた。
そして・・・


・・・・・「ユノさんは、客じゃない。初めて出会った時から、予感はしてた」

「予感?」

・・・・・「それは、いい予感なのか、それとも悪い予感なのか、、、
どちらにしても、僕は最初から貴方に惹かれてた」


チャンミンが、ゆっくりと俺に近づいて、俺の手を取り自分の頬に当てる。

冷たい・・・


・・・・・「いつの頃からだろう。貴方といると、心が温かくて自分が汚れた人間だということを忘れられるようになった。
もしかしたら、この人に本当に愛してもらえるんじゃないだろうか、って、、、」

「チャンミン・・・」

・・・・・「貴方に抱かれていると、心が満たされた。あんな気持ち、初めてだった」

「・・・・・」

・・・・・「けど、貴方に惹かれれば惹かれるほど、現実が僕を苦しめた」

「現実?」

・・・・・「そう、どうにもならない、僕の現実・・・」


何て悲しそうな顔をするんだよ、チャンミン、、、


・・・・・「ユノさんの手、とっても温かいね」

「チャンミン・・・」


もう片方の手をそっとチャンミンの頬に添わす。
両の手で優しく包み、引き寄せて唇を合わせた。

チャンミンは、抵抗しなかった。


「お前のどうにもならない現実も、全部俺が受け止めてやる」

・・・・・「ユノさん・・・」

「ゆっくりでいい、俺は急がない。だから、俺にも預けてみないか? 」

・・・・・「預ける?」

「そう、お前の背負ってるもの」


チャンミンは、戸惑いながら、言葉を続けた。


・・・・・「僕の過去は汚れてる」

「過去なんてどうでもいい。それに、これからは俺がいる」


震えるチャンミンを胸に抱いた。


「大丈夫だ。心配ない」





・・・・・「愛してる、、、」




この時のチャンミンの言葉を俺は一生忘れない。



「チャンミン、、、」

・・・・・「例え、貴方を傷つけることになったとしても・・・」



〝貴方を、、、愛してます〟






夜が明ける・・・

柔らかい朝の光が、窓ガラスを通り抜け、俺たちを包む。

チャンミンを胸に抱いた俺の心は、
溢れだしそうなほどの幸せで満ち足りていた・・・






41(第2章) へつづく

読者の皆さま、おはようございます。

〝藍の月。〟も早40話です。
次回の更新から、第2章に入ります。
引き続き、おつきあいのほど、よろしくお願いいたします。

それでは、今日も1日いい日になりますように♪
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藍の月。1




--- 兄さん、ユノさんを苦しめるなんて、僕が絶対に許さない---

「テミン、違う、そうじゃな、、、」

--- ユノさんは黙ってて---


冷たく突き刺さる視線をチャンミンに向けたまま、テミンは俺の言葉を遮った。


--- ユノさんは僕の大切な人だ。例え兄さんでも、、、いや、兄さんだからこそ許せない ---

・・・・・「分ってる」

--- 何を? 何も分ってないじゃないか!! ユノさんは兄さんの遊び相手じゃない---

・・・・・「分ってるよ」

--- 分ってるなら、どうして? どうしてそんな嘘ついて、ユノさんを傷つけるの? ---

・・・・・「嘘じゃな・・・」

--- 本気だから? 答えろよ? まさか、本気だなんて言わないよね?---


まるで、この場に俺の存在は消えてしまったかのように、
2人の会話以外、何の音もない。

窓の外は、まだ薄暗い。

けれど、その暗さに慣れた俺の瞳が、
真剣な表情で向き合うチャンミンとテミンの姿を捉える。

この部屋の空気が、まるで凍りつくようだ。
なのに、テミンの表情からは、怖いくらいの熱を感じる。



・・・・・「僕は・・・」

--- 知ってるよ。兄さん、、、みんな切ったって。それは、ユノさんの為? ---

・・・・・「・・・・・」

--- 愛してるの?---

・・・・・「テミン、それ以上は、、、僕にはその資格がない。知ってるだろ?」


会話が、頭になじまない。
話しが理解できなくて、俺は言葉を挟んだ。


「テミン、チャンミンは悪くないんだ。俺が余計なことをしたから、だから・・・」




--- ユノさんを、本気で愛してるの? ---




テミンは、俺なんて見ていない。
そして、チャンミンも・・・

2人は、強い視線を絡ませ合っている。

チャンミンが俺なんて愛してるわけないだろ?
バカだな、テミン。

惨めになるから、止めてく・・・・





・・・・・「・・・・・愛してるよ」





・・・・・えっ?

い、今、、、なんて?





・・・・・「ユノさんを愛してる」





絡ませていた視線を先に外したのは、テミンだった。

ギュッと瞼を閉じて、俯いた。
強く握られた掌は、小さく震えている。


--- それがどういう意味か、分かってるよね? ---

・・・・・「・・・・・あぁ」

--- ・・・・・---

・・・・・「分ってるよ」

--- なら、、、分ってるなら、お願いだよ? 兄さん、ユノさんを諦めて?---

・・・・・「・・・・・」

--- あの人から離れられないなら、ユノさんが傷つくだけだよ。そうだろ? 兄さん ---




「お前ら、まてよ・・・」


我慢の限界だ。


「勝手に、、、勝手に2人で俺の話ししてんじゃねぇよ」


気持ちが落ち着かず、イライラしてた。
その感情が、声になって口を突いた。


「テミン、、、どういう話か知らないが、もう、俺たちのことは、そっとしておいてほしい」

--- ユノ、さん?---


酷いことを言ってるのは分ってた。
けど、誰に何を思われたっていい。

チャンミンが欲しい。
この手の中に、この腕の中に、離したくない。


〝ユノさんを愛してる〟


チャンミンが、そう、言ったんだ。


--- ひ、酷いよ---

「ゴメン、テミン・・・」


テミンの瞳に、ジワリと涙が浮かび上がる。

今、俺は、どれだけテミンの心を傷つけているんだろう。
大きな瞳が瞬きをすると、ポロポロと真珠の涙が頬を伝って堕ちた。

思わず手を伸ばす。

けれど・・・

俺の手は、テミンの頬には届かなかった。
振り払われて宙を舞う。


--- ユノさん。僕だって、、、僕だって、初めて会った時からユノさんが好き。なのに、あんまりだよ---

「テミン、、、、」

--- 愛してるのに、、、僕だって・・・---

「・・・・・」

--- 僕なら、兄さんみたいにユノさんを傷つけたりしない---


テミン・・・


--- 愛してるのに !!! ---

「テ、テミン !!」


テーブルの上に置いていた自分の鞄を手に取り、
テミンは走るように部屋を出た。


俺は、追いかけなかった。

追いかけて、引き留めて、あいつに何を言う?
愛してはやれないんだ。


俺は、こいつを・・・


「チャンミン。俺を愛してるって、もう一度言って?」

・・・・・「・・・・・」

「なぁ、チャンミン、、、お願いだよ」


愛してるんだ。


「もう一度、聞かせて?」





チャンミンを愛してるんだ・・・







40へつづく

読者の皆さま、おはようございます。

昨日は朝早くから娘たちと大阪の難波へ行って、
漫才を見てきました。

劇場で漫才ライブの最後に、その日出演した芸人さんのサインボールを、
客席に向かって芸人さんたちが投げ入れてくれるんですけど、
飛んできたボールをキャッチしたんです。
もちろん、サインボールだと思って娘に渡したら、

2019.06.09 よしもと漫才劇場 大当たりボール

「大当たり」って書いてあって、全部投げ終わった後、MCの芸人さんが、
〝大当たりボールキャッチされた方~〟って舞台上から言うので、娘が手を上げたら、
こんなのを頂いたんです。

2019.06.08 よしもと漫才劇場 2

〝大阪城ナイトウォーク〟っていう結構大掛かりなイベントをやってて、
そのイベントのご招待ペアチケット!

普通、喜びません?
なのに、娘と来たら、サインボールの方が良かったとか言い出す(~_~;)

このチケット2枚で6000円以上するんですよ?
ったく、、、

そりゃ私だって、漫才劇場で芸人のサインボールゲットするより、
ライブでユノかチャンミンのサインボールゲットする方が、何百、いや何万倍も嬉しいっつーのヽ(`ω´*)ノ彡☆

これが私の今年の〝すべての運〟ってことはないよねぇ、、、ちょっと不安(;・∀・)ツアーノチケットアタリマスヨウニ

まぁ、そんなこんなで、
いろいろと面白いことたっぷりで、楽しい1日になりました。

さぁ、今日からまた1週間が始まります。
元気出して頑張りましょう♪

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藍の月。1





小さく響く、扉の閉まる音。


---んん、ユノさ、、、どう、したの? ---


テミンは、まだ半分夢の中のようで、寝返りを打ち、そしてまた瞼を閉じた。


「チャン、ミン、、、」


痛む頭で、この状況を理解するのには暫く時間がかかったように思う。

追いかけないと・・・
そうだ、チャンミンを追いかけないと・・・


ようやく、夢の中から抜け出した俺は、チャンミンを追いかける為にベッドから飛び起きた。
重い身体と、痛む頭を引きずるようにして、床に投げ捨ててあった上着を急いで着て扉を開ける。





「・・・・・」


足がその場でピタリと止まった。

チャンミン・・・


扉を開けると、俺の目に映ったもの・・・

チャンミンは、カーテンを開け放った窓辺に立ち、薄暗い外の景色をじっと眺めていた。

俺は、ゆっくりとチャンミンに歩み寄り、手を伸ばした。
触れたくて、抱きしめたくて・・・

けれど、寸前のところで俺の手が止まる。
それは、チャンミンの肩がわずかに震えていたから・・・

どうしてだか、触れるのを躊躇った。


「チャンミン、ごめん・・・」


それだけを口にするのが精一杯で・・・


〝ごめん〟 


その言葉の意味を、お前は理解できるだろうか・・・


・・・・・「何に謝るの? 」


チャンミンは、窓の外を見たまま・・・


「チャンミン」

・・・・・「テミンと寝たこと?」

「・・・・・ちが、、」

・・・・・「そんなこと、僕に謝る必要なんてないよ」

「違うよ」

・・・・・「知ってるでしょ? 僕だって、ユノさん以外の男と寝てる」

「・・・・・」

・・・・・「どうして、、、どうしてあの人に会ったりしたの?」


チャンミンの言う 〝あの人〟


〝ユ・セヨン〟


チャンミンが愛しているかも、しれない男・・・


「知りたかった」

・・・・・「何を?」

「お前を」


そうだよ、チャンミン。
俺は、お前を知りたかったんだ。

〝好きにしていい、何も言わない〟 

そんなことは本心じゃない。

本当は、お前のすべてを知りたくて・・・

お前の背負ってるもの、お前を苦しめてるもの、
全部、全部どうにかしてやりたくて・・・


・・・・・「僕の何を?」

「・・・・・」

・・・・・「僕が、、、どんな男と寝てるのか、どんなふうに男に抱かれるのか、知りたくなった?」

「チャンミン、そんなこと言うな」

・・・・・「いいよ、教えてあげる」


そう言いながら、ゆっくりとチャンミンが振り向く。
口元の痣が、痛々しい。

思わず手を伸ばした。
指で触れると、チャンミンの身体がビクッと震える。


「あいつだろ? お前に、こんな・・・」

・・・・・「セヨンさん、いつも激しくて・・・」


えっ?


・・・・・「そういうセックスが好きな人がいるんだよ」


口元にある俺の指をゆっくりと手に取り、チロリと出した舌先を沿わす。


・・・・・「僕の中に自分のを突っ込んだまま、僕の頬を殴ったり、首を絞めたり・・・」


チャ、、、、


・・・・・「たまにね、僕も、、、すごく感じちゃって、意識飛ばしちゃう」


止めろ、チャンミン。


「やめ、、、」

・・・・・「僕、そういうのも好きなんだ。ユノさんみたいに、優しいのもいいけど・・・」

「やめろ、、、」


それ以上、言うな。


・・・・・「ねぇ、ユノさんも、、、僕にそうしてくれる? 」

「やめろ!!!」


俺は、チャンミンの手を振り払い、思わず後退りした。

チャンミンの言葉が、胸に突き刺さる。

嘘だ。
そんなのは、嘘だ。

どうしてお前は、そんなに自分を卑下するんだ。
お前はそんな奴じゃない。


そう、信じているのに・・・







〝お願い・・・キスして?〟


あの時の、チャンミンの揺れる瞳・・・


〝ユノさんに、愛される資格なんて、僕にはないんだ〟


震えながら・・・


〝ユ、ユノさん、、、もっと、、、もっと抱いて〟


分らない。
分らなくなってきた。



どのチャンミンが、本物なんだよ?

お前の真の姿は、一体どこにある?


本当のお前を知りたい。
知りたいんだ・・・





その時・・・

俺の背後から、扉の開く音が聞こえた。
振り向くと、キチンと服装を整えたテミンが立っていた。


「テミン」


--- 兄さん、ユノさんを苦しめるなんて、僕が絶対に許さない---



テミン・・・


それは、今まで見たこともない、冷たい表情のテミンだった・・・








39へつづく

読者の皆さま、おはようございます。

今日は、朝7時過ぎの電車に乗り、
大阪へ遊びに行ってきます。

娘2人と共に、難波で漫才を見に(;・∀・)
日曜日くらいゆっくりしたいのに、
超早起きして、旦那と息子のお昼ご飯の準備をして、掃除洗濯、、、、( ;∀;)゛

このお話が更新される時間、必死で掃除してる(笑)
電車の中でひと眠りするとします。



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藍の月。1




通りから子供の声が聞こえる。

窓辺からオレンジ色の光が差し込み始めて、
床に座り込んだ俺の顔を、少しずつ照らしてゆく。

一日の役目を終えた太陽が、月とすれ違う時間が近づいていた。



〝離して、、、、手を離して、ユノさん!〟



あの男は、チャンミンの何なんだろう。


あの時、
あの男に向かって差し出されたチャンミンの手・・・

震えてた。
ただの、〝客〟なんかじゃない。


なぁ、チャンミン・・・
お前、もしかして、あの男を愛してるのか?



結局、何一つ分らないまま、何一つ解決しないまま、
お前はあの男の後を追いかけて行った。

もしかしたら、お前はもう戻ってこないかもしれない。


〝お前の思うようにしていいから、、、
俺を好きになんかならなくていいし、誰と寝ようが何も言わないから〟



あんなことを言っておいて、
俺は、何やってるんだろう。

全部、俺が壊したんだ・・・



どの位、その場に座り込んでいたんだろう。

いつの間にか、辺りは暗くなり、
明かりもつけていない部屋は、冷たい空気と闇に包まれていた。


自分の息遣いと、時折、表の通りを走る車の音。

急に喉の乾きを覚え、ゆっくりと立ち上がり、
キッチンの冷蔵庫から、チャンミンが置いてたビールを取り出した。


「あいつ、こんなに・・・」


俺の小さな冷蔵庫は、少しの食材と、沢山のビールでいっぱいだった。
そう言えば、チャンミンがいてくれるようになってから、あまり冷蔵庫を覗くこともなかったな。

腹が減ったら食事の準備がしてあって、
喉が乾いたら、目の前のテーブルに飲み物が置かれた。

チャンミン・・・

いつの間にか、俺の中に入り込んできたお前。
そして、いつの間にか、俺の全てになったお前。

お前に惹かれた理由も、実は分らないんだ。

ただ、心地よかった。

お前の傍に居ることが・・・
お前が俺の隣りで笑って、泣いて・・・

俺の隣りで、朝、目覚めて・・・
俺の隣りで、夜、眠って・・・

そんな普通のことが、心地よくて、幸せだったんだ。



ゴメンな、チャンミン・・・・・







--- ユノさん、ユノさん、どうしたの? こんなに飲んで、、、ユノさんっ!---


誰かの声が、遠くから響いてくる。
俺を呼んでいる。

聞きなれた心地いい声・・・

頭がふらついて、瞼も重い。
床に倒れ込む俺の身体を抱き上げて、髪を撫でてくれる。


気持ちいい・・・

幼いころ、眠れなくて母親に強請って、髪を撫でてもらったっけ。
そんな感覚を覚えた。


--- ユノさん、、、大丈夫? 、ほら、摑まって? ベッドに行こう、、、ね?---


温かい腕・・・
俺は、その腕に縋りつくように身体を預け、そして、なだれ込むようにベッドに身を投げた。


「チャンミン、、、」

--- 僕はここに居るよ? 大丈夫だから・・・---


無意識に、あいつの名前を呼ぶ。

触れていたくて、俺は重い身体を懸命に動かし、
その温かい身体を引き寄せた。


「ここに居てくれ、、、行かないでくれ・・・」


ぼんやりと霞む視界の中、、、
俺の身体を包むその温かさに安堵しながら、俺は意識を手放した。







そして、またあの夢を見た。

深い深い水の底・・・
膝を抱えて震えている人影が見える。

音もない、色もない、そして、温もりもない。

氷のような冷たい水の中に、たった一人で蹲っている。


お前は誰?


俺の問いかけに顔を上げるけれど、薄暗くてハッキリしない。

お前は誰?



チャンミン?


いや、ちがう、、、


お前は・・・・だれ?









何処からか、小鳥のさえずる音がする。
閉じた瞼の向こうからは、まだ光を感じられない。

身体全体が、なにかに縛られたかのように重く、思うように動かない。


「んっ、、、、、」


少し身体の向きを変えようとしただけで、頭に激しい痛みが走った。


「っ、、、、、」


その時・・・


扉が開く音が静かな部屋に小さく響く。



・・・・・「 ユノさ・・・・」



そして、まだ静かな部屋に聞きなれた声、、、
それは、小さな小さな声だった。

けれど、俺の耳には、どんな音よりもはっきりと鮮明に入り込んできたんだ。



・・・・・「テ、テミ、ン・・・ど、どうして?」



えっ?

一瞬にして、意識が戻る。
扉の前で、立ちすくむその人。


「チャン、ミン?」


チャンミンの瞳は、俺ではなく、ある一点を見つめていた。


--- んんっっ、、、ユノさん?---


驚いて、声のした方に視線をやる。

ベッドに横たわる俺の隣り・・・


「テミン、お前、、、どうして・・・」


白くて細い華奢な腕が、半身裸の俺の胸にぐるりと回されていた。







38へつづく

読者の皆さま、おはようございます。

昨日、いつも美容院でする毛染めを、家でしたら、
気分が悪くなってお風呂でぐったりしてしまいました(;・∀・)
密室でするとダメですね(笑)
やっぱり美容室へ行こう(;・∀・)

そして、息子がヤフオクドームへはどうやったら行けるのか?と聞いてきました。
さては福岡当選したな(笑)ププ




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藍の月。1





・・・・・「ユノさん、どうしたの?  美味しくない?」


少し冷めてしまった俺の好物のオムレツ。
チャンミンが温め直してくれた。


「そんなことないよ、美味しいよ?」

・・・・・「でも、さっきから全然食べてないよ?」


そう言われて、我に返った。


「ゴ、ゴメン、、、ちょっと考え事してて・・・」


俺は、左手に持つフォークを、オムライスの隣りに添えられたプチトマトに突き刺した。


・・・・・「お仕事? なにか素敵な案が浮かんだの?」

「うん、、、どうかな? チャンミン、今日は家に居るだろ?」

・・・・・「うん、今日はここにいるよ」

「俺、ちょっと出かけるから」

・・・・・「お仕事?」

「ん、うん、打ち合わせ。すぐに戻るよ」


俺、上手く誤魔化せてるかな?
チャンミンは、柔らかい表情で俺をジッと見ていた。


・・・・・「上手くいくといいね」






チャンミンに仕事だと言った手前、それらしい荷物を手にしてアパートを出た。
地下鉄に乗り込み、2つ目の駅で降りる。

指定された場所は、下車した駅から数分の大きなビルのラウンジだった。


〝一階の奥に、ラウンジがあります。そこで話しましょう〟


見上げると、どのくらいの高さだろうか?
とにかく、地上からは降り注ぐ太陽の光に邪魔されて、最上階は確認できなかった。


俺は、大きく深呼吸して、そのビルに足を踏み入れた。







約束した時間はとうに過ぎていた。
俺、もしかして揶揄われたのか? 

あと5分、、、待っても来なかったら帰ろう。
きっとチャンミンが待ってる。

そう心に決めて、テーブルの上の冷めてしまった紅茶を口に運んだ時だった。



--- あの、チョン・ユンホさんですか? ---


慌ててカップを戻して、顔を上げると、
そこに立っていたのは・・・


「はい、そうです。 ユ・セヨンさん、、、ですか?」


--- 初めまして。遅れて申し訳ありません---






テーブルの向こうで、コーヒーを飲むその人は、


〝チャンミン? じゃ、、、ないな。お前は誰だ? 〟


チャンミンの携帯電話から聞えてきた、あの声の持ち主。

自分勝手に想像していた人物と、まるで違っていて、
上質のスーツを着こなし、立ち振る舞いも上品で紳士的だ。

そして何よりも、若い・・・
俺とそんなに違わないんじゃないだろうか?

この人が、チャンミン、、、の?

コーヒーのカップを音も立てずにソーサーに戻すと、ユ・セヨンと名乗る人物は、
俺に視線をピタリと合わせた。


--- 本題に入りましょう。チャンミンと貴方、、、チョンさんはどういう関係ですか?---


そう言われて、言葉が見つからなかった。

俺たちは、どういう関係なんだろう。

友達でもなければ、恋人でもない。
ただ、一緒に住んでて、食事して、眠って・・・

言葉が出なくて、言い淀んでいたら、
ふっ、、、と鼻で笑うような音と共に、さっきとは違う、強い視線が俺に突き刺さった。


--- もしかして、あいつの客、、、ですか? ---


〝客〟


その言葉だけは、許せなかった。


「僕は貴方とは違う。僕は、チャンミンを愛してます」


俺のその言葉に、一瞬驚いたような顔をして、そして、、、


--- 愛、、、してる、、、ですか? はっ、あははははは、これは面白い---

「なにが、、、何がそんなに可笑しい?」


冷たく笑い続けるその男が、ピタリと笑いを止めて、
今度は口角を片方だけ吊り上げ、俺を見据えた。


--- 貴方は、あいつを知らない。あいつは誰とでも寝る淫女、ならぬ、、、淫男ですよ?---

「チャンミンは、そんな奴じゃありません」

--- ほら、やっぱり何も知らない---

「あいつが話したくないなら、俺はそれでも構わない。けど、なにか事情が・・・・」

--- あいつの・・・---


俺の言葉を最後まで聞かず、冷たい表情のその男が口にした言葉に、
俺は、自分の中に沸き起こる怒りの熱を抑えきれなかった。


--- あいつの綺麗な顔、、、大丈夫でしたか?---

「お、お前か・・・」


テーブルの上のティーカップが倒れて派手な音を立てる。
回りのテーブルの客たちが、俺たちの方に視線を向け、ざわつき始める。


気が付けば、俺は立ち上がり目の前の男の胸倉を掴んでいた。


すると、何処からか黒いスーツを身に纏った屈強そうな男が2人、駆け寄ってくる。
胸倉を俺に摑まれたまま、男は苦笑しながら、黒いスーツの男たちに向ってさっと手を挙げた。

それを合図のように、男たちの動きがピタリと止まる。


--- チョンさん、1つ助言しておきましょう。あいつはやめた方がいい---

「お前に関係ないだろ? あ?」

--- いえ、大いに関係あります。 私とチャンミンは・・・---



その時・・・・・




・・・・・「セヨンさん!!」


その声に驚いて振り返ると、ラウンジの入り口から走り寄る・・・


チャンミン?


どうして?


言葉が出なかった。


--- 私が呼び出したんですよ---

・・・・・「離して、、、手を離して、ユノさん!」


咄嗟に、両手を離す。

男の身体が、ソファに投げ出されたようにドサリと沈んだ。


・・・・・「セヨンさん、、、大丈夫ですか?」


膝をついて、男に手を差し出そうとするチャンミン。
その手を邪険そうに振り払う男。


「チャンミン、、、」

--- おい、チャンミン。お前、趣味が悪いな。こんな男、ただ寝るだけでも止めておいた方がいい---

「チャンミン、、、」



・・・・・「ユノさん、帰って・・・」


えっ?


・・・・・「帰ってください」


はぁ、、、、と、
男は、大きなため息とともに立ち上がってスーツの襟元を正す。


--- そうだ、すっかり忘れていました---


スーツの内ポケットからすっと取りだし、
差し出されたのは、1枚の名刺。


受取る気もしなくて・・・


「お前が何処の誰だろうと関係ない。そんなもの・・・」


そう、俺が言い放つと、男は、そっと名刺をテーブルに置いた。


--- では、失礼します。チャンミン、行くぞ---

「チャンミン、、、帰ろう。俺と一緒に帰ろう」


チャンミンは、俺の目をジッと見て震えていた。


そして、小さな声で・・・


・・・・・「ごめんね」


たったその一言だけを残して、チャンミンは男の後を追う。


「チャンミン!」


冷たい空気が、俺を包む。
俺の声は、チャンミンには届かない。





なぁチャンミン、戻ってくるだろ?

アパートで待ってるから・・・


ずっと、待ってるから・・・







37へつづく

読者の皆さま、おはようございます。

昨日から、ビギ先行が始まりましたね。
皆さんが、私のSPの当落を心配してくださったんですけど、
今回、私はエントリーしませんでした。

読者さまの中でお1人当選された方がいらっしゃいましたが、
やっぱりご用意できるお席も少ないですし、当選はなかなか難しいですね。

ビギ先行は11日までです。
思いのほか期間が短いので、忘れる事のないように早めにエントリーしましょうね♪




それでは、皆さま、今日は1日お天気が悪いようですが、
何かいい事ありますように♪

いつもご訪問ありがとうございます。





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