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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



君は僕を何も知らない。~青空の下で~






--- チャンミン!!!  お待たせっ、あれ? ---


緑の芝生が広がり、空は青く、柔らかい風に乗って、白い雲がゆっくりと流れている。


・・・・・「ユノさん、少し遅れるって、、、」

--- 一緒じゃなかったの? ---

・・・・・「うん、昨日の夜は、ユノさん、仕事だったから・・・」


僕の座るベンチの隣に腰を下ろして、
ジェミンが僕の顔をじっと見つめている。


・・・・・「どうしたの?」

--- だってさ、、、もう何年? そろそろ一緒に暮らせば? ---

・・・・・「そんな簡単じゃないよ、、、」


僕とユノさんの複雑な過去を、ジェミンは詳しくは知らない。



僕は、大学3年になった。
ユノさんと再会して、もうすぐ2年になる。

ユノさんは、無事に夜間の学校を卒業して、
今はお昼の現場の仕事と、週に何日か、工場の仕事を続けていた。

時々、夜の仕事の前に、僕のアパートで食事をして、
ユノさんの仕事がお休みの日は、一緒に映画を見たり、ゲームをしたり、、、
僕たちの日常は、特に何も変わり映えはなかった。


戻ることもなく、進むこともなく・・・


あれは、1週間前・・・




〝なぁ、チャンミン。今度の金曜日さ、、、、〟


突然、ユノさんが公園でお弁当が食べたいと言い出した。

しかも、、、


〝ジェミンも一緒に、、、どうかな?〟


今日が、その金曜日。

ユノさんにそう告げられた時は、いい大人3人で、公園でピクニック?

なんて、少し恥ずかしいって、、、そう思っていたのに、
僕は、朝起きて一番にカーテンを引いてお天気を確かめた。

青い空が、僕の頬を緩めた。




・・・・・「ジェミンは、どう? 彼女と順調?」


数か月前、大学の構内でいきなり紹介された。


〝実は、彼女と付き合ってるんだ〟


髪の長い、とても綺麗な女性・・・


〝初めまして〟


2人がお互いを見つめて、自然に溢すやわらかい微笑み、、、
それを見ていたら、僕までもがとても幸せな気分になった。


・・・・・「彼女も連れてくればよかったのに」

--- ううん、今日は特別な日だから、彼女はまた今度---

・・・・・「特別?」



--- あ、、、ユンホさんじゃない? ---


ふっと、ジェミンと同じ方向へ視線をやる。
公園の入り口から、大きく手を振ってるユノさんを見つけた。

急ぎ足で、僕に向かって駆けてくる。

思わずベンチから立ち上がって、手を振った。



「ごめん、、、待たせたか?」

・・・・・「ううん、大丈夫。ジェミンと話してたから・・・」

--- ユンホさん、こんにちは---

「待たせて悪いな、ジェミン、、、」


暫くぶりだろう2人は、ベンチに腰かけて話を続ける。

僕は、持ってきたお弁当を広げて、
食事の準備を始めた。

こんな風に、穏やかな時間を過ごせるようになるなんて・・・
ベンチで笑いながら話す2人を見ていたら、胸が熱くなった。


・・・・・「準備できたよ、食べようよ」


それぞれのカップにコーン茶を注ぎ、顔を上げると・・・


・・・・・「ユノさん?」


見上げたそこに、ユノさんが真剣な表情をして僕を見ていた。


「チャンミン、立って?」

・・・・・「うん、、、」


ゆっくりと立ち上がり、ユノさんと向かい合う。




「食事の前に、チャンミンに伝えたいことがあるんだ。」


ユノさんの表情が少し強張ってる。

こんなユノさんを見るのは、久しぶりで・・・
なぜか、とても不安になる。


・・・・・「うん、、、」

--- ユンホさん、いい? ---

「ああ、、、」


えっ?

向かい合う僕たちの隣に、ジェミンが立つ。


「チャンミン、その、、、」

・・・・・「・・・・・」

「あの、、、」


瞳を泳がせながら、言葉を選んでる?


「だから、その、、、」

--- ユンホさん、しっかり!! ---


ユノさんをせかすように、ジェミンがユノさんの肩を叩く。


・・・・・「ねぇ、2人とも、どうし、、、」

「お、俺と、結婚してくれ!!!」





・・・・・「・・・・・」

--- ・・・・・ ---





僕たちの周りだけが、静まり返ったよう、、、
風も止み、小鳥のさえずりも聞こえない。

訳が分からず、言葉を失った僕、、、
そして、ジェミン・・・

暫く沈黙して、そして一番に声を発したのは・・・


--- ユノさん、気持ちは分かるけど、言葉が違ってるよ---


大きなため息を吐いて、ジェミンが肩を落とした。


・・・・・「あ、あの、、、ユノさん?」

「ごめん、そうじゃなくて、、、」


困惑した表情を浮かべながらも、上着のポケットから、何かを取り出す。

そして、、、


「これ、、、」


差し出された、ユノさんの掌・・・
その上に・・・


「一生懸命働いて、買ったんだ」


きらきら光る、、、それ、、、


・・・・・「リング?」

「ほら、俺と・・・」


よく見ると、ユノさんの指にも同じものが・・・

うそ・・・・・


・・・・・「これを、僕に?」


ホントに?


「お前以外の誰に、、、お、おい、、、チャンミン?」

--- あーあ、泣かしちゃった---



ユノさんが、僕に・・・

嬉しくて、、、
どうしよう、、、

涙が止まらない。



「泣くなよ、ほら、、、」


差し出される掌・・・・・


「受け取ってくれるだろ?」


早く手に取って、指に嵌めたいのに、
涙が滲んでよく見えない。


--- ユンホさんそういう時は、ちゃんと手を取って、、、---

「あ、ああ、、、」

・・・・・「・・・・・」

「ほら、チャンミン、、、手、出して?」


ゆっくりと自分の手を差し出す。
僕の指に、ぴったりと納まる。


・・・・・「ぴったりだね、、、」

「当たり前だろ? 俺はお前の事なら何でも知ってる」



〝お前の事なら、何でも知ってる〟



お揃いのリングも、もちろん嬉しかったけど、
でも、ユノさんがくれたその言葉が、なによりも僕の心を捕えて離さなかった。


--- ほら、ユンホさん、、、まだあるでしょ? ---

「ああ、分かってるって、、、」


ユノさんは、なぜかまた緊張気味に僕に視線を合わせた。


「チャンミン、実は今度、職場の寮を出ることになって・・・」

・・・・・「えっ? 引っ越すの?」

「新人の若いやつらに、部屋を譲ることにしたんだ。で、それで、、、」

・・・・・「・・・・・」

「も、もし、、、お前が、、、」

・・・・・「・・・・・」

「その、お前が、、、あーっ、、、やっぱり、、、」

--- もう、じれったいな---

「ジェミン、ちょっと黙ってろよ」


僕は、わけがわからず、2人のやり取りを黙って見ていた。


「その、チャンミン・・・」

・・・・・「はい、、、」

「い、一緒に、、、、俺と一緒に暮らさないか?」

・・・・・「えっ?」

「嫌とは言わせない、それ、、、受け取っただろ?」


ユノさんの視線の先は、リングの嵌った僕の指。


--- チャンミン、今ここで、やっとユンホさんの第一声に繋がるんだよ---


第一声?


〝お、俺と、結婚してくれ!!!〟




・・・・・「僕たち、結婚、、、するの?」


こんなにも僕を驚かせるユノさんを、少しだけ困らせたくて、
出来もしないことを、聞いてみたのに・・・


「まぁ、その、、、結婚って言ったら大げさなんだけど、、、」


恥かしそうに、頬を染めて・・・


「お前が傍に居る毎日って、、、幸せだろうなって、、、」


真剣な眼差しで、そんなことを言う、、、


・・・・・「ユノさん、、、」


そんな貴方が・・・


「も、もちろん、お前のことも幸せにする。約束する。」

・・・・・「・・・・・」

「ジェミンが証人だ。ダメか?」

・・・・・「・・・・・」

「・・・・・チャンミン?」



そんな貴方が、大好きだよ。




・・・・・「嫌って、言わせないんでしょう?」





--- や、やったね、、、ユンホさん、チャンミン、おめでとう~!!!!!---




ジェミンの掌が、空を舞う。

手品のように、その掌から放たれた紙吹雪が、ひらひらと舞い散る。
きらきらと光るそれに触れたくて、僕は空に向かって手を伸ばした。







--- チャンミンのお弁当、すっごく美味しいね~---

「だろ? ジェミンはラッキーだな。チャンミンの作った弁当、食えるなんて、、、」

--- よく言うよ、助けてくれって、泣きついてきたくせに・・・---

「ば、バカ言うなよ、、、」

--- はいはい、ご馳走さま---

・・・・・「ふふ、、、、、」



それから、お弁当の上に舞い落ちた紙吹雪を、わいわい言いながら3人で集めて・・・


「大体、こんなもん、頼んでないだろ?」

--- ごめんね、チャンミン。チャンミンが喜んでくれるかと思って・・・---

・・・・・「ううん、とっても嬉しかったよ。ありがとう、ジェミン」



大切な親友、ジェミン・・・


そして、、、

僕の愛する人、ユノさん・・・



この青い空の下で、
大切な人たちと笑いあう時間。

あの頃の、孤独だった僕はもうどこにもいない。



・・・・・「ユノさん、、、美味しい?」





「決まってるだろ? チャンミンのたまご焼きは、世界一美味いよ」






君は僕を何も知らない。~青空の下で~ ・・・・・ fin

読者の皆さま、こんにちは。
今日は、昨日完結しました『君は僕を何も知らない。』のその後のお話をお送りしました。

1話の読みきりですが、
皆さんに2人の近況をお伝え出来たかな?って思います。

そして、明日からなんですが、、、
どうしましょう(笑)

今からちょっと悩みます( ̄ヘ ̄;)
お楽しみにしてください。

今日はバンコクなんですね。
無事に成功しますように♪



それでは、午後も素敵なひとときを♪
いつもご訪問ありがとうございます。




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私の心の中のお話です。
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君は僕を何も知らない。2





・・・・・「ユノさん、いらっしゃい」



〝お前が好きなんだ。愛してる・・・〟



あの日から、僕たちは時間を見つけては会うようになった。
普段は、僕は学校、ユノさんは現場の仕事で、なかなか会えなかったりするけれど、、、


「いい匂いがする。腹減ったな」

・・・・・「今日はチゲにしたよ」


ユノさんは、時々夜の仕事へ向かう前に、僕のアパートで食事していくようになった。
向かい合って、イスに腰を下ろす。


「ん、、美味い、、、」

・・・・・「ホント?」

「ん、、、お前も早く食えよ」


ユノさんが、僕の作った料理を美味しそうに口に運ぶ。
それを見てると、なんだかとても幸せな気分になった。


・・・・・「うん」










「実は、バーの仕事、クビになっちゃってさ」


それを告げられたのは、公園で会った日の数日後だった。


・・・・・「どうして?」

「ん、、、実は、派手にやらかしたんだよ、、、」

・・・・・「えっ?」

「あのバカ野郎、、、許せなくて、カーッとなってさ、、、」


バカ野郎?
もしかして・・・


〝この弁当、俺が食ってやるよ。あいつさ、毎日うんざりしてるぜ?〟

〝そう、毎日毎日食ってられるかよ、、、ってね〟




「あのバカのせいで、チャンミンの弁当も食いそこなったし、それに・・・」

・・・・・「・・・・・」

「カード、、、毎日楽しみにしてた。お前の事、お前のいろんなことを1つずつ知ってくような気がして・・・」

・・・・・「ユノさん、、、」

「だから、あの最後のカードは、、、」



〝出会ったころから、ずっと、、、僕は変わらず貴方が好きです。〟



「嬉しかった」


ちらりとユノさんの顔を覗き見る。

恥ずかしそうに頬を染めているユノさんと目が合って、、、
ふっと、お互い小さく笑い合った。

そんな彼を、僕はとても可愛いって、、、そう思った。



バーの仕事がダメになって、ユノさんは現場で働く先輩の紹介で、
週に数日、工場での仕事へ行くことになった。

僕のせいで、ユノさんの仕事がダメになってしまって・・・


・・・・・「ごめんなさい」

「そんなこと気にしなくていい。お前が悪いんじゃない」


申し訳ない気持ちで、胸がいっぱいになった。
けど、心の隅で、少しだけ安堵してた。

カウンターに座ってた綺麗な女性のお客さんと話すユノさんの姿・・・
忘れられなくて、胸が痛かったから・・・


ユノさんには、言えないけれど・・・




食事を終えて暫くすると、ユノさんは仕事へ出かけてゆく。

玄関で、靴を履く後姿を眺めていると、



「なぁ、チャンミン、、、」

・・・・・「はい」

「お願いがあるんだ」


振り向かず、扉のほう向いたまま・・・


・・・・・「なんですか? 僕に出来ることならなんでも、、、」


そう言うと、ユノさんは、ゆっくりと振り返って・・・



「その、、、」


瞳を泳がせて、僕と視線を合わせない。


・・・・・「どうしたんですか?」

「いや、その、、、少しだけでいいんだ、、、」

・・・・・「・・・・・」

「お前に、、、触れてもいいかな?」

・・・・・「ユノさん・・・」




ユノさんの心は、まだ自分を許してはいない。

けど、僕は思うんだ。

僕たちは、急ぐ必要はない。
時間はたくさんあるのだから・・・



・・・・・「うん、いいよ」


視線が重なる。
ゆっくりと、ユノさんの手が僕に近づき、大きくて温かい掌が、僕の頬を包んだ。


・・・・・「ユノさんの手は、いつも温かいね」




大丈夫、、、

僕たちは、始まったばかり・・・



「行ってくるよ」

・・・・・「行ってらっしゃい。気を付けてね」


扉が閉まると、僕はすぐにリビングの窓辺に向う。



暫く外を眺めていると、ユノさんの姿・・・
大きく僕に向かって、手を振ってくれる。

街頭が灯る通りを、ユノさんの姿が見えなくなるまで眺めてる。




さっき、ユノさんに触れられた頬が、ジワリと熱を持ち続けてる。
自分の掌をそっと当ててみた。





僕たちの出会い


「お前、名前なんてーの?」
・・・・・「シ、、、シム・チャンミン」



そして、辛い別れ


・・・・・「僕はもう、いらないんだね」
「俺を赦すな、、、、」




どうにもならない現実と、本当の想いに苦しんで戸惑った日々・・・


「あの頃に戻れたら、俺、もっともっと、お前を大切にするのに・・・」



やっと、想いを伝えあった日


・・・・・「知りたいんだ。傍に居たい。好きなんだ」
「お前が好きなんだ。愛してる・・・」






・・・・・「ユノさん、、、」


頬の温もりは、まだ消えていない。

僕たちには、いろんなことがあったけれど、
この温もりさえあれば、これから2人で過ごす時間はきっと穏やかで温かい時間になるはず。


そうだよね、ユノさん・・・



少しずつで構わない。

もっと貴方を知りたい
もっと僕を知ってほしい

そうすればきっと、今までよりももっともっと、、、
貴方を好きになるから・・・





貴方が居なくなった静かな部屋。

テーブルの上の携帯電話が、メッセージの着信を知らせる。



--- チャンミン、好きだよ、愛してる---



・・・・・「僕も愛してるよ、、、」


携帯電話を胸に当て、目を閉じた。
この胸の鼓動が、貴方に聞こえるかな?


ユノさん、
貴方に届くといいな。



窓の外に広がる夜空も、きっと・・・

あの日、2人で眺めた青空と同じように、
僕たちを見守っていてくれる。






--- 俺、チャンミンの卵焼きは世界一だと思う ---









君は僕を何も知らない。・・・ Fin

読者の皆さま、こんにちは。
『君は僕を何も知らない。』 29話で完結です。
少しダークな内容のお話だったので、
読者の皆様に受け入れてもらえるか、実はちょっと心配していたのですが、
お話の2人にそっと寄り添ってくださって、見守ってくださいました。
ありがとうございます。

実は、この後1話読み切りですが、
その後の2人のお話がありますので、
明日は、そちらを更新させていただきます。

とりあえず、本編完結です。
よろしかったら、感想などお聞かせくださいね。


それでは皆さま、午後も素敵なひとときを♪
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私の心の中のお話です。
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君は僕を何も知らない。1





芝生の上で寝そべったまま、僕を覗き込むその人の表情を見ていた。

もっと見ていたいのに、
涙が邪魔して、ユノさんの顔が揺れてしまう。


「泣くなよ、、、」


そう言いながら、ユノさんは僕の隣に並ぶようにして身体を横たえた。


「今日も空は青いな、、、」


記憶が鮮明に蘇る。

僕たちは学生服に身を包み、今と同じように並んで空を何度も仰いだ。
あの頃の空の色、風の匂い、雲の流れ、、、


僕たちだけが、まるでタイムスリップしたかのように、回りの景色が違って見えた。






「あの頃、お前が好きだった」



唐突に、ユノさんは話し始めた。
ゆっくりと、穏やかな声、、、


「お前といると、毎日の辛いことや寂しさが、どうしてだか消えてなくなるようだった。
絶対に、お前を離したくないって、、、そう思ってた」

・・・・・「ユノさん、、、」

「大切だったんだ。なによりも、誰よりも、、、」



僕だって、
同じだよ。


「あの時、、、あの雨の日、母さんが俺を捨てて家を出た。俺の小さな世界の中に、誰も居なくなった。
お前以外、誰も・・・」

・・・・・「・・・・・」

「そう思ったら、怖くなったんだ。とてつもなく大きな孤独感が、俺を襲った。
もし、お前が居なくなったら俺は一人になってしまう。それがとても、怖かった」


涙を拭って、ユノさんを見ると、瞳を閉じてその表情は読み取れない。


「どうしても、お前を無くしたくなかった。自分のものにしたかった。俺のだって、、、
お前は、、、チャンミンは俺のだって、、、俺だけのもんだって、、、」



その瞬間・・・

瞳を閉じたユノさんの目じりから、一筋の涙が滑り落ちた。


震える手を伸ばす。
指でそっとその涙を拭うと、ユノさんは瞼をゆっくりと開いて僕を見た。


「お前を傷つけた。俺の自分勝手で愚かな感情に流されて、一番大切で、俺の宝物だったお前を・・・」




その時思ったんだ。
僕はとても愛されていたんだと・・・

そして、きっと今も、愛されているんだと・・・・・



「ごめん、、、」


震える声で、彼は何度もその言葉を繰り返す。

僕は、どんな言葉で答えればこの気持ちが届くのだろう。
分からなくて、、、

そんな彼に微笑んで、首を何度も横に振る。


・・・・・「言ったでしょ? もうとっくに許してる」

「・・・・・」

・・・・・「昨日、ユノさんのお店の人に、貴方が〝毎日うんざりしてる〟って、そう言われた時、、、
悲しくてお店を飛び出したけど、よく考えたら、それは正しいんじゃないかって・・・」

「チャンミン、、、ちが、、、」

・・・・・「ユノさんは、過去のことを忘れようと思っているのに、
なのにまた、僕と出会ってしまって、、、ユノさんは困惑してるんじゃないかって、、、」

「チャンミン、、、」

・・・・・「僕、ユノさんに僕を知ってほしかったんだ。あの頃、僕たちはお互いをよく知らなかったから・・・
せっかく神さまが、もう一度引き合わせてくれた。だから、今度はもっと僕を知ってほしかった。また、昔みたいに、、、」

「・・・・・」

・・・・・「もしかしたら、あの頃のように貴方の傍に居られるようになるかも、、、って、、、」



僕は、横たえた身体をゆっくりと起こす。
僕の胸の上から、はらりと落ちた、昨夜のカード・・・

それを拾い上げ、ユノさんに差し出した。


・・・・・「これ、、、」


ユノさんも、ゆっくりと身体を起こす。
そして、そのカードを手に取った。


・・・・・「もっと僕を知ってほしい。そのカードが僕の本当の心」





〝出会ったころから、ずっと、、、僕は変わらず貴方が好きです〟





「チャンミン、俺の話、聞いてなかったのか?」

・・・・・「えっ?」

「お前に伝えたいことがあるって、、、なのに・・・」

・・・・・「・・・・・」

「なのに、俺より先に言うなよ、、、カッコつかねぇだろ?」



頬に流れる涙が、光を反射してる。
とても綺麗で・・・

僕たちは、お互いの瞳をじっと見つめて、、、そして微笑み合った。



ユノさん、、、
僕に言わせて、、、

ずっと伝えたかったんだ。
だから、僕に言わせて、、、



・・・・・「好きだから、、、ずっと、忘れられなかった」

「・・・・・チャンミン」

・・・・・「もっと、貴方を知りたい。お誕生日、血液型、好きな食べ物、苦手な食べ物、、、」

「・・・・・」

・・・・・「趣味とか、仕事の事とか、友達の事、好きな色、好きな音楽、、、それに、、、離れていた間、どうしてたのか、、、
いろんなこと、もっともっと・・・」

「チャンミン」

・・・・・「知りたいんだ。傍に居たい。好きなんだ」



ユノさんの震える腕が、僕にゆっくりと伸びてくる。



「触れたかった。お前にずっと・・・」



そして、僕の身体は彼の腕の中に吸い込まれるように重なった。


「一生、許されないと思ってた」


ユノさんの鼓動が、ドクドクと波打つのが僕に伝わってくる。


「お前の事、1日だって忘れたことはなかった」


そして、僕の鼓動もきっと、ユノさんに伝わってる。


・・・・・「ユノさん・・・」

「お前が好きなんだ」


ユノさん、お願いだよ。

もう、自分を・・・
自分自身を、許してあげてほしい・・・



「愛してる・・・」







風が吹く・・・


ふわりと暖かな風が、僕たちを包む・・・・・



きっと、今日の空も忘れられない。

あの時、二人で仰いだ空と同じように、
きっと忘れられない景色になる。




そうでしょう?

ユノさん・・・・・








29 (完結話) へつづく

読者の皆さま、こんにちは。
ついにこちらのお話も次回で完結になります。
最後まで2人を見守ってあげてくださいね。


さて、朝から雨降りです。
今日は1日雨模様。

なのに旦那が休みとか(T ^ T)
リビングからお部屋に移動して、のんびりしたいと思います。
実は、腰を痛めちゃったのです(T ^ T)




それでは皆さま、午後も素敵なひとときを♪
雨、風にご注意を。

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君は僕を何も知らない。1





・・・・・「いいお天気、、、」


コーヒーのいい香りが、部屋の中に漂う。

テーブルの上には、コーヒーが注がれたお気に入りのカップと、ベーコンエッグと色鮮やかな野菜サラダ。
トースターから、パンの焼けるいい匂いがしてきた。


・・・・・「いただきます」


窓の外から、小鳥がさえずる音が聞こえる。
差し込む朝日が窓ガラスに反射して、部屋の中はとても暖かく心地いい。

コーヒーを一口喉に流すと、僕は小さなため息をついた。


ふと、テーブルの隅に目をやると、
昨夜持ち帰ったお弁当が、そのままポツンと置かれている。


〝あいつさ、毎日うんざりしてるぜ?〟



そうだよ。

あんなふうに言われて、悲しくてその場を放り出したまま戻って来たけれど、
ユノさんにしてみれば・・・

コーヒーカップを置いて、お弁当の包みに手を伸ばして引き寄せる。
結んだ包みを開くと、僕が書いたカードが1枚。



最後まで、伝えきれなかった。
僕の心・・・


僕は、カードを胸のポケットに入れて、お弁当を手に取る。
そして、キッチンのゴミ箱にお弁当を投げ入れた。


ユノさん・・・

僕たちは、始まる前に終わってしまったね。
初めて出会った時から、ずっと貴方に惹かれてた。

あの頃、僕はとても孤独で、
そんな僕に、貴方は手を差し伸べてくれた。


〝おっと、、、わりぃ、わりぃ、、、大丈夫か?〟


僕は、その手を取らなかった。


〝い、いえ、、、大丈夫です〟


もし、あの時貴方の手を取っていたら・・・

差し伸べられた手に、重ね合せていたら、
僕たちの運命は変わっていたのかな?


窓から外の景色を眺める。


今日でこの気持ちとサヨナラしよう。

だから、今日1日だけ、、、
貴方を好きでいてもいいよね、、、ユノさん・・・








朝の日差しが、さらに強さをます午後。
上着の袖を捲りたくなるくらいの陽気・・・


僕は、公園の芝生に腰を下ろしていた。

手には、昨日渡せなかったユノさんへのカード。

そのカードを、まるで抱きしめるように胸に当てた。
そのまま、目を閉じて大きく深呼吸する。


そして僕は、芝生の上に身体を横たえた。

瞼の裏に移る景色は、貴方と並んで見た青い空。
もう二度と、貴方と一緒に見ることもない。


これから先・・・


僕は貴方以外の誰かを、好きになれるかな?
貴方以外の誰かを、愛せるかな?


閉じた瞼・・・
目じりから、溢れ出る涙・・・


その時・・・



瞼の向こう側の光が、突然何かに遮られた。

恐々目を開けると・・・・・




・・・・・ 「ユ、ノ、、、さ、、、」

「お前さ、、、確か俺を誘ったんじゃなかったっけ?」


どうしてここに?


「あれ? 違ったっけ?」


〝今度、今日みたいに晴れた日に、公園で一緒にお弁当を食べようよ〟
〝そのあと、芝生の上に寝そべって、空を眺めよう。ね?〟




・・・・・「・・・・・」

「何とか言えよ」



どうしてここに、ユノさんが?


・・・・・「どうし、て、、、」

「チャンミン、、、俺、逃げるのは止めた。お前に・・・」

・・・・・「・・・・・」

「伝えたいことが、あるんだ」








28へつづく

読者の皆さま、こんにちは。
このお話にコメントを下さる読者さまが、毎回ヤキモキしておられるのを見て、
もうすぐです、もうすぐなんです!! って心の中で思いながら、コメントを読ませていただいてました(笑)
次回です(笑)お楽しみに♪

このお話の更新時間の1時間後、エイネの当落発表なんですよね。
朝まで忘れてました(笑)

エントリーされた方の元に、チケットの神様が舞い降りますように♪


それでは皆さま、午後も素敵なひとときを♪
いつもご訪問ありがとうございます。






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君は僕を何も知らない。1





ユノさんからの連絡もなく、そして、僕も何も出来ずに時間が過ぎた。

1日の終わり。
窓から夜空を眺めては、ため息をつく日々・・・

きっとこのまま何もしなければ、僕たちは終わる。



・・・・・いや、そうじゃない。



このまま何もしなければ、僕たちは始まらないんだ・・・









それは、ユノさんと公園で再会してから1か月が経った頃・・・



「チャンミン、、、」

・・・・・「ごめん、、、」


ドキドキと、痛いくらいに波打つ鼓動。
何度も迷いながらも、僕はその鼓動を押さえつけるように胸に掌を当て、ユノさんのお店の扉を開けた。

僕の顔を見て、ユノさんは少し困った表情を浮かべる。

迷惑だと分かってる。
けれど、ここに来たことを後悔はしない。

ユノさんに、伝えたいことがあるから・・・
知ってほしいことがあるから・・・


「座って、、、何にする?」

・・・・・「ううん、今日はすぐに帰るよ」

「せっかく来たのに、何も飲まずに帰るのか?」

・・・・・「これ、、、」


僕は、背中からリュックを下ろすと、
その中から包を取り出してユノさんの前のカウンターに置いた。


・・・・・「食事が終わってたなら、捨ててもらって構わないから・・・」

「これって、、、」


ユノさんの顔を見ることは出来なかった。
きっと、戸惑ってる。

今更、なんなんだ、、、って・・・

けど、僕にはこれしかできなくて・・・
何か彼のために、、、そう思っても、思い浮かぶことはこれしかなくて・・・

どんなに時間が経っていようとも、僕の中の貴方はあの時のまま。
こんなことしか、出来ない。


・・・・・「迷惑なのは、分かってる。僕の自己満足だよ。だから、捨ててもらってもかまわな、、、」

「そんなこと、出来るわけないだろ?」


ユノさんのその言葉。
ふっと、顔を上げると、その包を手に取って笑ってた。


「ありがとう。チャンミン、、、休憩時間に食べるよ」


その笑顔が、僕の胸を熱く焦がす。


・・・・・「僕、帰るね、、、」

「ゆっくりしてけよ」

・・・・・「ううん、また明日来るから、、、じゃあ、、、」


引き留めるユノさんの言葉を振り切るように、僕は店を出た。





その日から、僕は毎日お店に通った。
特に、凝ったものなど何もない、ただのお弁当。

けれど、ユノさんがくれる


〝美味しかったよ〟


その一言が、とても嬉しかったから・・・



そして、僕はいつの頃からか、包の中に小さなメッセージカードを入れるようになった。
そのカードには、小さなことだけど、僕のことを少しずつ書くようにした。


生年月日、血液型、好きな食べ物、苦手な食べ物、好きな色、好きな音楽、
趣味、大学での小さな出来事や、その日の空の様子、雲の流れ、太陽の光、星の輝き、月の満ち欠け・・・

ほんの些細なこと
つまらない僕の日常

けれど、知ってほしかった。

僕を・・・
僕という人間を・・・

そこからもう一度、始めたかったから・・・

あの頃のような特別な感情じゃなくてもいい。
僕のこの気持ちが、少しずつでもいい。


ユノさんに届くように・・・

そんな思いを胸に抱いて、いつものようにユノさんのお店に向かったある日・・・






その日、ユノさんは、カウンターに座るとても美しい女性と話していた。

慣れた手つきで、グラスにお酒を注ぐ。
その女性は、そんなユノさんをじっと見つめている。


--- いらっしゃいませ、、、あ、君、、、ユンホの・・・---


その人は、時々見かけていた、ユノさんと同じカウンターの向こうにいる人。
毎日通っているから、きっと僕のことを覚えてる。


・・・・・「あの、、、すいませんが、これをユノさんに、、、」


そう言って包を取り出し、手渡そうと差し出すと・・・


--- なぁ、毎日弁当? なんなの? あいつが好きなの?---

・・・・・「い、いえ、、、」

--- けど、女じゃあるまいし、弁当って、、、---

・・・・・「・・・・・」

--- まぁ、あんたなら、そこら辺の女よりよっぽどその気になりそうだけどな、、、---


そう言いながら、お弁当を差し出す僕の手をグイッと引き寄せる。


・・・・・「や、止めてくださ、、、」

--- この弁当、俺が食ってやるよ。あいつさ、毎日うんざりしてるぜ?---


えっ?


・・・・・「うんざ、り?」

--- そう、毎日毎日食ってられるかよ、、、ってね---






「あれ、チャンミン、、、来てたのか?」


カウンターの奥から、ユノさんが僕に気づいて声を上げる。


・・・・・「ユノさ、、、」


女性に何か一言告げ、ユノさんがこちらに歩いてくる。


・・・・・「ごめ、、、ごめんなさい、、、」



僕は、その場に居られなく、
お弁当を手に持ったまま、店から駆け出した・・・









27へつづく

読者の皆さま、こんにちは。

今更ですけど、これ見つけました(笑)

ユニリーバ 応募ハガキ

初めて行ったカインズで(笑)
沢山ぶら下がってましたけど、遠慮気味(?)に4枚連れて帰ってきました。
大切に保存しとこう(笑)ププ

あ、この応募用紙、メルカリで売られてました。
駄目でしょう、こんなの売ったら(怒)



それでは皆さま、午後も素敵なひとときを♪
いつもご訪問ありがとうございます。






こころ。

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