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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



※ このお話は、 『藍の月。』 の ユノさんとチャンミンの愛の一夜のお話です。



愛の月。





「チャンミン、ごめん、、、」


ベッドの隣で、天使のように柔らかい表情を浮かべて眠るお前。

久しぶりのチャンミンを、絶対に傷つけたくなかったのに、
途中から夢中になって、思うがままに揺さぶってしまった。

乱れた前髪をそっと流して、頬に触れる。
少し熱く上気しているのは、情事の名残なのか・・・


〝ユノさん、嫌いにならないで、、、〟


意識を手放す寸前、チャンミンが絞り出すように発した言葉・・・


俺は、いまだチャンミンを不安にさせているのだろうか、、、

なぁ、チャンミン。

どう言えば、どうすれば、
お前の心の中の不安を取り除いてやれるんだろう。


「愛してるよ、チャンミン」


丸い額にキスを落とす。


・・・・・「んんん、、、」


俺の冷たい唇の感触が、チャンミンを目覚めさせてしまったのか・・・


・・・・・「ユノさん?」

「チャンミン、辛くないか?」

・・・・・「うん、大丈夫、、、」


けれど、少し身体を動かすのも辛そうで、、、


「ごめんな、痛かったろ? ん?」


自分の気持ちが抑えきれなかったことを自覚している。


・・・・・「ユノさん、、、」

「ん?」


ゆっくりと、身体を俺に向けて腕を伸ばす。
その腕を受け取り、チャンミンの温かい身体を胸に収めた。


・・・・・「あのね、ユノさんが僕の中にいるとき、、、すごく幸せだった。
初めて、ユノさんに抱かれた時のこと、思い出した」


あの頃・・・

お前の気持ちが俺にないことを知りながら、俺はお前を抱いていた。
心が手に入らないなら、せめて身体だけでも、、、そんな風に思っていた。


「チャンミン、お前、まだ不安なのか?」

・・・・・「分からないんだ。自分がどう思ってるのか、、、」

「なぁ、初めて会った時の事、憶えてるだろ?」

・・・・・「うん、憶えてる。キムさんを待ってた」


ふっと笑いながら・・・


「お前、俺になんて言ったか、覚えてるか?」



〝セックスしようよ?〟



・・・・・「うん」


チャンミンが、いっそう俺にしがみ付く。


「俺さ、思うんだ。あの時のチャンミンも、今のチャンミンも、、、いつだってお前はお前でさ、、、」

・・・・・「うん」

「俺にとっては〝チャンミン〟はお前しかいなくて、、、あーっ、、、うまく言えないな。とにかく、、、」

・・・・・「・・・・・」

「出会ってからずっと、お前だけなんだ」

・・・・・「僕だけ?離れてる時も?」

「ああ、もちろん。お前だけとしか、セックスもしてない」


目を丸くしたチャンミンが、顔を起こし、俺をじっと見つめる。


・・・・・「ホント?」

「嘘はつかないよ。お前だけだ」


頭を引き寄せて、胸に抱え込んだ。


「お前に何も望むものはない。そのままでいてくれれば、それだけでいい。
ただ、1つだけ、、、」

・・・・・「うん、、、」

「俺を信じろ? それだけでいい」

・・・・・「それだけ、、、」

「そうだ、俺を信じるだけだ。信じ続けるだけだ」

・・・・・「信じる、、、ユノさんを・・・」

「出来るか?」

・・・・・「うん、ずっと信じてる」



人を信じることはきっと簡単だ。
けれど、その心を保つこと・・・信じ続けることは難しい。

けれど、きっと、俺たちなら越えられる。

出会ってから今まで、いくつもの辛い出来事を越えてきた。
これからもずっと・・・


2人なら、きっと大丈夫。



その時、、、
扉の向こうから、サランの声が聞こえた。

寂しそうに、チャンミンを呼んでいるように聞こえる。


「サランが呼んでるよ」


身体を起こそうとすると、チャンミンがそれを止めるように
俺の腕を掴んだ。



・・・・・「ユノさん、、、」

「どうした、チャンミン・・・」

・・・・・「・・・・・たい、、、」


「えっ?」

・・・・・「もう一度、、、」


〝セックスしよ?〟


潤んだ瞳で俺を見つめて微笑む表情は、まるであの時のチャンミンのようで、、、


「お前ってやつは、、、」


フッと苦笑いして、チャンミンと見つめあう。


「サラン、もう少し待ってろ」


身体を横に向けていたチャンミンを抱え上げて、
仰向けに寝かせる。

その上に跨り、唇を重ね合せる。


深く絡まる二つの舌、、、
唾液が交じり合う、、、


深く深く・・・

息苦しそうなチャンミンを、名残惜しく解放して・・・



「チャンミン、セックスしよう」



俺たちの2度目の夜が始まる

俺たちの2度目の人生が始まる




〝お兄さん、僕のタイプだよ〟


〝セックスしようよ?〟








愛の月。  ・・・ fin

読者の皆さま、おはようございます。
早朝から、何回も何回も、セッ、、、(;・∀・)スイマセン

本日の更新で、『藍の月。』全て完結いたしました。
長きに渡り、お付き合い下さった読者さまに、お礼申し上げます。

明日からは、お知らせいたしました通り、
「星の欠片、月の雫。」を更新させていただきます。
よろしかったら、今まで同様、お付き合いくださいね。



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私の心の中のお話です。
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※ このお話は、 『藍の月。』 の ユノさんとチャンミンの愛の一夜のお話です。



愛の月。





「チャンミン?」




ある雑誌の特集で、「藍の月。」の取材を受けた。
今日だけは避けてくれと言ったのに、担当の奴、、、


--- 先生、仕事を選ぶのはまだちょっと早いかな~---

「うっせーよ、、、」


案の定、ソウルから戻ると、夜の11時を回っていた。
今日はクリスマス・イブ、、、


〝ユノさん、、、帰りにケーキを買ってきてくださいね〟


家の扉の前で、ケーキの入った白い箱を手に、溜息をついた。

チャンミンの作った料理を食べて、2人でゆっくり過ごしたいと、そう思っていたのに、、、
きっと、チャンミンは待ちくたびれてソファで眠ってる。


ベルを押さずに、俺は玄関の扉をそっと開いた。



リビングへと続く廊下も、そして、その先に見えるリビングにも、灯りがともっていない。
不思議に思いながらも、薄暗い廊下を歩き、リビングへと足を進めた。


「チャンミン?」


テーブルの上には、2人では食べきれない程の料理が、所狭しと並べられている。
真ん中だけぽっかりと空いているのは、きっとここにケーキを置くつもりなんだろう。

いつもの定位置には、サランのベッドの籐かごが置かれている。
けれど、サランの姿も・・・


「サラン?」


呼んでみるも、気配すらない。

ケーキの箱とカバンをソファにおいて、
俺は寝室に向かった。


ゆっくりと扉を開ける。
そこには、いつもと違う香りが漂い、数本のキャンドルが灯っていた。

そして、ベッドの上には・・・


「チャンミン、、、」


サランを抱きかかえて、穏やかな顔をして眠る愛おしい人・・・
きっと、待ちくたびれたんだろう。

乱れた髪をそっと流して、その頬に触れる。


「ごめんな、チャンミン、、、」

〝くぅぅん、、、〟


サランが、チャンミンの腕の中から這い出て尻尾を振っている。


「サラン、静かに、、、チャンミンが寝てる。おいで、、、」


手を差し出しサランを抱くと、俺は部屋を出ようと立ち上がった。


・・・・・「ユノさん?」


振り返ると、チャンミンが気だるそうに目をこすりながら半身を起していた。


「チャンミン、ごめん、、、起こしてしまったな」


サランを抱いたまま、もう一度ベッドに腰を下ろす。


・・・・・「お帰りなさい、ユノさん、、、」

「ただいま。遅くなって、、、せっかくのご馳走が冷めてしまったな」


そういうと、チャンミンは、首を横に何度も振って、、、、


・・・・・「そうじゃない、僕が待ってたのは、、、」

「ん?」

・・・・・「僕、ユノさんにプレゼントがあって、、、」

「プレゼント?」

・・・・・「うん。こっち向いて、、、」

「ん?」


その刹那、、、チャンミンの掌がふわりと俺の頬を包み、唇が重なる。

触れるだけの優しいキス、、、
離れてゆくと、冷たい空気が唇をかすめた。


俺の手から、驚いたサランが這い出て、
扉の隙間から、部屋を出て行った。



可愛い、、、

自分から仕掛けておいて、恥ずかしそうに俯いている。


「キスがプレゼントか?」


俺たちの唇の隙間は数ミリ、、、


・・・・・「違うよ、あのね、、、僕、、、だよ」

「えっ?」

・・・・・「僕がクリスマスプレゼントだよ」


正直、チャンミンと一緒に暮らすようになってから、
俺たちはそういう意味での繋がりは皆無だった。

触れ合うだけのキス
繋ぐ掌
絡める腕

それだけでも、俺は十分チャンミンの愛を感じていた。
不満はなかった。


だから、チャンミンのこの言葉に、驚きを隠せなかった。


・・・・・「イヤ? 」

「チャンミン、お前、、、」

・・・・・「ユノさん、、、僕、ずっと考えてた。言い出せなくて、、、」

「・・・・・」

・・・・・「僕は汚れてるから、ユノさん、、、イヤなのかもって、、、触れてくれないのかもって・・・」


さっと、俺から離れて、また俯いてしまう。


「バカ言うな、お前のどこが汚れてる? 」


心の中で、いまだ自分の過去と葛藤している。

日々、同じ時間を過ごす中で、少しずつ心の整理ができているとはいえ、
チャンミンの傷は根深い。


「チャンミン、顔を見せて?」


俯いた顔を、少し強引に上げさせる。
案の定、大きな瞳に涙を溜めて、、、


「お前は綺麗だ。汚れてなんかないよ」

・・・・・「ううん、僕は、、、」

「チャンミン、、、」


チャンミンの言葉を打ち消すように遮る。


「そんなことしなくても、愛し合ってる自信があった。
ただ、傍に居てくれるだけでいいって、、、そう思ってた」

・・・・・「ユノさん、、、」


いつか時間が経てば、、、
いや、そんな繋がりがこの先一生なくても、何も変わらないとそう思っていた。


けど、、、
本当は、、、


「でも本当は、、、お前に触れたかった」


心のどこかで、触れるのを恐れていた。
チャンミンの心の傷をえぐってしまうんじゃないかって・・・


「お前の身体に、俺のしるしを、、、俺のもんだってしるしをつけたかった」


そう、俺はお前に触れたかったんだ。


・・・・・「ユノさん、ホントに?」

「ああ、ほんとだよ」

・・・・・「消えないように、ユノさんのしるし、、、消えないようにつけてほしい、、、」

「俺が、怖くないか?」

・・・・・「怖くなんてないよ。だって、ユノさんだもん、、、」




チャンミンをベッドに沈め、上から見下ろす。
潤む瞳は、俺をじっと見つめている。

チャンミンのシャツのボタンを1つずつ外してゆくと、
白く肌理の細かな美しい肌が、露わになる。

指をスーッと滑らせる。


「綺麗だ」


恥ずかしそうに、顔を横に向けて瞳を泳がせてる。


「チャンミン、こっち向いて? 俺を見ろ」


ベッドの脇に立ち上がり、自分が身に着けていたものすべてを脱ぎ捨てた。


「チャンミンも見せて?」



キャンドルの薄明かりが灯る部屋。
チャンミンの美しい姿が、ほんのりと明かりに照らされる。


・・・・・「は、恥ずかしい、、、」

「ほら、隠さないで、、、俺に見せて?」


白いシーツの上に、美しいチャンミンの身体を縫い付けた。







2へつづく

読者の皆さま、おはようございます。

今日から3話、『藍の月。』番外編をお送りいたします。
クリスマスイヴの2人の愛の夜の物語です。

皆さんにお聞きしたところ、このまま続けて更新希望の方、今年のクリスマスに希望の方、
どちらも沢山居てくださったので、自分では決めかねました。
なので、ここは多数決で決めさせていただきました。

クリスマスに、、、と希望してくださった方、申し訳ありません。
代わりに、今年のクリスマスには、こころ日和。のお話の中の2人で、
クリスマス番外編を書いてみようかと思ってます。
それを楽しみにして頂けたらと思います(^^♪

※ 明日の2話は鍵記事です。
指定のパスワードを入力してお部屋に入室してください。お待ちしています。


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藍の月。2






---ご無沙汰しています。チョンさん、弟が本当にお世話に、、、---


丁寧なお辞儀と共に、セヨンさんは、少し緊張した面持ちで挨拶をしてくれた。


「いえ、、、、」


上手く言葉が出てこない。


--- 本当に、私がお邪魔してもよろしいんでしようか---


きっと、ここに来るまでに、この人はいろんな思いと葛藤したに違いない。

過去は消えない。
それは、この人も、、、そして、チャンミンも同じ・・・


「セヨンさん、チャンミンも戦っています。貴方が逃げてはダメです」

--- そうですね、、、けど・・・---


その時、抱いていたサランが、俺の腕から飛び降りた。


「あ、サラン、、、」


サランが走り寄った先には、、、


「チャンミン・・・」


リビングの扉を開けたそこに、チャンミンがじっとこちらを見ながら立ちすくんでいた。
脚に纏わりつくサランを、ぎこちなくしゃがんで抱き上げて・・・


--- チャ、チャンミン・・・---


セヨンさんの呼びかけに、チャンミンは、1歩、後退りをした。


「チャンミン、おいで」

・・・・・「・・・・・」


きっと、戦っている。

長い間、心を閉ざし、忘れようとした自分の過去。

忘れようとしたその過去が・・・
忘れたかったその人が・・・
今、目の前に居る。

チャンミンの心の葛藤が、俺にまで伝わってくる。
けど、、、チャンミン、逃げてはダメだ。

これから、前を向いて歩くために・・・
俺と一緒に、歩くために・・・

そうだろ? 
チャンミン・・・

チャンミンが、俺と視線を合わせる。
少し微笑んで小さく頷くと、チャンミンも同じように頷いた。


ゆっくりと、サランを抱いたままチャンミンが歩きだす。
そして、俺の背中に少し重なるようにして身体を隠して立ち止まった。


--- チャンミン、元気だったか? ---


チャンミンは、少し強張った顔をして俯き、そして、顔を上げて・・・


・・・・・「兄さん、お久しぶりです」


ぎこちなく笑った。
俺は、チャンミンの背中をそっと押して、セヨンさんの前にチャンミンを立たせる。


--- チャンミン、久し振りだな。元気そうで、良かった・・・---


セヨンさんの瞳から、涙が溢れ出る。
震える手が、遠慮がちにそっとチャンミンに差し出された。

チャンミンは、少し驚きながらも、その手をそっと受取った。


--- チャンミン、ありがとう、ありがとう・・・---



長い年月を共に生きた2人。
俺には分らない2人だけの想いがきっとある。

セヨンさんは、チャンミンを愛していた。
ただ、愛し方を間違ってしまっただけ。

そして、チャンミンもまた、セヨンさんを愛していた。
思いは違う形であれ、2人は愛し合っていた。

この2人には、俺にも踏み込めない強いつながりがあったはずだから、、、


「チャンミン、良かったな、、、」


チャンミンもまた、大きな瞳に涙を浮かべていた。










--- ねぇ、ユノさん。あの2人、引き合わせてもよかったの?---


食事を終え、テラスに並ぶ2つの背中を、部屋の中からテミンと2人で眺めていた。


「どういう意味だよ?」

--- だってさ、、、あのセヨンさんのチャンミン兄さんを見る目・・・---


確かに、愛おしさを隠しきれてない。
いや、隠す必要もないんだけど・・・


「いいんじゃないの? 兄弟なんだし・・・」

--- また強がっちゃって。心配で仕方ないくせに・・・・---


確かに、チャンミンの笑顔が、キラキラしてて・・・
テラスに降り注ぐ太陽の光が、余計にそう見せるのだろうか。

あの笑顔が、自分じゃない別の誰かに向けられているのは、正直妬ける。

けど・・・・・


--- あ、ほら、ユノさん、兄さんが見てるよ?---


時折こちらを振り返り、小さく手を振りながら俺に向けられるあの笑顔は、
やっぱり俺だけのものだって、、、

俺だけの特別なものだって、
今ならそう、思えるんだ。







・・・・・「ユノさん、何見てるの?」

「ん、今日はとても月が綺麗だ」


陽が沈み、夜の闇が辺りを包む。

ここは、ソウルの街よりも夜の空が美しい。
空気が綺麗だからだろうか。

サランを捜すと、いつもの自分のカゴの中で、スヤスヤと眠っていた。

普段、担当くらいしか尋ねてこないこの家に、珍しい客がやってきたから、
きっとサランも疲れたに違いない。


「チャンミン、今日は少し無理させたかな?」


チャンミンは少し疲れたようだった。
顔を見ればわかる。


・・・・・「ううん。ありがとう、ユノさん。僕、とても嬉しかったよ」

「嬉しかった?」

・・・・・「うん」


チャンミンは、少し微笑んで、空に浮かぶ月を眺めていた。


・・・・・「ユノさんが、僕の心の扉をノックしてくれた」

「えっ?」

・・・・・「聞えたんだ。ノックの音、、、コンコンって・・・」

「・・・・・」


隣りに立つチャンミンが、そっと俺に寄りそうように、歩を寄せる。
肩が触れ合う距離・・・


・・・・・「それまでは、何も聞えなかった。誰の声も、何の音も。けど・・・」


〝チャンミン、元気だったか? 会いたかったよ〟


・・・・・「療養所に、初めてユノさんが来てくれた時、真っ暗だった僕の心に、小さな星が・・・」

「・・・・・」

・・・・・「ほら、、、」


チャンミンが指差す、その向こうには・・・


・・・・・「あの星みたいに、小さな光、、、けど・・・」


空に輝く星・・・


「・・・・・」

・・・・・「その小さな光は、次第に明るく眩しく大きくなっていった。ユノさんが、僕を尋ねてきてくれるたびに・・・」

「チャンミン」

・・・・・「ユノさんが、僕を忘れないでいてくれたから・・・」

「忘れるわけないだろ?」


チャンミンと向き合い、瞳を重ねる。


・・・・・「ユノさんが、僕を見捨てないでいてくれたから・・・」

「見捨てるわけないだろ?」

・・・・・「ユノさんが、僕を愛してくれたから・・・」


チャンミン・・・

今、お前の瞳に俺は映っているか?
まるで、寄せる波のように、ポロポロといくつもの涙が流れ落ちてゆく。

そっと頬を包み、涙を拭う。


「あたりまえだろ? 俺にはお前しかいない。出会った時から、今までずっと・・・」

・・・・・「ユノさん、、、」

「これからもずっと・・・」



チャンミン、、、
俺は誓う。


これからもずっと、お前を信じ、お前を支え、お前を・・・
お前だけを愛してゆくことを・・・



「チャンミン、キスしたい・・・」


少しだけ、驚いた顔をしたチャンミンは、恥ずかしそうにしながらも、
そっと、瞼を閉じた。


まるで初めて、その唇に触れるかのように、
ゆっくりと、重ねあわせるだけの優しいキス・・・


何年ぶりかに感じるチャンミンの感触は、昔と何ひとつ変わっていなかった。


月が見ている。

薄い靄がかかる、藍色に染まる月・・・


その月に誓う。
永遠の愛を誓う。



名残惜しく、ゆっくりと、柔らかいチャンミンの唇を解放すると・・・


・・・・・「ユノさん」

「ん?」

・・・・・「ぼ、僕・・・・・」

「どうした?」






・・・・・「ユノさんを、愛しています」







チャンミン。

これから2人で、沢山の愛を積み重ねていこう。



永遠に・・・



「チャンミン、愛してる」



永遠に・・・・・








「藍の月。」 ・・・・・・・fin

読者の皆さま、おはようございます。
『藍の月。』 70話にて無事に完結です。

旧館で読んでいただいたことのある読者さまも、初めて読んで下さる読者さまも、
毎朝の更新を楽しみにお付き合い下さいました。

お話の中の2人と共に、泣いたり笑ったり、
心を2人に寄せてくださいました。
頂くコメントに、読者さまの愛を沢山感じられたお話でした。

沢山の読者さまに応援していただき、
お話の中の2人を愛していただき、とても嬉しく感謝しています。

最後までおつきあいくださった読者さまに、心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。

本日最終話ですので、よろしかったら感想聞かせてください。
お待ちしています。




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藍の月。2




~one year later~



「チャンミン、サランは?」

・・・・・「テラス・・・」

「テラスに居る?」

・・・・・「うん、寝てる」


テラスに続くガラスの扉が少しだけ開いていて、外から吹く風がカーテンを小さく揺らしている。
そっと覗いてみると、定位置に置かれた小さな籠の中で気持ちよさそうにサランが寝ていた。


あれは、そう、、、
この家でチャンミンと暮らすようになってから1週間たった頃・・・




・・・・・「ユノさん、名前・・・」


少しずつ、声を聞かせてくれるようになったチャンミンが、恥ずかしそうに俺に告げた。


「お、名前、決めてくれたのか?」


少し俯いて、頬を緩ませて、、、、


・・・・・「サラン・・・」


チャンミンが、小さな白い子犬に〝サラン〟と名付けた。


1年経った今、サランは元気に成長して、俺とチャンミンと仲よく暮らしている。

俺はというと、まぁ、そこそこの仕事をこなしている。
〝藍の月。〟がいい評判だったこともあって、今、続編を執筆中だ。

そして、チャンミンはよく笑うようになった。
少しずつ心の傷も回復しているようだった。

家事はもうすべてチャンミン頼みだ。
いつだったか、〝辛くないか?〟と聞いた時、チャンミンは、〝とても楽しい〟そう答えた。

〝ユノさんのお手伝いが出来て嬉しい〟と・・・

それ以来、俺は、あまり慎重になり過ぎないように、
気を使わないように、普通にチャンミンに接するようになった。


〝普通〟でいられることが、、、
〝普通〟でいることが、、、


俺たちにとっては何よりも大事なことだったんだ。




「チャンミン、俺も手伝うよ?」


キッチンに立ち、いつもよりも豪華な料理に腕を振るっている。


・・・・・「いつ来るの?」


「そうだな、昼に間に合うようにって伝えてあるから、そろそろじゃないか?」


今日、この家に客人がやってくる。

チャンミンがここにきて1年が経ち、少しずつ良くなってきている今が、
その時期じゃないかと、そう思ったからだ。



その時、インターホンが鳴る。


・・・・・「ユノさん、、、」

「ん、待ってろ」


キッチンから玄関に向い、扉を開ける。

その瞬間・・・


--- ユノさーんっ! 久しぶり~会いたかったよぅ~---


変わらない眩しい笑顔。
あの頃、、、この笑顔にどれだけ救われ癒されただろうか・・・


「よく来たな、地図分かったか? テミン」


玄関先で、テミンが俺に跳ねるように抱きついてきた。
ソウルから離れて、テミンの店からも足が遠ざかっていた。

会うのは半年ぶりだろうか・・・


--- うん、大丈夫だったよ。 ユノさん、兄さんは?---


テミンは、チャンミンにはもう何年も会っていなかった。
チャンミンのことを話してはいたが、俺が時期を見計らっていた。


「ああ、いるよ、チャンミ・・・」


振り返ると、チャンミンが眉間にシワを寄せてこちらをじっと見ていた。


・・・・・「・・・・・」

「どうした?チャンミン?」


そのままチャンミンは、奥の部屋に消えていく。


--- ユノさん、ごめん。兄さんきっと、ヤキモチ妬いてる---


俺の身体に巻きつけた腕を解きながら、テミンは舌先を出しておどけてみせた。


「上れよ、、、」


テミンを連れて、リビングに戻るとチャンミンが居ない。
テラスを覗くと、チャンミンがサランを抱いて、空を仰いでいた。


・・・・・「サラン、いい子にしててね。今日はお客さんが来るんだよ」


サランの頭を撫でながら、少し寂しそうな表情を浮べていた。


「チャンミン、おいで、、、」


振り向いたチャンミンが、俺の顔を見てすぐに視線を外す。
そういう時は、恥ずかしがってるか、それとも何かに怒っているとき・・・

今は、後者だな・・・

そっとチャンミンの隣りに立ち、顔を覗き込んだ。
チャンミンは、慌てて顔を背ける。


「チャンミン、どうした?」

・・・・・「何でもない」


拗ねてるチャンミンが可愛くて仕方ない。
こんな風に、小さな嫉妬心を見せてくれるようにもなるなんて・・・


「チャンミン、機嫌直して?」


頭を撫でると、ようやくフッと微笑んで目を合わせてくれた。






--- 兄さん、僕だよ、テミンだよ? ---


痺れを切らせたテミンが涙を溜めながら、チャンミンの元に駆け寄る。


--- 僕だよ、テミンだよ、分かるでしょ?---


俺は、あえて口を出さずに2人を見守っていた。
チャンミンは、暫くテミンの顔をじっと見て、そして・・・


・・・・・「テミン、、、元気だった?」

--- 兄さんっ、兄さんっ、、、---


耐え切れず、テミンがチャンミンを抱きしめるように背中に腕を回す。


そう、チャンミンは忘れたわけじゃなかった。
ただ、辛い記憶を心の扉の奥に閉じこめ、長い間鍵をかけていただけ。

鍵を開ける決断をしたのは、チャンミン自身。
自分の過去を受け止め、向き合おうと戦っている。

驚いたサランが、チャンミンの腕から飛び出し、俺の足元に纏わりついてきた。


--- 兄さん、会いたかった・・・---


正直、チャンミンの反応が怖かった。
チャンミンの心が、拒否することも考えたけど・・・

良かった。
小さく息を吐いて、抱き合う2人を眺めていた。

その時、、、
もう一人の客人が到着したことを知らせる音が部屋に響く。


サランを腕に抱いて、玄関へ向かった。






「いらっしゃい。遠いところ、申し訳ありません、セヨンさん・・・」










70(完結話)につづく

読者の皆さま、おはようございます。

ということで、クイズの正解は『サラン』でした(^^♪

♡かこ さん
♡あみma さん
♡しむしえ さん
♡くるみん さん
♡bechami  さん
♡はな さん (はなさん、アルムは「Shangri-La」というお話です。覚えていてくださるの、凄いっ!!) 

以上の6名の方、大正解でーす( ・∀・ノノ゙☆パチパチ
何年も前のお話なのに、憶えていてもらえるなんて、本当に嬉しいです♪
6名の方は『こころ日和。検定』 中級 に認定させていただきます (`・ω・´)ゝナンダソレ

さて、「藍の月。」も、明日で完結を迎えます。
次で終わりなのに、あいつが来るってどういうことっ!??

ユノのチャンミンへの強い愛が感じられるラストになってると思ってます。
最後までおつきあいくださいね。





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