※ このお話は、2014年2月6日 旧館にて更新したお話です。
私の心の中のお話です。
ご了承ください。
・・・・・「んっ、ちょ、、、や、だっ!!」
突然、身体が重くなって唇を冷たい何かで塞がれる。
・・・・・「んっ、、、ふっ・・・・」
だ、だれ、、、って言っても、こんな事する人は1人しかいない。
それに、この柔らかい唇の感触、、、
両の手で、僕の上に覆いかぶさるその人を強く押して引きはがした。
今、僕は、自分の家の、自分の部屋の、自分のベッドの中・・・
ようやく離れた唇。
息を切らしながら・・・
・・・・・「で、どうして貴方がここに居ますか?」
僕の上で半身立ち上がっているその人。
「だって、仕事終わったし、、、寂しかった」
・・・・・「ヒョン、とりあえず僕の上から降りてください」
「イヤだ。お前、何か忘れてるだろ?」
僕は、大きくため息をついた。
・・・・・「メッセージ見ませんでしたか?」
「見た」
・・・・・「じゃあ、忘れてないじゃないですか。どうせ、僕が1番だったでしょ?」
そう、今日は2月6日。
この僕の上に平然と乗っかってる、、、ユノヒョンのお誕生日。
僕たちは、個人活動もしてるから、いつも一緒にその瞬間を迎えられるわけじゃない。
今年は、ユノヒョンの仕事が深夜までかかって、
一緒には居られないことが事前に分ってたから、、、
12時になるのを待ってすぐにメッセージを送った。
〝 ヒョン、お誕生日おめでとうございます♡ チャンミン〟
「何だよ、、、あれで終わらそうとするなよ」
・・・・・「その言い方は少し可笑しくないですか?
僕たちは誕生日も近いから、プレゼントの交換はなしにしようって、ヒョンが言い出したんじゃないですか?」
「・・・・・」
・・・・・「それに・・・」
「何だよ?」
・・・・・「仕事終わってからも、まっすぐここに来てないですよね?」
「えっ?」
・・・・・「ですよね?」
「ん、、、うん、誘われてさ」
・・・・・「テミンと一緒でしたよね?」
メッセージを送った後、やっぱり声が聞きたくて・・・
けど、もしかしたらまだ仕事が、、、
それとも誰かと・・・
そう思って、マネヒョンに電話したんだ。
そうしたら・・・
〝 あぁ、チャンミンか。ユンホなら、テミンと一緒に出掛けたぞ〟
ヒョンが、この世に生を受けた大切な記念の日。
特別な特別な日。
だから、一緒に居られなくてもせめて、、、が聴きたかった。
・・・・・「またテミン、、、」
テミンと出かけたなら、きっと僕からのメッセージも読んでないだろうな。
そう思って、実際、僕は拗ねてたんだ。
「で、でも、テミナと2人だけじゃない。スタッフも一緒だしさ、みんなが、祝ってくれるっていうからさ」
・・・・・「じゃあ、こんな所に来てないで、祝ってもらえばいいじゃないですか? お?」
「それに・・・」
・・・・・「お? 言い訳ですか?」
「それに、お前のメッセージ、3番だった」
・・・・・・・・・
嘘だ、、、
12時になったらすぐに送ったのに・・・
「ジヘと、テミンの後が、お前・・・」
何だよ、、、だからなんだよ・・・
・・・・・「だから、なんですか?」
「えっ?」
・・・・・「だから、なんだって言うんですか?降りてくださいっ降りろ!!!」
自分が好き勝手してるくせに、メッセージが3番だからって・・・
だからってなんなんだよ!!
・・・・・「自分だって、、、ヒョンだって、僕が1番じゃないだろ?! 一番にここに来てくれなかったじゃないか!
だいたい、テミンはおかしいです!僕を差し置いて一緒に食事してるのに、メッセージってなんなんだよ?!!」
しつこく僕の上に跨って見下ろしてるヒョンを、力任せにドンと押しやって、
ヒョンの身体がフラッとよろけた隙に、身体を起して立ちあがろうとした。
「チャンミナ、待てよ」
背後から腕が回ってきて、僕は後ろからヒョンに抱きしめられた。
・・・・・「は、離せよ!」
「おい、どこいくんだよ」
暴れる僕を、さっきよりも力を込めて、まるで拘束するようにガッチリと捕えられた。
・・・・・「バカ、ヒョンのバカっ!!」
いつもいつも、テミナ、テミナ、テミナ・・・
そんなにあいつが好きなら、、、
・・・・・「そんなにテミンが好きなら、付き合ったらいいだろ?」
「マジで言ってんの?」
・・・・・「・・・・・」
「ん? 本気?」
僕の肩に小さな顔をチョンとおいて、耳元でそう囁く。
・・・・・「ほ、本気です」
僕がそう答えると、肩越しに僕の顔を覗きこみながら・・・
「俺が、テミナと付き合ってもいいの? そうなると、お前とは別れなくちゃいけなくなるけど、、、いいの?」
・・・・・「べ、別に・・・」
途端、スーッと僕の身体に冷たい空気が纏わりつく。
ヒョンが僕から離れて、ベッドから降りた。
「分かった。帰るわ、じゃあな」
・・・・・「えっ、、、ヒョン?」
そのままクルリと僕に背を向けて、振り向きもせずドアを出る。
パタンと、ドアの閉じる乾いた音が静かな寝室に響いた。
な、なんだよ・・・僕が悪いのかよ・・・
ぼ、僕は、、、ヒョンが、、、ヒョンがいつも僕を後回しにするから・・・
少し拗ねただけじゃないか・・・
〝お前とは別れなくちゃいけなくなるけど、、、いいの? 〟
僕と別れて、テミンと付き合うの?
嘘だよね? 冗談に決まってる。
嘘だよね?
ヒョン、、、
ま、待ってっ、ヒョン、、、ヒョン・・・
・・・・・「ヒョン!!!」
ベッドから駆けるように飛び出して、ドアを開けた。
「ん? 呼んだ?」
そこに、壁にもたれ掛って腕を組んでるヒョンがいた。
・・・・・「ヒョン・・・」
ヒョンの姿を見つけただけで、ジワリと涙が浮かんでくる。
なのに、ヒョンの顔はとても嬉しそうにニヤついてて・・・
やられた・・・
また、騙された・・・
いつもそう、、、
この人はとても単純だから、いつも同じパターン。
なのに、、僕はいつもいつも・・・
「チャンミナ~泣くなよ~ちょっとからかっただけだろ?」
・・・・・「バ、、、バカ! ヒョンのバカ!! バカヒョン!!」
「お前が、つまんないこと言うからだろ? ほら、顔見せて?」
ヒョンの大きな掌が、涙で濡れた僕の頬を優しく包んでくれる。
・・・・・「ヒョン、ごめんなさい」
この人に、こんなに甘い顔をされたら・・・
ほら、、、結局、僕が謝ることになるんだ。
ま、今日はヒョンのお誕生日だから、、、僕が折れてあげる。
「ん、許してやろう。その代り、プレゼントもらう」
頬を包んでいた手が、今度は僕の背中に回る。
ヒョンの腕の中は、大きくて温かくて、、、
ヒョンの匂いがする。
・・・・・「ごめんなさい、何も準備してなくて」
「お前をもらう」
えっ?
・・・・・「んんん、、、っ、、、」
瞬間、ヒョンの唇が僕のそれに重なった。
そのままベッドに2人で倒れ込む。
「チャンミナ・・・」
・・・・「あっ、、、な、な、に? あっ、ん・・・」
「メッセージにあれが付いてた。嬉しかった」
・・・・・「あっ、、、あ、れって?」
「♡マークだよ。あんなの初めて見た」
あ、気が付いてたんだ。
鈍感だから、絶対に気にも留めないと思ってたのに・・・・
・・・・・「でも、、、1番じゃなかった」
「3番でも、10番でも100番でも、俺にとっちゃお前のが1番なんだよ」
・・・・・「ほ、ほんとに? 僕が好き?」
「好きだよ、お前だけ」
僕の身体を隙間なく撫でるユノの掌が好き。
・・・・・「ねぇ、、ユノ、、、僕とテミンとどっちがスキ?」
「つまんないこと聞くなよ。俺がお前に夢中なの、知ってるだろ?」
僕の肌を、味わうように滑ってゆくユノの唇が好き。
・・・・・「ほ、ほんと? あっ、、あぁっ、、、」
「ホントだよ。お前の綺麗な瞳や、首筋のホクロや、感じやすい肌や、ほら、、、ここの感触も、、、」
囁かれる言葉で、僕の中が疼いてユノをギュッと締め付ける。
・・・・・「ん、、、は、はやく、、、ユノ、、、奥まで・・・」
「今日は朝まで寝かさないからな、覚悟しろよ」
・・・・・「ん、、、あっっ・・・」
長い長い2人の濃密な時間を終えて、僕の隣りで小さな寝息を立ててるヒョン・・・
・・・・・「寝かさないって、言ったくせに、、、フフ」
幼子のように、僕にしがみ付きながら少し口を開けて・・・
「んんん、、、んんん、、チャン、ミナ・・・」
プックリした唇から僕の名前が漏れる幸せ。
ヒョン、昨日はお疲れさま。
今日も頑張ろうね。
それまで、僕の腕の中でゆっくり休んでて・・・
ヒョンがまた1つ歳を重ねた。
しばらくすれば、僕の誕生日。
けど、僕は永遠にヒョンには追いつけない。
なんだかそんな当たり前のことが、とても嬉しかったりする。
いつまでもいつまでも、貴方の後を追いかけたい。
貴方の背中を追いかけたい。
・・・・・「ヒョン、お誕生日おめでとう。愛してるよ」
さぁ、僕の誕生日には、ヒョンをどうやって脅かせてやろうか、、、
僕は、イタズラの作戦を考えながら、ヒョンの隣りで夢に堕ちた・・・
fin
懐かしいお話を皆さんにこっそりお届けします。
18日には、チャンミンversionのお話をお届けします。
よろしかったらお部屋を覗きに来てくださいね。
それでは、いつもご訪問ありがとうございます。
こころ。
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