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私の心の中のお話です。
ご了承ください。


KISSをちょうだい 2




「チャンミン?」


その声を聴いて、ホッと胸を撫で下ろす。


・・・・・「ユンホさん、無事に着きましたか?」

「ん、、、大丈夫。チャンミンは? あれから少しは眠れた?」


深夜、釜山を発ったユンホさん。
ソウルまで、最低でも5時間はかかる。


・・・・・「はい。僕は大丈夫です。今、出勤してきたところです」

「そうか、、、」

・・・・・「ユンホさん」

「ん?」

・・・・・「少し、休んでくださいね」

「そうだな、仕事は少し休んでからにするよ」


深夜の長距離の運転。
きっと疲れているはず。

声が少し掠れたように聞こえるのは、そのせいなのだろうか。


・・・・・「そうしてください」

「ん、分かった。仕事中に悪かった」

・・・・・「いえ、声が聴けて安心しました」

「ん、、、じゃあ、また連絡する」

・・・・・「はい、待ってます」


切れた電話をポケットに納めて、
ふーっ、、、と小さく息を吐いた。


エレベーターの居場所を示す数字を眺めていると、
突然、背後から大きな声で名前を呼ばれた。


--- シムさん、探しました。お電話が入ってます。T社からです ---

・・・・・「すいません、すぐに戻ります」


丁度、目の前のエレベーターの扉が開く。

さっきの室長の表情が気になったけれど、
僕は、後ろ髪を引かれながら、フロアのデスクに戻った。







--- では、皆さん、よろしくお願いします ---



広い会議室。

思っていたよりも長引いた会議が終わり、
部屋の中に、皆の大きな溜息が聞える。


椅子から立ち上がり、背伸びをする者。
カップに残ったコーヒーを飲み干して、急いで会議室を出て行く者。
資料を手に、仕事の話を続ける者。


時計を見ると、午後3時過ぎ。
4時に来客があることを思い出し、デスクの上の資料をまとめる。

立ち上がろうとしたその時、、、


--- シムくん、ちょっといいかな ---


スーッと、滑るように目の前に置かれた1枚の図面。
声の主は、室長だった。


・・・・・「あ、はい」

--- これなんだが、、、---


図面の上を、室長の指が滑らかに滑る。


・・・・・「ここの変更の件は、先方にも説明して了承いただいてます」

--- そうか、、、それならいいんだが、、、---

・・・・・「あ、、、この後、先方の担当の方と打ち合わせなので、念のため、確認してご報告します」







--- 室長、お先に失礼します、、、---

--- お疲れ、、、---


残っていた社員が、室長に小さく頭を下げながら部屋を出てゆく。

気がつけば、広い会議室に僕と室長だけが残されている。
テーブルの上には、皆が飲んだコーヒーのカップが残されているだけ。


--- じゃあ、、、お疲れ--

・・・・・「お疲れ様です」


資料を抱え、部屋を出てゆく室長。

思わず呼び止めた。


・・・・・「室長、、、」

--- ん? ---

・・・・・「あの、、、」

--- ・・・・・ ---

・・・・・「金曜日の、、、事なんですけど、、、」


言いかけたけど、その後の言葉が続かない。
それもそのはずだ。

自分でも、何が言いたいのかよく分からないのだから。

ただ、このままうやむやにしたくないと、そう思った。
そんな僕の気持ちを、もしかしたら室長は分かっていたのかもしれない。


開きかけた扉を閉じて、僕を見ると、ふーっと小さく息を吐き、肩を落とす。
そして、少し困ったように目じりを下げて微笑んだ。


--- 君のパートナーはきっと大変だな ---

・・・・・「えっ?」

--- 彼はソウルかな? ---


言われたことの意味を理解するのに、少し時間が掛かった。


・・・・・「はい、そうです」

--- 心配させないように、、、でないと、あんな顔をまた彼にさせることになるよ ---


あんな顔、、、


〝君と同じ、悲しい顔をしてるってね〟



・・・・・「室長、、、」



僕が、何を話したわけでもないのに、、、

まるで僕の心の中をすべて見透かされているような、
そんな気持ちになった。


--- 好きな人を悲しませたらダメだよ。離れているなら、なおさらだ ---

・・・・・「・・・・・」

--- 僕の事は、気にしなくてもいい。今まで、とても楽しかったよ。礼を言う ---


じゃあ、、、と、室長はそのまま振り向き、部屋を出た。



僕の心のモヤモヤは、残ったまま、、、









--- シムくん、、、---



迷って迷って、迷った挙句、結局僕は、その週の金曜日の夜、
いつものバーの扉を開けた。



「隣りに座っても、いいですか?」


目の前で、困惑している室長。



室長のお陰で、僕は笑えるようになった。

だから、、、

室長にも笑ってほしい。
心からの笑顔。

それが、見たいと思ったんだ・・・・・








54へつづく

読者の皆さま、こんばんは。

こころ。地方、今日はとても暑かったです。

2019.07.12

梅雨寒の影響で、野菜が日ごとに値上がりしています。

昨日まで3本98円だったキュウリが、158円に値上がりしてました。
ナスもほうれん草も、高級野菜並み(笑)
辛うじて、レタスと白菜はまだ庶民派。
やっぱりいつでも家計の友達はもやしですね(笑)

というとで、もやし買いました(笑)

何かもやしで美味しい物できます?
どなたかレシピ教えてください(/・ω・)/

料理が嫌いです(;・∀・)




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KISSをちょうだい 2




--- よっ、シム ---

・・・・・「あ、先輩、、、おはようございます」


休日明けの月曜日。

コートを脱いでデスクに座る。
暫くすると、白い湯気の立つマグカップが目の前に置かれる。

毎朝の光景に、ようやく慣れてきた。


・・・・・「ありがとうございます」

--- いいえ、どういたしまして---


いつもコーヒーを淹れてくれるスタッフの笑顔で、今日も1日が始まる。

デスクのPCの電源を入れ、コーヒーを飲む。

いい香りと、少しの苦みが、
寝不足でぼんやりしていた僕の意識を覚ましてくれた。


--- アレ? なんだか顔色が良いな---


顔を上げると、マグカップを手にしたカン先輩が立っていた。


・・・・・「えっ?そうですか?」


思わず自分の頬に手を当てる。


---休日の間に、何かいいことがあったか? ---


そう言われて、思わず先輩から視線を晒せた。
頭の中に、ユンホさんの顏が浮かんだから、、、


・・・・・「いえ、別に、、、」

--- 怪しいな、、、---


揶揄うように笑いながら、再び俯いた僕の顔を覗き込む。
思わずつられて笑ってしまう。


--- お、初めて見たかも? ---

・・・・・「?」


顔を上げると、先輩は僕の髪をクシャっと撫でて、、、


--- いいよ、お前、そうやって笑ってた方が良い ---

・・・・・「・・・・・」

--- じゃ、今日の昼飯付き合え ---


そう言うと、僕の返事も聞かず、
先輩は自分のデスクに戻って行った。


僕は、今まで笑ってはいなかったのだろうか、、、


ふと、視線を感じる。
その方向に目をやると、、、


・・・・・「室長、、、」


開いたフロアの扉の向こうに、室長が立っている。
僕と視線が合うと、ふっと笑みを浮かべて、そしてそのまま背を向ける。

歩きだしたと同時に、扉がゆっくりと閉じた。



気がつけば、僕は席を立ち、室長を追いかけていた。


・・・・・「室長、、、」


エレベーターの到着を待つ室長の背中に声を掛ける。


--- あぁ、おはよう、シムくん ---

・・・・・「おはようございます、室長。あの、、、」

--- ん? ---

・・・・・「頂いたデザート、とても美味しかったです」

--- そうか、、、君達の口に合ったかな? ---


微笑みながらそう言った室長。

〝君達〟 

その言葉に、何をどう言えばいいのか、思わず視線を逸らせてしまった。


・・・・・「室長、あの、、、」


自分でも、何を口にしようと思ったのか分からない。

今の自分の複雑な感情を、どう言葉で表していいのか分からなかった。
室長、、、と口に出してはみたけれど、言葉はそれ以上続かなかった。


その時、エレベーターが到着し、音もなく静かに扉が開く。


--- シムくん、午後の会議の資料、よろしく頼む ---

・・・・・「は、はい、、、」

--- じゃあ、、、後で---


振り向いて脚を踏み出す。
エレベーターに乗りこんだ室長が、くるりと身体を翻し、僕と向き合った。


閉じてゆく扉、、、

見送る事しか出来ない。

けど、突然閉じかけたその扉が、再び開き始める。
見ると、室長の手がボタンに触れていた。


--- シムくん、、、---

・・・・・「は、はい、、、」

--- 金曜の約束は、そろそろ解消しよう ---

・・・・・「えっ?」

--- 今まで付き合ってくれて、ありがとう ---


突然の室長の言葉に、僕は何も答えられなかった。
そのまま扉は閉じ、室長は上のフロアに戻って行く。


〝金曜の約束〟


毎週金曜の夜。

決まったお店のカウンターで、お酒を飲むだけ。

話すことと言えば、仕事の事、最近読んだ本の内容。
好きな映画や、音楽、、、

そんな事を、お酒を飲みながら話すだけ。


だけど、、、


僕は、週に1度のその時間を、とても楽しみにしていた。
室長との時間は、僕の冷えた心を温め、癒してくれた。


解消、、、

けど、このままでいいのだろうか?

時折、室長が見せる寂しそうな影は、きっと今も癒えてはいないはず。
何が原因かも分からない。
室長は、自分の事をあまり話さなかった。

家族の元には帰らず、質素なビジネスホテルの一室に帰る。

これからも?
たった1人で?

そんな室長を、このままにしてもいいのだろうか?


僕たちは、似た者同士。
だから、分かる。

室長の心は、冷えたまま、、、



その場に立ち尽くし、暫く考える。
見上げたのは、上昇してゆくエレベーターの数字。


エレベーターの止まった階を確認する。

そして、ボタンに触れようとしたその時、、、



上着のポケットに入れたままの携帯電話が、小さく震える。
エレベーターのボタンに延ばしかけた手を戻し、ポケットから電話を取り出してみると、、、


・・・・・「ユンホさん、、、」


まるで、僕が室長を追いかけるのを止めるように、
ユンホさんからのコール音が響く。

我に返った僕は、慌てて応答した。


・・・・・「もしもし、ユンホさん?」

「チャンミン?」








53へつづく

読者の皆さま、こんばんは。

チャンミンの優しさが罪作り(;・∀・)

朝から雨が続いています。
梅雨のジメジメが、とても不快ですね。
夕方、頭痛薬を飲んで、少し横になったりしました。
読者さまの中にも、体調崩されている方が多いです。
無理せず過ごしてくださいね。

今朝、完結しました『藍の月。』に感想寄せて下さり、ありがとうございます。
今夜、ゆっくり読ませていただきますね。

さぁ、お風呂に入ってドラマ観まーす♪



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KISSをちょうだい 2



手を握り合ったまま、雨の降る公園をすり抜け、マンションまで戻る。
扉を閉じる音と同時に、濡れた身体をぶつけるように重ね合わせた。


・・・・・「冷たい、、、」

「チャンミンも、、、」


僕の耳元で囁くユンホさんの声が、
ジワリと身体に染みてゆく。


・・・・・「シャワー浴びないと、、、」

「ん、、、一緒に、、、」


雨で湿った衣服を、
お互いの身体に手を伸ばして脱がせ合う。

そのまま、バスルームに入った僕らは、
冷えた身体を温めるため、熱いシャワーを浴びた。


頭上から落ちてくるシャワーに打たれながら、
僕たちは見つめあう。

ユンホさんの指が、ゆっくりと僕の唇を撫でる。
冷たく色のなかった僕の唇が、ユンホさんの指を追うように、熱を持ち赤く色付いてゆく。


・・・・・「ユンホさん、、、」

「知ってる? 本当に愛し合ってる人じゃないと、キスはしちゃダメなんだよ」

・・・・・「知ってます、、、」

「愛のないキスは、心を枯らすんだ」


僕は何度も頷く。

知ってる、、、
知ってるよ、ユンホさん、、、

貴方がそう、僕に教えてくれた。


・・・・・「ユンホさん、、、」


今度は、僕が手を伸ばして、ユンホさんの唇に触れる。
赤く色を戻した厚い唇が、僕を誘う。


「・・・・・」

・・・・・「僕に、、、」

「・・・・・」

・・・・・「僕にキスをください、、、」


その刹那、、、

引き寄せられ、唇が重なる。

すぐにユンホさんの舌が僕の唇をこじ開け、
強く押し入るように侵入してくる。

口内を犯され、舌をからめとられ、
僕はユンホさんに応えるように、必死でその身体にしがみつく。


想いが溢れる、、、


愛されていると、そう感じる。


僕に触れるユンホさんの指先から、、、
強く絡められた舌先から、、、

ユンホさんの全てが、僕に想いをぶつけてくる。


激しいキスで、膝が折れ、崩れそうになった僕を、
逞しい腕が、支えてくれる。


ようやく解放された唇。


落ちてくるシャワーの湯が、
僕の涙も一緒に流してくれた。




「チャンミン、、、」

・・・・・「・・・・・」

「好きだよ、、、」


泣き出しそうな声で、そう囁いたユンホさんは、
再び僕の唇にキスをくれる。

ただ、優しく触れるだけの静かな口付け。


彼を信じようと、、、
彼を愛そうと、、、


傍に居ようと、そう心に誓った。










「おはよう、チャンミン、、、」

・・・・・「おはようございます」



目が覚めたのは、休日の朝。



昨日、あれから僕たちは食事をすることも忘れ、
長い間、愛しあった。

身体はもう疲れ果て、息をするのも苦しいのに、
気持ちが溢れて、止まらなかった。

お互いに触れていたくて、
お互いを感じていたくて、

眠ることもせず、ひたすら求め合った。




雨はまだ、しとしとと降り続いている。
寝室の空気は、雨もあってか、とても冷えている。


「もっとこっちへ、、、」


ベッドの中、、、
伸びてきたユンホさんの手が、僕の身体を引き寄せる。


「身体、辛くない?」

・・・・・「大丈夫です、、、」


そう答えてはみたけれど、
僕の掠れた声が、昨日の僕たちの情事の激しさを物語っている。


「ごめん、つい、夢中になって、、、」


恥ずかしくて、僕はユンホさんの胸に顔を寄せる。


「チャンミン、、、」

・・・・・「はい、、、」

「いつ、ソウルに戻る?」

・・・・・「会社からは、早くて3年って、、、」

「3年、、、そうか、、、」


それきり、黙ってしまったユンホさんが気になって、
少しだけ、顔を上げて表情を伺う。

それに気がついたユンホさんは、視線を落とし、僕を見た。


「僕が逢いに来る」

・・・・・「・・・・・」

「チャンミンが寂しくないように、、、いや、違うな」

・・・・「・・・・・」

「僕が、寂しさに潰されないように」

・・・・・「ユンホさん、、、」

「逢いに来るから、、、」



僕を抱くユンホさんの腕に、力が入る。
僕も、同じくらいの力で、ユンホさんにギュッとしがみ付いた。

貴方と同じ気持ちだということを、
伝えたかったから、、、









52へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
この2人に、この後何かしらの試練、いります?(笑)
いや、まだ続きますよ。
このままで終わるはずもなかろう、ここは、こころ日和。(笑)ププ

ここのところ再びコメントの御返事できてなくてごめんなさい。
腰の状態がよろしくなくて、長時間座ってられません(;・∀・)

けれど、いつも皆さん面白くて読み応えのあるコメントを下さるので、
私の楽しみの1つになっています。
いつも本当にありがとう♪

たまに、引き際を考えます。
今はまだ、もう少しここで書いていたいけど、、、
今のところ、私の妄想の邪魔をするものはたった1つ。
それは何でしょう?

ヒント  チャンミンの〇〇

〇〇に入る言葉を当ててください。
漢字2文字です(笑)

答えは、明日の更新で(笑) ←どうでもいい( ;∀;)




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KISSをちょうだい 2




「チャンミン、、、どうして、、、」


僕を見て驚き、揺れる美しい瞳。
頬に見えるのは、伝った涙の痕、、、


・・・・・「隣り、、、」

「・・・・・」

・・・・・「隣りに座ってもいいですか?」


僕は、ユンホさんの返事を待つことなく、ベンチの隅に腰かけた。


空を見上げる。

冬の空は、何処か寂し気で物悲しい。
地上に届いた弱い太陽の光が、公園のベンチで並んだ僕たちを温めるように照らした。


・・・・・「僕、、、」

「・・・・・」

・・・・・「忘れたかったんです。貴方の事、、、」


そう、忘れるためにここに、、、釜山に来た。
時間は掛かっても、時が寂しさを解決してくれると信じて。


・・・・・「昔、好きだった人にこう言われました」


〝男同士に先なんてあるわけないだろ〟


・・・・・「僕は、貴方に未来を作っては上げられない。ヨンジュさんとなら、、、」

「チャンミン、、、それは、、、」

・・・・・「かつて貴方が愛した人です。何も不思議じゃない」

「チャンミン、、、」

・・・・・「スワンはとてもいい子です。幸せに、、、」


幸せになって、、、


そう言おうとしたその時、
膝に置いていた僕の手に、隣から伸びてきた彼の掌が重なる。


「彼女と、、、ヨンジュと、幸せになる気があるなら、どうして今、僕がここに居る?」

・・・・・「ユンホさん、、、」


重なる彼の手に、力がこもる。


「そのつもりなら、君を追って来たりしない。そうだろ?」

・・・・・「・・・・・」


視線を逸らせ、俯いた僕を見て、
ユンホさんが小さく息を吐く。


「ドンヘに聞いたよ」


ドンヘさん、、、


「金曜の夜の事、黙ってて悪かった」

・・・・・「・・・・・」

「兄は生前、とても忙しい人でね、なかなかスワンと遊んでやる時間もなかったらしくて、、、」

・・・・・「・・・・・」

「それで、金曜の夜は、パパと一緒にベッドに入る、、、って、そう約束してたらしい」

・・・・・「もしかして、、、」

「ん、、、だから、金曜の夜になると、スワンがパパを呼ぶんだって、泣きながら、、、それで、、、」



スワン、、、


「スワンの手を握って、髪を撫でてやるんだ。そうしたら、落ち着いて眠れるようで、、、」

・・・・・「・・・・・」

「お人好しだと思うだろ? 弟を、、、恋人を、、、裏切ってまで愛しあった兄とヨンジュ。
そんな2人の愛の結晶。本当なら、僕にとって憎むべき存在なのに、、、」


そう話すユンホさんの瞳は、何時しか空を仰いでいる。


「でも、スワンに罪はない。幸せになって欲しい。そう思うんだ。可笑しいだろ?」


ユンホさんの横顔を見つめながら、
僕は小さく首を振る。


僕は、なんてつまらない嫉妬をしていたんだろう。
ユンホさんを信じられなかった僕の罪は重い。


・・・・・「スワンは、、、今、何処に?」

「LAだよ。ヨンジュのご両親があちらで暮らしてる」

・・・・・「えっ?」

「ヨンジュがそう望んだんだ。今はご両親の傍に居たいと、、、」

・・・・・「・・・・・」

「2人を送り届けてきた。兄の代わりに、、、」



空を見ていた彼の視線が、ゆっくりと僕に戻る。
ふっと、小さく笑みを浮かべたユンホさんは、重ねた手に、再び力を込めた。


「送り届けて、戻ってきた」

・・・・・「ユンホさん、、、」

「君は? チャンミンは?」

・・・・・「・・・・」

「もう、、、誰か、、、」

・・・・・「・・・・・」

「僕はもう、遅かった?」

・・・・・「・・・・・」

「君は、チャンミンは本当に、、、」

・・・・・「・・・・・」

「本当に、僕を忘れたいと、そう思ってるのか?」



冬の風が、僕とユンホさんの間をすり抜ける。

空は次第に、灰色の雲が広がり始め、
さっきまで僕らを照らしていた太陽は、消えてなくなった。


遠くの空から、ゴロゴロと、雷鳴が近付いて来る。


・・・・・「僕は、、、」

「・・・・・」

・・・・・「僕は、、、」


その時、、、


頬にポツ、、、と冷たさを感じ、空を見上げる。
広がったグレーの雲から、音も立てず、静かに雨粒が落ちてくる。

降り始めた雨は、次第に強くなり、
ベンチに座った僕とユンホさんを、しっとりと濡らし始めた。


・・・・・「誰かの背中を見ては、貴方を想い出しました。
忘れようと思ってここに来たのに、気がつけばいつも、貴方の影を追ってた」

「・・・・・」

・・・・・「忘れようとしたけど、、、」


結局僕は、貴方を忘れる事は出来なかった。


「忘れなくていい、、、」


上手く言葉に出来ない僕、、、
そんな僕の言葉を引き受け、貴方はそう言った。


〝忘れなくていい〟


「これからは、チャンミンを不安にさせたりしない。絶対に、、、」

・・・・・「・・・・・」

「だから、、、」


お願いだよ、、、


ユンホさんは、小さくそう呟くと、
僕の身体をそっと引き寄せ、その腕の中に優しく包んでくれた。


「もう一度、僕を愛してほしい、、、」



冬の雨が、抱きあう僕たちを静かに濡らしていった・・・








51へつづく

読者の皆さま、こんばんは。
KISS~も50話になりました。
自分としては、そろそろ完結を目指していきたいんですけど、
まだ落としどころが見えてこない。
何かが足りない( ;∀;)ガンバリマス


そして、ようやくチャンミンが帰ってきたーーー(*'▽')

2019 07 08 プーケットから帰国

隙間から見える可愛い大きな瞳♪
カッコ可愛い♡おかえり、チャンミン。
そろそろお2人並んだお姿プリーズ(/・ω・)/




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KISSをちょうだい 2




・・・・・「一緒に食べませんか?」


僕の言葉に脚を止めて振り向いた室長は、
一瞬、僕と視線を合わせ、けれど、すぐにその視線を落とす。

次にその瞳が僕を捉えた時、
室長はやさしく微笑んでいた。



--- このマンションに来た時、エントランスである人とすれ違ったよ ---

・・・・・「・・・・・」

--- どうしてだかその人が気になって、エレベーターの前で振り向いたんだ ---

・・・・・「・・・・・」

--- そうしたら、驚いたことにその人は脚を止めて僕を見ていた。とても悲しい顔をしてね、、、---



もしかして、、、
ユンホさん?


--- この部屋の扉が開いて君の顔を見た時、、、---

・・・・・「・・・・・」

--- 思ったんだ。さっきエントランスで見た人と、同じ顔を、、、同じ悲しい顔をしてるってね、、、---

・・・・・「室長、、、」

--- ありがとう。けど、今日は帰るよ ---




じゃあ、、、


小さな声でそう呟いて、室長は扉の向こうに消えた。




ソファに身体を投げ出す。
カーテンの向こうから、陽の光が射しこむ。

その光は、今の僕には眩しすぎて、瞼をギュッと閉じた。


室長の言葉を思い出す。


〝僕と同じ、悲しい顔〟


室長はユンホさんを見て僕を感じ、
僕を見て、ユンホさんを感じた。


ユンホさんの頬に伝った涙の粒、、、


僕は一体、なにをやっているんだろう。
自分が分からない。


少し疲れたな、、、
このままほんの少しだけ、眠りたい。

何も考えず、少しだけ、、、



考える事を放棄し、閉じた瞼の向こうの闇に意識を落とす。
泣き疲れた僕は、すぐに眠りに落ち始めた。


けれど、、、


まるで、それを止めるかのように、
携帯電話のコール音が、鳴り始める。

そのまま眠りに落ちる事も出来た。
けれど、何故だか僕は重い身体を自然と起こし、電話を手に取った。


・・・・・「室長、、、」


ディスプレイには、室長の名前。
戸惑いながら、応答した。


・・・・・「はい、、、」

--- シムくん、、、---

・・・・・「・・・・・」

--- とてもいい天気だよ。近くの公園を散歩してみたらどうかな? ---

・・・・・「えっ?」


唐突に話し始めた室長、、、
その言葉の意味が分からなくて、僕は戸惑い、言葉は出ない。

そんな僕の戸惑いを、きっと室長は分かっているはず。
でも、室長はそのまま話し続けた。


--- そして、良かったら、その公園のベンチで悲しそうに俯いたままの人と、
さっきのデザートを食べたらどうだろう---

・・・・・「・・・・・」

--- 甘いものは、人の心を溶かす、、、らしいよ。私の友人曰く、、、だが、、、---


電話の向こうの室長が、ふっと笑ったように感じた。


・・・・・「室長、あの、、、」

--- じゃあ、シムくん、月曜に事務所で---




そのまま、電話が切れた。



室長、、、

一体、何を?



近くの公園を散歩してみたらどうかな?

公園のベンチで悲しそうに俯いたままの人と、さっきのデザートを食べたらどうだろう

甘いものは、人の心を溶かす、、、らしいよ



室長、もしかして、、、



いや、確信はなかった。

けど、もしかしたら、、、そう思い始めると、
僕は居ても経ってもいられなくなった。


ソファから起き上がり、置きっぱなしの上着を羽織る。
テーブルの上の鍵を手に、僕は慌てて部屋を出た。





休日のお昼過ぎ、、、

マンションを出て、大きな通りに向かう途中にある公園。
休日には、子供たちが賑やかに遊ぶ風景が見られるその場所は、
お昼の時間ということもあってか、いつもより静かで人の姿が見えない。

脚を踏み入れ、〝その人〟の姿を探す。




そして、視線が止まる。


公園の隅のベンチ。
たった1人、俯いたままでその表情は見て取れない。


・・・・・「ユンホさん、、、」


ゆっくりと、ベンチに近付く。


〝もう、これでさよならだ〟


冷たく吐き捨てられたあの言葉が、
僕の行く手を阻む。

けど、、、




・・・・・「ユンホさん、、、」


絞り出すように、彼の名を呼ぶと、
伏せたままの彼の顏が、ゆっくりと起き上がり、その視線が僕を捉えた。


驚きで見開いた瞳は、ゆらゆらと揺れていた。



「チャンミン、、、」







50へつづく

読者の皆さま、こんばんは。

2019.07.07


数日前、週末は雨に注意。
なんていう天気予報を聞いていたのですが、
昨日も今日も、とても清々しくていいお天気に恵まれました。

皆さんのお住いの地域は如何でしたか?

私のドジなお話を1つ。

今朝、洗濯機を回しながら、お天気はどうだろうと
キッチンから窓の向こうを覗き見ました。

そしたら、、、、あれ? 洗濯物がすでに干してある。
おかしいな、まだ洗濯機回ってるけど、、、


あーーーーーーーーっ!!


昨日、洗濯物取り込むのを忘れてたーーーーーー( ;∀;)
ということで、今日の夕方、取り込んだ洗濯物で、
リビングに小さな山が出来てました(笑)ププ





それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい

素敵な夢を♪





こころ。

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