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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



ちいさな落としもの。





あの日から数日後・・・・


仕事先の控室にやって来たヒョンはなんだかとても落ち込んでる様子で・・・


・・・・・「ヒョン、おはようございます」

「ん、おはよ」

・・・・・「ヒョン、、、どうしたんですか? なにかありましたか?」


じーっと僕を見つめるヒョン。
大きなため息をついて・・・


「チャンミナ、ミンの事なんだけど、、、、」

・・・・・「はい、今日は家でお留守番ですか?」

「実はさ、昨日の夜・・・・」


ヒョンは悲しそうに俯いたままゆっくりと話してくれた。



--- 昨日の夜、ミンと散歩に出かけたんだ。公園へ行って少し走ったりして遊んだ帰りにさ、
マンションの向かいの、、、ほら、ミンが捨てられてた電信柱の前を通ったんだよ---

・・・・・「はい」

--- そしたらさ、これが・・・---


そう言って、鞄の中から小さく折りたたんだ白い画用紙のようなものを僕に差し出した。


・・・・・「これは?」

「見て・・・」


僕は、その画用紙をそっと広げた。



〝ここに、白い小さな犬を捨ててしまいました。もし、拾った人がいればおしえてください。
犬のお母さんが泣いています。お願いします〟




いろんな色のクレヨンで書かれた不揃いの大きさの文字で、そう書かれてあった。




「なぁ、チャンミナ、どう思う? ミンのことだよな?」

・・・・・「そうでしょうね。それに、これは明らかに子供の字ですね」

「捨てたのに、また探してるのか?」

・・・・・「ねぇ、ヒョン、ミンが元気ないのって、もしかして母親が恋しいからじゃないですか?」

「・・・・・」

・・・・・「本来なら、まだ母親の母乳を飲んでるくらいなんじゃないんでしょうか?
だからこの頃、ミルクもあまり飲まないんじゃ・・・」

「元気ないんだよ。ミン、、、母親が恋しいのかな?」

・・・・・「きっとそうですよ」

「・・・・・」

・・・・・「ヒョン、きっとミンが元気になりますよ。ね?」

「・・・・・寂しくなるな」

・・・・・「ヒョン、白くもないし、フワフワではないけど、、、ミンならここにもいるから」


ヒョンは少しだけ悲しそうな顔をして小さく頷いた。


「そうだな・・・」


ヒョンの大きくて暖かい手が僕の髪をくしゃっと撫でた。




その日の夜、仕事を終えた僕たちはヒョンのマンションへ急いだ。


「ミン、ただいま~」

〝 くぅぅん、、くぅぅん、、〟

・・・・・「ミン、元気にしてた?」


小さな尻尾が、ふるふると揺れる。


・・・・・「ヒョン、シャワー浴びる前に、ミンと一緒に散歩へ行きませんか?」

「そうだな、もうこれが最後になるかもしれないしな」



ヒョンはそっとミンを抱きかかえて、いつものキスをした。




「ミン、ほら、今日も星が綺麗だろ?」


夜空を仰ぐと、ここが都会の真ん中であること忘れるくらいの星たちが煌めいていた。


・・・・・「わぁ、すごいですね、ヒョン」


小さなミンを両の手でしっかりと包んで、その腕を空に向かって伸ばす。


「ミン、元気で大きくなるんだぞ。俺たちの事、忘れるなよ」

〝 ワン ! 〟

「えっ?」

・・・・・「えっ?」

「チャ、チャンミナ、聞こえた?」

・・・・・「は、はい、、、ワンって・・・」

「ミン~~!! やっぱりお前は可愛いな~~」


それからしばらくの間、ミンはヒョンのキスと頬ずり攻撃でなんだか迷惑そうに鳴いていた。



そして、次の日・・・

僕たちは、マネヒョンに画用紙に書かれてあった連絡先に電話してもらうように頼んだ。
僕たちが仕事へ行っている間に、ミンは元の居場所に戻っていった。



それから数日、ヒョンは少し元気がなかったけれど、


・・・・・「きっと母親に甘えてるよ」


僕がそう言うと、嬉しそうに微笑んでいた。






「お~い、ミ~ン、俺のパンツ~」


バスルームからヒョンの声が聞こえる。
寝室からヒョンの下着とパジャマを準備して、ヒョンの元へ向かう。


・・・・・「ヒョン、着替えを用意してから入ってください。それと・・・・」

「なに?」


裸のままタオルで豪快に濡れた頭を擦りながら・・・


・・・・・「僕の事をミンと呼ぶのはやめてください」

「じゃあ、チャンドラ」

・・・・・「チャンドラ言うな」

「とにかくチャンドラくん、早くシャワー浴びてベッドにおいで」

・・・・・「う、、うん・・・///チャ、チャンドラ言うな」



ここ最近、ミンがいなくなってからのヒョンが凄く僕に甘えてくる。
よほど寂しかったのかな・・・

ベッドでも、やたら僕を丁寧に優しく扱うし・・・


今日もいつもより時間をかけてヒョンに愛された後

僕はヒョンの胸に抱かれて眠る。
温かくて大きくて、誰よりも何よりも僕を甘やかして、許してくれる。


「ん・・・ミン・・・


少し肌寒くて目が覚めると、僕の腰に腕を巻きつけて眠るヒョン。

ヒョン・・・
ヒョンの夢の中にいるのはミン?それとも僕?

結局、僕はヒョンの心を独り占めしたくてヒョンが目を向けるすべてのものに嫉妬してる。


・・・・・「ヒョン、僕だけでいてよ」


子どものように眠るヒョンの髪を撫でながら小さな声でつぶやいた。





数日後、海外での仕事を終えて、久しぶりに帰国した僕ら。


「チャンミナ、今日来るだろ?」

・・・・・「僕は疲れてるので帰ります」

「えーーーっ、来いよ~ほら、この前買ったアイス、まだ残ってるしさ、な?」


おいおい、僕がアイスに釣られると思ってるのか?


「な? そうだな、夕飯もご馳走食いにつれてってやるからさ、な?」

・・・・・「・・・・・行きます」

「よし、何が食いたい? な、チャンドラ~」

・・・・・「チャンドラ言うな」


ヒョンのマンションに向かう車中、
僕たちの会話を聞いたマネヒョンが大きな声で笑ってる。


--- お前ら、もう結婚しちゃえば?? ---

「そうだ! チャンドラ、この際だから俺と結婚しよう」

・・・・・「丁寧にお断りいたします」

「なんでだよーーー チャンドラーーー」

・・・・・「チャンドラ言うな」

--- あははははは、ユンホ、フラれたな~---



そんな馬鹿な会話をしながら、
ようやくヒョンのマンションに到着して、駐車場に入ろうとしたとき、


「マネヒョン、止めて!!」


ヒョンがとっさに叫んで、びっくりしたマネヒョンは、道路わきに滑らすように車を止めた。


--- ど、どうした? ユンホ! ---


ヒョンの視線は窓の外だった。  


「ちょっと待ってて」


車のドアを開けて向かいの歩道へ渡っていく。


ヒョンの行く先をたどると・・・・

電信柱の隣に、白くてフワフワの犬を連れた子供が立っていた。


・・・・・「ミン?」


まさかな、、、


・・・・・「マネヒョン、ちょっと待っててください。」


僕もヒョンの後を追って、車を降りて道路を渡った。
ヒョンはしゃがんで少年と目線を合わせる。


「こんなところで何してるんだ?」

--- 犬を・・・拾ってくれた人を待ってる ---

「拾ってくれた人?」

--- うん、この犬の子供---


そう言いながら、少年は自分の隣で行儀よくお座りしているその犬の頭を撫でる。

よく見ると、ミンにそっくりだけど・・・大きさが違う。
いくらなんでも、数週間の間にこんなに大きくなったりはしない。


・・・・・「ヒョン、もしや、この犬はミンの母親ではないですか?」

「えっ?」


その時、突然目の前の真っ白な犬が ワン!! と吠えた。


--- えっ? お兄ちゃんたち、ミンの事知ってるの? ---

「ミン、、、って名前なのか? この犬の子供」

--- そうだよ、届けてくれたおじさんが教えてくれたんだ。
拾ってくれた人がミンってつけてくれたって---

・・・・・「で、拾ってくれた人を待ってるって、どうしてなの?」

--- 僕、謝りたくて・・・---

「謝る?」

--- ミンが生まれてから僕はずっと世話をしなくて、、、お母さんに叱られたんだ。
お世話できないなら捨ててきなさい・・・って---

「それで捨てちゃったのか?」

--- うん・・・ けど、夜になって雨が降ってきて・・・
仕事から帰ってきたお母さんと探しに行ったけどもういなくて---


少年の目に、みるみる涙が溢れてきた。


--- ぼ、、僕が、、、悪かった、、んだ、、ちゃんと、世話してやらなかったし・・・
す、捨てちゃう、、なんて---


ヒョンが少年の小さな頭をクシャっと撫でる。


「それで、謝りたくてここに居たのか?」

--- うん---

「じゃあ、俺に謝れ」

・・・・・「ヒョン!」

「俺が拾ったんだ。 雨の中、すごく泣いてたぞ。可哀想に」

・・・・・「ヒョン、、やめ、、、」

-- ご、ごめんなさい、、、それと、ミンを返してくれてありがと・・うっ ---

「お前、落っことしたんだろ?」

--- えっ? ---

「捨てたんじゃなくて、落っことしちゃったんだろ?」

--- ・・・・・ ---

「だから、俺はお前に返してやったんだ。落としものはちゃんと持ち主に届けないとな」


ヒョン・・・・


「なんだ? 違うのか? もし、捨てたんなら、、、俺がミンをもう一度もらうけど?」

--- ち、違う・・・落としたんだっ!---

「だろ? ならそれでいい。もう泣くな、男だろ? 男が簡単に泣いちゃダメだぞ」

--- うん、、、ありがと、お兄ちゃん---

「ミンをよろしく頼むな」


涙をごしごし腕でぬぐって、笑顔で手を振りながら少年と犬は去って行った。


・・・・・「ヒョン、、、よかったですね。ミンも元気だそうですし」

「そうだな。安心したよ」

・・・・・「それに、、、あの子きっと自分のしたことで自分の心が傷ついてたんでしょう。
けれど、ヒョンのあの言葉できっと元気になります。ね?」

「ならいいんだけどな。」

・・・・・「なんだかさ、、ちょっと・・・」

「ん? なんだよ」

・・・・・「ヒョンがカッコよくて、惚れ直しちゃったかも?」

「//// は? 何言ってんの?」

・・・・・「あ、ヒョンがテレてる。耳まで真っ赤だよ」

「な、何言ってんだよ、俺は べ、別に・・・」


ヒョンの真っ赤になった耳をギュッと摘まんでやった。


・・・・・「わ~ すごい真っ赤ですって!! なにテレてるんですか~」


道路で2人でじゃれ合ってたら、向かいの車で待ってたマネヒョンが、


--- こらっ!! 何やってんだよ!! 夫婦喧嘩は中でやれよ!! ---


僕らは顔を見合わせて大笑いした。




あれから少し元気を取り戻したヒョンだけど、相変わらずの甘えぶり。


「なぁ、チャンドラ、今日一緒に風呂入らないか?」

・・・・・「は? 勘弁してください。お湯に浸かるなら一人でゆっくりと入ります」

「たまにはいいだろ? なぁ~チャンドラ~」

・・・・・「チャンドラ言うな~ 、嫌です」

「なんで? なんでだよ!!」

・・・・・「そんなの、決まってるでしょう、ヒョンと一緒だと、、、その、、、だから・・・」

「・・・・・なんだよ」

・・・・・「ヘンなことに・・・なるからです」

「ヘンなことって?」

・・・・・「もう、、分ってるくせに・・・」

「じゃさ、風呂は別でもいいからさ、ベッドでヘンなことになってもいい? ん?」


そう言いながら、子供みたいに無垢な顔して僕を覗き込んでくる。


「な?」

・・・・・「し、仕方ない人ですね・・・・今日だけですよ?」


「よし! じゃ、先に行ってくる!!」


ふふ、当分ヒョンの甘えん坊は続きそう・・・
ま、いいっか・・・❤



・・・・・「あ、ヒョン、着替え持って行ってくださいよ~」

「どうせ、すぐに脱ぐからいらないよ~チャンドラ~」

・・・・・「ば、ばかっ///❤チャンドラいうな」








ちいさな落としもの。・・・・・ fin

リアルタイムで読んで下さっている読者さま、真夜中にこんばんは。
朝、目覚めてから読んで下さっている読者さま、おはようございます。

『ちいさな落としもの。』 これにて完結です。
第5話、とても長かったですが、
旧館で、9,10、11話として更新されていたものをまとめて1話として更新させていただきました。

リクエスト下さった読者さま、楽しんでいただけたら嬉しいです。




それでは、次は6時に熱帯魚で♪
いつもご訪問ありがとうございます。




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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



ちいさな落としもの。





・・・・・「遅かったですね」

「いや、なんかミンが人気者でさ~」


ふん、嘘ばっかり
どうせ、ネコミミ達に囲まれて鼻の下伸ばしてたんだろ?


・・・・・「どう見ても人気者はヒョンに見えましたが?」

「な、何言ってんの? チャンミナ、、、あはは・・・はははは


なんて分かりやすいんだ。


--- ユンホ、さっきの子って、この前飯食いに行った子だろ??---

・・・・・「!!!!!!!!!!!!」

「は? ちっ違うよ、、、なに言ってんの? あははははははははははははははは

-- え? なに? えっ? ---

「マネヒョン、早く帰ろう」

・・・・・「・・・・・」

--- ユンホのマンションでいいのか? ---

「ああ、頼むよ、いいよな? チャンミナ? な?」

・・・・・「・・・・・」



マネヒョンが、僕の異様な雰囲気に感づいて、
黙ってヒョンのマンションまで車を進めた。

車の中は怖いくらいの静けさだった。



--- じゃあな、また明日な~ゆっくり休めよ~ --- 


顔を強張らせてマネヒョンはとっとと去っていった。


「チャ、チャンミナ?」


ヒョンの部屋に到着して、ミンのミルクの準備をする。


・・・・・「ミン、僕はお前がこれを飲んだら家へ帰るよ」

〝 くぅぅぅん、、、くぅぅぅん、、、〟

「えっ? チャンミナ、帰っちゃうの??なんで? 」

・・・・・「ミン、僕はもうお前には会えないかもだけど。ここへはもう来ないから」

「チャンミナ? な、何言ってんの?」

・・・・・「・・・・・」

「チャンミナ、あの、、、違うんだよ、2人じゃなくてさ、大勢だよ、大勢で・・・」

・・・・・「いいんです。別にヒョンにもいろいろ付き合いだってあるだろうし」

「そ、そうなんだよ、、、別にどうってことないんだよ、、飯食っただけだから」

・・・・・「そうだね」



もう、それ以上は何も言うこともなくて。



ミンが心配そうに僕を見てる。


・・・・・「ミン、ミルク飲まないのか? 僕は帰るよ」

〝 くぅぅぅん、、、〟

ミンが前足を上げて、バスケットから飛び出して来る。
僕の方へふらふらと寄ってきた。


・・・・・「どうしたの? ミン?」


手を差し出して抱いてやる。
ミンと視線を合わせるために、小さな身体を僕の顔の前に持ってくると、、、

ミンの小さな舌が、僕の鼻先をペロッと舐めた。


まるで僕を慰めてくれるように・・・・


・・・・・「ミン、、、ありがとな」


なんだかとても嬉しくて、涙が自然と溢れてきた。


「チャ、チャンミナ、泣くなよ、、、悪かったよ」

・・・・・「ヒョン」

「ん? な、なに?」

・・・・・「少しミンを借りてもいいですか?」

「えっ?」

・・・・・「ミンと散歩へ、、、行ってきてもいいですか?」

「そ、それなら俺も・・・」

・・・・・「いえ、ミンと2人で・・・」


僕はミンをそっと抱いて、ヒョンのマンションを出た。


すでに夜も更けて、辺りは街灯の光とポツポツと灯る家々の明かりだけで、
ほんのりと道が照らされているだけだった。


・・・・・「ミン、少しだけ僕に付き合ってね」


特にどこへ行くわけでもなく、ミンを抱いてブラブラと歩いた。
途中、小さな公園でミンと一緒にブランコに乗った。


・・・・・「ミン、僕は今とても寂しいんだよ。」

〝 くぅぅん 〟

・・・・・「なぁ、ミン。ヒョンは僕の事、ホントに好きなのかな?」


空を見上げたら、星がたくさん輝いてて・・・・・


・・・・・「なぁ、ミン、空を見てごらん。たくさん星が輝いてるだろ? 僕はね、いつも思うんだ。
あの星の数ほど、きっとヒョンの事を好きな女の子がいるんだろうって・・・なのに、どうして男の僕なんだろうって・・・
ヒョンだって、本当は女の子がいいに決まってる。」

〝 くぅぅん、くぅぅん、、、〟

・・・・・「そう思わない? ミン?」


沢山の星たちの中に、ひときわ輝く赤い星。
あれは、きっとヒョン。

どの星よりも明るくて強くて・・・

周りの星たちを惹きつける。
時々僕は、そんなヒョンの傍にいる事が辛くなるんだよ、知らないでしょ? ヒョン・・・


突然、抱えていたミンが暴れだして・・・
僕は咄嗟に屈んで、ミンを芝生の上に置いた。


・・・・・「あ、ミン!!」


一目散に走りだすミン。
暗がりの中、ミンを見失わないように必死に目を凝らしていると・・・


「チャンミナ・・・」


そこにミンを腕に抱いたヒョンが立っていた。


・・・・・「ヒョン」


僕を追いかけてきてくれたのかな、、、


「星、綺麗だな」

・・・・・「うん・・・」

「チャンミナ、悪かったよ。お前に言わなかったこと、、、反省してる。
でも・・・もちろん何もないし、だから別にお前に言う必要もないとそう思ってたんだ」

・・・・・「・・・・・」

「たとえ、どんなに綺麗な女の子からモーションかけられても、
どんなにたくさんの女の子に好きって思ってもらってても・・・心に響かないよ」

・・・・・「・・・・・」

「俺の心には、チャンミナしかいない。星はたくさんいらない。
俺は、、、俺にはチャンミナっていう星ひとつだけあれば、それでいいんだ」

・・・・・「ヒョン」

〝 くぅぅん 〟

「な、そうだよな? ミン?」

・・・・・「ぷっ、、、セリフがクサすぎるよ」

「な、なんだよ!! お前がミンにブツブツ言ってるから、答えてやっただけだよ」

・・・・・「ヒョン」

「な、なんだよ?」

・・・・・「ちょっと、ヤキモチ妬いちゃっただけだよ、信じてるから」



輝く星たちの下で、
ミンを間に抱いたまま、僕たちはそっと触れるだけのキスをした。








5へつづく

リアルタイムで読んで下さっている読者さま、真夜中にこんばんは。
朝、目覚めてから読んで下さっている読者さま、おはようございます。

ちいさな落としもの。 次回で完結です。
最後まで、おつきあいくださいね。



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ちいさな落としもの。






「チャンミン!!」


靴を履くのに手間取ってしまって、玄関で追いかけてきたヒョンに捕まった。


「チャンミナ、怒るなよ、な?」

・・・・・「離してください。」


ヒョンに掴まれた腕が痛かった。


「イヤだ」

・・・・・「離せよ!」

「イヤだ!」


グイッと掴んだ腕をそのまま引かれて
ヒョンの胸に抱きすくめられた。


・・・・・「離せよ」

「イヤだ、帰るな」


ヒョンの力が強くて僕はビクとも動けない。
そのうち抵抗しても無駄だと分って、僕はそのままじっとしてた。


「チャンミナ、お願いだから帰らないで。傍にいて」


ヒョンの体温を感じる。
まだ少し熱い・・・


・・・・・「ヒョン、まだ少し熱があるよ、休まなきゃ」

「チャンミナ、行かないで」

・・・・・「・・・仕方ないな、分かったよ 、そばにいるから」


ようやく、ヒョンの腕から力が抜けて
そして、そのままヒョンの掌が僕の頬を包む。


「お前ってホントに可愛い・・・いちいち妬くなよ」

・・・・・「だって、、、ん、、」


ヒョンの唇がそっと落ちてきた。
いつもよりも少し温かいキスだった。




仕事までまだ時間はある。
僕はヒョンをもう一度ベッドに寝かせた。


・・・・・「ヒョン、薬も飲んだしマネヒョンが来るまで休んで」

「帰らない? ここに居る?」

・・・・・「いるよ、帰らない、ミンにもミルクあげておくから心配しないで」

「チャンミナ、あいつ、チャンミナによく似てるんだ。」

・・・・・「ミンが? 僕に似てるの?」

「ん、真っ白でフワフワで目がクリクリしてて・・・」

・・・・・「僕、真っ白でもフワフワでもないよ」


ヒョンのベッドに腰を掛けて、ヒョンの頭をなでながら・・・


「チャンミナは心が真っ白だろ?それにさ、お前抱いてるとフワフワした気持ちになるんだ。」

・・・・・「ふふ、そうなの? 」

「ん、、チャンミ、、ナ、、好き、、だ、、ょ・・・」


髪を撫でられたのが気持ちよかったのが、
それともまだ体が辛かったのか、、、

ヒョンはもう一度眠りに落ちた。


・・・・・「ヒョン、ゆっくり休んで」



ベッドルームの扉を静かに締めた。


リビングにへ戻って、ソファの上で大人しくしてるミンに話しかける。


・・・・・「おい! 女だからって僕は容赦しないぞ」


〝くぅぅぅん〟


・・・・・「ハッキリ言っておく! ユノヒョンは僕の恋人なんだ、手を出すなよ」


ミンにそう宣言して、その小さな体をバスケットに入れた。


・・・・・「大人しくしてろよ」


キッチンでミルクをひと肌に温めて・・・


・・・・・「ほら、ごはんだよ」


〝くぅぅん〟


・・・・・「どうしたの? お腹すいてないの?」


昨夜の勢いとは正反対に、ミンはミルクを飲もうとはしなかった。







ミルクを飲もうとしないミンが少し気になったけれど、
少し体調の戻ったヒョンと僕は午後からの仕事に向けて準備していた。


「チャンミナ、ミンを一人にしても大丈夫かな?」

・・・・・「少し心配ですが、連れてくわけにもいかないですし・・・ミルクを準備しておけばだいじょ・・・」


!!


「ミーン!! 俺と一緒に出掛けるぞー!!」

・・・・・「・・・・・」


じゃあボクに聞くなよ・・・・


・・・・・「マネヒョンに叱られても知りませんからね。」

「今日は取材だけだろ? なら大丈夫だって! なーミン・・・ちゅっ♡」


〝くぅぅん〟






--- また拾ったのかよ、ユンホ---

「その前に大丈夫か?って聞かないの? ま、いいけど、、、可愛いだろ? ミンっていうの」

・・・・・「・・・・・」

--- 何がミンだよ、そう言うの拾って苦労するのはチャンミンだろが--- 

「だって、雨の中捨てられてたんだぜ、可哀想じゃんかよ」


案の定、僕たちを迎えに来たマネヒョンに怒られてる。


--- チャンミン、ご苦労さんだな---

・・・・・「いえ、もう慣れてます。それよりもマネヒョン、この犬の行先を探して欲しいんですけど」

「えっ? ちょっと待てよ、、、ミンは俺が飼う」

・・・・・「ムリ」

--- ムリ--- 


僕とマネヒョンの絶妙なハーモニー 


--- ユンホ、よく考えろよ、ろくに休みもないお前に生き物の世話できるわけないだろ?
ま、たとえ休みばっかりだとしても、お前には無理だ。犬の前に自分の世話しろ。
チャンミンにばっかりさせるんじゃない---

・・・・・「そうです、ユノヒョン、、、マネヒョンの言うとおりです」

「な、なんだよ、、、、2人揃ってそこまで言わなくてもいいだろ・・・なぁ、ミン ちゅっ♡」


移動中の車の中でマネヒョンの大きすぎるため息が響き渡った。


--- とにかく、探しとくから、、、チャンミン、それまで頼むよ--- 

・・・・・「すいませんが、よろしくお願いします」



仕事中は、控室にミンを留守番させて僕たちは集中して仕事をこなした。
控室に戻ったヒョンは一目散にミンに駆け寄る。


「ミーン!! いい子にしてたか?」

--- すごい大人しいんだな、そいつ・・・---  


マネヒョンが、ミンを心配して何度か様子を見に来てくれたらしい。


「な、マネヒョン、ミンってさ、チャンミナに似てるだろ?」

・・・・・「・・・・・」

--- お前、ある意味ユノにすごい愛されてるな ---
 

マネヒョンが少し呆れ気味で僕の耳元で囁いた。 


・・・・・「ちっとも嬉しくないです」



帰り支度を済ませて部屋を出る。
ヒョンは大事そうにミンの入ったバスケットを抱えて・・・


駐車場に続く廊下の前方に、派手な格好をした女の子が5.6人。
賑やかに話しながら僕たちの方へ歩いてきた。 


なんだかイヤな予感・・・・


--- あーーーっ! ユノオッパ~~ ---


!!


オッパ?   は?   お前誰だよ?

何処かのガールズグループの子なんだろう。
しかしなんて慣れなれしいんだ。

ん???
この子、、、どこかで見たこと・・・

あ!!

あのいつかのネコミミ!!
ヒョンに気があるネコミミ!!

そのネコミミが、別のネコも引き連れてヒョンの元へ駆け寄ってきた。


「あ、久しぶり、頑張ってる?」

--- はい、頑張ってます。ユノオッパ、今日もカッコいいですね--- 


他のネコミミ達が2人の会話を聞いてきゃぁきゃぁ言ってる。
なんだよ、僕は視界に入らないのか?


--- ところで、オッパ、この可愛いワンちゃん、どうしたんですか?---

「実はさ・・・」

 
ミンの周り、いや正確に言うとヒョンの周りにネコミミ達が集まってきて、ミンの頭を順番に撫でてる。
撫でながら、チラチラヒョンに視線を向けてるネコミミもいる・・・


なんだよ、勝手にやってろ・・・


・・・・・「ヒョン、僕は先に行ってます」


小さくそう言ってから僕は廊下を歩きだした。


--- あ、チャンミンさん、おつかれさまでした---

・・・・・「お疲れ様でした」


取ってつけたようにネコミミが僕に挨拶して、そのあとに続く他のネコミミ。
僕は軽く頭を下げて、そのまま足を進めた。


「あ、チャンミナ、待って」


ヒョンの言葉に足は止めず、ずんずん先に歩いた。
ネコミミ達の質問攻めに、ヒョンは振り切ることが出来なかったんだろう。


ミンを抱えたヒョンが駐車場に現れたのはそれから30分も経ってからだった。








4へつづく

リアルタイムで読んで下さっている読者さま、真夜中にこんばんは。
朝、目覚めてから読んで下さっている読者さま、おはようございます。

さて、本日更新のお話の中に出てきた 〝ネコミミ〟 ですが、、、
憶えていてくださってるかな?

そうです。
この話の前に更新していた「ヒョンのばか。」に出てきた〝ネコミミ〟です。

「ちいさな落としもの。」だけの更新では、〝ネコミミ〟の意味が伝わらないと思い、
先に「ヒョンのばか。」を更新した次第です。


今日、さいたまに参戦したお友だちが送ってくれました。

TOMORROW さいたま ありがとう♪

ありがとう♪




それでは、次は6時に熱帯魚で♪
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ちいさな落としもの。





その日の仕事を終えてマンションに戻ったのは夜の10時を過ぎたころだった。

帰り際・・・

--- ユンホが気になるからさ、ちょっと寄ってみるよ ---


そう言うマネヒョンに、


・・・・・「あ、僕が行くよ。ちょっとヒョンに用事があって・・・」


今日一日、仕事の合間に何度も電話したけれど繋がらなかったから、
僕はとても不安になっていた。


--- そうか、、、一緒に行こうか? ---

・・・・・「いや、大丈夫だよ。何か変わったことがあったら連絡するよ」

--- 悪いな、じゃ、頼むよ ---


ヒョン、かなり悪いのかな?
僕は、仕事から戻ったそのままで、車のキーを掴んで家を出た。

途中でコンビニによって、ヒョンの好きそうなアイスクリームとミネラルウォーター、、、
なんだかんだと買い込んで・・・


・・・・・「いない、、、」


休んでたら悪いと思って、ヒョンから預かってる鍵で部屋に入る。
だけど・・・・

どこにもヒョンがいない。
どうしたんだろう・・・

1人で病院?
まさか、もうこんな時間だし・・・

心配で、、、

ポケットから携帯を取り出して電話をしようとしたその時だった。


カチャ・・・っと玄関ドアの開く音。

ヒョン?

急いで玄関まで行くと・・・

そこには、真っ赤な顔をしたヒョンが苦しそうに息をしながら、
その場にしゃがみ込んでいた。


・・・・・「ヒョン!!!」


駆け寄って腕を取る。


・・・・・「ヒョン、どうしたの? 何があったの?」

「チャン、、ミナ・・・」

・・・・・「と、とにかくベッド行こう」


ヒョンを抱えようと腰に腕を回そうとすると、


「チャン、ミナ、、、悪いんだけど、、、ミンに、、、ミルクあげて、くれないか?」


そう言いながら、しゃがみ込んだ胸の辺りから・・・・


〝くぅぅん〟


大切そうにあの子犬を取り出した。


・・・・・「そんなの、そんなの後だよ、とにかくヒョン・・・」

「俺はいい、、から、、だいじょうぶ、、だから」

・・・・・「何言ってるの?? こんなに熱があるのに大丈夫なわけないでしょ? 」


僕はヒョンから子犬を取り上げて、玄関の隅において、
ヒョンを抱きかかえてベッドルームに向かった。



・・・・・「ヒョン」


ベッドに寝かせて、熱を測ると 39度近い。


「チャンミナ、ミンは?」

・・・・・「名前付けちゃったんだね、、ちょっと待ってて」


リビングに置いたままのバスケットに子犬を入れてヒョンのところへ戻った。


・・・・・「ほら、ここに居るよ」

「ん、ありがと。チャンミナ、この前は、、、悪かったよ、まだ怒ってる?」

・・・・・「怒ってるよ、こんな、、、無理して心配させないでよ」

「・・・・・」

・・・・・「ヒョン、どこへ行ってたの?」

「ミンが、ずっと泣いてて、、、母親が恋しいんだろうって、でもどうすることも出来なくて、
夜なら散歩へ出かけても目立たないかと思って・・・」

・・・・・「こんなに熱があるのに、、、バカだな」

「ゴメン・・・」

・・・・・「この子にはミルクあげておくから、少し休んで。薬飲んだら少しは楽になるよ」

「ん、ありがと。チャンミナ、もう、帰っちゃう?」

・・・・・「ここに居るから、心配しないで」

「ん、、少し休むよ、」

・・・・・「おやすみ、ヒョン」


安心したように目を閉じたヒョンのおでこにキスをした。




リビングに戻って、ひと肌に温めたミルクをちいさなお皿に入れて差し出したら
よほどお腹が空いてたのが、あっという間に飲んでしまった。


・・・・・「お前、、、ミンなの? 僕と一緒だね。ヒョンが好き?」


〝 くぅぅん 〟


・・・・・「そっか、僕のライバルだね」


ミルクを飲んで眠くなったのか、小さなバスケットの中で
ミンはスヤスヤと眠りについた。







「チャンミナ・・・」


ヒョンの声で目が覚めた。


・・・・・「あ、ヒョン、どう? 大丈夫?」


昨日の夜、ヒョンが心配で帰れなくって、いつの間にかソファで眠ってしまってた。
窓の方に目をやると、カーテン越しに朝日の光がうっすらと射しはじめたころだった。


「こんなところで、お前が風邪引いちゃうだろ?」

・・・・・「僕は大丈夫だよ、熱、下がってる?」


屈んで僕を覗き込んでるヒョンのおでこに掌を当ててみる。
よかった、下がってるみたい。


・・・・・「下がってる、よかった」

「ん、すごく身体が楽だよ、ありがとな、チャンミナ」

・・・・・「ううん、、、」

「ところで、チャンミナ、ミンと仲良くなったの?」

・・・・・「ん?」


ヒョンの目線を辿っていくと、
ソファで横になってた僕に寄り添うように、ミンが僕の足元でスヤスヤ寝ていた。


・・・・・「うーん、どうかな? こいつ、ちょっと生意気だからな」

「そうなの?」

・・・・・「だって、ヒョンの事好きなんだって」

「えっ?」

・・・・・「僕には分かるんだよ、強力なライバル出現だよ」

「バカだな、俺はチャンミナだけだよ」

・・・・・「ほんと?」


起き上がって、ヒョンの首筋に腕を回す。


「風邪、うつっちゃうかも?」


ヒョンの唇と僕の唇が合わさるギリギリのところで・・・


・・・・・「ん、いいよ、僕にうつして・・」


その時・・・


〝くぅぅぅぅぅん〟


「あ、ミン! 起きたのか?」


ヒョンが僕からすーっと離れて、
足元でごにょごにょ動き出した、両手で大事そうに抱き上げた。


・・・・・「・・・・・」


「おーっ  ミン、おはよう♪ 今日もお前は可愛いな~」


ちゅっ♡

・・・・・「・・・・・」

「チャンミナ! ミンにミルク・・・・」


ミンを睨みつけてる僕にヒョンが驚いてる。



・・・・・「なんですか?」

「い、いや、、、ミンに、、ミルク・・・」

・・・・・「本当に・・・・チャン ミン だけですね」

「な、なに言ってんの?」

・・・・・「僕、もう帰ります」

「えっ? 今日仕事午後からだろ?それに、一緒の現場だろ? ここから行けばいいよ、な?」

・・・・・「いえ、僕は昨日、シャワーも浴びずにここに来ました。食事だってしてません。
だから帰ります。」

「シャワーならここで浴びればいいよ、食事だってさ、な? チャンミナ? ん?」


なんだよ、僕は犬以下か?
心配で心配で、飛んできたって言うのに・・・

僕より犬の方が大切なんだ・・・・

ヒョンのばか!


・・・・・「ミルクくらい自分であげられるでしょう、、、大切な大切な ミン なんですからね」

「チャンミナ、、、」

・・・・・「僕なんていなくても・・・」

「そんなことないよ、な? 知ってるだろ? 機嫌直して? 頼むよ、、、」


バカみたい、犬に嫉妬してる。


・・・・・「どうせ、僕の事バカだと思ってるんでしょ? 」

「そんなこと思ってないよ、なに言ってるんだよ、な? チャンミナ?」

・・・・・「・・・・・」

「もう、つまんないことで拗ねるなよ・・・」


つまんないこと・・・・・


そんなの分かってる。

犬にやきもち妬いて、嫉妬して、、、、
でも、悲しいんだ。仕方ないじゃないか!!


・・・・・「昨日の夜のうちに、軽く食べられそうなものを作っておきました。
冷蔵庫に入ってるので温めて食べてください。薬もちゃんと飲んで。ミルクも冷蔵庫にあります。
ひと肌に温めてからあげてください。 今日は、1時過ぎにマネヒョンが迎えに来るはずです。
それまでに準備しておいて、遅刻しないで・・・・」


言いたいことを棒読みで一気にしゃべって、
僕は上着と鞄を掴んでリビングを出た。



「チャンミン!!」







3へつづく

リアルタイムで読んで下さっている読者さま、真夜中にこんばんは。
朝、目覚めてから読んで下さっている読者さま、おはようございます。

「ちいさな落としもの。」どうでしょうか?
書き始めたばかりの頃のお話なので、凄く恥ずかしいんですが、
旧館から移しながら、チェックすると、
誤字脱字が酷過ぎて(涙)
いや、今もそれは変わっていないんですけど、
今より酷い(笑)

当時の読者さま、よく何も言わず読んで下さってたな~と(笑)
すいません(;・∀・)
今後は出来るだけ気を付けます(;・∀・)




それでは、次は6時に熱帯魚で♪
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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



ちいさな落としもの。




「チャンミ~ン!! ちょっとーーー早く来て!!」



今日、珍しく仕事が早めに終わった僕は、しつこいヒョンのお誘い攻撃に根負けして、
ヒョンのマンションまでやって来た。


なのに、、、一足先に帰っているはずのヒョンの姿が・・・ない。


1時間ほど待ってみたけれど連絡もないし、
窓から外を見ると、先ほどまでポツポツと降っていた雨が、本格的に降りだしていた。

しびれを切らせて帰ろうか、、、そう思い始めた時だった。



「早く、早く!!」


玄関からヒョンの呼ぶ声が聞こえる。


・・・・・「はいはい、ちょっと待ってくださいよ」


急いで玄関に向かうと・・・


・・・・「!!!」

「チャンミン」

・・・・・「何やってるんですか!! 風邪引いちゃうでしょ!?」


これはまさに、、、

そう、濡れネズミ・・・

僕は、急いで洗面所からタオルを持って来て、ヒョンの頭を拭こうとタオルを乗せたその時・・・


〝くぅぅぅん〟


ん?? なんだ?

一旦ヒョンから2.3歩離れてその姿を確認すると、
ヒョンが上着の中に何かを隠してて、、大事そうに抱えている。  


もしや・・・・

・・・・・「ヒョン、またですか??」

「だってさ、向かいの電信柱の所にさ、捨ててあったんだぜ」

・・・・・「だからといって、僕たちは飼ってあげられないって何度言ったらわかるんですか?お?」

「泣いてたんだ、、、可哀想だろ?」


そう言いながら、そっと上着から顔を出したその正体は、
ずぶ濡れで薄汚れた小さな子犬だった。


・・・・・「まぁ、何ともブサイクな犬ですね」

「おいおい、ブサイクって、、、そんなことないよな? 」


そう言いながら、濡れネズミヒョンがずぶ濡れブサイク犬に頬ずりしている。


・・・・・「ちょっと、ヒョンの顔が汚れるからやめてください」

「チャンミン、小さな命を苛めるんじゃない」

・・・・・「は? もう、、、とにかくヒョンはシャワー浴びてください。熱いお湯ですよ!!」

「はいはい、で、こいつは?」

・・・・・「ヒョンが先です。シャワー終わったら洗ってやりますから・・・」

「分かった、じゃ、こいつをよろしく!!」


ヒョンはそう言って僕に ヒョイと子犬を預けてシャワーへ向かった。


・・・・・「おい、今日は泊めてやるけど、ここにずっとは居られないよ」


僕がそう言うと、


〝くぅぅぅぅん〟 


・・・・・「そんな声で鳴いてもダメなものはダメ!!」


気付けば、ブサイク犬相手に会話している僕。
何やってんだ・・・


「チャンミナ~終わったよ~」

・・・・・「はい、今行きます」


僕は、タオルの中で小さく震える子犬をそっとヒョンの待つシャワールームへ運んだ。







「なぁ、、こいつさ・・・・」

・・・・・「・・・・・」

「すんげぇぇぇ可愛いじゃんよ~~~❤」


薄汚れたブサイク犬が、シャワーを浴びて変身した。
真っ白でフワフワで、目がクリクリしてて・・・・

クローゼットに片づけてあった小さなバスケットにタオルを引いて入れてやる。


「なんだ、お前? ってか、、、、女子だよ女子!!」


子犬の両手を指で持ち上げて、ほらほら と僕に説明しだすヒョン。


・・・・・「見たらわかりますよ」

「な、チャンミナ、この可愛いワンコの名前さ・・・」

・・・・・「ダメっ!! 名前は付けちゃダメです!!」

「なんでだよ?」

・・・・・「情が移ります。絶対にダメです。ってか、どうするんですか? その犬・・・」

「なぁ、しばらくここに置いちゃダメか?」

・・・・・「言っときますけど、僕はここに住んでるわけではないんですよ。
ヒョンが面倒見れるのならお好きにどうぞ」

「はぁぁぁぁ、、冷たいんだな、チャンミナは・・・」


ふん、こんなこと一度や二度じゃない。

ヒョンが捨て犬や捨て猫を拾ってくるたびに僕がどれだけ苦労したか・・・
全くわかってないな、この人は・・・


「な、チャンミナ、いいこと思いついたんだけど。」

・・・・・「なんですか?」

「このワンコの行くところが決まるまで、チャンミナもここに住めば?」

・・・・・「・・・・・」

「ダメ?」

・・・・・「僕は犬の世話係ですか?」

「いや、そう言うわけじゃないけどさ、俺にできるかどうか・・・」

・・・・・「自分が拾ってきておいてなんて言いぐさですか? お?」

「そんなに怒るなよ、、、冷たい奴だな」



僕が悪いのか?

いつもいつも・・・
自分で処理できないことをするヒョンが悪い!
それを僕に責任転嫁するなよ!!

イライラしてきたっ!
このままだと、絶対にケンカになる。


・・・・・「帰ります」

「えっ? なんで? まだ、ご飯食べてないし、泊まってくんじゃないの?」

・・・・・「今日は帰ります。食事は温めるだけです。それくらい自分で出来るでしょう?」

「でも、、このワンコのご飯・・・」

・・・・・「自分が拾ってきたんでしょ?僕は知りません!!」


〝くぅぅぅぅん〟


大きな声を出した僕に驚いたのか、子犬が小さく喉を鳴らした。




ホントにっホントにっ腹が立つ!!

リビングを飛び出して、僕はヒョンのマンションを後にした。
外は、本格的に降ってきた雨が車のフロントガラスを叩きつけるほどどしゃ降りになっていた。



次の日はヒョンとは別の仕事だった。

あれから、ちょっと気になってたけれど、ヒョンからも連絡はなくて・・・
だから、僕からも連絡しなかった。

けれど、二日後の朝・・・


・・・・・「おはようございます、マネヒョン」


迎えに来てくれたマネヒョンに挨拶をする。

--- おはよう、今日は一旦事務所に寄ってくから---

・・・・・「はい」

--- ユンホも一緒の予定だったんだけど、、、---

・・・・・「ユノヒョン、どうかしましたか?」

--- 昨日の夜から熱出してるらしくてさ、ま、今日は打ち合わせが少しあるだけだから、休ませたよ---

・・・・・「えっ? 熱?」

--- ああ、あいつが休めって言って素直に休むんだから、もしかしたら熱高いんじゃないかと思って、
病院いくか? って言ったんだけど、一日寝たら治るって聞かなくてさ、、、---

・・・・・「そうですか、、、」

--- チャンミンは今日は一日仕事だから、、、また空き時間にでも電話入れてやってよ---

・・・・・「はい、そうします」


きっと、雨に打たれたからだ。
バカだな、ヒョン・・・

その日の午後、仕事の合間にヒョンへ連絡してみたけれど、
電話は繋がらなかった。







2へつづく

リアルタイムで読んで下さっている読者さま、真夜中にこんばんは。
朝、目覚めてから読んで下さっている読者さま、おはようございます。

10月最初の更新です。
本日から、リクエストいただきました、「ちいさな落としもの。」を更新します。
このお話も、本来旧館で11話で更新しましたが、
此方の本館では、5~6話でお届けしたいと思っています。

リアル設定です。
最後まで是非、お付き合いくださいね。




それでは、次は6時に熱帯魚で♪
いつもご訪問ありがとうございます。



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