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私の心の中のお話です。
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淋しい熱帯魚。39話~







--- もう、お前はいらなくなったんだ・・・分かるだろ? ---



チャンミンの大きな瞳が俺を見つめる。
大粒の涙が、1粒、、、頬を伝った・・・

そして、何度も小さく頷きながら
チャンミンは、俺から瞳を逸らせた。



・・・・・「はい、分ります。迷惑をかけてしまって、、、すいませんでした。」


振り絞るような声。

今、チャンミンはどんな気持ちで・・・


・・・・・「僕の目を治してくださって、本当に有難うございました。感謝・・・してます。
このご恩は一生忘れません。」


「・・・・・」


・・・・・「僕、、、帰ります。」


俯いたまま、ソファからゆっくりと立ち上がる。
俺の方に身体を向けて、目は合わせないまま、小さく頭を下げた。
そして、痛む足を庇いながら、それでも1歩1歩、玄関ドアに向かって足を進める。


「チャンミン、送るよ・・・」


俺のその一言で、チャンミンの足がピタリと止まった。


・・・・・「ユンホさん、どうせなら最後まで、、、最後まで冷たくしないとダメです・・・」


チャンミン・・・


・・・・・「大丈夫です。表に出たら、タクシーに乗りますから・・・」

「・・・・・」

・・・・・「もう、僕のことは心配いりません。だって・・・」


チャンミンが、ゆっくりと振り返る。


・・・・・「ユンホさんが、僕の目に光をくれたから・・・」



〝 さよなら、、、ユンホさん・・・〟



チャンミンは、笑いながら泣いてた・・・



静かに、ドアが閉まる。




さよなら・・・

さよなら、チャンミン・・・
どうか、元気で、、、

俺のことを早く忘れて幸せに・・・幸せになるんだぞ・・・



さよなら、、、チャンミン、、、


さよなら・・・・・




淋しい熱帯魚。9






~ 2 years after ~



--- 専務、今日の午後からの会議の件ですが・・・---

「あぁ、聞いてる。それは、シヨンに任せてあるから・・・」

--- 分りました。---

「今日、社長は?」

--- はい、お身体の具合がよくないそうなので、自宅に・・・朝、お嬢様からご連絡が・・・---



チャンミンと会わなくなってから2年が経った。

俺は、変わらず人形のように色のない世界で息をせずに生きている。

いや、生きてるのかどうか、、、
それすらもわからない。

親父は1年ほど前から体調を崩し、仕事の大半は俺のところに回ってくるようになった。
親父と入れ替わるように、姉ちゃんは少し体調を戻して、病院から自宅に戻ってきた。

俺が戻ればいいんだろう・・・

けれど、どうしてもあの家に入る気にはなれず、
俺の代わりにシヨンがいてくれている。

会社でも、シヨンは何かと俺を助けてくれる。
時々、後を継ぐのは俺よりもシヨンの方がいいんじゃないかと思う時もある。


「ジュオンさん、悪いけど、この資料・・・社長に届けてくれないか?」

--- ご自宅にですか? ---

「そう、ついでに飯でも食ってってよ、姉ちゃんが腕ふるってるからさ・・・」

--- あ、で、でも・・・それは・・・---

「いいからさ、頼むよ、姉ちゃんせっかく戻って来たのに、親父の世話ばかりでさ。たまには、顔見せてやってよ、
喜ぶからさ・・・」

--- わ、私など、失礼に・・・---

「アンタさ、いい加減に・・・」




---そうだよ・・・ジュオンさん、姉さんがきっと喜ぶから、僕からも頼みます。---


いつの間にか、俺の部屋に入ってきていたシヨンが、ジュオンさんにそう促す。


--- たまにはさ、好きな人に会って心を潤さないと、、、干からびちゃうよ・・・ね? 兄さん・・・---



シヨンが俺に何を言いたいのかは分かっている。


「そうだな・・・ジュオンさん、シヨンもこう言ってるし、姉ちゃんには伝えておくよ」


観念したように、ジュオンさんは、困った顔をして、


--- 分りました。では、夕方、専務を送り届けましたらお伺いします。---

「あぁ、俺は今日はいいよ。1人で寄るところがあるから・・・」

--- そうですか・・・では、夕方・・・---

「シヨン、お前は、遅くまでかかるのか?」

--- いえ、今日は、兄さんに頼まれた資料だけで、、、、そのあとは・・・デートです---




〝 チャンミンと・・・ 〟








51へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
今日は「山の日」なんですね。
「海の日」はまだなじみがありますが、
「山の日」はイマイチピンときません。
で調べてみたら2016年に出来たとか、、、知らなかった(笑)

今日は家族全員集合(-_-;)
ゆっくりお話を書く時間がありますように。




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淋しい熱帯魚。39話~







--- そうだよ、俺だよ・・・---


俺の返事を聞いたチャンミンが、ゆっくりと瞳を伏せる。


・・・・・「なんとなく、、、そうなんじゃないかって思っていました。」

「・・・・・」

・・・・・「釜山・・・」

「ん?」

・・・・・「一緒に釜山へ行ったときには、もう決まってたんですね。 僕の手術も・・・
ユンホさんが居なくなることも・・・」

「ん、、、」

・・・・・「手術が終わって気が付いたら、ユンホさんが居なくなってました。
兄さんにも、看護師さんにも聞いてみたけど、誰も教えてはくれませんでした。」

「・・・・・」

・・・・・「初めは、ユンホさんがお仕事で忙しいのかな?って、、、きっとそうなんだって自分に言い聞かせました。
でも、いつまでたってもユンホさんは来てくれなかった。電話も繋がらなくなって・・・」

「・・・・・」

・・・・・「神様は残酷だって、、、僕はその日から神様がキライになりました。見えなくてもよかった。
ユンホさんがいてくれるなら、真っ暗な世界で一生を生きることになったって、、、全然怖くないって、そう思ってました。」



俯いたチャンミンの瞳から、ポタポタと涙が落ちてゆく。



「退院の日、ユンホさんのお姉さんと会って・・・」



〝 ユノを信じてあげて・・・〟



・・・・・「いつかユンホさんが会いに来てくれる。いつかきっと、僕を迎えに来てくれる・・・そう、信じてた。」

「チャンミン・・・」

・・・・・「迷ってますか?」

「えっ?」



〝道を迷ってるの・・・自分の進む道を・・・だから、ユノに少しだけ時間をあげてほしいの〟



・・・・・「もし、、、もしそうなら、ユンホさんが迷ってるのなら、僕はずっと待っています。
少しくらい1人でも平気です。僕は待ってる。」



---ずっと一緒だ。俺たち、1つになったろ?---

---誓うよ・・・一生チャンミンだけを愛するから・・・---




・・・・・「ユンホさんが僕に嘘ついたりしません・・・信じてます。」


泣きながら、自分に言い聞かせるように、チャンミンは何度も何度も・・・・



〝信じてます。〟



そう、言葉を重ねる。


チャンミンなら、そうだろう・・・
今ここで、チャンミンの言葉を俺が肯定したら、きっと、ずっと待っている。

正直に話したところで、どちらも同じ。

チャンミンなら、何も疑わず、俺を信じて・・・俺の言葉を信じて・・・
どんなに長い時間でも、待っているだろう・・・


俺は・・・応えてやれない。

チャンミンを、一人ぼっちで、泣かせて、待たせて・・・

そんなことが、、、
そんな残酷なことが出来るのか?


忘れさせてやるのがチャンミンの為じゃないのか?

例え、憎まれてもいい。
最低な奴だと罵られてでも・・・

それがチャンミンの為なんだ。

きっと、寂しくて悲しいのは一時だけ。

時間がかかるかもしれない。
けれど、いつの日か俺を忘れて、きっと前を向いて歩き出す。


それが、今、
俺がチャンミンにしてやれる、最後の役目なんじゃないだろうか・・・




「待たなくていい・・・」

・・・・・「えっ?」

「お前に待たれてても困るんだ。分らないか? チャンミン・・・」



チャンミン、勝手な俺を許さなくていい・・・




さあ、一世一代の大芝居・・・・・




「もう、お前はいらなくなったんだ・・・分かるだろ?」








50へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
49話はとても切ないですね。
このお話の一番切ないところじゃないかな?
ユンホさんの気持ちも、チャンミンの気持ちも、
どちらも良く分かる気がします。
次回の50話で一区切りです。
51話からは『第二章』に入ります。
ぜひ、おつきあいくださいね。


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淋しい熱帯魚。39話~







「ほら、肩に摑まって、、、」

・・・・・「大丈夫です、歩けます。」

「いいから、ほら・・・」

・・・・・「はい。ごめんなさい・・・」


チャンミンの身体を支えながら、タクシーを降りる。

高層マンションの前。
チャンミンは、不思議そうにキョロキョロして辺りを見回している。



「ほら、行くよ・・・」


歩き出そうとしたら、チャンミンの足が止まったまま、、、


・・・・・「ユンホさんのお家って・・・ここなんですか?」

「ああ、そうだよ。 さ、早く行こう・・・」



ゆっくりとマンションの入り口に進み、ポケットからカードキーを取り出す。

ドアが空き、そのままエントランスを抜けて、
エレベーターに乗り込む。


・・・・・「あの、ユンホさん・・・」

「どうした?」


俺は、正面を見据えたまま、チャンミンの顔を見ずに答えた。


・・・・・「いえ・・・」


チャンミンが言葉を飲み込む。
苦しいほどの静けさが、狭い空間を包んでいた。


静かに扉が開く。


「着いたよ、行こう・・・」


チャンミンの腕を自分の肩に回して、腰を支える。

痛む足を庇いながら、ゆっくりとチャンミンが足を進める。


ドアの前に立つ。
もう一度、カードキーでドアを開ける。


「大丈夫か?」

・・・・・「はい・・・」


脚を踏み入れて、リビングのソファにチャンミンを座らせた。
部屋は、常時空調が調節されている。


「何か・・・飲むか?」

・・・・・「いえ・・・」


チラリと、時計を見ると午前3時になろうとしていた。


「眠くないか?」


上着を脱いで、チャンミンの隣りに腰を下ろす。


・・・・・「ユンホさん・・・あの、あの人・・・シヨンさんのお兄さんなんですか?」

「あぁ、そうだよ。母親は違うけどね。」

・・・・・「そうなんですか、、、」

「シヨンがどうかした?」


チャンミンが、自分以外の人間に興味を示すのが気に入らなかった。
チャンミンに酷いことをして悲しませたくせに、なんて勝手な感情なんだ、、、


・・・・・「ユンホさん、心配かけてごめんなさい。でも・・・」

「でも?」

・・・・・「シヨンさんが、似てたんです。 ユンホさんに似てて・・・それで・・・」

「だからって・・・兄さんが心配するだろ? 連絡くらいしろ?」

・・・・・「・・・・・」


この部屋に入ってから、いや、このマンションの前に降り立った時から、
チャンミンの戸惑いを感じる。

落ち着かないんだろう・・・瞳が泳いでる。
俺だって、いまだにこの部屋は、何処か他人の部屋みたいに感じて落ち着かない。


「チャンミン・・・今日はもう遅いから、ベッドに入れ? 朝、ゆっくり話そう・・・」

・・・・・「ユンホさんって、ホントはお金持ちだったんですか?」


チャンミンの表情が硬く強張っている。


「俺じゃなくて、父親が・・・ここも、父親のものだよ。」

・・・・・「そうですか・・・」

「チャンミン・・・話は明日にしよう。疲れたろ? 明日は病院にも行かないとな。」


ソファから立ち上がって、チャンミンの腕を掴む。
取った腕を引き上げても、チャンミンはそこから動こうとしなかった。


「・・・どうした? チャンミン・・・」

・・・・・「ユンホさんに、聞きたいことがあります。」

「チャンミン・・・明日・・・」

・・・・・「釜山の施設に、沢山のお金を寄付してくださった方って・・・」

「・・・・・」

・・・・・「僕の手術の費用を・・・準備してくれたのは・・・」

「・・・・・」

・・・・・「ユンホさんですか?」


ここはマンションの最上階。

地上の喧騒はほとんど聞こえない。
防音ガラスの室内なら、なおさら・・・

そんな静かな部屋に、チャンミンと俺の息遣いが重なるように小さく響く。



「そうだよ、俺だよ・・・」




チャンミンの瞳は、俺を強く見つめていた、、、、、










49へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
関東の方は大丈夫でしょうか?

お仕事、お出かけの皆さまは十分にお気を付け下さいね。





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淋しい熱帯魚。39話~





・・・・・「ユンホ・・・さん?」


チャンミンが俺の名を呼んだ。

夢の中の俺じゃない。
今、俺が振り向いたら・・・チャンミンのあの美しい瞳が俺を見つめている。


「・・・・・」

・・・・・「ユンホさん・・・」

「・・・・・」


何も言わず、立ち去るべきだ。
そう思う自分と、
振り向いて、思いきり抱きしめてやりたい
そう思う自分。


俺は・・・どうすればいい?


・・・・・「ユンホさん・・・どうして?・・・どうしていなくなっちゃったの?」

「・・・・・」

・・・・・「僕が、キライになったから?」

「・・・・・」

・・・・・「僕、、、見えるようになったんです。だから、昨日もユンホさんの事見つけました。」

「ゴメン・・・」



それが精一杯だった。
喉の奥から、絞りだした声、、、


そのままドアに手をかけた・・・



・・・・・「待って・・・行かないで・・・・ユンホさん!!」



ドサリと音がして、
思わず振り向いてしまった。


ベッドの下でうずくまるチャンミンが、
捻った足を庇うようにして・・・痛みをこらえながら俺に手を伸ばしている。



「チャンミン・・・」

・・・・・「待って・・・置いて行かないで・・・嫌だよ、ユンホさん!」

「チャンミン・・・」



ダメだ・・・

思わず駆け寄って、チャンミンの手を取った。
そのまま、華奢な身体をこの腕に抱きしめる。

懐かしい感触・・・チャンミンの匂い・・・
何も変わってない・・・


俺の愛したチャンミン・・・


・・・・・「・・・うっ・・・うううう・・・」


チャンミンの身体が大きく震えている。
俺の背中に回されたチャンミンの腕、、、


・・・・・「ユ、ユンホさんのバカ・・・」


そう言いながら、俺の背中を力なく叩く。


「チャンミン・・・」


ここで、チャンミンを抱きしめてよかったんだろうか?

この腕に抱きしめた今も、そんなことを思う。

この先、一緒には居てやれない。
傍にいて、守ってやることも出来ないのに・・・

無責任な行動だと分かってはいても、
今以上に、苦しめることになると分ってても、、、

けれど、もう、どうしようもなかった。

ほっとけるわけない。
置きざりになんて、もうできない。

1度目は、大切な手術後のチャンミンを置きざりにした。
俺の名を何度も呼んで・・・
どんなに心細かっただろう・・・

そして、2度目・・・
俺を見つけてくれた。そして、追ってくれた。
追いつけるわけもない・・・それを知ってて、俺を追いかけてくれた。

俺は、2度もチャンミンを、、、
こんな怪我までさせて・・・

これ以上・・・
こいつを置いてはいけないじゃないか!!


・・・・・「ユン、ホさん、行かないで・・・僕を1人にしないで」


泣きながら俺にしがみ付く、、、
行かないで・・・その言葉に、俺は応えることが出来なかった。


・・・・・「ユンホさん・・・行かないで・・・」


腕を解いて、チャンミンの顔を見つめた。


「帰ろう・・・チャンミン。兄さんも来てる。心配したんだぞ・・・」








--- チャンミン・・・大丈夫か? ---

・・・・・「兄さん、心配かけて、ごめんなさい。」


チャンミンを背中におぶって、ベッドルームを出た。


「帰りましょう・・・タクシーで送ります。」

--- チャンミン・・・大丈夫?---

「シヨン、悪かったな・・・助かったよ・・・」

--- いえ、ユンホ兄さんのお役にたてて良かったです---

「今日は帰る。親父に呼ばれたんだろ?話は聞いてる。」

--- うん・・・僕もよく分らないんだけど、父さんが・・・---

「シヨン、また連絡入れろ。分ったな?」

--- はい、分りました。---


「じゃあ・・・」


--- あの、本当に助かりました。ありがとうございます---


店主が深く頭を下げた。


--- いえ、無事でよかったです。チャンミン・・・またね・・・---

・・・・・「はい、ありがとうございました。」


俺の背中で、小さくそう呟いた。





3人でホテルのロビーを横切り、表のタクシーに乗り込む。
後部座席にチャンミンを座らせて・・・

別のタクシーに乗るために降りようとしても、チャンミンは俺の腕にしがみ付いて離れない。


・・・・・「僕もユンホさんの所へ行く・・・」

「チャンミン・・・」

--- チャンミン・・・もう、こんな時間だし、家に戻ろう---

・・・・・「嫌だ。ユンホさんの所へ行く。」

「・・・・・」

・・・・・「嫌だ・・・」



--- チャンミン・・・もうユンホさんを困らせちゃダメだろ?---


店主の言葉で、俯いて拗ねていたチャンミンが顔を上げて俺を見る。
瞳に涙をいっぱい溜めて、縋るように俺を見つめる。


「チャンミンを、お預かりしてもよろしいですか?」

--- えっ? でも・・・・---

「明日には、送り届けます。よろしいですか?」

--- もちろん・・・私は構いませんけど・・・ ---

「チャンミン、少し待ってて・・・」





タクシーを降りて、店主と向き合う。


「少し、チャンミンと話します。もう、逃げてばかりでは・・・・」

--- ユンホさん。どうか、チャンミンをよろしくお願いします---


店主は、俺に深々と頭を下げて・・・
別のタクシーに乗り込んで帰って行った。




「行こうか、チャンミン・・・」








48へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
夜中におバカな小話を更新しましたけれど(笑)
熱帯魚の2人は、本当に切なくて苦しい場面に差し掛かっております。
一途にユンホさんを信じて想いをぶつけるチャンミンが、健気です。
熱帯魚のお話は、まだまだ続きます。
暫く切ない2人が続きますが、温かく見守ってあげてくださいね。

関東方面の読者さま、台風の影響は如何でしょうか?
お出かけには十分ご注意ください。




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淋しい熱帯魚。39話~






--- チャンミンなら寝てる ---


昂る気持ちを落ち着かせて、部屋へ足を踏み入れる。


「チャンミンはどこだ・・・」

--- ベッドルームだよ・・・---


店主を促して、チャンミンが無事なのか確認してもらう。


--- 兄さん、どういう事? チャンミンと・・・知り合い? ---


こ、こいつ・・・
俺は、駆けるようにシヨンに近づくと、胸倉をつかんで壁に押し付けた。


「こっちの台詞だ。お前、、、チャンミンに何をした?」


シヨンは一切抵抗はしない。
子供の頃からそうだった。

俺に一度でも刃向ったことは無かった。


--- 大通りで、座り込んで泣いてたんだ。足を捻ったみたいで、、、手当てする為にここに連れてきた。---

「先に、連絡させるべきだろ? こんな時間まで、家族が心配するとは思わなかったのか?」


ベッドルームから出てきた店主が、俺たちの姿に驚いて間に入る。


--- ユンホさん、止めてください・・・大丈夫です。チャンミンは大丈夫です!---


店主の声で、我に返った。
シヨンから手を離して、自分の心を落ち着かせるため、大きく息を吸い込んだ。


乱れたシャツを直しながら、シヨンは話を続けた。



--- 脚が辛そうだったから、この部屋で食事をしたんだ。ワインを飲んだら、眠ってしまって、、、
それで、仕方なくベッドへ運んで、上着を脱がせたらポケットから携帯が、、、その時、ちょうど着信があって、、、---

「・・・・・」

---〝兄さん〟ってディスプレイに、、、それで、チャンミンのお兄さんに連絡できたんだよ。それに・・・---

「・・・・・」

--- 彼もいい大人だから、、、誰かに連絡って・・・考えもしなかったよ・・・---

「・・・・・」

--- ユンホさん、大丈夫です。ワインで酔ってしまったんでしょう。
花屋の店員に聞くと、チャンミンは何かを追いかけて走って行ったそうなんです。---

「・・・・・」

--- 事情は、チャンミンの目が覚めたら、、、とにかく、ありがとうございました。
ユンホさんの、ご家族の方・・・ですか? 本当に有難うございました。---


店主が、深々とシヨンに頭を下げる。


--- 兄さん・・・---

「そうだな・・・とにかく無事だって分かったんだ。お前に礼を言わないとな・・・悪かったよ・・・」


シヨンの肩に手を置いて、俺はベッドルームへ向かった。



小さなライトの灯りが、広いベッドをほのかに照らしている。
まるで子供のように背を丸めて、小さな寝息を立てているチャンミンが居た。

ベッドに腰を下ろして、チャンミンの寝顔を覗きこむ。


チャンミン、、、


久し振りに見るその顔・・・

沢山泣いたのか、瞼が少し赤く腫れていた。
伸びた前髪が、片方の目にかかって・・・

チャンミンの顔がもっとよく見たくて、そっと髪を流してやる。


・・・・・「んんんん、、、、ユン、、ホ さん・・・・」


夢に俺が居るのか?
夢の中の俺は、お前に優しくしてやってるか?


なぁ、チャンミン・・・
俺たち、本当に離れられるのかな?

こんな偶然、普通ないだろ?
神様が戯れに、俺たちの運命の糸を絡ませているんだろうか、、、


お前と離れてから、俺はまるで操り人形のように自分の意志を捨てて生きてきた。
どんな景色も、みな同じで、、、

目に映り込むすべてのものに色が無くて、、、

お前が居ないだけで、ただ、お前がそこに居ないだけで、
こんなにも世界が違っていた。

けどな、チャンミン。

俺は、それでよかったんだよ。
俺の分まで、お前が幸せでいてくれたら・・・
お前の瞳に、美しい色が映るのなら・・・


なのに、、、


なのに、お前は泣いてばかりで・・・

なぁ、チャンミン。
笑ってくれ・・・

じゃないと、俺が、、、俺のしたことは、お前を泣かせるだけになってしまうじゃないか。





お前の笑う顔が見たいけど、、、

もう行くよ。
目が覚めたら、泣くんじゃないぞ。



チャンミン・・・愛してる・・・


名残惜しく、チャンミンの頬を指でなぞって、
俺はベッドから立ち上がって、ドアに手を伸ばした。




その時・・・



・・・・「ユ、、、ユンホ・・・さん?」








47へつづく

読者の皆さま、おはようございます。
今日も変わらず暑い予報です。
そんな中、旦那はまたまたゴルフへ(笑)
また焦げて帰ってくる(笑)ププ

台風が近づいているようですね。
夕方には関東地方にも雨が降り出すとのこと。
お出かけの際は、御注意くださいね。





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