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私の心の中のお話です。
ご了承ください。


純愛。1




--- どう? 進んでる? ---

・・・・・「あ、先生、ここなんだけど、、、」


目の前の図面とにらめっこしている俺の背後から、
先生が覗き込む。

ようやく担当していた仕事が落ち着いて、
ヒョンの店に集中できるようになった。


--- あぁ、ここはこれがベストだよ---

・・・・・「うん。そうなんだけど、、、」


ある程度形になった図面を前に、
ヒョンと何度も話し合いを重ねながら、修正を繰り返す。

ようやく、それが完成に近づきつつある。

ここまで来るのに、長い時間が掛かった。


・・・・・「よし、、、」

--- 楽しみだね、チャンミン。ユンホさんもきっと喜んでくれる---

・・・・・「ん、、、」


早く、ヒョンの喜ぶ顔が見たい。
あの頃のように、また、ヒョンのラーメンが食べたい。

厨房に立つヒョンの姿を想像しながら、
俺は、心を躍らせていた。






あれから何度か、母さんから連絡が来た。

感情のままに言葉を投げ付けてしまったことを少し後悔していた俺は、
自分の気持ちをありのままに母さんに伝えた。

今の生活を続けていきたいということ。
今まで俺を大切に育ててくれたヒョンに、恩返しをしながら、
これからの人生を自分の力で進んでいきたいということ。

そして、、、


・・・・・「ヒョンの傍に、、、いたいんだ、、、ヒョンと、生きていきたい」


俺の気持ちを、最終的に母さんは理解してくれた。


そして、驚いたのは、、、


--- チョンくんがね、私を訪ねてきてくれて、、、そして、私に深々と頭を下げたの、、、---

・・・・・「ヒョンが?」

--- チャンミンは、今まで自分の力で精いっぱい努力して生きてきたって、、、
その意思を、尊重してやってはくれないかって、、、---


俺の知らないところで、ヒョンがそんなことを、、、


--- そしてね、、、貴方と同じことを言ってた、、、---


〝チャンミンと、生きていきたいんだ〟


--- チャンミン、、、貴方は、とても愛されているのね---

・・・・・「・・・・・」

--- 彼は、貴方をただ、純粋に愛してる。そう感じたの、、、私には到底敵わないわ---

・・・・・「うん、、、ヒョンにはとても感謝してる」

--- ・・・・・ ---

・・・・・「俺も、ヒョンを愛してる。俺たち、、、愛し合ってるんだ、、、」


俺のその言葉を、母さんがどんなふうに受け止めたのか、
それは俺には分からなかった。

けど、母さんはとても清々しい顔をして笑っていた。

ようやく、心に刺さった小さな棘が、抜けた気がした・・・・・






それから数か月が過ぎた。

夏が過ぎ、吹く風が少し涼しく感じ始め、秋の気配を感じ始めた頃・・・
図面の中のヒョンの店が、形になり始める。


「チャンミン、、、」

・・・・・「ん?」

「なんだか身体がうずうずしてくる」


建ちかけた店を2人並んで見つめながら、
ヒョンはポツリとそう呟いた。


・・・・・「腕が鳴る?」

「あぁ、、、」


隣りのヒョンをちらりと見る。
瞳をキラキラと輝かせたヒョンが、嬉しそうに微笑んでいた。



・・・・・「なぁ、ヒョン、、、」

「ん?」

・・・・・「復帰一杯目のラーメンは、俺に食わせてよ」

「なんだ、それ、、、」

・・・・・「だって、もう何年もヒョンのラーメン食ってないしさ、、、」

「・・・・・」

・・・・・「ヒョンの味が恋しいよ、俺、、、」


自分でそんなことを言ったくせに、
その言葉に、心臓がキリっと痛んだ。



「鈍った腕を取り戻したらな」

・・・・・「ヒョンの腕は、鈍ってなんかないって、、、」

「・・・・・」

・・・・・「俺が保証する」



離れ離れで過ごした長い時間を、、、
ヒョンが恋しくて寂しさに潰れそうになった時間を、、、
フッと、思い出したから、、、


けれど、この痛みはもう想い出に過ぎない。

これから先の道には、きっと明るい光で照らされているはず。
その道を、俺はこれからもずっと、ヒョンと2人で歩いて行く。

もう、絶対に離れたりしない。



隣に立つヒョンの手をとり、ギュッと握りしめた。


「どうした?」

・・・・・「ううん」


この手を、離したりはしない。


「チャンミン、、、」

・・・・・「ん?」

「恥ずかしいんだけど、、、」

・・・・・「何がだよ?」

「いや、、、手、、、」


繋いだ手を解こうとするヒョンの手を、
俺は離さず、さらに強く力を籠める。


・・・・・「いいだろ? 俺たち、恋人なんだからさ、、、」

「歳の、、、離れた?」

・・・・・「そう、歳の差カップルってやつ」

「ったく、お前はどれだけ俺が好きなんだよ、、、」

・・・・・「その言葉、そのままヒョンに返してやるよっ」

「ふふ、、、」

・・・・「ふふ、、、」



これからも、ずっと2人で、、、、、








純愛。 ・・・  fin

読者の皆さま、こんにちは。
「純愛。」 全91話で完結です。

途中、何度も更新が途絶えてしまってお待たせしたこともありましたが、
ここまでお付き合いしてくださった皆さんに、感謝申し上げます。
ありがとうございました。

ちょっと、書き足りないエピがあったりしますので、
またいつか、番外編などお届けできたらな、、、と思っています。

コメント欄開けます。
よろしかったら、感想などお寄せいただけたら嬉しいです。

それでは、今夜22時は「ユンホさんの初恋。」でお待ちしています。
いつもありがとうございます♪





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純愛。1





・・・・・「ヒョン、、、」

「ん?」


ベッドの上・・・

愛された後の気だるい俺の身体を、ヒョンの長い腕が背後から優しく包む。
背中に感じるヒョンの温もりが、悲しいほどに温かい。


・・・・・「俺さ、、、」

「・・・・・」

・・・・・「俺、、、」


自分が何を言いたいのか、よく分らなかった。
言葉に詰まる俺に、ヒョンが静かに口を開く。


「チャンミン、、、お前の思う通りにすればいい」

・・・・・「・・・・・」

「例え、お前が俺とは違う道を歩むことになったとしても、、、」

・・・・・「ヒョン?」

「俺は死ぬまで、お前を愛すよ、、、」


ヒョンの言葉の意味が分からなくて、
俺は、ヒョンの腕をすり抜け、身体を反転させてヒョンと向き合った。


・・・・・「それって、、、どういう、、、」

「会ってきたんだろ?」


ヒョンにはお見通しってわけか。
隠し事の1つも、出来やしないな、、、


・・・・・「ゴメン、黙ってて、、、」

「いいんだ。俺に遠慮する必要はない。お前の、、、」

・・・・・「・・・・・」

「お前の母親なんだからな、、、」


そう言いながら、ヒョンの手が俺の髪をそっと撫でる。

なんて悲し気な目をしているんだろう、、、
ヒョンは何も分かってない。

俺は、人差し指を伸ばして、小さく震えだしたヒョンの唇に触れた。


・・・・・「ヒョンはさ、俺がいなくなっても大丈夫?」

「・・・・・」

・・・・・「独りで、生きていける?」


硬く噤んだ唇は開かない。

ヒョン、、、俺はさ、、、


・・・・・「俺は、死んじゃうかも?」

「えっ?」

・・・・・「ヒョンが居なくなったら俺、、、」

「チャンミン、、、」

・・・・・「俺が行くと思ったのかよ、、、」

「・・・・・」

・・・・・「行くわけないじゃん、バカだな、、、」


そう言って、笑いながらヒョンの鼻先を指で小さく弾いてやった。


「お前、、、」

・・・・・「なに泣きそうな顔してんだよ、ぷぷぷ」

「わ、笑うなよ、、、」


バツが悪そうに瞳を泳がせながら、俺の身体を解いたかと思うと、くるりと身体を翻す。


・・・・・「ヒョン?」

「・・・・・」


目の前にある大きな背中が、苦しいほどに愛おしく感じた。


・・・・・「ヒョン、、、」


その背中に、ピタリと身体を寄せる。
この温もりを、手放すわけにはいかない。


・・・・・「やっと、、、」

「・・・・・」

・・・・・「やっと俺の物になったのに離れるわけないだろ?」

「・・・・・」

・・・・・「言っただろ? ヒョンが爺さんになったって、傍に居るって、、、」


黙って俺の話を聞いていたヒョンが、ごそごそと身体を動かし、
俺と向き合うと、長い腕を伸ばし、俺を引き寄せきつく抱きしめる。


「チャンミン、、、」

・・・・・「ん?」

「何処にも行くなよ、、、俺が死ぬまで、、、」

・・・・・「・・・・・」

「傍に居てくれ、、、」



俺は、返事をする代わりに、
ぎゅっとヒョンの身体にしがみついた。




気が付けば、ヒョンを好きになっていた。
長い間、気持ちを抑えて隠し続けた。

ようやく、気持を伝えたと思ったら、
その後、俺たちは長い間離れて暮らすことになった。


けど、俺はヒョンの事を忘れることは出来なかった。
どうしようもないヒョンへの想いを抱えたまま、孤独に生きてきた。

そして、ヒョンもまた、俺と同じような気持を抱えて・・・



切れてしまったと、そう思っていた俺とヒョンの絆は、
再びまた、繋がった。

もう、切れる事もない。
もう、離れることもない。

強い絆で、結びついた。


どんなことがあったとしても、
俺たちは離れない。


そうだろ?

ヒョン、、、



ヒョンの唇が、優しく俺の額に触れる。

ヒョンの熱が、もっと欲しくて、
俺は、少し冷えた唇を強くヒョンの唇に押し付けた・・・・・







91へつづく

読者の皆さま、こんにちは。
雨が凄いです。
止みまなく降り続いています。

隣県の大学に通う息子も、市内の専門学校に通う娘も、
中学生の娘も、休校になって自宅待機です。
旦那だけは仕事へ行きました(笑)

これからも、こころ。地方は激しい雨が予想されています。
皆さま十分に注意されてくださいね。
被害が大きくなりませんように。


それでは、後ほど22時に「ユンホさんの初恋。」で、お待ちしています♪
いつもご訪問ありがとうございます。





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純愛。1




前回のお話はこちらから  →   純愛。88

最初から読まれる方はこちらから  →  純愛。1





ヒョンの居ないマンションの部屋で、俺はソファに身体を預けてぼんやりと天井を見つめていた。

灯りもつけず、薄暗い部屋。
頭の中に浮かぶのは、俺の母親だと名乗った、あの女の顏。



俺の記憶の中には、〝母親〟は存在しなかった。
だから、俺は〝母〟というものを、自分の勝手な理想で作り上げていたのかもしれない。

母の温かい胸に抱かれ、そっと髪を撫でてくれる、、、

そんな、勝手な願望が幻を作り出していたのかも、、、


・・・・・「ふっ、、、バカだな、俺、、、」


フッと感じる、頬に伝う生暖かい温度。


・・・・・「あれ? なんで、涙、、、」


手の甲で、グイっと拭う。

どうして俺は、泣いているんだろう。
その理由も分からない。

けれど、拭っても拭っても、涙はとめどなく溢れてくる。
見つめていた天井が、ぼやけてよく見えない。


その時、、、


玄関の扉が開く微かな音が耳に届いて、、、


「ただいま、、、あれ? チャンミン? 」


ヒョンの声と共に、リビングに灯りが灯った。


「うわっ、、、び、びっくりした、何やってんだよ、チャンミ、、、」


暗い部屋の中から現れた俺に驚いたヒョンが、大きな声をあげる。


俺は泣き顔を見られたくなくて、
咄嗟にソファから半身を起こし、ヒョンに背中を向けるように顔を背けた。


・・・・・「お、お帰り、、、」

「ど、どうしたんだ、、、チャンミン、、、」

・・・・・「な、なんでもないって、つい眠っちゃっただけだよ、、、」


俺の顔を見て驚いたヒョンは、
手にしていた荷物をテーブルに置くと、つかつかと俺に近寄る。


「こっち向けって、、、」

・・・・・「いいからほっとけよ、、、」


ヒョンに顔を見られないようにして、ソファから立ち上がり、
部屋へ逃げようとしたのに、、、


「チャンミンっ!」


肩を掴まれ、強引に振り向かされた。


「どうしたんだ、、、何があった?」


ヒョンの大きな掌が、俺の頬を包む。


「誰だ? 俺の大事なチャンミンを泣かした奴は、、、」


ほら、、、これだから嫌なんだ。
そんな言葉をくれるから、余計に泣きたくなってくる。

流れる涙を、ヒョンの親指がゆっくりと追いかけて、、、


・・・・・「なんでもないって、、、」

「なんでもないってことないだろ? チャンミン、、、ん?」

・・・・・「ヒョン、、、」

「ん?」

・・・・・「抱いてよ、、、」

「チャンミン、、、」

・・・・・「ダメ?」


今、俺は思いっきりヒョンに甘えたかった。
甘やかされたかった。

大きくて温かくて優しくて、、、
そんなヒョンの胸に抱かれて、愛されていることを感じたかった。

ヒョンは、一瞬俺の言葉に驚いた顔をしたけれど、
それ以上何も聞かずに笑ってキスをくれた。


「ダメなわけないだろ?」

・・・・・「ゴメン、、、」


そっと、身体をヒョンに寄せる。
酒の匂いに交じって、俺の好きなヒョンの香りがした。

この匂いと温もりに今は縋りたい。


「来いよ、、、」


そう言って俺の手を取り、リビングを出て寝室へ向かった。





その夜、、、


ヒョンは、いつになく優しく俺を抱いてくれた。


俺の心を、まるですべて知っているかのように、
俺に触れる手も指も唇も、全て温かくて優しくて、、、


「チャンミン、、、愛してる、、、」


〝愛してる〟


今、俺が一番欲しい言葉をくれた。


何もいらない、、、

ヒョンの〝愛〟があれば、、、
ヒョンが居れば、それだけでいい。


心の底から、そう思った。


身体の奥深くでヒョンの熱を感じながら、、、、











90へつづく

読者の皆さま、こんにちは。
お久しぶりの「純愛。」です。
1話から読みかえしましたが、もうお話も完結が見えるところまで更新されてたんですね(←他人事 笑)
そろそろ、旧作じゃなくて書き途中のお話を完結させなければ!
のろのろと書き始めますので、書けた時更新ですが、最後までお付き合いくださいね。


それでは、22時は「ユンホさんの初恋。」でお待ちしています♪






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純愛。1




〝お前の母親だ、、、〟


あれから1か月が過ぎた。

短い春は過ぎ、初夏の太陽が眩しく地上を照らす。



「今日は遅くなるのか?」

・・・・・「うーん、どうだろ? 今の案件、もうそろそろ落ち着きそうだし、
そうなったら本格的にヒョンの店の方に取り組めるから、、、」

「そうか、、、」

・・・・・「ヒョンは?確か、夕食いらないって、、、」

「あぁ、先輩から誘われてな、、、」

・・・・・「あんまり飲むなよな。身体に悪い」

「分かってる、、、」


ヒョンは、あの日以来母さんのことには触れては来ない。
そして、俺も何も言わない。

ヒョンから受け取った、母さんの連絡先のメモ。

連絡するべきか、それともこのままでいるべきか、、、
俺は、この1か月の間、悩んだ挙句、、、


・・・・・「あ、あの、、、俺、、、」

--- も、もしかして、、、、チャンミン? ---


数日前、意を決して電話を掛けた。

それは、子供の頃からずっと思い考えてきたことをはっきりとさせるため。

そして、、、


〝今更、お前を俺から奪おうとするなんて、、、〟


ヒョンを早く安心させるため・・・


・・・・・「じゃあ、俺も今日は食事を済ませてくるよ」

「悪いな、、、」

・・・・・「ううん、、、」


ヒョンには言えなかった。
余計な心配をかけたくない。

そう思ったから、今夜の母さんとの約束の事は、ヒョンには伏せていた。






その日は1日、とても落ち着かなかった。

気が付けば、時計ばかりを気にして、、、


--- チャンミン、、、どうした? ユンホさんと約束でも? ---


そんな俺の様子を見て、ユ先生は笑ってそう言った。。


・・・・・「ヒョンじゃないです。今日は、久しぶりに友達と約束してて、、、」

--- そう、、、ってか、、、女? ---

・・・・・「女じゃないです」

--- 浮気は厳禁。あんないい男が恋人なんだから、止めた方が良いと思うけど、、、?---

・・・・・「だから女じゃないって、、、」

--- ふふ、、、---


先生に揶揄われるのも、少し慣れてきた。

先生の笑い声を背にし、大きな溜息をつくと、デスクの上の図面に意識を集中させる。

ヒョンの店、、、
ようやく、俺の夢が叶う。

早く、ヒョンの喜ぶ顔がみたい。

俺が作った新しい店で、ヒョンが忙しく仕事をしている姿を想像して、
思わず小さな笑みが零れた。







待ち合わせに指定されたのは、駅近くの賑やかな中心街から少し離れた場所にある、
落ち着いた雰囲気のレストランだった。

しかも、とても高級そうな、、、



〝シム・チャンミンさまですね。お待ちしておりました〟



案内され、通された個室に、その人はいた。


--- チャンミン、、、よく来てくれたわね ---

・・・・・「いえ、、、」


大きなテーブルに向かいあって座る。
緊張して、顏をあげられなかった。


--- チャンミン、、、顔、、見せて? ---


そう、促され、
戸惑いながら、顔をあげる。


--- 大きくなったね、、、ユンソクさんによく似てる、、、---


俺を見て、目に涙を浮かべている、目の前のこの人が、俺の母さん、、、


--- チョンくんから聞いてくれた? 貴方を引き取りたいと思ってる ---

・・・・・「・・・・・」

--- と言っても、貴方ももう大人だし、、、でもね、事情があって、、、---

・・・・・「事情?」


問うと、その人は俺からスッと視線を外し、ゆっくりと話し始めた。


--- 実は、10年前に再婚したの。私の父、、、貴方のお爺さまの跡を継いでくれる人と、、、---


10年、、、前、、、


--- 父は、沢山の会社を抱えてる、グループの会長なの ---

・・・・・「・・・・・」

--- 私は、その後継ぎを産まなければならなかった。けど、私達夫婦には子供が出来なかったの。
長い間、辛い治療にも耐えてきたけど、どうしても無理だった---

・・・・・「・・・・・」

--- そんな時、貴方が今もチョンくんと一緒だって知って、、、---

・・・・・「・・・・・」

--- 貴方に、うちの会社の跡を、、、家を、、、お願いしたくて、、、---

・・・・・「えっ?」


何、、、それ、、、


--- 勝手だとは、十分承知してる。けど、、、、チャンミンしかいないの。
私の血を、、、私の家の血を受け継いでいるのは、、、---

・・・・・「・・・・な、何を、、、」

--- 主人も承知してくれてる、、、それに、、、今よりももっと、不自由なく暮らせる---




勝手に想像していた。

俺と父さんを捨てたことを、詫びる姿、、、
どうか、許してほしい、、、と、そう、頭を下げて俺の手をギュっと握りしめる、、、

そんな、母さんの姿、、、


どうしようもない理由があったに違いない。

〝ずっと会いたかった〟
〝忘れたことなど無かった〟

知らず知らずの間に、そんな言葉を期待していたのかもしれない、、、


・・・・・「嘘だろ、、、」


こんな、、、

こんな自分勝手で、冷酷な人が、俺の母さんだったなんて、、、


・・・・・「どうして俺を、、、俺と父さんを捨てたんですか?」

--- チャンミン、、、---

・・・・・「自分の事ばっかりで、肝心なことを何も言わないで、、、」

--- そ、それは、、、---

・・・・・「子供が出来なかったら、都合よく俺を思い出して、跡を継げ? 一緒に暮らす? 」

--- ・・・・・ ---

・・・・・「父さんが、どんなに苦労して俺を育ててくれたか、、、」

--- ・・・・・ ---

・・・・・「ヒョンが、、、ユンホさんがどんな想いで俺を引き取って育ててくれたか、、、愛してくれたか、、、」

--- ・・・・・---

・・・・・「少しは考えたことがあるんですか?」

--- チャンミン、、、それは、、、---

・・・・・「失礼します、、、もう、、、二度と、、、会うことはありません、、、さよなら」

--- チャンミン、、、待って、、、---



扉の前、、、
後から、腕を取られる。



--- チャンミン、、、お願い、話を、、、---

・・・・・「離してください、、、」

--- チャンミン、、、---

・・・・・「こんな最悪な人が母親だったなんて、、、俺の今の気持ち、貴方には分からないでしょう?」

--- ・・・・・ ---

・・・・・「よかったです、、、」

--- えっ? ---

・・・・・「俺の傍に居てくれたのが、父さんで、、、ヒョンで、、、良かった、、、」

--- チャンミン、、、---


掴まれた腕を、思いきり振り払って、振り向いた。

そして、俺は目を逸らさず、、、


・・・・・「貴方じゃなくて、良かった。今、心からそう思います」



扉を乱暴に開き、
俺は振り向かずに店を出た。




ヒョンのとこに、早く帰ろう、、、

きっと、酔っぱらって帰ってくるから、
温かいハチミツ水でも作って待ってよう、、、


込み上げてくる涙をぐっと堪えながら、
俺は、マンションに向って走った・・・・・







89へつづく

読者の皆さま、こんばんは。

ついに明日ですね♪
明日参戦される方、準備はOKですか?
私は、土日参戦ですので、明日1日できちんと準備を整えて
土曜日を迎えたいと思います。

明日のライブ、気になるけど・・・
真っ白で行きたいので、スマホいじりは止めよう(笑)ププ


それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を♪




こころ。

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純愛。1





誰だろう、、、


その女性が、ゆっくりと一歩ずつ俺に近づいてくる。


「行くぞ、、、」


突然、後からヒョンに腕を取られて、
体勢が崩れそうになる。

けれど、そんなことはお構いなしに、
俺を引き摺るようにして女性とは反対の方へと歩いて行く。


・・・・・「ヒョン、、、そっちじゃないよ、、、」


マンションとは逆方向だ。

けど、、、


「いいから来い、、、」


脚を縺れさせながら、俺は必死でヒョンについて行った。

振り向くと、さっきの女性が何かいいだげな表情をして、
足早に去っていく俺達2人をずっと見ていた。





「紅茶、、、あったぞ、チャンミン、、、」

・・・・・「・・・・・」


マンションに戻り、キッチンに向かうヒョン。
ガサゴソと棚の中を捜し、ようやく見つけた紅茶を、笑って俺に見せた。

何か誤魔化そうとしてる。
そんなことは、長い間ヒョンを見つめてきた俺には簡単に分かること。



・・・・・「紅茶はあとで。座って?」

「どうしてだよ、、、ケーキ食わないのか?」

・・・・・「話が終わってから食べる」


真っすぐにヒョンを見つめて、そう答えると、
ヒョンはバツが悪そうに目を逸らす。


・・・・・「ヒョン、早く、、、」


急かすと、ヒョンは手にしていた紅茶の缶をキッチンのカウンターに置いて、
俺と向かいあうようにし、椅子に座った。


・・・・・「どういうこと?」

「何が?」

・・・・・「誤魔化すな、、、さっきの人、誰?」

「・・・・・」

・・・・・「もしかして、ヒョンのお見合い相手、、、とか?」

「は? 」

・・・・・「ずっと前、、、お見合いするって、、、」


あれは、もうずいぶん前だ。
ヒョンがお見合いすると、ユ先生から聞いて、、、

確か
あの日を境に、俺たちは長い時間別々に過ごすことになったっけ、、、

あんまり、思いだしたくないな、、、


「いつの話だ。違うよ、、、そんなんじゃない、、、」

・・・・・「じゃあ? あの人、誰?」

「・・・・」


そう問うと、途端、ヒョンは口を噤んでしまう。
ほら、、、だから疑ってしまう。

やましいことがなければ、別に答えられるはずだ。
あんなに動揺して、逃げるように歩き出したんだ。

知らない、、、では済まないことは、ヒョンも分かっている。


「・・・・・」

・・・・・「ヒョン、、、別にやましいことがないなら、答えられるだろ?」

「・・・・・」

・・・・・「過去の事でも、今が何もないなら、俺は別に、、、」

「そうじゃない、、、」


ヒョンの声が、尖っている。
表情は硬く、少し、怖いとも思う。


・・・・・「じゃあ、、、何?」


それでもしつこく食い下がる俺に、ヒョンは小さくため息を落とす。
そして、ゆっくりと顔を上げた。


「お前が、春川に行っている間に、電話があった」

・・・・・「電話?」

「今更だと思わないか? ユンソクが亡くなった時にも、一度だって顔を見せなかったのに、、、」

・・・・・「ヒョン?」


ヒョンは、テーブルの上に置いた両手をぎゅっと握りしめて、、、


「今更、、、」


握りしめたヒョンの手に、さらに力が入って、
ブルブルと、小さく震えだす。


「今更、お前を俺から奪おうとするなんて、、、」

・・・・・「えっ?」


奪う、、、?


「お前の母親だ。キム・スア、、、」

・・・・・「母、、、親?」

「お前を、引取りたいと、、、」


母さん、、、

さっきの人が、俺の、母さん、、、



何故だか分からないけれど、
俺は、一生母親には会えないと、子供の頃からそう思っていた。

気が付いた時には、もう俺には母さんは居なくて、、、

けど、それで負い目を感じたことは無かった。

父さんが、俺を一生懸命働いて育ててくれたし、
父さんがいなくなってからは、ヒョンが俺の父さんであり、兄さんであり、、、

けど、、、


・・・・・「母、、、さん」


思わずそう呟いた。
そんな俺を見て、ヒョンはとても悲しそうな顔をして、、、


「悪かった、チャンミン、、、」

・・・・・「・・・・・」

「冷静になったら、分かることだ。これは、俺が決める事じゃない。お前も、もう大人なんだしな、、、」



そう言いながら、ヒョンは少し無理に笑った。

顏は笑ってる。
けど、心が泣いてる、、、


カウンターの隅に置いてある小さなメモ。
ヒョンは、それに手を伸ばして、そして、俺に差し出した。


「連絡先だ」

・・・・・「・・・・・」

「話して来い、、、決めるのはお前だ、、、」

・・・・・「・・・・・ヒョン、、、」

「悪い、チャンミン、、、少し疲れたから、ベッドで横になる。ケーキ、食えよ、、、」



そう言うと、ヒョンはリビングを後にし、自分の部屋に入っていった。



テーブルの上に置かれたメモを手に取る。

〝キム・スア〟

その名前と一緒に、連絡先の電話番号が記されていた。



俺は、そのメモを見つめたまま、
暫く動くことができなかった・・・・・








88へつづく

読者の皆さま、こんばんは。

今日、買い物に出かけていてばったり友達に遭遇したんですけど、
昨日、髪をバッサリ切ったせいか、隣を素通りされて(笑)
おーい、、、って声かけたら、スーパーでめっちゃデカイ声で驚かれました。
そして、一言、、、〝似合ってないって、、、〟(笑)
テレビでよく見る中年のニュースを読んでるアナウンサーみたいだと言われました(笑)アハハハハハ
日産でお逢いするお約束している皆さん、お楽しみに(*'▽')


それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を♪






こころ。

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