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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



横恋慕。10




--- 桜なんて、日本でも韓国でも同じだろ? ---


呆れた顔をしながら、グラスの中の酒を飲み干す。


「先輩には、本当にお世話になりました。感謝してもしきれない、、、」

--- まぁ、行き先を告げていくだけでもいいとするか、、、---


フッと笑って、隣に座る俺の背中をポン、、、と叩いた。




チャンミンを追いかけ、春川で再会してから5か月が過ぎようとしている。

季節は春。
温かい風が、頬を掠める。


「暫くは、この国ともサヨナラだ」

・・・・・「桜、間に合うかな、、、」


チャンミンの肩を抱き寄せ、マンションの窓からソウルの街を眺める。


「そろそろ散る頃だな、、、」


4月、、、
桜の花も、散り始めるころだ。


明日、俺たちは日本に発つ。

日本で仕事をしていた頃の友人に世話になり、マンションを借りた。
暫くは、日本で暮らすことになるだろう。


・・・・・「楽しみだな、早く見たい、、、」





チャンミンに、桜の並木を見せてやりたい。

チャンミンと離れて生きていたあの頃、
俺は、たった独り、日本で桜を見ながらチャンミンを想い出していた。

ハラハラと、風に乗って散る桜の花びらを見ながら、
チャンミンを想い、胸を痛めたあの時、、、


あの記憶を塗り替えたい。
辛く、寂しいあの時を、今度は2人で、、、


・・・・・「ヒョン?」

「ん?」

・・・・・「本当にいいの?」

「何が?」

・・・・・「僕のために、仕事も韓国での生活も捨てて、、、」


切なげな瞳で、俺を見つめる。


「お前の為じゃない。俺自身の為だ。」

・・・・・「ヒョンの?」

「初めから、、ゼロから歩き始めたい、お前と、、、」

・・・・・「・・・・・」

「最初から、、、」



チャンミンと出逢ったあの時を思い出す。

あの頃、まだ幼かったチャンミンに俺はすぐに心を奪われた。
けれど、俺は自分の心と向き合うことをせず、
自分の心を隠し、偽り、嘘をついて、一番守りたい人を傷つけた。

もう、間違わない。
繰り返さない。

今、この腕の中にある愛おしい人を、二度と傷つけない。離さない。


・・・・・「ヒョン、、、」

「ん?」

・・・・・「ありがとう、、、」


チャンミンの肩を抱く腕に、ギュッと力を込めた。






--- 土産を楽しみにしてる ---

「ドンヘ、、、何度も言うが、旅行じゃない」

--- いや、お前は俺に抱えきれないほどの土産を買ってくるはず、、、---

「ドンヘ、、、」

--- 帰って来いよ、、、絶対、、、約束だ 、、、分かったな、、、---



空港の出国ロビーで、ドンヘはそう言いながら、目に涙を溜めていた。


「あぁ、、、分かった。」


その手で俺の肩に優しく触れると、くるりと身を翻し、
背中を向けて歩きだす。

ドンヘは、そのまま振り返ることなく、
人の波に消えていった。




--- じゃあな、ユンホ、、、チャンミン、、、---

・・・・・「社長、御世話になりました」

--- たまには連絡して来い ---

「はい、、、」

--- それと、、、---


差し出された、白い封筒。
先輩の手から、それを受け取る。


--- いくらお前が金持ちだからと言っても、いつまでもふらふらしておけないだろう、、、---

「先輩、、、」

--- 暇を持て余すようになったら、そこを尋ねろ 、、、
俺の日本の友人が経営している小さな会社だが、、、人はみんな温かい、いいチームだ ---

「先輩、、、ありがとうございます」


俺は、先輩に深々と頭を下げた。




「行こうか、チャンミン、、、」

・・・・・「はい、、、」



青い空が広がっている。

新しい俺たちの時間が、始まる、、、



・・・・・「ヒョン、、、」

「ん?」

・・・・・「ちょっと、こっち向いて?」


脚を止めると、俺の目の前に立つ。
手を伸ばし、俺のシャツの襟に触れた。


・・・・・「襟が、、、」


そう言いながら、俺のシャツの襟を直してくれる。





〝ちょっと、、、失礼します、、、〟

〝ネクタイ、、、曲がってるから、、、〟



恥ずかしそう伏せた目、、、
赤く染まった頬、、、



そこには、出逢った頃と変わらないチャンミンが居た。




〝君、名前、、、なんて言うの?〟

〝チャン、、、ミンです、、、シム・チャンミン、、、〟




・・・・・「ヒョン? ヒョン?」

「あ、、、ゴメン、、、」

・・・・「直ったよ、さ、早く行こ?」

「あぁ、、、」







横恋慕。 ・・・・・  fin

リアルタイムで読んで下さっている読者さま、真夜中にこんばんは。
朝、目覚めてから読んで下さっている読者さま、おはようございます。

「横恋慕。」 本日にて完結です。
何度もお休みを挟んだので、ようやく書き終えてホッとしています。

あと2話で終わる予定だったのですが、
1話ずつがとても短くなってしまったので、1話にまとめました。

途中、チャンミンのユノへの執着がちょっと怖いです、、、なんてコメントを頂いたりしましたけど(笑)
本当はもっと怖いチャンミンを書きたいと思っていたんですが、
書ききれず、そこは悔いが残っています(笑)フフ

長い間、お話にお付き合い下さった皆様に、心より感謝いたします。
本当にありがとうございました。

完結話ということで、コメント欄を久しぶりに開けたいと思います。
「横恋慕。」その他のお話でも構いませんので、感想いただけたら嬉しいです。
お待ちしています。

最後までご愛読ありがとうございました♪






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横恋慕。10




・・・・・「僕は、、、」

「・・・・・」

・・・・・「僕は、自信が無いんです」

「自信?」

・・・・・「ヒョンを傷付けない自信、、、」


チャンミン、、、


・・・・・「ううん、、、ヒョンだけじゃない、、、」

「・・・・・」

・・・・・「周りにいる人たち全て、、、だから、僕は独りで、、独りで生きていく、、、、」




随分と痩せた。

細い腕で、慣れない仕事をしているのだろう。
傷の跡が、いくつも見える。

見えないだけで、俺には分かる。
身体に付けた傷よりももっと沢山の傷が、チャンミンの心に刻まれているのを・・・・・


チャンミンは分かっていない。
一番傷ついているのは、自分だということを、、、


「チャンミン、、、俺が好きか?」

・・・・・「・・・・・」

「好きか嫌いか、、、答えろ」

・・・・・「そんなこと、、、」

「俺が迷惑なら、嫌いとそう答えろ。」

・・・・・「・・・・・」

「俺と生きたくないと、そう思うなら嫌いだと答えろ。お前がそれを望むなら、俺は黙ってここから去る。
そして、もう二度とお前を追いかけたりしない。」


チャンミン、、、

最後の選択だ。
俺は、お前が選んだ答えに従う。

もう二度と、会えなくなるとしても、
お前がそれを、本気で望むなら、、、、、



・・・・・「好き、、、好きだよ、、、」


耳を澄まさないと聞こえないようなか細い声で、
チャンミンは、絞り出すようにそう言った。


・・・・・「ヒョンが好き、、だけど、、、」

「もう何も言うな、、、」

・・・・・「怖くないの? ヒョンは、、、怖くないの?」

「何が怖い?」

・・・・・「僕が一緒だと、ヒョンが不幸になる」


チャンミン、、、
お前は、、、本当に何も分かっていないんだな、、、



「俺は、今の今までお前と過ごした時間を、不幸だなんて思ったことは一度もない」

・・・・・「・・・・・」

「知らないだろう? お前の元を去り、過ごした数年、、、そして、お前が消えてから今日までの1年、、、」

・・・・・「・・・・・」

「俺が、どんな思いで生きてきたか、、、」

・・・・・「・・・・・」


掴んだ腕を引き寄せ、腕の中に抱く。
震えるその華奢な身体を、強く強く抱いた。


「もういいだろ、、、チャンミン、、、そろそろ観念しろ、、、」

・・・・・「ヒョ、、、」

「俺が守るから、、、」

・・・・「ヒョン、、、」

「傍に居ろ、、、傍に居てくれ、、、」



チャンミンは、俺の身体にしがみつき、
身を震わせながら慟哭した。


どれだけの苦しみと、後悔を背負っていたのだろう。

吐き出せばいい。
泣いて、、、気が済むまで泣いて、、、

全部吐き出して、、、



涙が枯れたら、きっとまた心から笑いあえる。

手を繋いで、抱きあって、生きて行こう。
2人で、生きて行こう。








107へつづく

リアルタイムで読んで下さっている読者さま、真夜中にこんばんは。
朝、目覚めてから読んで下さっている読者さま、おはようございます。

最近、LINEの調子がよくないです。
すっごく遅れてメッセージが届いたり、
なかなか送れなかったり。
後、こちらからメッセージを送ろうと、開いたら随分前の向こうからのメッセージが届いたり、、、
そういうことって、皆さんもあります?

昨日、別館についてのお問い合わせがあったんですが、
私の別館、ここのお部屋みたいに頻繁に更新もないし、
記事のほとんどがアメンバーさん限定(アメブロです)なので、ちょっと特殊です(笑)
暫くはアメンバーさんの募集の予定もないので、また、機会があれば、
よろしくお願いいたしますm(__)m

明日、安室ちゃんがついに引退するんだなぁ
感慨深い、、、




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横恋慕。10




「チャンミンっ!!」


アパートの階段を駆け下り、目の前の道路を横切ろうとするチャンミンを追う。

俺は、チャンミンを追うことに必死になっていて、回りを全く見ていなかった。



瞬間、、、鋭い車のブレーキ音が、耳をつんざく。

視界の隅に見えた車のボンネット・・・
避けようとして身体を捻り、バランスを崩した俺は、
道路で横転した。


「くっ、、、」


急ブレーキを踏んだドライバーが、
車を降り、駆け寄ってくる。


---大丈夫ですか! ---

「大丈夫です、、、申し訳ない、、、」

--- 病院へ、、、---

「いえ、、、大丈夫です、、、」

--- けど、、、---


よろよろと立ち上がる。

飛び出して迷惑をかけてしまったことを詫びると、
ドライバーは、もし何かあったらと、強引に俺に名刺を手渡し、頭を何度も下げながら去って行った。


歩いて道路脇に戻ろうとしたけれど、
脚を傷めたのか膝に力が入らず、ぐずれ落ちそうになったその時、、、


救いあげるように、俺の身体を支える手、、、


顔を上げると、、、


「チャンミン、、、」

・・・・・「ヒョ、、、ヒョン、、、」


身体を小さく震わせながら、
涙をためて、、、


「大丈夫だ、、、」

・・・・・「ご、、ごめんなさ、、、」


溢れ出た涙が、頬を伝ってゆく。

チャンミンの瞳は、少しも変わってはいなかった。
美しく、澄んだ瞳が俺を見つめる。

チャンミンに支えられるようにして立ち上がり、
道路の脇に寄る。


・・・・・「ヒョン、、、手当しないと、、、」

「大丈夫だ、、、」

・・・・・「でも、、、血が、、、」


言われて気がついた。
手の甲に負った擦り傷から、血が滲んでいる。


・・・・・「行こう、、、」


痛む脚を引き摺るようにして歩く俺の歩幅に合わせるようにして、
チャンミンは、俺を支え寄り添ってくれる。

久し振りに感じる、チャンミンの温度・・・
それが、変わっていないことを感じて、安堵した。



・・・・・「座ってください、、、」


チャンミンのアパートの部屋に脚を踏み入れる。
本当に、必要な物しかない質素な部屋。

チャンミンは、俺を椅子に座らせると、
小さな救急箱を持ってきた。


・・・・・「少し沁みますけど、、、」


消毒液と傷薬。
丁寧にガーゼをあて、器用に包帯を巻く。


・・・・・「痛みますか?」

「少し、、、でも大丈夫だ」

・・・・・「脚、、、病院へ行きましょう」

「少し打ち付けただけだ。すぐに治る」


椅子に座る俺の足もとに膝をついて、
痛む膝に手を当てる。


・・・・・「よかった、、、ビックリしました」

「お前を追いかけるのに夢中で、、、驚かせて悪かった」


そう言うと、俺の足もとで俯いたまま、チャンミンは小さく頭を振った。


・・・・・「・・・・・」

「チャンミン、、、一緒に帰ろう」

・・・・・「・・・・・」

「お前を連れ戻しに来たんだ」


チャンミンは、何も言わず立ち上がり、
俺の視線を逸らしたまま、、、


・・・・・「何もなくて、、、コーヒーでも淹れますね」


そう呟き、背中を向けようとしたチャンミンの腕を、
後ろ手に掴んだ。


「チャンミン、、、」

・・・・・「僕、、、僕はここにいます」

「どうしてだ? 」

・・・・・「手紙、、、読んでくれましたか?」

「あぁ、、、」

・・・・・「なら、分かるでしょう?」

「・・・・・」

・・・・・「ヒョンの為です。僕なんか、いない方が良いんです」


お前は何も分かっていない。


「約束、、、」

・・・・・「・・・・・」

「約束を忘れたか? 傍に居るって、お前がそう言ったんだろ?」


〝僕は何処にも行かないから、、、ヒョンの傍に居るから、、、〟


・・・・・「・・・・・」

「俺が嫌いか?」

・・・・・「ち、、、」

「俺を忘れたか?」

・・・・・「ちが、、、」

「俺を、、、捨てるのか、、、」

・・・・・「ちがうっ!!!」


感情を表し、身体を震わせる。
振り向いたチャンミンは、涙で顔をグシャクジャにしていた。


「何が違う、、、ん? チャンミン、、、」

・・・・・「違う、、、違う、、、」

「なぁ、、、俺が好きだろ? 」

・・・・・「・・・・・」

「俺を覚えているだろ?」

・・・・・「・・・・・」

「傍に、、、傍に居てくれるだろ? なぁ、、、チャンミン、、、」


チャンミンの腕を掴む手に、さらに力を入れる。

もう離さない。
そんな気持ちが伝わるように、、、



〝シム・チャンミンに、チン・ユンホが必要なのかどうか、、、〟


ふと、先輩のあの言葉が、頭を掠める。

チャンミンに、俺が必要かどうか、、、
いや、、、そうじゃない。


違う、、、



「チャンミン、、、俺には、お前が必要なんだ」


そうなんだよ、チャンミン、、、
俺に、お前が必要なんだ。


「傍に居てくれ、、、チャンミン、、、」


お前がいれば、何もいらない。


「お前が恋しいんだ、、、チャンミン、、、」

・・・・・「ヒョン、、、」

「恋しくて恋しくて、どうしようもないんだ、、、」



絶対に離さない。

この手を絶対に、、、、、







107へつづく

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朝、目覚めてから読んで下さっている読者さま、おはようございます。

昨日の夕方、読者さまが沢山連絡くれました。
TBちゃんの再販、もうすぐですよ~って(笑)フフ
無事にゲットしました(笑)
気にかけてくださって、みんなありがとう♪



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横恋慕。10




ソウルを出て、2時間。
途中、渋滞にあいながらようやく春川にたどり着く。

ソウルよりも自然が多いこの地は、よくドラマの撮影地になることが多く、
海外からの観光客も多いと耳にした事がある。


メモ書かれてある住所を探して、ようやく辿り着いた場所。
道路脇に車を止めて、チャンミンが住んでいるというアパートを見上げた。


古くて質素なそのアパート。
その殆どが、空き部屋になっているようだ。


「どうしてこんなところに、、、」


ふと、あのよくない考えが脳裏を掠める。

俺から離れるために、
俺を忘れるために、

チャンミンは、誰にも何も告げず、
こんなところで、たった1人で暮らしているのかもしれない。

もしそうなら、俺が姿を現す事は、
チャンミンを追い詰めることになるんじゃないだろうか、、、


そう思うと、脚が前に進まなくなった。


その時、ポケットに入れたスマホが、
着信を知らせてぶるりと震える。

ハッと、我に返った俺は、
慌ててスマホを取り出し、応答した。


「もしもし」

--- よっ、久しぶり ---


暫くぶりの声、、、


「どうした、仕事中じゃないのか、ドンヘ、、、」

--- 朝からさ、会議で閉じこめられてて、、、やっと解放されたとこ ---

「忙しそうだな、で、何の用だ」


相変わらずの親友の口調に、心がホッと安堵する。


--- 久しぶりに親友が電話してやってるのに、その言い草はないだろう---

「俺は今忙しい」

--- なあ、今日どう? どうせ暇なんだろ? ---

「悪いが、今夜はダメだ」

--- えーっ、、、たまには付き合えよー---

「また今度にしろ」

--- 理由を言え。お前はこの1年間、金を持っているのをいいことに、ろくに仕事もせずプラプラしてるはず ---

「・・・悪かったな」

--- なのにどうして忙しい? ---

「それは、、、」

---それは?---


分かっている。
仕事もせず、気力を無くして生きる俺を心配してくれていること、、、

けど、必要以上に聞くこともない。
ドンヘはそういう男だ。


「なぁ、ドンヘ、、、」

--- ん? ---

「俺は、どうしたらいい? 分からないんだ」

--- ・・・・・ ---

「怖くて、踏み出せずにいる。どうしたらいい? 教えてくれ、ドンヘ、、、」


意味の分からないであろう俺のその言葉を、
ドンヘは静かに聞いている。

そして、、、


--- お前、チョン・ユンホだよな? ---

「・・・・・あぁ、、、」

--- なら、進め。迷うことは無い。そのまま突き進め ---

「・・・・・」

--- 今までずっと、そうだっただろ? それがいつも正しかっただろ? ---

「そう、、、だよな、、、」

--- 自分を信じろ。お前は間違ってない ---


背中を強く押されたようだった。

もう一度、チャンミンのアパートを見上げる。

ここに何をしにやってきたのか?
チャンミンを連れ戻すため。

そうだろ? チョン・ユンホ、、、


「ドンヘ、、、」

 --- なんだ? ---

「今、春川に居る」

--- 春川? ---

「ソウルに戻ったら、飲みに行こう。俺が奢る」

--- マジ? プー太郎のお前奢ってもらってもいいのか? ---


ったく、こいつ、、、


「あぁ、、、なんでも奢ってやる。よーく考えとけよ」



電話を切って、時計を確認する。
時間は、午後4時。

チャンミンが、部屋にいるかどうかは分からない。
とにかく、、、


俺は、車のエンジンを切り、
アパートの2階のチャンミンの部屋に向かった。


階段を上ると、ギシギシと軋む音がする。
上り切り、一番突き当りの奥の部屋。

扉の前に立ち、小さく深呼吸してブザーを押した。



暫く待ってみても、応答はない。

もう一度、、、
そう思って、人差し指を伸ばしたその時だった。


ばさっ、、、と、大きな音が耳に届く。
伸ばした指をそのままに、音のした方に視線を向けると、、、



「チャン、、、ミン、、、」


階段を上がったすぐの場所で、
脚を止め、大きく瞳を見開いたチャンミンが、俺を見つめていて、、、

一歩一歩、後退る。

そして、、、俺に背を向け階段を駆け下りてゆく。



「チャンミンっ!!!」




〝確かめてこい。シム・チャンミンにチョン・ユンホが必要なのかどうか、、、〟



先輩の言葉、、、


〝そのまま突き進め〟

〝自分を信じろ。お前は間違ってない〟


ドンへの言葉、、、


 
気が付けば、俺はチャンミンの後を追い、駆け出していた・・・・・








106へつづく

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TBちゃんの再販の通知が来たので、今回は忘れないようにアラームを(笑)

2018.09.11

また暫く安定しないお天気が続くようです。
晴れたり曇ったり、暑かったりヒヤッとしたり。
そのせいか、身体が怠いです。

広島参戦まであと1か月。
新幹線の切符を手配しなければ(^-^)タノシミダー




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横恋慕。10




~ one year later ~



1年前、俺を置きざりにして、チャンミンは消えた。

あの時と同じ季節が、やってきた。



通りの街路樹が、残り少ない黄色い葉をヒラヒラと散らし、
冷たい風が、襟元を撫でる。

街は何も変わらない。

近付く聖夜の夜、、、
恋人達は、肩を寄せ合い楽しそうに街を歩く。

ただ、違うのは、、、

チャンミン、、、お前がいない。
何処にもいない。


街の至る所で輝くネオンも、
流れるクリスマスソングも、

俺には無意味で虚しいだけ。

溜息だけが、俺に付きまとう、、、、、







〝ユンホ、話がある〟


そう、先輩から連絡が入ったのは、昨夜のことだった。

指定されたバーに向かうと、一足先に到着していた先輩は、
琥珀色の酒が入ったグラスを手に、俺を待っていた。


「先輩、、、」

--- おう、、、先にやってる ---


カウンターの先輩の隣りに腰を下ろし、
ビールを注文する。


「先輩、話って、、、」


泡の立つビールのグラスに口を付け、
乾いた喉を潤す。

フーーっと、先輩が大きく息を吐いて、
ジャケットの内ポケットから、小さなメモを取り出した。


「これは?」

--- いいから見てみろ ---


俺の前に滑らせたメモを手にし、広げた。


「春川、、、?」

--- そこにシムがいる ---

「えっ?」


小さなメモには、春川のとある住所が書かれていた。


--- 小さな運送会社で働いているらしい ---

「・・・・・」

--- ちなみに、アイツ一人だそうだ ---

「チャンミン、、、」


どうしてこんなところに、、、


「ありがとうございます、先輩、、、」

--- もっと早く俺に言えばいいものを、、、---


フっと笑って、俺のグラスに、ビールを注ぐ。


--- 言ったろ、困ったらいつでも言えって、、、---

「先輩、、、」

--- ん? ---

「俺、迷ってます」

--- 何を迷うんだ?---

「ついさっきまで、チャンミンの居場所が分かったら、すぐに飛んで行こうって、そう思ってました。けど、、、」

--- ・・・・・ ---

「アイツはもしかしたら、俺から離れたかったのかもしれないって、、、」

--- ・・・・・ ---

「俺と出逢うことのなかった別の人生を、生きたいと思ってるんじゃないかって、、、」



フッと、そう思った。

チャンミンは、〝俺の居ない人生〟を選んだんじゃないかって、、、



--- お前、、、本当にチョン・ユンホか? ---


グラスの酒をグイっと飲み干し、俺をチラリと見て笑う。


--- 俺の知ってるチョン・ユンホは、迷わず突き進む ---

「先輩、、、」

--- まぁ、多少強引なところもあったが、それでも間違ったことは無かった ---

「・・・・・」

---だから、お前をいつも信頼してきた ---

「・・・・・」

--- たった一人のシム・チャンミンという男が、こうもお前を変えてしまうとは、、、---

「・・・・・」

--- 一体、アイツは何者だ? ユンホ、、、---






別れ際、先輩はこう言った。


--- 確かめてこい。シム・チャンミンにチョン・ユンホが必要なのかどうか、その目で、、、---

「・・・・・」

--- これは社長命令だ。分かったな、、、---


俺の肩をポン、、、と叩くと、
夜のネオンの中に消えていく。

何度助けられただろう。
あの背中は、一生かかっても、俺には追い越す事は出来そうもない。


そう思った。




マンションに戻り、上着を脱ぐ。
カーテンを開いて、夜の空を仰いだ。


チャンミン、、、

月が綺麗だ。

お前も見ているだろうか、、、
チャンミン、、、お前に会いに行くよ、、、、、



次の日、俺は先輩から渡されたメモを持って、
マンションを出た。


車内には、昔、チャンミンが好きだと言ったジャズが流れる。



必ずチャンミンを連れ帰る。

自分自身に、そう誓って、
俺は車を走らせた・・・・・







105へつづく

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今日は少しお話が短くてごめんなさい。

横恋慕。も終盤です。
そろそろ電池切れしそうなんですけど(←最近、アクティブ過ぎて 笑)、
完結までなんとか充電しながら、書き終えたいと思っていますので、お付き合いよろしくお願いします。



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