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私の心の中のお話です。
ご了承ください。




イヤよイヤよも好きのうち?



・・・・・「雪、、、積もりますね」

「そうだな、、、」

・・・・・「明日、、、」

「ん?」

・・・・・「明日、初もうで、、、行こうかな、、、」

「あぁ、、、」


静まり返った部屋、、、
小さなベッドの上で、僕は先輩の腕に優しく包まれてる。

独りぼっちで迎えるはずだった新しい年・・・
けど、今、僕は、大好きな先輩と一緒・・・


・・・・・「先輩、、、」

「ん?」

・・・・・「美人の幼馴染との年越し旅行、、、行かなくてよかったんですか?」

「何だそれ?」


惚けているのか、、、
それとも、そんな話は最初からなかったのか、、、


・・・・・「い、いえ、、、いいんです、、、」


もう、そんなことはどっちでもいいや。
だって先輩は、今、僕の側にいる。

それがきっと答え。



「お前こそ、可愛い女の子と年越しパーティだったんだろ?」

・・・・・「別に、、、」


ボソッとそう呟いた僕の髪を、先輩はふっと笑ってクシャっと撫でる。

最初は、なんだか子供扱いされているようでイヤだったのに、
いつの間にか、先輩に髪を撫でられると心地よく感じるようになってた。

温かくて、優しくて、、、
まるで、顎を撫でられて気持ちよさそうに目を細めるワンコのようだ。

あまりの気持ち良さに、なんだか瞼が重くなってきた、、、


呼吸すると、先輩の匂いがする。

いい男からはいい匂いがするんだな、、、

なんて、そんな事を考えながら、
いつの間にか僕は、眠りに落ちていった。







・・・・・「んっ、、、」


なんだか身体がくすぐったくて、それに、凄く寒い、、、
身体がブルッと震えて、深く落ちていた僕の意識が少しずつ目覚めていく。

薄く瞼を開けると、そこに、、、


あれ? 先輩?


僕を見下ろす、先輩の顏、、、
ぼんやりとした意識の中、だんだんと視界の中の映像が鮮明になってゆく、、、


!!!


・・・・・「ちょ、、、せ、先輩っ!! 何してるんですか!!」


いつの間にか僕の上着は脱がされていて、
そして、先輩も、、、


「何って、、、セックス」

・・・・・「はぁ?」

「お前さ、考えてみろよ?
目の前にご馳走が転がってんのに、このまま寝てられるかよ」


そう言うと、ニヤリと笑って僕の胸に口づける。


・・・・・「あっ、、、」


冷えた先輩の唇が、僕の身体をゆっくりと這ってゆく。
その感触に、思わず声が出てしまう。

頭に浮かんだのは、いつかのあの姿・・・
身体のあちこちに着いた、赤いキスマーク、、、

あの時のあの赤い花は、こんな風に付けられたんだろうか?


・・・・・「せ、先輩っ、、、」


呼ぶと、先輩は顔を上げて僕を見た。


「なぁ、チャンミン、、、」

・・・・・「・・・・・」

「その、先輩 ってーの、止めろ」

・・・・・「えっ?」

「ヤル気が失せる」

・・・・・「あっ、あ、、、、」


言いたいことだけ口にして、先輩はまた、僕の身体を弄り始める。

不思議なことに、イヤな気はしなくて、、、
好きな人に触れられるって、こんなに幸せで気持ちがいい物なんだと初めて知った。


「お前、、、やっぱ可愛いよ、、、」


僕の首筋に顔を埋めて、耳元でそう囁く。


「初めて見た時から、ずっとお前のこと気になってた」


魅惑的に誘う低い声が、僕の全身を駆け巡り、
内側からゾクゾクと痺れだす。


「いつかこうしたいって、ずっと思ってたんだ、、、」


囁く言葉や、身体をなぞる指の動き、、、
全てが慣れてて、なんだかちょっと悔しいけれど、、、


・・・・・「先輩、、、」

「こら、先輩はやめろって言ったろ?」

・・・・・「じゃあ、何て呼べば?」

「そうだな、、、ユノ、、、って呼べ」

・・・・・「ユノ、、、?」

「よし、それでいい」


〝ユノ〟と呼ばれたことが、よほどうれしかったのか、
フワリと笑って僕の頬にキスをする。

やることなす事カッコいい。
やっぱり、いい男。


・・・・・「せん、、、いや、ユノ」

「ん?」

・・・・・「僕は、浮気はイヤです」

「は?」

・・・・・「あと、嘘をつかれるのもイヤです」

「・・・」

・・・・・「浮気しない、嘘をつかない、、、これを守れるのなら、付き合ってあげてもいいです」


僕のその言葉に、キョトンとした顔をした先輩は、
急に表情を緩め、吹き出しながら笑い出した。


「いいよ。約束する。なら、俺と付き合ってくれるんだな?」

・・・・・「守れるなら、、、ですよ?」

「よし、、、じゃあ、、、続き、、、」


ズレ落ちていた布団を引き上げ、
先輩が再び僕に覆いかぶさる。

素肌と素肌が重なって、温かくて気持ちいい、、、


正直、前の時は記憶がなくて、、、
どんなふうに先輩とエッチしたのか、覚えてない。

だから、少し戸惑うけれど、、、


「お前はじっとしてればいいから、、、」


僕の気持ちを察した先輩がそう言うから、
このまま先輩に委ねよう、、、

そう思って覚悟を決めたその時、、、



「あっ!!」


突然、何かを思い出したように先輩がガバッと半身を起こした。


・・・・・「せん、、、ユノ?」

「あのさ、チャンミン、、、」

・・・・・「はい、、、」

「さっきの約束なんだけど、、、」

・・・・・「えぇ、、、」

「嘘はダメだって、お前が言うから前もって白状しとく」


白状?


・・・・・「はい、、なんでしょう?」

「実はさ、、、」


先輩の身体が、再び僕に重なって、
耳元に、厚い唇が触れて、、、



「実は、俺達まだヤってない、、、」


ん?


「お前の後ろ、、、」


うしろ?


「まだバージンだから」


・・・・・?


・・・・・!!!



えーーーーーっ!!!!!






その後、僕と先輩がどうなったのか・・・
それは僕達だけの秘密ってことで♥


ただ、これだけは言える。

愛されるって、すっごく、、、痛い、、、、、(涙)








イヤよイヤよも好きのうち? ・・・  Fin

読者の皆さま、こんばんは。
21話で無事に完結しました。
読んでくださった方、最後までお付き合いありがとうございました。
完結話ですので、コメント欄オープンしています。
宜しかったら、感想など書きこんでいただけたら嬉しいです。

明日からは、まだ未定ですが、
何か新しいお話を更新出来たらいいなと思っていますが、
もしかしたら、おやすみになるかもしれません。
観覧車は変わらず、10時と15時に更新します。

宜しかったら、お部屋を覗きに来てくださいね。
お待ちしています。


それでは、本日はこのへんで。
おやすみなさい。
素敵な夢を・・・・・♪





こころ。

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私の心の中のお話です。
ご了承ください。




イヤよイヤよも好きのうち?




部屋はとても静かだ。

聞えてくるのは、ボリュームを絞ったテレビの中で歌って踊るアイドルグループの小さな声だけで、、、

僕はと言えば、ちょっと緊張している。
ソファに深く座った僕の膝には、何故か先輩の小さな頭が乗っかっている。

仕事も忙しくしていたし、きっと疲れてたんだろうな、、、

なのに、、、

こんな寒い、しかも今年最後の夜に、、、
僕に会いに来てくれた。

先輩は、僕の事好きなのかな?
本当のところ、どう思ってるんだろう。


先輩が眠っているのをいいことに、
その寝顔をまじまじと見つめる。

綺麗だな、、、

まるでギリシャ彫刻みたいだ、、、
先輩なら、きっと綺麗な女の人が沢山言い寄ってくるはず。

このビジュアルで、エリートで、優しくて、面白くて、、、
なのに、どうして僕なんだろう?


・・・・・「先輩?」


無意識に伸ばした手、、、
気づけばその手は、先輩の髪に触れていた。

髪が揺れると、いい香りがした。


・・・・・「先輩は、僕の事、、、好きなんですか?」


心の声が、つい口に出てしまう。


・・・・・「僕は、、、」


きっと僕は、自分の本当の気持ちを確認したかったんだと、そう思う。

先輩は、僕の憧れだった。

けど、恋愛対象かと言えば、もちろん僕は男で、先輩も男で、、、
可笑しなきっかけだったとはいえ、先輩と時間を過ごすようになって、
僕はどんどん先輩に惹かれていった。
けど、それを自分で認めることが怖かった。

だからずっと、誤魔化して、いい聞かせて、自分の気持ちを自分で騙してきた。

けど、、、
もう、無理かも、、、


口に出して、言葉に乗せて、吐き出してしまえば、、、
自分の気持ちを、ちゃんと認められるかも、、、

でも、先輩に面と向かってなんて絶対に言えないから、、、

先輩の瞼が開かないうちに、、、


・・・・・「僕は、先輩が、、、好き、、、です、、、


モゴモゴと、消え入るような小さな声、、、
眠ってる先輩には届かない。

けど、僕にとっては、一世一代の大告白だ。


なんだかとっても、気持ちが軽くなった気がする。
自然と顔がほころんだ。




少し冷えてきたな、、、

先輩は風邪が治ったばっかりだし、ぶり返したら大変だ。
寝室にある毛布を取りに行こうとゆっくりと先輩の頭を支えながら、
身体を抜く。

立ち上がり、寝室に足を向けたその時、、、


・・・・・「!!!」


腕に感じた冷たい感触。
ギュッと握られた僕の腕、、、

振り返ると、開いた先輩の瞳が僕を強く見つめていた。


・・・・・「先輩、、、」

「・・・・・」

・・・・・「あ、、、あの、、、」

「チャンミン、、、」


少し掠れた声、、、
囁くように僕の名を呼ぶ先輩が、凄く色っぽくて、、、


ドキドキ、、、、する、、、


「返事、、、」

・・・・・「えっ?」

「返事、、、聞いてくれるか?」


先輩の言う意味が分からなくて、、、
きっと僕は、ポカン、、、と口を開けてたんだと思う。

そんな僕を察した先輩は、
僕の腕を離すことなく起き上がる。


「さっきの、お前の質問だよ」

・・・・・「・・・・・」



〝先輩は、僕の事、、、好きなんですか?〟



ウソ、、、

先輩、、、聞いてたの?


・・・・・「あ、あれは、その、、、」





「好きだよ、、、、、」




「お前が好きだ、チャンミン、、、」





寝たふりなんかして、先輩は酷い、、、


僕の一世一代の告白を、、、
断りもなく無断で聞くなんて、、、



・・・・・「寝たふりなんかして、、、」



聞かれていたことが恥ずかしすぎて、
嫌味の一つでも言ってやろうと思ったけれど、、、


立ちあがったままの僕を、ソファに座った先輩が、
優しく笑って見上げてる。

ズルいくらいカッコいい顔を見たら、何も言えなくて、、、



・・・・・「でも、、、」

「・・・・・」

・・・・・「許してあげます」

「・・・・・」

・・・・・「好きだから、、、」




いつの間にか、テレビ番組がニュースに変わっている。
見慣れた顔のアナウンサーが、新しい年が訪れたことを告げていた。



テレビの中から聞こえてくる、
新しい年の訪れを祝う、賑やかな人々の声を遠くに感じながら、



僕達は、そっと唇を重ね合わせた・・・・・










21へつづく

読者の皆さま、こんにちは。
いつもより早く更新させていただきます「イヤよイヤよも好きのうち?」 は、20話で年内の更新は終了です。

本当は、今年中に完結させたかったのですが、
いつものお話を伸ばす私の癖が、、、(笑)
ということで、新年の21話が完結話になると思います。
最後までお付き合いよろしくお願いいたします。

それでは、後ほど本年最後のご挨拶に伺います。





こころ。

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イヤよイヤよも好きのうち?




「チャン、、、ミン?」


脚が留まったまま、動けない僕。
そんな僕を、先輩は暫く見つめて、そして、、、

サクサク、、、と音を立てながら、薄く積もった雪の道をゆっくりと歩いて僕に近付いてくる。

思わず俯いた僕の視界に、先輩の靴が映る。


その刹那、、、

冷えた身体に、温かい何か、、、
驚いて顔を上げると、先輩が来ていたダウンジャケットが、僕の肩に掛けられている。


・・・・・「先輩、、、」

「そんな薄着で、風邪引くだろ?」


片手に缶ビールの入ったコンビニ袋。
もう一つの手には、食べかけの肉まん。

恥ずかしくて、隠すように腕を下げた。


「パーティ、、、行かなかったのか?」

・・・・・「・・・・・先輩こそ、、、」

「俺は、、、もう今年も終わるからさ、お前の顏が見たくて、、、」

・・・・・「・・・・・」

「会えてよかった」

・・・・・「・・・・・」

「じゃあ、、、な、、、」


もうすぐ今年が終わるから、僕に会いに来たの?
美人の幼馴染と、年越し旅行はどうしたの?

そんな事をあれやこれやと考えている僕の冷たく冷えた髪を、
大きな掌が、少し乱暴にクシャリと撫でる。

久し振りの感触・・・


先輩は、くるりと僕に背中を向けると、
また、サクサクと白い雪の道に足跡を付けながら車に向かってゆく。

多分、、、ううん、、、きっとこれで最後。
先輩は、年が明けたらもう、僕を忘れる・・・


僕は、どうしたらいい?

僕は、、、、、


どうしたい?


その答えは、心よりも身体が先に答えを出した。



・・・・・「先輩っ!」



そう叫んだと同時に、僕は先輩に向かって走り出す。

運転席のドアに手を掛けていた先輩は、
僕の声に驚いて、ドアから手を引き、顔を上げた。

吐く息が、真っ白だ。


「チャンミン?」


心の中で、想いを巡らす。
何をどういえばいいのか、、、

けれど、いい言葉が見つからなくて、、、


・・・・・「半分、、、」

「・・・・・」


手にしていた食べかけの肉まん。
それを先輩に差し出す。


・・・・・「半分しかないけど、、、」

「・・・・・」

・・・・・「今から、、、一緒に食べませんか?」


キョトンとした顔をしていた先輩は、
すぐに、フッと笑みを浮かべて、僕の差し出した肉まんを手にする。


「イヤ、、、じゃないのか?」


先輩は、僕を分かってない。


・・・・・「イヤなら、誘ったりしません」


いつだって、僕の〝イヤ〟は、


「俺、誘われてんの?」

・・・・・「イヤ、、、ですか?」


〝いいよ〟の、、、〝好き〟の裏返しだったんだから、、、


「イヤなわけないだろ?」



その瞬間、、、

僕の肩に掛けられていた先輩のダウンジャケットが、
パサリと小さな音を立てて雪の道に落ちた。


気が付けば、僕はジャケットよりももっと優しくて温かい、、、


・・・・・「先輩、、、」


先輩の腕に、抱きしめられていた。








アパートの窓の外は、さっきよりも大きくてふわふわの雪が、
目に入る景色をすべて白く染めている。


・・・・・「真っ白ですね」

「ん、、、」


窓の外を眺めている先輩の隣りに立ち、
暫く冬の景色を見ていた。


・・・・・「はい、先輩の分」


レンジで温め直した肉まん。
半分こして、先輩に差し出す。


「サンキュ、、、」


笑いながら、一気に口の中に放り込んだ。


・・・・・「はふっ、、、あっつ、、」


熱くて慌てる僕を、先輩は優しい瞳で見つめていた。



もうすぐ新しい年がやってくる・・・・・








20へつづく

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イヤよイヤよも好きのうち?




---え? どうしてだよ、チャンミン ---

・・・・・「ごめん、、、ちょっとそんな気になれなくて、、、」


大晦日当日。
窓を開けると、冷えた空気が一瞬で身体を包む。
空を見上げると、チラチラと白い雪が舞い落ちていた。

電話の向こうは、とても賑やかだ。
キュヒョンには申し訳ないと思ったけれど、僕一人が行かなくても、
そんなに支障はなさそうで安心した。


--- 何かあったのか? 風邪引いたとか? ---

・・・・・「ううん、、、そうじゃない。まぁ、楽しんでよ」

---ん、、、分かった。じゃあ、また連絡するよ ---

・・・・・「ん、、、来年もよろしく、キュヒョン」

--- こちらこそ、よろしくな、チャンミン---


電話を切って、大きくため息を吐く。


〝元気でな、チャンミン、、、〟


先輩は、今頃美人の幼馴染と楽しく過ごしてるんだろうか、、、

何だろう、、、
この虚脱感、、、

食事してても、お風呂に入ってても、
友達と電話で話してても、買い物に出かけても、、、

気が付けば、いつの間にか先輩のことを考えてる自分がいる。


・・・・・「まさか、、、」


僕は、女の子が好きで、男になんて興味はないし、
ましてや男相手に恋愛なんて・・・

先輩のことにしたって、酷く酔ったことで起こった過ちみたいなものだし、
第一、僕は全く記憶にない。


なのに・・・


〝お前さ、、、やっぱ可愛いな♡〟

〝楽しそうにしてるお前を見るのが楽しかった〟

〝好きな人の声、聴いたら元気が出るよな、、、〟

〝チャンミンが食べたい、、、〟

〝キス、、、させてよ、、、チャンミン、、、〟

〝帰るな、、、ここに居ろ、、、〟



今までの先輩の沢山の言葉と一緒に、
触れられた時の温かさとか、柔らかさとか、優しさとかが思い出されて、、、
こんなにも溢れ出てくる、、、



・・・・・「先輩、、、僕、、、もしかしたら、、、」


その先の言葉は口にせず、ぐっと飲み込んだ。
きっと、言葉にしたら惨めな自分に泣けてくるから、、、


・・・・・「さむっ、、、」


空気が一段と冷えてきた。

窓を閉めて、シャワーでも浴びよう。
そして、好きな映画でも観ながら、ビールを飲んで静かに年を越そう。

たまにはそういう年越しだって、いいよね、、、


そんな風に自分に言い聞かせながら、
僕は着替えを手に浴室に向かった。






・・・・・「うそ、、、」


冷えた身体を温めたくて、浴室にお湯を溜めて身体を温めた。
ポカポカ気持ちよくお風呂を出て、冷蔵庫を開けたら、、、


・・・・・「おかしいな、、、」


楽しみにしていたビールがない。
それに、、、

年越しだというのに、
冷蔵庫の中が、残り物のおかずが少しだけ。

そうだよな、、、
パーティに行く予定してたし、、、

時計を見ると、時間はもう10時を回ってる。
大晦日のこんな時間だと、開いてるのはコンビニしかない。


・・・・・「はぁ、、、仕方ない、、、」


大晦日の夜、虚しくこのまま眠るのはイヤだ。
せめて、ビールとおつまみくらい、、、


部屋着の上に上着を着て、マフラーとニット帽を装着する。
ポケットに財布と携帯電話を突っ込んで、肩を窄めながら部屋を出た。



・・・・・「うーっ、、、さむっ、、、」

チラチラと舞う雪の中、コンビに向かってひたすら歩く。
通りは静かで、白く染まった道を歩く足音だけが聞える。

5分ほどで到着したコンビニで缶ビールを手にレジに向かう。
フッと目に入った、レジ横の肉まんを1つ一緒に買って、店を出た。


白い息が、ふーっと目の前に広がる。
小さなレジ袋から肉まんを取り出し、食べながらアパートに向かった。


半分ほど食べたところで、アパートが視野に入る。
肉まんが美味しくて、もう1つ買ってくればよかったな、、、なんて思いながら、
ふっと視線を動かすと、、、


・・・・・「えっ?」


思わず足が止まる。

アパートの前の通りの向かい側。

見覚えのある車が止まっていて、、、




運転席の扉の傍に立ち、僕の部屋をじっと見つめてる。

細身のブラックデニムが長い脚を引き立ててる。
小さな頭と厚い胸板。

温かそうなダウンジャケットのポケットに手を突っ込んで、すらりと立つ姿・・・

カッコいいな、、、




・・・・・「先輩、、、どうして、、、」


その時、
くしゅん、、、、と、突然出たくしゃみが、
静かで張りつめた空気の中に小さく響く。


思わず掌で口元を覆ったけど、時すでに遅し、、、

アパートを見上げていた先輩の視線が、
まるでスローモーションのようにゆっくりと、そして優雅にこちらに向いた。



「チャン、、、ミン?」







18へつづく

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イヤよイヤよも好きのうち?





「お疲れ、チャンミン、、、」


今年もあと2日・・・

相変わらず、スーツがバッチリ決まってる先輩が、
予告もなく僕の目の前に現れた。

・・・・・「こんなところで何してるんですか?」

僕は、今年最後のバイトを終え、
店を出てきたところ。

約束、、、してなかったよな?

「俺も今日がやっと仕事納め。どう? 今から食事でも・・・」

バイトの上りは午後5時過ぎ。
冬の夜は、駆け足でやってくる。

辺りはもう薄暗く、街灯が灯り始めている。

ちらりと先輩の顔を盗み見る。

風邪はすっかり治ったようで、顔色もいい。
良かった。もう心配なさそう、、、

ただ、忘れてはいない。
僕は怒っているんだ。

・・・・・「いえ、遠慮しておきます」

少し突き放すようにそう言うと、僕は先輩を無視して駅に向かって歩き出す。

「あれ? チャンミン、、、どうした?」

・・・・・「・・・・・」

「おい、チャンミン!」

先輩は、慌てて車のエンジンを切り、速足で僕の後を追ってくる。
すぐに追いついて、僕の歩幅に合わせて隣を歩く。

「なぁ、チャンミンってば、どうした?」

前だけを見て黙々と歩く僕の顔を、隣から覗き込みながら、、、

「なに怒ってんの?」

・・・・・「・・・・・」

無視を決め込み、スタスタと歩く僕・・・・・
ニコニコと笑ってご機嫌を取ろうとしても、そうは問屋が卸さない。


〝お正月は、2人で旅行へ行くって、そう言ってたもん、、、〟


キュヒョンの彼女のあの言葉、、、


彼女が居るって知ってるんだぞ。
もう誤魔化されたりしないからな。

ピタリと足を止めると、それに習うように隣を歩く先輩も足を止める。
不機嫌丸出しの顔をして、隣の先輩の顔を睨んでやった。

・・・・・「大晦日の約束はキャンセルで」

冷たくそう言い放つ。
すると、ニコニコしていた先輩の表情が、一瞬で曇った。

「え? どうしてだよ?」

・・・・・「パーティ行くんです。友達が可愛い女の子、連れて来てくれるって、、、」

「なんだよ、それ、、、」

・・・・・「先輩だって、僕と初詣なんて行ってる場合じゃないでしょ?」

「・・・・・」

・・・・・「いいじゃないですか、美人と年越し旅行なんて羨ましいですよ、、、」

「は? 何言ってんだよ?」

・・・・・「僕が知らないとでも思ったら大間違いです」

「だから、なんの話だって」

・・・・・「それと、、、」

「・・・・・」

・・・・・「おためし恋人も、今日限りで解除です」


いくらおためしと言えども、
僕のプライドを傷つけるのは許さない。


「だからどうして!?」


さっきまでまだ太陽の名残が空に残っていたのに、
気が付けば、空は夜の色に変わっている。

遠くに光る星が一つ・・・・・


・・・・・「先輩のお遊びに付き合うの、イヤなんです。もう飽きました」

「・・・・・」

・・・・・「風邪も治ったようだし、もういいでしょ?」

「・・・・・」



例えば、もし、これが反対の立場だったとしたら、
きっと僕は、猛烈に腹立たしく感じていると思う。

自分が口にした言葉なのに、
そんな言い方はないだろうと、そう思う。

けど、僕は怒ってるんだ。

凄く、、、
悔しかったんだ、、、

その気持ちを、こんな言葉にしか置き換えられない僕。

なんだか、好きな女の子にフラれた男が、
仕返ししてるみたい、、、


「そう、、、か、、、」

・・・・・「・・・・・」


ボソッと、先輩が消え入りそうな声でそう呟く。

予想に反して、先輩は口を噤んでしまった。

いつものように、お道化ながら構ってくると思っていた僕は、
その先輩に少したじろんでしまう。


「ん、、、そうだな、、、分かったよ、、、」

・・・・・「えっ? 先輩?」

「悪かったな、、、チャンミン、、、」

・・・・・「いや、あの、、、えっと、、、」

「俺の〝お遊び〟に、付き合わせて、、、申し訳なかった、、、」

・・・・・「・・・・・」


動揺していたのは、僕の方。

あんな言葉を先輩に向かって投げつけたのに、
思ってもみなかった先輩の反応に、どうしていいか分らなくなっている、、、


「送ってやれなくて、、、ごめん、、、気を付けて、帰れよ、、、」

・・・・・「いえ、、、そんな、、、」

「短い間だったけど、すごく楽しかったよ、、、」

・・・・・「先輩、、、」

「元気でな、チャンミン、、、」


寂しそうに目じりを下げ、
伸ばした大きな掌で、僕の髪に触れる。

クシャリと撫でられるこの感触、、、
イヤじゃ、なかった、、、


背中を向け、先輩が小さくなってゆく。

無意識に、自分の腕が先輩に向かって伸びたのは、
引き留めようとしたからなのか、、、

自分でもよく分からなくて、、、

伸ばし切れなかった手は、届くことなく空を切る。


暫くすると、車のエンジン音がして、
ヘッドライトが夜道を照らす。

動き出した車が、歩道に立つ僕を通り越して消えていった。



まるで、捨てられた子犬のような気持ちがするのは、どうしてなんだろう、、、
自分が望んだことなのに、、、


チラチラと、白い雪が舞い降りて、
僕の頬を、冷たく濡らした・・・・・








18へつづく

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