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私の心の中のお話です。
ご了承ください。



続 チーズバーガーとコーラとあなた。1





ソウルの街の、小さな広場の小さな一角。
即席の簡素なその場所は、〝ステージ〟なんて言えないほどのものだった。

通りがかりの通行人が、足を止めることはほとんどなく、
誰かお目当てのメンバーがいるのか、数人の女子高生が座り込んでいて、
ライブが始まるのを待っている。

スンジェに振付を一通り教わり、俺は自分の出番を待つ。

いい音とは言えない大音量の音が広場に響きだすと、
待っていた観客の声援が、より一層大きくなった。

そっと、脇からメンバーのダンスを覗き見る。

そこには、さっきまで裏で談笑していた時とはまるきり顔つきが違うメンバーの力強いダンスがあった。
小さな小さなその場所は、一瞬で大きな〝ステージ〟に変わった。

始まって5分もする頃には、観客も増えだし、
出番が近づいた俺は、少し緊張し始めている自分に気が付いた。

俺は、大きく深呼吸して自分の頬を数回掌で打つ。


「よし!」


曲が流れるように変わり、メンバーが引き上げてくる。
ステージの上には、ソロダンスを踊るスンジェの姿。

俺の友達であり、最大のライバルのダンスは、
今まで見たどのダンスよりも大きく美しく見えた。


--- お願いします! ---


引き上げてきたメンバーの1人に肩を叩かれて、
俺は大きく頷いて、ステージに向かって足を踏み出した。






大きな歓声と拍手を受けて、俺とスンジェの2人のパートが終わる。

ステージの脇で心配そうに見ていたメンバー達とハイタッチをして、
ステージ裏に移動した俺達は、お互いを称えあい、そして抱き合った。


--- やっぱりお前は、俺の最高のライバルだな ---

「お前には負けないって」


2人とも、切れ切れの息で笑いあう。


--- チームに入れよ? お前ならいつでも歓迎だ---

「考えとくよ」

--- 待ってるからさ---


スーッと、背中から吹き抜けた風が、
不思議な感覚を呼び起こす。

やっぱり、俺はダンスがしたい。
ほんの10分ほどの時間だったけど、こんなに気分が高揚して、生きてる実感を味わえた。


俺の目指すものは、やっぱり間違っていなかったんだと、そう実感した。


1時間ほどのライブステージは、大盛況のまま終わりを迎えた。





--- あの、、、すいません。握手してください ---


スンジェとの話が盛り上がる中、背中から聞こえた声。
振り向くと、さっきまで最前列に座っていた女子高校生が2人。


「お、おい、スンジェ」

--- い、いえ、、、その、、、貴方に、、、---

「えっ? 俺?」

--- はい。さっきのダンス、とっても素敵でした。ファンになりました---


少し強引に手を取られ、きつく握られる。

その様子を見て、スンジェがくすくすと含み笑いをしていた。
急に恥ずかしさが込み上げてきた俺は、彼女たちに小さく頭を下げて握られていた手をそっと引き戻した。


「スンジェ、、、じゃあ、俺、帰るわ」

--- おお、、、ほんとに助かったよ。メンバーの件、いい返事待ってる ---


そのままくるりと踵を返すと、ふっと視界に入ってきたのは、
少し先のベンチに座って視線をこちらに向けている。

その姿を見て、ふわりと優しい温度を感じた俺は、心の中で大きく安堵のため息を吐いた。


「チャンミン!」


急いでチャンミンの元に駆け寄る。


「チャンミン!!」


ベンチの前で足を止め、大きく一呼吸する。
緊張した自分の心が、ようやく解かれたのを感じた。


・・・・・「ユンホさん」

「ごめんな、待ったか?」


そう言いながらチャンミンの隣に腰を下ろすと、スーッとチャンミンの手が伸びてきた。
その手には、缶ジュースが1つ。


「おおっ、サンキュ」

・・・・・「素敵でした」

「えっ?」


ジュースを受け取って、プルタブを開けて一口喉に通す。
乾いた喉に、冷たくて甘い感覚がジワリと染みた。


・・・・・「ユンホさんのダンス、すごく・・・」

「見てたのか?」


チャンミンは、なぜか頬を真っ赤に染めて俯いたまま、
小さく頷いた。


「実は、通りを歩いてたら、友達に急に呼び止められてさ。
チャンミンが見てるの知ってたら、もっとかっこよく踊ったのにな」


少し恥ずかしくて、照れ隠しでそう呟いた。


・・・・・「初めてです。ユンホさんの踊る姿、、、すごくカッコよくて・・・」

「そ、そうか? 」

・・・・・「その、、、なんと言ったらいいか、、、ピッタリの言葉が浮かんでこないんですけど、、、」

「う、うん、、、」

・・・・・「本当に自分のやりたいことをやるって、こういうことなんだなって、、、そう思いました」

「チャンミン」

・・・・・「ユンホさんがダンスをとても好きな気持ちが伝わってきて・・・」

「そんな、大げさだよ」

・・・・・「少し、羨ましく感じました。それに・・・」

「・・・・・」

・・・・・「それに比べて、中途半端で曖昧な自分が、とても恥ずかしくて、、、」


チャンミン・・・


「そんなことないって。チャンミンだって、、、」


〝心のこもった、素晴らしい絵が描けるだろ?〟


そう、チャンミンに言いたかったのに、
俺の言葉の続きは、チャンミンの表情がかき消した。


・・・・・「ごめんなさい、ユンホさん、僕・・・」


〝ごめんなさい〟


そのチャンミンの言葉には、どんな意味が込められているんだろう。
なんとなく分かったけれど、それを認めたくない自分がいた。


俺を見つめるチャンミンの表情は、今まで見たどんなチャンミンよりも、
寂しくて悲しそうだった。










21へつづく

読者の皆さま、こんにちは。

年末年始のテレビ番組録画の為に、Blu-rayレコーダーのHDの整理をしました。
随分昔の番組もそのまま保存していて、東方神起も昔はこんなに地上波にも出演してたんだなぁと、
整理そっちのけで楽しんでしまったんですけど、最近は年に数回程度で、寂しいですよね。

お国同士のもろもろの問題とか、いろいろと複雑な事情もあるのか知りませんけど、
他のKポアーティストは度々見かけたりするから、
ただ単に、事務所のマネージメントの問題なのか、、、
とにかく、来年はもっと地上波で2人の姿が見られるようになればいいなと思いました。

早く京セラ行きたい(/・ω・)/





それでは、本日はこのへんで。
年末のお忙しい中、お部屋に来て下さってありがとうございます。
午後も素敵なひと時を♪






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続 チーズバーガーとコーラとあなた。1






--- ユンホさん、お願いします。チャンミンを元の世界へ戻してやってください。
あいつ、、、今きっと、悩んでると思うんです---


キュヒョンは、深く俺に頭を下げて店を出て行った。

1人になったテーブル・・・

キュヒョンの言葉一つ一つが、俺には衝撃だった。


「チャンミン」


今朝、別れたときのチャンミンの顔が頭に浮かぶ。
ふわりと優しく微笑んで、いつものように俺に向かって小さく手を振る。



〝決められた人生をもって生まれた特別な人間〟
〝自分だけの意志では、生きることは出来ない〟
〝普通の人とは、違う世界で生きてる〟




そんなこと・・・
考えもしなかった。

ただ、踏み出せないでいるだけだって、
踏み出す勇気が、あいつにはないだけだって、、、

そう思ってた。



ダンスがしたくて・・・
ただ、その一心で家を飛びだした俺。

時々、親父に内緒でかかってくる母さんからの電話は、
いつもいつも、俺を気遣う言葉ばかりだ。



〝貴方の人生だから、貴方の好きなように生きなさい。悔いのないように、頑張るのよ? 〟



俺の自分勝手な我儘を、今では母さんは理解してくれて、
応援してくれてる。

俺はきっと、恵まれてるんだ。
チャンミンは、、、そうじゃない。


「どうしたらいいんだろ、俺、、、」


ふーっと息を吐きながら、もう一度、椅子の背もたれに背中を預けた。
目に入った店内の時計は、休憩時間を過ぎようとしている。


「とにかく、ウダウダ思っててもどうしようもない。チャンミンと話そう」


立ち上がって、両腕をぐっと上に延ばす。
背伸びをしながら深呼吸をして、俺は仕事に戻った。





その日、チャンミンより1時間早く仕事を終えた俺は、ふっと、昨夜のチャンミンとの会話を思い出した。


〝最近、店の近くに出来たケーキ屋さん、とっても美味しいって評判みたいです〟



「よし、まだ1時間もあるし、、、」


俺は、チャンミンを喜ばせてやりたくて、
そのケーキ屋があるチャンミンのカフェとは反対の方向へ足を向けた。

この通りは、いつも沢山の人で賑わっている。


「あっ、あれかな? 」


店の前に小さな行列が出来ている。
遠目に、目指す店が見えたその時・・・



--- おーい、ユノ!! ---


どこからか、軽快な音楽とともに、俺の名前を呼ぶ聞きなれた声が聞える。
背中から聞こえたその声に振り向くと、


「スンジェ? 」


それは、俺と同じダンススクールに通ってる仲間。
そして、俺の最大のライバル。


--- ユノ、ナイスタイミング!! お前さ、時間ある? ---

「えっ? な、なんだよ」

--- とにかく助けてくれよ、な? ---


スンジェは、俺の返事などお構いなしで、
俺の腕を強く掴むと、グイグイと引きずるように歩き出す。


「な、なぁ、、、スンジェ、、、ま、待てったら、、、」


なんだか嫌な予感がして、スンジェの手を振り解いた。
すると、突然真顔になったスンジェが、両の掌を合わせて俺に向かって頭を下げた。


--- 頼む! ユノ、、、メンバーが急病でこれなくなってさ---

「メンバー?」

--- 今日だけ、、、1度だけでいい。助けてくれないか? ---


そう言いながら、スンジェが移した視線の先・・・


「なにやってんだよ?」


さっきから耳に届いていた音楽・・・


--- 前にも話しただろ? 今日さ、あの場所でストリートライブなんだよ。なのにメンバーが、、、---


そう言えば、まだ、ダンススクールに通い始めた頃、こいつに誘われたっけ?


〝お前、俺と一緒にチーム作らないか?〟


--- な? 頼むよ。1度だけでいいからさ、、、な? ユノ? ---

「けど、突然言われても、、、」

--- どうしても、そのパートを外すことは出来ないんだ。ほんの10分、、、いや、5分ほどなんだ。頼む!---


目の前には、頭を下げるスンジェ。
そして、少し先には、、、


メンバーだろう、、、

数人の人が、俺とスンジェの様子を心配そうにじっと見つめている。


「・・・・・」

--- な? ユノ、、、俺の人生最大の危機を助けられるのはお前しかいない ---


さらに深く頭を下げるライバルの姿を見て、、、


「もう、分かったよ。大げさなんだよ、お前・・・」


俺のその言葉で、スンジェは心底ほっとしたような安堵の表情を浮かべた。


--- よし、あと時間まで30分なんだ。それだけあれば、お前なら大丈夫だろ? ---

「お前、適当なこと言ってんじゃねぇぞ」


2人して苦笑する。


--- 急ごう---


走り出すスンジェに、すぐに行くと伝えて、
俺は、ポケットからスマホを取り出す。



〝チャンミン、、、急用ができた。仕事が終わったら、店の先にある花屋の隣の広場に来てくれ〟


--- ユノ~っ、早く来いよ!! ---

「おう、すぐ行く!」



俺は、チャンミンにメッセージを送り、スマホをポケットに戻しながら、
スンジェの待つ広場に向かう。





この時、この出来事が俺の人生を大きく変えることになるなんて、
そんなことは、思いもしないで・・・









20へつづく

読者の皆さま、こんにちは。

年末年始の更新ですが、
〝Shangri-La〟 がちょうど31日に完結しますので、
年明けからは続編の


with love 1

with love  ~Shangri-La 特別編~  


をお届けします。
こちらの方も、楽しみにして頂けたら嬉しいです。

午後は、引き続き〝続 チーズバーガーとコーラとあなた。〟を。
お正月が明けて、少し落ちつきましたら、〝映画みたいな~〟をお届けいたします。



それでは、本日はこのへんで。
午後も素敵なひと時を♪

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続 チーズバーガーとコーラとあなた。1






・・・・・「ユンホさん、行ってきます」

「ああ、頑張れよ。今日は俺のが先だから、終わったらカフェに寄るよ」

・・・・・「はい。待ってます」


チャンミンの働くカフェの前。

2人とも仕事の日は、いつも一緒に地下鉄に乗ってチャンミンの店の前まで出勤する。
今日もいつものように、チャンミンは胸の前で小さく手を振りながら店の中に消えていった。

少し痩せたように見えるその華奢な背中を見送って、
俺は少し先のアルバイト先に向かって歩き出した。


このままでいいんだろうか・・・


そんな風に心の中で思いながらも、どうにもできずに時間は過ぎてゆく。


チャンミンは、〝辛い〟とか〝キツイ〟とか、そんな弱音は一切口にはしない。
いつも、仕事の話や、絵の話を楽しそうに俺に話してくれる。

ただ、ふとした時に見せる伏せた視線とか、無意識に付く小さなため息なんかが、
きっと、本人も気が付いていないチャンミンの本音の部分なんだろうと、少し俺の気持ちを沈ませた。



その日、昼のピークが過ぎた頃、、、


--- ユノ、今日は少し暇だし、早めに休憩して来い---

「はい、じゃあ、お先に・・・」


凝り固まった肩をグルリと回して、休憩室に向かおうとした俺を、


--- おい、ユノ! ---


先輩の声が、引き留める。


「はい」


振り向くと、、、

カウンターの向こう。
俺を見て、恐縮したように小さく頭を下げるのは、、、


「お前・・・」

--- すいません---

「たしか・・・」




〝チョ・ギュヒョンです〟



「キュヒョン、、、だっけ?」


チャンミンの親友の、キュヒョンだった。








「ほら、食えよ」

--- すいません、仕事中に押しかけてしまって・・・---


いつもチャンミンと迎え合わせに座る、一番奥のテーブル。
今日は、なぜかチャンミンの親友、キュヒョンと向かい合う。

テーブルの上に置かれたトレイには、チーズバーガーとコーラが2つずつ。


「いや、ちょうど休憩に入るところだったから・・・」

--- そうですか。よかった---


俯いたままで、なにやら深刻な顔。
トレイの上のチーズバーガーを1つ手に取り、包みを開いて一口頬張った。


「お前も食えよ」

--- は、はい、、、頂きます---


何も話さず、向かい合ったまま黙々と食べ続ける。
最後の一口を喉に通して、ストローからコーラを思いっきり吸い込む。

ジュワっとする刺激と冷たさが、喉を通り過ぎると、
俺はコーラをトレイに戻し、イスの背もたれに背中をドスンと預ける。

そして、目の前でちまちまとチーズバーガーを食べてるキュヒョンをじっと見つめた。


暫くすると、俺の視線に気が付いたのか、
ハッとした表情をしてごくりと喉を鳴らす。


食べかけのチーズバーガーをトレイに戻し、
キュヒョンは姿勢を正すと、戸惑いながらも俺と視線を合わせた。


「で? 何か話があるんだろ?チャンミンの事か?」


腕を組み、そう言うと、キュヒョンは小さく頷く。


--- あいつ、ユンホさんのところに居るって---

「ああ、そうだけど、、、」

--- 学校にも全然出てこなくて、、、辞めるとか言ってるし・・・---

「・・・・・」

--- 前から、あいつが絵を描きたいって、、、それは知ってました。
けど、突然、何がどうなってんだか、、、俺の話なんてちっとも聞かなくて・・・---

「・・・・・」

--- ユンホさん、なにか知ってますか? あいつ、一体何考えてるんだか・・・---

「・・・・・」

--- お願いです。今ならまだ間に合います。あいつを説得してくれませんか? 学校に戻るように---

「けど、チャンミン自身の意志だろ? 俺が、、、というか、誰もあいつの人生にとやかくいう権利はないはずだ」

--- ・・・・・ ---


俺は、キュヒョンの言葉の続きを遮るように話を続ける。


「本当は、絵を描きたいって、そう言ってた。なら、そうしたらいいって、、、俺があいつにそう言った」

--- ユンホさんが?---

「ああ、そうだ。たった一度の人生なんだ。自分のやりたい事をしろって、諦めるなって、、、」



その時、キュヒョンの穏やかな表情が一瞬で変わった。



--- どうしてそんな無責任なことをあいつに言ったんですか? ---


さっきまでとは違う、少しの怒りを含んだ低い声・・・


「無責任?」

--- そうです。無責任です---

「・・・・・」

--- あいつがもし、好きな絵で生きていけなかったらどうするんですか? ---

「・・・・・」

--- あいつの人生に、責任とれるんですか? ---

「えっ?」

--- ユンホさんの言うことも分かります。チャンミンの人生だ。だから、誰にも何も言う権利はないって・・・
けど、それだけじゃ済まされない人間だって、この世の中にはいるんです---

「それだけじゃ済まされないって、、、どういう意味だよ?」

---自分だけの人生じゃない。父や母、兄弟姉妹、祖父母・・・
自分がどう生きるかによって、周りの家族の人生も変わってしまう。そんな人生・・・---

「周りの人生、、、」

--- あいつは、そういう普通じゃない人生を、、、決められた人生をもって生まれた特別な人間なんです---

「特別・・・」

--- 分かるんです。あいつの気持ち・・・きっと今、心が揺れてるはずです。
あいつは賢いから、、、すべて分かってる---

「キュヒョン、、、」


もしかして・・・
お前も?

俺が名前を呟くと、キュヒョンの固まった表情はふっと緩み、
目じりを寂し気に下げた。


--- 分かるんです。あいつの心、、、俺もあいつと一緒だから・・・---



自分がどう生きるかで、大切な家族の人生をも変えてしまう。


普通じゃない人生・・・
特別な人間・・・


--- 自分だけの意志では、生きることは出来ない。
普通の人とは、違う世界で僕たちは生きてる---

「・・・・・」

--- あいつだって、本当は分かってるはず---



俺とは違う・・・

生きる世界が違う・・・・・









19へつづく

読者の皆さま、こんにちは。

ギュの言葉、なかなか重いですね。
ユンホさんは、その言葉をどう受け止めるでしょうか。

続きも楽しみにしてくださいね。




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続 チーズバーガーとコーラとあなた。1






「どう? 仕事、少しは慣れたか?」


チャンミンとこの部屋で暮らすようになって1ヶ月が過ぎようとしていた。

狭いベッドに背中合わせに横たわる。
ようやく、背中に感じるチャンミンの気配に慣れてきた。



・・・・・「はい。けど、ユンホさん、、、働くって大変なんですね」



しみじみと、そう言葉を吐きながら、チャンミンは微かなため息をついた。

今までなんの苦労なく、金や物に不自由もなかっただろうお坊ちゃまが、
その生活を捨てて、こんな小さくてボロいアパートでアルバイトしながら生活してるって・・・

きっと、身体も心も疲れてるに違いない。


「お前さ、そう言えば学校はどうしてんだ?」

・・・・・「はい、今のところは休学ということになってるようですが、、、」

「戻んないのか?」

・・・・・「その、、、つもりです」


なんとなくだけど、
チャンミンの言葉の端々が、揺れているように感じた。

部屋の隅の、チャンミンが絵を描く小さなスペース。
カーテンの隙間から差し込む月明りが、描きかけの絵をぼんやりと照らしている。



〝カフェのテラスから見える街の風景が、とても面白くて〟



そう言ってたのは、どのくらい前だろう。
あれからちっとも、絵は進んでいない。


アルバイトと家事で、毎日忙しそうなチャンミン。
慣れない生活・・・

俺がダンスのレッスンで居ないときも、部屋の掃除をしたり、食事の準備をしたり・・・
あの場所でゆっくりと絵を描く時間は、あまりなさそうだ。

ふっと、頭の中に過ったのは、
チャンミンが以前住んでいた、あの立派なマンションのあの一室。

ゆったりとしたあの広い部屋は、ただ、好きな絵を描くためだけの空間・・・

俺には分からないけれど、きっと絵を描くための道具なんかも、
沢山揃っていたに違いない。


こことは大違いだ。


好きな絵を、思うだけ描きたくて選んだ道なのに、
こんな小さくて何もないところで、時間に追われて絵も描けなくて・・・

俺は、チャンミンに余計な負担をかけているんじゃないだろうか。


「なぁ、チャンミン、お前さ、、、」

・・・・・「・・・・・・」

「チャンミン?」


振り向こうと思ったけれど、
それよりも早く俺の耳に届いたのは、チャンミンの穏やかな寝息だった。

ゆっくりと、チャンミンを起こさないように体勢を変える。
目の前の背中は、くるりと丸くなって呼吸のたびに、小さく揺れていた。


「チャンミン、ごめんな」


その背中に、掌で触れてみる。
チャンミンの温もりと鼓動が、掌からじんわりと伝わってくる。


・・・・・「んっ、、、ユンホさ、、、」


慌てて掌を引き戻すと、
チャンミンは、俺の名前を呟きながら寝返りをうった。

目の前に、チャンミンの穏やかな寝顔・・・
長い睫毛が、とても綺麗で・・・

ドキドキして、思わず息を止めた。

触れたいけど、触れちゃいけない。
じっと見つめていたその時・・・

まるで、スローモーションのように、ゆっくりとチャンミンの瞼が開く。

大きな瞳が、俺を捉えた。



「チャ、、、チャンミン?」


驚かさないように小さく囁くと、寝ぼけているのか、
俺の顔をじーっと見つめたままで・・・

その可愛さに、俺も目が離せなくなった。

どのくらいの間、俺たちは見つめ合っていただろう。
それは、数秒のようにも感じたし、数時間のようにも感じられた。

静かな夜の、静かな部屋。
その静けさを破ったのは、チャンミンだった。


・・・・・「ユンホさん、、、」

「ん、、、ん?」

・・・・・「すき、、、」



にこっと微笑んだと思ったら、
丸めた身体を、抱え込むようにさらに小さくして、、、


「チャ、、チャンミン?」


すり寄るようにして、俺の胸の中にぴったりと寄り添ってきた。


・・・・・「温ったかいね」

「ん、ん、、、そうだな」


狭いベッドの真ん中で、俺たちは寄り添いあってお互いの高鳴る鼓動を聞いていた。
暫くするとまた、チャンミンは眠りの中に戻ってゆく。


俺は、そっとチャンミンの背中に腕を回して、
ぎゅっとチャンミンを引き寄せた。



このままでいいんだろうか・・・



〝なんの努力もしないで、ウジウジしてばっかり〟
〝自分のやりたいこと諦めちまってるお前の気持ちなんて分からない〟




チャンミンの為を思って、口にした言葉。

けれど、俺が感情的に放った言葉で、
チャンミンの人生を狂わせたんじゃないだろうか、、、


俺の胸の中で、すやすやと眠るチャンミンの温もりを感じながら、
俺は一晩中、そんなことを考えて眠ることが出来なかった。









18へつづく

読者の皆さま、こんにちは。

年の瀬で忙しない毎日ですが、
皆さまどのようにお過ごしでしょうか?

小学校勤務の息子はすでに休みに入り、
高校生の次女は、朝から夜まで部活の練習で留守にしています。
専門学生の長女は、今日でようやく2学期が終わるようです。

子供たちが小さい頃は、冬休みで賑やかだったのに、
大きくなったら年の瀬も静かなわが家。

昨日テレビで、帰省ブルー って言うのを特集していましたけど、
大きくなったら、一緒に帰省もしなくなって、
旦那の実家に旦那と2人だけとか、マジ勘弁してほしい(笑)

私もすでに、帰省ブルー(~_~;)フフ



それでは、本日はこのへんで。
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続 チーズバーガーとコーラとあなた。1






・・・・・「ユンホさん、ごはん出来ましたよ~」

「ん、、、あと5分だけ」

・・・・・「ダメです。バイトに遅れますよ?」

「んっ、、、眠いっ」

・・・・・「今日から僕も一緒です」



チャンミンがこの部屋に来てから1週間が経つ。



----------------------------



「どういうことが、ちゃんと俺に説明しろ」


あの日・・・
少しの荷物と一緒に、チャンミンがこの部屋にやって来た日。

小さなテーブルを挟んでチャンミンと向き合った。


・・・・・「この10日間、その絵を見ながらずっと考えました」


テーブルに立てかけた〝俺〟が描かれたそれを、優しい視線で見つめながら、
チャンミンは感慨深げに言葉を続けた。


・・・・・「今までずっと、自分には決められた道があって、その道に反することなど出来ないって・・・」

「・・・・・」

・・・・・「祖父や父に逆らうなんて、、、そんなこと、1度も考えたこともなかった」


ドキッと心臓が揺れる。
チャンミンの大きな瞳が、俺を見つめて・・・


・・・・・「けど、ユンホさんに言われて気が付いたんです」

「・・・・・」

・・・・・「見て見ぬふりをしてました。自分で、その道を塞いでた」

「チャンミン、、、」

・・・・・「父や祖父のものじゃない。誰のものでもなくて、僕の人生です。悔いなく生きたいって・・・」

「・・・・・・」

・・・・・「怖がらずに、努力してみようって・・・」

「チャンミン、、、」

・・・・・「頑張ってみようって・・・」

「そっか、、、」



嬉しかった。

俺の言葉から、チャンミンが1歩進むことを決断したこと。
その想いを感じてくれたこと・・・

テーブルの上のチャンミンの手、、、
なんだかとても小さく震えているようで、思わずその手に自分の手を重ね合わせた。


・・・・・「ユンホさん、、、」

「俺が応援してやるから、、、」

・・・・・「うん」

「俺はいつだって、お前の味方だから、、、な?」


重ね合わせた手。
掌を大きく広げて、指を絡めて握り合った。

そのまま、俺は小さなテーブルの向こう側まで身体を伸ばし、
うっすらと赤く染まったチャンミンの頬に、そっと口づけた。




----------------------------




「なぁ、チャンミン」

・・・・・「はい」

「これ、マジで美味い」


チャンミン特製の、とろとろチーズのオムレツ。
この1週間の朝食は、毎朝チャンミンのお手製だ。


・・・・・「ほら、ユンホさん。お野菜も食べないと、、、」


生野菜の入った皿は、苦手な野菜ばっかりだけど、、、


・・・・・「はい、あーんして♡」

「あーーーん♡」


差し出されたフォークに刺された真っ赤なフルーツトマトが美味しそうに見えるのは、
チャンミン効果なのか?


「で、お前さ、今日からなんだろ?」


時計をちらっと気にしながら、温かいカフェオレを飲み干す。


・・・・・「はい。ちょっとドキドキしてます」


チャンミンは、俺に世話になってばかりじゃいられないからと、
早々にアルバイトを決めてきた。


・・・・・「でも、すぐ近くにユンホさんがいると思うと、とても心強いです」


俺が働く店から歩いて3分ほどにある、オシャレなカフェ。

店に入ったことはないけれど、コーヒーが美味しいとかで、
最近、雑誌にも取り上げられた人気の店らしい。


「頑張れよ。終わったら、店に来て待ってろ」

・・・・・「ふふ、、、」


チャンミンは、なんだかとても嬉しそうに笑って、
俺をじっと見つめる。


「なんだよ?」

・・・・・「ずっとユンホさんと一緒に居られて、好きな絵も好きなだけ描ける」


チャンミンの視線が、ゆっくりと俺から動いてゆく。

散らかり放題のこの狭い部屋を、チャンミンが綺麗に掃除してくれた。
思ったよりも広かったこの部屋の角の少しのスペースに、チャンミンの絵を描く場所が出来た。


俺は、その場所の壁に、チャンミンが書いた〝俺の絵〟を飾った。


「今度、休みを合わせてどこかへ出かけないか?」

・・・・・「えっ?」

「そうだな、景色の綺麗なところへ行って絵を描けよ」


そう言うと、チャンミンの顔にぱーっと大きな花が咲いた。


・・・・・「ユンホさんとお出かけ、、、嬉しいな。楽しみにしてます」

「ああ、、、ほら、チャンミン。そろそろ行くぞ」


カバンを手に持ち、立ち上がって玄関へ向かう。


・・・・・「待ってくださいっ」


同じように立ち上がったチャンミンは、リュックを背負って俺の後を追う。




鍵をかけるのはチャンミンだ。


・・・・・「戸締り完了です」

「よし、行こう」


そっと手を差し出すと、
恥ずかしそうに小さく笑ったチャンミンが、遠慮がちに俺の手に触れる。


俺は、その手を掬い取って、指を絡めてぎゅっと握りしめた。









17へつづく

読者の皆さま、こんにちは。

2人の同居生活が始まりました。
甘いです♡
私も、あ~ん♡ってしたい(笑)旦那じゃないよ、ユノと(笑)

2人のこの同居生活を見守ってあげてくださいね。



それでは、今日も19時に『恋の予感。番外編』の続きを更新します。
クリスマスは終わっちゃいましたけど、最後まで書かせてね(笑)フフフ

お部屋でお待ちしています。
いつもご訪問ありがとうございます。







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