FC2ブログ




※ 無断転載禁止 ! ※


当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください



前回のお話はこちらから →  映画みたいな恋をした。78





私の心の中のお話です。
ご了承ください。




ベッドサイドの小さな灯りだけが、この広い部屋をぼんやりと照らしている。

静まりかえった部屋。

耳を澄ますと、レースのカーテンの向こうから、
微かに聞こえる波の音。

僕とヒョンは、それぞれのベッドの上で、
背を向け合って眠る。


時間は、分からない。
ヒョンが起きているのか眠っているのかさえ、、、



〝おやすみ〟



そう言ってベッドに入ったのは、もう随分前のように感じる。

瞼を閉じて、どうにか眠ろうとしたけれど、
ヒョンの気配に緊張しているのか、、、どうしても眠れなかった。


どのくらいの時間が経った頃か、、、

ヒョンが寝返りを打ったのか、
隣りのベッドから、布ずれの音が聞える。

一気に自分の心臓がドクン、、、と高鳴ったのを感じた。
ヒョンの視線を、背中に感じたから、、、




映画みたいな恋をした。5





「チャンミン、、、」


小さな小さな声で、ヒョンが僕の名を呼ぶ。


「チャンミン、寝てる?」

・・・・・「ううん、眠れなくて、、、」


振り向かず、背中を向けたままそう言うと、


「チャンミン、、、」

・・・・・「・・・・・」

「そっちへ、行ってもいいか?」


なんて返事をすればいいのか、考えあぐねていると、
ガサガサと音がして、すぐに僕のベッドが揺れて沈んで、、、


・・・・・「ヒョン、、、」

「ん?」


温かい腕が、僕の背中をぐるりと包んだ。


・・・・・「ぼ、僕、まだ何も言ってないよ」

「ん、、、ダメか?」


ぎゅっと背後から抱きしめられて。
心臓が跳ねる。


「いいだろ?」

・・・・・「うん、、、」


掠れるような声で、僕はそう答えた。


ヒョンの腕から伝わる熱が、
僕の身体を温めてくれる。

ヒョンの匂いが、僕の心臓を痛い程高鳴らせる。
けれど、それがとても心地よくて、、、


僕は、ぐるりと身体を回転させ、
ヒョンの腕の中に、すっぽりと丸く収まった。


・・・・・「ヒョン、、、」

「ん?」

・・・・・「ヒョンは、温かいね」


ドクン、、、ドクン、、、と、ヒョンの鼓動が、
触れた部分から僕の身体にも伝わってくる。


「チャンミン」

・・・・・「・・・・・」

「このままずっとこうしていたいな」

・・・・・「うん」

「何処へも行くなよ、チャンミン」

・・・・・「ヒョンも、、、何処へも行かないでね」


僕を抱くヒョンの腕に、ぎゅっと力が籠る。
ヒョンにしがみつく僕の腕にも、、、


会えなくなるわけじゃない。
それは分かっていても、こんなにも悲しくて苦しくて切なくて、、、


「チャンミン、、、」


顔を上げると、薄暗い中でもはっきりと見える、
黒く、深く、美しい瞳が、僕の心を捉え、惑わせる。

ゆっくりと、ヒョンの唇が落ちてくる。
僕は目を閉じ、ヒョンの少し冷たく冷えた唇を受け止めた。


お互いの冷たい唇が、重なることで熱を生み、
次第に溶け合ってゆく。

気がつけば、ヒョンの舌が僕の口内を這いずり、
全てを食い尽くすかのように、舌を絡め、唾液を交ぜ合う。


・・・・・「んっ、、、ヒョ、、、」


息ができないくらい、隙間なく重なる唇。
肩で息しながら、それでも離れたくないと自分からヒョンの舌に自分の舌を絡めてゆく。


長い長い口づけ、、、

名残惜しく離れてゆくヒョンと僕の間には、
繋がる唾液の糸、、、


「なぁ、、チャンミン」


大きな掌が、僕の頬を捉えて、、、


「お前を抱きたい、、、」

・・・・・「えっ?」

「お前が欲しい」

・・・・・「ヒョン、、、」

「俺のもんだって、、、俺だけのもなんだって、、お前の身体の奥深くに印をつけたい」


余りにも真剣で真っすぐで、、、


伝わってくるんだ。
ヒョンの気持ちが、心が、、、


だから、、、


・・・・・「うん、、、いいよ」

「チャンミン、、、」

・・・・・「僕も、、、」

「・・・・・」

・・・・・「僕もヒョンが好きだから、、、」


ヒョンがそれを望むなら、
応えてあげたい。

怖いけど、、、
不安だけど、、、


それ以上に好きだから、、、
愛しているから、、、


ヒョンが身体を起こし、
僕に覆いかぶさる。


「好きだよ」



見上げるヒョンの顔が、余りにも真剣で、、、

知らない人に見えたんだ。








80へつづく

福岡遠征中は、〝恋の予感。〟を読んで下さってありがとうございました。
思ってた以上に、沢山の人に喜んでいただいたようで、嬉しかったです。
また、〝恋の予感。〟の2人を、、、とリクエストいただいたので、ちょっと挑戦してみますね。

こちらの〝映画みたいな~〟に戻るのが少々怖い気もするのですが(苦笑)
よろしければこのお話も変わらず、応援していただけたら嬉しいです。


それでは、午後も素敵なひと時を♪
いつもご訪問ありがとうございます。





こころ。

ランキングに参加しています。
いつも応援ありがとうございます♪

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村



スポンサーサイト







※ 無断転載禁止 ! ※


当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください





私の心の中のお話です。
ご了承ください。




ソジュンさんの事務所からどのくらい走ったか、、、

その間、車の中は怖い程静かで、
僕もヒョンも、何も話さずただ、前を向いて過ぎてゆく景色を見ていたように思う。


車が止まって、ヒョンがエンジンを切る。

エンジン音が途切れ、静かになったことでようやく我に返った僕は、
俯いていた顔を上げて、回りを見渡した。

目の前には、少し古びた洋館のようなホテルが見える。


「着いたよ」

・・・・・「うん」


なのに、僕もヒョンも動こうとはしない。
車のシートに身体を預けて俯いたまま、、、


「帰るか?」


突然のヒョンの言葉に、驚いた僕。
咄嗟に首を横に振る。


・・・・・「イヤだよ。帰らない」

「でも、、、」


申し訳なさで胸が痛む。
折角、ヒョンが忙しい中、僕のために時間を作ってくれたのに、、、


・・・・・「ヒョン、ごめんね、、、」

「チャンミンが謝ることはない」

・・・・・「僕、ヒョンと一緒に居たい」

「・・・・・」

・・・・・「暫く会えなくなるんだよ。だから、今は少しでも長くヒョンと居たい」


そう言うと、ヒョンは少し無理をして笑顔を作って、
僕の髪に手を伸ばし、そっと触れる。


「行こう、チャンミン」



映画みたいな恋をした。5



・・・・・「わぁ、、、凄く景色がいいね」

「だろ? 」


通されたホテルの部屋から、海が見える。
微かに聞こえる波の音と、緩い海風がとても心地いい。


バルコニーに出て、その景色を眺めていると、


「寒くないか?」


ヒョンが隣に立ち、僕の肩に腕を回す。


・・・・・「うん、、、とっても気持ちいい」


冬の風はとても冷たい。
けど、ヒョンが傍に居てくれる。


「チャンミン、、、」

・・・・・「ん?」

「ソジュンなら、大丈夫だ」


ヒョンは分かってる。
僕が今、なにを考えているか、、、


・・・・・「うん」

「何時だったか、学生の頃さ、クラスで風邪が流行って、
伝染するみたいにクラス中のやつらが順番に欠席したのにさ、何故かあいつだけケロッとしてたり、、、」

・・・・・「・・・・・」

「テストの時間に、仲間内で回し合ってたカンニングペーパー、、、
アレもどうしてだかソジュンだけ見つからなかったしさ」

・・・・・「ヒョンたち、不良だったの?」

「はは、、、まぁ、やんちゃ坊主だったよな、あの頃、、、」


隣りのヒョンの顏・・・
遠くの海を見つめながら、ふっと寂しそうに笑ってる。


ヒョンもきっと、ソジュンさんのことが気がかりなんだね。


「とにかく、あいつは運がいい男なんだ。きっと病気になんて負けないさ」

・・・・・「うん、そうだね」

「それに、、」

・・・・・「・・・・・」

「あいつは忘れないよ、きっと、、、」

・・・・・「・・・・・」

「お前のこと、、、絶対に、、、」



ヒョンの言葉が、僕の心をどれだけ落ち着かせてくれたか、、、
その時、やっと息苦しさから開放された気持ちになった。


「俺はすぐに釜山に行かなきゃならない」

・・・・・「うん、、、」

「チャンミン、あいつの、、、ソジュンの力になってやってくれ」


正直、ヒョンがそんなことを言うなんて思ってもみなかった。


・・・・・「ヒョン、、、」

「俺さ、ソユンのことで、チャンミンを何度も泣かせたし、不安にもさせた」

・・・・・「・・・・・」

「でも、お前は俺を信じてくれただろ?だから、俺もお前を信じる」

・・・・・「ヒョン、、、」

「遠く離れてても、お前がどこで誰と居たって、、、」


僕の肩の上のヒョンの手に、ぎゅっと力が入るのを感じる。

その手に自分の手を重ねて、、、


・・・・・「どこに居ても誰と居ても、僕の心にはヒョンが居る」

「ん、、、」

・・・・・「ヒョンの心にも僕が居る」

「そうだな」


ヒョンが笑った。

僕もその笑顔を見て笑う。


信じられる。
信じ合える。

きっと大丈夫。


・・・・・「ヒョン、、、」

「ん?」

・・・・・「お腹空いた。何か食べに行こう」


突然の僕のその言葉に、ヒョンは面食らったように目を見開いて、
そして、、、


「よし、行こう」


ヒョンは、笑いながらぎゅっと僕を抱きしめた。

いつの間にか冷えた身体が、
ヒョンの熱でジワリと温まってゆく。



今は、2人で過ごすこの時を、大切にしよう。

離れていても、ヒョンが僕のことを心配しなくてもいいように。
会えない日が続いても、ヒョンが不安にならないように。

僕のこの気持ちを、ヒョンに真っすぐに伝えよう。



・・・・・「ヒョン、、、」

「ん、、、」

・・・・・「好きだよ、、、」








78へつづく

読者の皆さま、こんにちは。

昨日、美容室に行ってきたんですけど、
結局バッサリ切れず(笑)
なのに、前髪が・・・・またこけしみたいに短く、、、(~_~;)ナク

読者さまも沢山の方が昨日美容室で美しくなられたようで、
皆さんのツアーに向けての気合が感じられます(^^♪フフフ

昨日は、「星月。番外編」に沢山コメントありがとうございました。
コメントの中で、私の腰の具合を心配して下さる読者さまが沢山居てくださって、
嬉しかったです。ありがとうございます。

なかなかスッキリとはしないのですが、痛みが酷くなったりすることもなく、
腰痛体操を続けながら用心しています。

いい歳なので、腰や膝が痛くなっても仕方ないのかな、、、なんて思いながらも、
ライブ参戦に耐えうる身体をあと数年は維持したい!!(笑)

自分の身体を労わることも大切ですね。
皆さまもお身体には十分お気をつけになって、
これからも元気でライブ参戦しましょう(/・ω・)/フフフ


それでは、午後も素敵なひと時を♪
いつもご訪問ありがとうございます。





こころ。

ランキングに参加しています。
いつも応援ありがとうございます♪

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村







※ 無断転載禁止 ! ※


当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください





私の心の中のお話です。
ご了承ください。



・・・・・「気分悪くない?」


ソジュンさんをベッドに促し、
その身体をゆっくりと支え、横たえる。

足もとにズレた布団をかけると、ソジュンさんの左手が、僕に向かって伸びてきた。


--- チャンミン、、、---


その手を取り、強く握る。


--- もう会うことはないと思ってた ---

・・・・・「どうして?」

--- チャンミンを悲しませたく無かった。だから、会わない方が良いと思ったんだ ---



映画みたいな恋をした。5



--- 身体は、大丈夫だった? ---


あの事故以来、会ってなかったから、
きっと心配していたに違いない。


・・・・・「僕は大丈夫だよ、ほら」


あの時、打撲した腕をソジュンさんに見えるように高く上げる。


--- そうか、よかった---

・・・・・「僕も、、、」

--- ・・・・・ ---

・・・・・「僕もずっと心配してた。ソジュンさんのこと、ずっと、、、」


ソジュンさんは、目に涙を滲ませながら微笑んだ。
なんて悲しい笑顔なんだろう。


---ごめん、、、ごめんね、チャンミン---


僕が泣いてはいけなかったのに、、、
笑っていないと、、、

だけど、僕のそんな気持ちとは裏腹に溢れてくる涙を、どうしても止める事が出来なかった。


--- チャンミン、泣かないで、、、---

・・・・・「ソジュンさん、、、」

--- 僕の事なら、チャンミンが気にすることじゃない。大丈夫、、、---

・・・・・「大丈夫じゃないよっ!!」

--- チャンミン、、、---

・・・・・「イヤだよ、僕を忘れないで、、、お願いソジュンさん、、、」


ソジュンさんのベッドに顔を伏せ、
僕は声をあげて泣いた。

ソジュンさんの手が、僕の髪を優しく撫でてくれる。


背後から扉をノックする音が聞えて、、、


「チャンミン、、、」

--- 先生、、、---


ヒョンが、泣き崩れている僕の身体を優しく起こし、ぎゅっと抱きしめてくれる。


「泣くな、チャンミン、、、」


その身体にしがみつく。
僕を包むヒョンの腕が、小さく震えている。


--- 先生、ご気分はいかかですか? ---

--- うん、、、大丈夫、、、---


担当さんの顔が、ようやくほっと安心したように緩んで、、、


「ソジュン、、、」

--- ユンホ、お前にも迷惑を、、、悪かったな---

「そんなことどうでもいい」

・・・・・「ヒョン、、、?」


ヒョンの声が、硬く冷たい。

しがみついていた腕を解き、ヒョンに視線を向ける。
ヒョンは、ベッドの上のソジュンさんを強い視線で見つめていて、、、

そして、、、



「治療を受けろ」

--- ・・・・・ ---

「俺のチャンミンを、これ以上悲しませるな」

・・・・・「ヒョン、、、」

「分かったな、ソジュン、、、」


ソジュンさんは何も言わなかった。
ただ、ヒョンのことを悲しげな瞳で見つめていた。


「行くぞ、チャンミン、、、」

・・・・・「ま、待って、、、」


僕の腕を取り、速足で扉に向かう。


・・・・・「ソジュンさんっ、、、」

--- チャンミン、、、---

・・・・・「また来るから、、、待ってて、、、僕を忘れないで、、、」


パタンと、、、扉が閉じて、ソジュンさんは見えなくなった。


ヒョンの脚が止まって、、、


「行こう、、、」

・・・・・「ヒョン、、、」

「行こう、チャンミン」


ヒョンに対して、僕はとても残酷なことをしている。
分かってる。


・・・・・「ゴメンね、ヒョン、、、」


ヒョンは何も言わなかった。

後ろ髪を引かれる思いで、僕とヒョンは、ソジュンさんの事務所を出た。


担当さんが、見送りに来てくれて、、、


--- ご迷惑をおかけしました ---

・・・・・「また来ます。ソジュンさんはずっとここに?」

--- 本人の希望で、、、変わったことがなければ、暫くはここに、、、---

・・・・・「分りました。ソジュンさんに伝えてください。また来るからって、、、」

--- あの、、、このことは口外しないようにお願いします ---

「分かってます。ソジュンに無理しないようにと、伝えてください」

--- はい、ありがとうございます---


丁寧に頭を下げて、担当さんは僕たちを見送ってくれた。


ドアを開け、車に乗りかけた時、、、


--- シムさん、、、思い出しました ---

・・・・・「・・・・・」

--- シムさんと初めて会った時、どこかで聞いたことのある名前だなって、、、でも思い出せなくて、、、---


〝ん? チャン、、、ミン?〟


--- 思い出しました。先生が高熱を出されて臥せっている時、うわ言で貴方の名前を、、、---




ソジュンさん、、、

僕が何か出来る事があるだろうか?

貴方が僕を温めてくれたように、
僕も貴方を温めてあげたい。

支えてあげたい。
助けてあげたい。


--- また来ます---



走り出した車、、、

サイドミラーに映る担当さんの姿が、小さくなって、そして消えた・・・・・










78へつづく

読者の皆さま、こんにちは。

昨日、足首捻って傷めてしまいました。
9月の事故で首もスッキリしないし、腰は痛いし、足首まで(;・∀・)
身体中が湿布だらけ(笑)

今日は午後から美容室へ行ってきます。
去年の日産前に短く髪を切ったんですけど、
それ以来ずーっと伸ばしてて、それが最近めっちゃ鬱陶しくなってきて(笑)
またバッサリ切るか、まだ悩み中。



それでは、午後も素敵なひと時を♪
いつもご訪問ありがとうございます。



こころ。


ランキングに参加しています。
いつも応援ありがとうございます♪

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村







※ 無断転載禁止 ! ※


当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください





私の心の中のお話です。
ご了承ください。




・・・・・「記憶、、、障害、、、」


担当さんの話が、頭の中に入ってこなかった。

ただ、僕に理解できたのは、ソジュンさんは病気に罹っているということ。
頭の中に、良くないものが出来てしまって、それがソジュンさんの〝記憶〟の邪魔をしていること。

そして、ソジュンさんが病院での治療を拒否しているということ。


部屋の中は暖房が効いていてとても温かいはずなのに、
身体の震えが止まらない。


・・・・・「ソ、ソジュンさんは、、、だ、大丈、、、」


頭の中が混乱して、上手く言葉も出て来ない。


その時、スーッと僕の隣りから伸びてきたヒョンの手が、
震える僕の手に重なる。

ぎゅっと握られた手。

その力強さと温かさに、動揺して震えていた身体が少しづつ落ち着きを取り戻していく。


「何時からですか?」


話せない僕の代わりに、ヒョンが話を引き取ってくれた。



映画みたいな恋をした。5



--- 病気が発覚したのは丁度1年前です。頭痛が長く続いていて、、、
先生は嫌がられたんですけど、心配だったので、僕が無理やり病院で検査を、、、---

・・・・・「でも、今まで特に変わったことは何も、、、 」

--- はい。暫くは薬で落ち着いていたんですが、ここ数か月で随分悪くなって、、、---


そんな、、、

そんな話、信じられない、、、


--- ただ、先生の場合、記憶の欠如が連続でつづくのではなくて、忘れると思い出すを繰り返すんです ---

・・・・・「じゃあ、もしかしたら僕のことも思い出すかも、、、ってことですか?」

--- はい。ただ、正常な状態でいる時間が、最近短くなってきたように思います。
頻繁に、今日のような事があって、、、医師によると、このまま適切な処置しなければ、いつかは、、、---

・・・・・「いつかは?」

--- 記憶を失くして、そして、、、 ---



嘘だ。
そんな事、嘘に決まってる。



・・・・・「ソジュンさんに会いたい。いいですか?」

--- えぇ、、、勿論です---


繋いでいたヒョンの手を解き、ソファからよろよろと立ち上がる。


この部屋に来たのは2度目。
だから、ソジュンさんが今どこにいるのか、僕は知っている。


ソジュンさんが眠るベッドルームに向って歩き始める。
ヒョンは、何も言わないでいてくれる。

リビングの扉に手を伸ばしたその時、、、


--- あの、、、---

・・・・・「・・・・・」

--- シムさん、貴方は先生とはどういう、、、---

・・・・・「ソジュンさんは、僕の大切な人です」


冷えた僕の身体を温めてくれた人。
穏やかな優しい笑顔で、僕の傷ついた心を癒してくれた人。

大切な人、、、
僕の、大切な、、、


・・・・・「ヒョン、少しだけ、、、」

「あぁ、ここで待ってる」


ごめんね、、、
そう、心の中でヒョンに詫びて、僕はリビングを出た。




寝室の前。

眠っているであろうソジュンさんを起こさないように、静かに扉を開く。


・・・・・「ソジュン、、、さん?」


驚いたことに、ソジュンさんはベッドの中ではなく、
窓際に立ち、外の景色をじっと見つめていた。

凛とした立ち姿。

以前と何も変わらなく見えるのに、
そんな残酷な病気に罹っているなんて、、、

けど、さっき海で見たソジュンさんの様子から、
担当さんの話が大げさではないことは理解できる。


・・・・・「ソジュンさん、、、」


どんな言葉が返ってくるのが、ドキドキしながら名前を呼んだ。


すると、、、


--- チャンミン? ---

・・・・・「ソジュンさん、、、」


ソジュンさんが僕の名前を、、、

〝チャンミン〟

たった一言。
けれど、胸が痛むくらいに高鳴って、僕は思わずソジュンさんの元に掛け出した。


・・・・・「ソジュンさんっ」


腕を伸ばして、その身体をギュッと抱き締める。

僕を忘れてない。
僕を覚えてる。


--- チャンミン、、、どうして、、、---

・・・・・「会いたかったよ、ソジュンさん、、、」

--- 夢かと思ったけど、やっぱりチャンミンだったんだね ---


顔を上げて視線を合わせる。

変わらない穏やかで温かい笑顔。


・・・・・「夢って?」

--- これだよ、、、---


そう言って、右手を僕に向って差し出す。
その手には、僕が海で震えるソジュンさんに巻いたマフラー。


--- 見たことのないマフラーだったから、誰のかと、、、けど、チャンミンの匂いがしたから、、、---

・・・・・「ソジュンさん、、、」

--- 心配かけて、ごめんね ---


分かってるんだ。

ソジュンさんは、自分の病気のことも、記憶が時折消えてしまうことも、
そして、そのことを僕が知ったことも・・・


・・・・・「凄いね、ソジュンさん。僕を覚えててくれたんだね」


そう言うと、ソジュンさんはふっと笑って、、、


--- チャンミンのことだけは、これからもずっと憶えていたい---

・・・・・「・・・・・」

--- 忘れたくないよ---

・・・・・「ソジュンさん、、、」

--- 神様に、今、そうお願いしていたところだったんだよ---



神様どうか、ソジュンさんを助けてください、、、


どうか、、、





77へつづく

ランキングに参加しています。
いつも応援ありがとうございます♪

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村








※ 無断転載禁止 ! ※


当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください





私の心の中のお話です。
ご了承ください。



・・・・・「どうしたんですか? 何かあったんですか?」


直感だった。

車から見えた彼の表情が、
酷く動揺しているように見えて、、、

きっと、ソジュンさんに何かあったんだ。


--- 君が、どうしてここに? ---

・・・・・「そんなことより、ソジュンさんに何か?」



映画みたいな恋をした。5



その時、車からヒョンが降りてきて、
事情を知らないヒョンは、怪訝な顔をして近づいてきた。


「どうした、チャンミン、、、誰だ?」

・・・・・「ソジュンさんの担当編集者の、オ・ソンウさんだよ」

「ソジュンの?」

・・・・・「担当さん、もしかしてソジュンさんに何か?」

--- い、いや、、、---


彼は、僕たちから視線を逸らし、口籠る。
隠せない動揺が、僕にも伝わってくる。


ついさっき通り過ぎてきたソジュンさんの事務所。
少し息を切らせているのは、あの場所から走ってきた証拠。


・・・・・「担当さん、事務所にソジュンさんが?」

--- じ、実は、、、---

・・・・・「・・・・・」

--- 2時間ほど前、散歩に出かけるといって出て行ったきり、、、---

・・・・・「散歩?」

--- 僕が着いて行けばよかったんですが、社からの電話対応をしてて、、、その後、つい転寝を、、、---



どういうこと?
散歩に出かけたソジュンさんが、戻ってこないって、、、事?


・・・・・「あの、、、」

--- 急ぎでは? ---

・・・・・「ヒョン、、、」


今日は、ヒョンとの大切な時間だ。
だから、ヒョンの了解を得たかった。

ヒョンに視線を向けると、ヒョンは僕の意をくみ取ってくれて、、、


「俺達に何か出来ることは?」

--- 事情は後ほど、、、申し訳ありませんが、辺りを探していただけたら、、、---

「分りました」

--- そう遠くへは、、、申し訳ありません---


担当さんと電話のナンバーを交換して、
僕とヒョンは、辺りを探し始める。


・・・・・「ヒョン、ごめんね」

「ソジュンの為じゃない。お前の為だ」


怪訝な顔をしながらも、
ヒョンは僕の腕を取り、一緒に歩いてくれる。

それがヒョンの優しさ。
嬉しかった。




この辺りは、あまり生活の気配がない。

ソジュンさんも言っていた通り、別荘地になっているようで、
特に冬のこの時期、人の気配は感じられなかった。


・・・・・「ソジュンさーーん」

「ソジュンっ!」


大きな声でソジュンさんを呼んでも、
静かすぎるこの辺りは、自分の声が響いて戻ってくるだけ。


どのくらい歩いただろうか、、、

探し始めて1時間が過ぎていた。
何時しか波の音が聞え初め、その音が次第に大きくなってゆく。


気がつけば、目の前には白い波、、、


そして、、、


「チャンミン、、、あれ、、、」


ヒョンの指差す方向。
ずっと先に見えるのは、波打ち際に立ち尽くす、、、


・・・・・「ソジュンさん?」


思わず駆け出す。


・・・・・「ソジュンさんっ!!!」


砂に脚を取られる。
何度も転びそうになりながら、僕は必死でソジュンさんの元に向って走った。


その距離は、決して遠くはない。
けれど、向かって吹く風と、足元の砂が、僕の行く手を阻む。


息を切らせて、ようやく、、、

けど、、、


・・・・・「ソジュンさん?」


ソジュンさんは、僕の知っているソジュンさんじゃなかった。

荒れる海をじっと見つめ、そこに立ち尽くす。
僕を見ようともしない。


・・・・・「ソジュンさん? 僕だよ、チャンミンだよ」


その呼びかけに、ようやく僕を見た。

唇は震え、青白い顔色、、、


僕は、首に巻いていたマフラーを外し、
ソジュンさんの首元に巻き付ける。

すると、硬かったその表情がふっと緩んで、、、


--- ありがとう ---


波の音にかき消されそうな小さな声で、ソジュンさんはそう言った。



「チャンミン、さっきの人に連絡を」


いつしか僕に追いついたヒョンに促され、担当さんに連絡を入れる。
まもなくやってきた担当さんは、


--- 先生っ!! ---


強張った表情のまま、ソジュンさんに駆け寄る。


--- 先生、大丈夫ですか? 怪我は? ---


ソジュンさんは、ふっと笑って、、、


--- 彼が、これを、、、---


僕のマフラーに触れて、、、


--- とても温かいよ ---

--- そうですか。良かったですね、先生 ---


担当さんは、ようやく表情を緩め、
何度も頷いていた。







・・・・・「どう言うことですか? ソジュンさんに何が、、、」


ソジュンさんの事務所。
ソファに並んで座るヒョンと僕に、差し出された温かいコーヒー。

テーブルを挟んで座る担当さんが、
小さく息を吐いて、、、


--- 実は、先生は、、、、、---









76へつづく

読者の皆さま、こんにちは。

連休に、息子が友達数名で、車で広島に遊びに行ったんですけど、

2019.11.03 広島お土産 もみじ饅頭

広島と言えばもみじ饅頭。
ということで、お土産にもらいました。

明日コンで広島に行ったときも思ったんですけど、
もみじ饅頭も、今やバラエティー豊かになりましたよね。
恐々食べたレモンクリームのが意外と美味しかったです。

それでは、午後も素敵なひと時を♪
いつもご訪問ありがとうございます。




こころ。

ランキングに参加しています。
いつも応援ありがとうございます♪

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村







最新記事